東京

浅草

ASAKUSA

威勢のいい下町の活気を感じられる、東京を代表する観光名所

東京都台東区の東半分を占める浅草は東京の下町と呼ばれるエリア。浅草は大きく3つに分かれるが、観光スポットが集中するのは浅草寺周辺の中央部。このエリアは浅草寺の門前町として発展してきた。観光の中心は雷門から浅草寺へ延びる参道、仲見世周辺だ。仲見世は日本で最も古い商店街のひとつといわれており、お菓子、土産物店がずらりと並ぶ。また、ほおずき市や酉の市、羽子板市などの市もたち、時期になると参道は人でごった返すほど。浅草寺の西側は「六区」と呼ばれ、浅草のなかでも賑やかなエリア。多数の芸人を輩出した浅草演芸ホールや、居酒屋の立ち並ぶホッピー通りなど、下町らしい雰囲気を感じられる。浅草寺周辺から少し離れた浅草西端には調理器具関連を扱う問屋街、かっぱ橋道具街がある。いずれも下町の活気を感じられる観光スポットとして、人気を集めている。

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エリアの見どころ

  • spot 01
    浅草寺
    東京最古の寺は下町最大の観光スポット
    広い東京では街ごとに個性があるが、下町の代表は浅草。上野駅の東、かっぱ橋道具街通りと隅田川の間、およそ1kmの間が特に商店などが密集する浅草エリアの中心で、そのさらに中心にあるのが浅草寺だ。
    巨大な本堂の屋根には約7万2000枚もの瓦が。2009年(平成21)の改修時にすべてチタン製の瓦になった
  • spot 02
    浅草神社
    別名「三社様」は浅草周辺の神社の中心
    浅草寺本堂に向かって右側にある石造りの鳥居。お寺の境内にある鳥居を奇異に感じる人がいるかもしれないが、もともと浅草寺と浅草神社は一体のものとして、長年多くの人からあつく信仰されてきた。
    浅草神社の鳥居と社殿
  • spot 03
    浅草花やしき
    日本現存最古のローラーコースターが人気
    観光地・浅草にある下町の懐かしさを感じる遊園地。江戸時代末期にまでさかのぼる歴史と、新旧織り交ぜたアトラクションは、観光客はもちろん地元住民の集いの場としても親しまれている。
    今も現役で走るローラーコースター。最高時速は42km/h
  • spot 04
    えびす屋浅草
    ひと味違う浅草観光を堪能する
    昔は運送用だった人力車が、風流な街並みの京都や下町の風情を残す浅草などでは観光用として活躍している。人力車観光の魅力は五感すべてで観光を楽しめること。引き手(俥夫、しゃふ)との会話、人力車の乗り心地、車高の高い位置からの見え方、三味線などの音色、風をきる爽快感など、歩くだけでは味わえない観光体験ができる。「えびす屋」は京都嵐山から始まって、浅草のほか全国の観光地で展開している観光人力車だ。30分、60分など、その場で利用したい時間を選んで乗車でき、コースは行きたい場所があればリクエストもできる。雷門から乗るなら、人力車ステーションからスタート。車の走る大通りはスピードに乗って駆けたかと思うと、浅草の街中の狭い路地はゆっくり走り、短い時間に変化に富む浅草の顔を見られる。俥夫は観光案内人も兼ねており、コース内の観光スポットや路地の説明、うんちくなど、工夫を凝らしたオリジナルな案内を聞くのも楽しい。
    観光案内も兼ねる俥夫(しゃふ)が、ポイントごとに観光スポットにまつわる話を聞かせてくれる
  • spot 05
    仲見世商店街
    浅草寺の参道は東京最古のショッピングモール
    浅草寺を参拝するために雷門をくぐって参道を歩くと、なかなか本堂にたどりつかない。なぜならそこには足を止めずにいられない、仲見世の商店街があるからだ。
    約250mの商店街はいつも人でいっぱい
  • spot 06
    人形焼木村家本店
    数ある浅草の人形焼店で最も長い歴史をもつ
    人形焼は江戸時代、歓楽街として栄えた日本橋・人形町で誕生。その後、娯楽の中心が人形町から浅草に代わり、人形町の菓子職人も浅草に移り住むようになった。木村家本店は1868年(慶応4)、浅草の地で創業以来その味を守り続ける老舗店。浅草人形焼の元祖といわれる。仲見世通りの最奥、浅草寺の真ん前に創業当時から変わらず店を構え、店頭はお参りを終えた人でいつも長蛇の列ができる。初代が浅草寺の境内にちなんで考案した五重塔、提灯、雷様、鳩の4つの型から作る人形焼は浅草寺のお土産にぴったりだ。木村家本店の厳選された卵と小麦粉を使った昔ながらの素朴なスポンジ生地は、浅草の味として今なお多くのファンを持つ。木村家の人形焼は小ぶりで餡入りと餡なしがあり、甘いものが苦手な人でも甘みの抑えられた餡なしならいくつでも食べられそうだ。人形焼は常温で1週間持つので大きな箱入りも人気。ほかに日持ちのする瓦せんべいもある。
    お土産にぴったりの4種類が入った人形焼はかわいい観音絵箱入りでひと箱500円。10個袋入りは餡なしもあり1袋600円
  • spot 07
    文庫屋大関 浅草店
    新しくも懐かしい風合いの文庫革
    1927年(昭和2)に東京の下町、向島で創業してから95年の長い歴史をもつ「文庫屋大関」。品質の高さで評判の姫路の真っ白な牛革に型押しし、一つひとつ彩色したあと、漆を使って古びた風合いをつけるために錆(さび)入れを行ったものを「文庫革」という。「錆入れ」こそ文庫革の特徴だが、この錆入れを昔ながらの製法で制作しているのは現在、「文庫屋 大関」のみ。彩色はそれぞれ手作業にもかかわらず常時100種類以上の柄がそろう。初代が描いた柄のリメイクのほか、季節やその時代に合った新しいデザインも日々生まれている。アイテムは長財布(2万3650円-)が売れ筋だが、身の回りのちょっとした小物など、こちらも種類豊富に取りそろえている。決して安い買い物ではないが、手作業のていねいな仕上げと長く使える品質の高さにリピーターも多い。手仕事によって作り上げられた文庫革は、ぜひ1つは持っておきたい日本の誇る工芸品だ。
    左から時計回りにスマホケース、ショルダーウォレット、人気の長財布、がま口財布、真ん中は印鑑ケース
  • spot 08
    浅草九重
    衣はサクッ、中はもっちりの絶妙なおいしさ
    仲見世通りの浅草寺から3軒目の「浅草九重」からは、いつも揚げ油の良い香りが漂う。13種類もある揚げまんじゅうは何を選ぼうか迷ってしまうほど、どれもおいしそうだ。いちばん人気は国産あずきをふんだんに使ったスタンダードなこし餡入り。抹茶やゴマのほか、カスタードは若者にも人気がある。しょっぱい味のチーズともんじゃの揚げまんじゅうもあり、食べてみるとチーズはピロシキのような癖になる味わいだ。外はサクッと中の餡はトロリとした揚げまんじゅうは、ボリュームがありながらも重さは感じられない。持ち帰りも可能で、消費期限は24時間。食べる前にオーブントースターか電子レンジで20秒ほど温めるとおいしくいただける。翌日以降に食べるなら日持ちのするお土産用もある。
    どんどん売れていく揚げまんじゅうは全部で13種類
  • spot 09
    浅草演芸ホール
    有名落語家も多数出演、年中無休の笑いの殿堂
    上野、新宿、池袋と並ぶ東京の落語定席のひとつ。有名な落語家はもちろん、テレビで大活躍の萩本欽一、ビートたけしなどのお笑い芸人や漫才師、講談師など数多くの芸人を輩出し、今なお芸人のホームグラウンドとして利用されている。
    のぼり旗や客引きは浅草演芸ホールの伝統のひとつ
  • spot 10
    ホッピー通り
    観光客や地元住民で賑わう、浅草きっての居酒屋通り
    「ホッピー」の赤ちょうちんがぶら下がる、下町の懐かしい雰囲気が人気のホッピー通り。居酒屋を中心に、煮込み料理、もんじゃ焼きなどを味わえる飲食店が軒を連ねる。
    夜が近づくと、ホッピー通りにはだんだん人が増えてくる
  • spot 11
    つくし
    浅草で老舗のもんじゃ焼きの店
    もんじゃ焼きの発祥は足立区で、お好み焼きの材料に水を入れて分量を増やし、焼いて大家族で分けあって食べたのが始まりとされている。浅草にもんじゃ焼きが根づいたのは、足立区から移住してきた人が浅草で店を構え、出し始めたのがきっかけだそうだ。つくしは創業60年弱の浅草で2番目に古いもんじゃ焼きの店。ホッピー通りに並ぶ飲食店のなかでも老舗で、芸人さんをはじめ芸能関係者も多く訪れる。もんじゃ焼きのメニューは36種類。「デラックス」(1100円)はつくしの定番メニューのひとつで、豚・牛・イカ・エビが入り、生地とは別にできあがったもんじゃにかける玉子が付く。生地はふんわり、しっかりした味もついて、ついついたくさん食べたくなる。そのほか、「ガクト(GACKT考案)」(1100円)、「超特急もんじゃ」(1200円)など、芸能人が考案したり食べたりしたもんじゃ焼きや、煮込み、鉄板焼きなども味わえる。
    1人前ながらボリューム満点のもんじゃ焼き「デラックス」
  • spot 12
    隅田公園
    八代将軍徳川吉宗が開放した由緒ある桜堤が有名
    隅田川沿いにある公園。水上バスの発着所としても利用されており、地元住民や仕事の合間にひと息つける憩いの場として人々が集う。春には桜、夏には花火とさまざまなイベントも楽しめる。
    園内には約440本の桜が植えられている
  • spot 13
    かっぱ橋道具街
    プロだけでなく素人も十分に楽しめる専門道具街
    大げさではなく日本のみならず、世界から厨房をあずかるシェフが道具を求めてやってくる専門店街。あらゆる道具や機器、設備がそろうところで、プロだけでなく料理に興味のある人なら何時間でもいられそうな場所だ。
    おなじみのキッチン用品が並ぶ店先
  • spot 14
    つば屋
    真っ先に立ち寄りたい料理道具店の原点
    1956年(昭和31)創業の料理包丁専門店。2か所の入り口から細長く延びた店内に並べられた1000本以上の和洋包丁は、プロ用から家庭用まで日本国内10を超える産地からのもの。壁にはむき出しのままの包丁が飾られているので思わず息をのむが、訪れる人は手軽に触って重さや持ち具合を確かめることができる。種類豊富にそろう包丁のなかでも、家庭用には肉、魚、野菜なんでも切れる三徳包丁が人気。よく切れる包丁を使えば料理もぐんとおいしくなるので、経験豊富な専門スタッフに相談して自分に合った一生ものを探してみよう。つば屋では柄の交換や包丁研ぎのアフターケアも責任を持って行っていて、買った包丁と安心して長く付き合うことができる。
    眺めるだけでも惚れぼれする切れ味の良さそうな包丁たち
  • spot 15
    元祖食品サンプル屋
    驚きと感動の食品サンプル製作体験
    食品サンプルは日本を代表する文化といえるだろう。「元祖食品サンプル屋」では海外からの観光客にも人気の食品サンプルを実際に自分で製作して持ち帰ることができる。初めてでも不器用でも、ていねいに教えてもらえるので、製作体験は連日大盛況だ。
    食品サンプル製作キット「さんぷるん」で、おなじみの宙に浮いたスパゲッティも自分で作れる。ナポリタンは2200円
  • spot 16
    浅草酒膳一文本店
    江戸時代の庶民料理、ねぎま鍋を味わう
    ねぎま鍋とは、ネギとマグロのトロを入れた鍋のこと。冷蔵庫のなかった江戸時代、マグロは醤油漬けで保存されていたが、脂の多かったトロは醤油漬けでの保存に適さず、捨てられていたという。それをうまく活用できないか、と考案されたのがこの鍋だ。浅草酒膳一文本店(あさくさしゅぜんいちもんほんてん)では、メバチマグロまたは本マグロのカマトロを煮込んだねぎま鍋を味わえる。トロは煮込むと脂が抜けやすいが、カマトロは筋が多く、煮込むことで筋がゼラチン質に変わり脂が抜けにくくなるのが特徴だという。そのため、カマトロに煮汁がしっかりとしみ込み、ほろほろとした歯ごたえが癖になる。また、江戸料理と銘打つだけあり、ネギや白菜など江戸野菜がたっぷり入る。鍋のもう1つの肝となるネギには、煮崩れしにくく甘みの強い千寿ネギを使う。ごせき晩生小松菜やシントリ菜といった江戸野菜のほか、糖度の高い霜降り白菜も鍋の味わいを引き立ててくれる。鍋自体は実にあっさりとした味わい。カマトロに付け合わせの柚子胡椒や刻みワサビを付けて食べれば、ピリリとした辛みが口の中いっぱいに広がる。全国の銘柄がそろう地酒を一緒に味わえば、箸がいっそう進みそうだ。
    甘じょっぱい出汁で野菜とマグロのカマトロを煮込んだねぎま鍋
  • spot 17
    桜なべ中江
    吉原に唯一残った桜なべの名店
    吉原はさまざまな文化の発祥地として知られる。馬肉食文化もそのひとつで、かつては農地が広がっていたため農耕馬や荷役用の馬道などがあり、馬とは非常に深いつながりがあったという。また、吉原といえば遊郭が思い浮かぶが、遊郭へ繰り出す前や、遊郭帰りに桜なべを食べる客も多く、当時は桜なべを提供する店が20軒以上あったという。1905年(明治38)に創業した「桜なべ中江」もそのなかの1軒だ。こだわりの馬肉は九州・久留米で育てられた桜なべ専用の深紅の肉で、うまみ、甘みとも十分。割り下は濃厚でまろやかな味わいの醤油だれに味噌だれが加わり、よりいっそうのコクを肉に与えている。また、桜なべ専用に作られたしらたきやえぐみの少ない江戸菜など、ザク(野菜類、1人前850円)も馬肉のうまみを存分に引き立てている。まずはすき焼きのように馬肉を煮込んで味わう。次にザクを入れて煮込んで味わい、最後に割り下に溶き卵を混ぜてごはんに載せて食べる、これが中江で桜なべを味わう王道のスタイルだ。築100年になる店には昔ながらの風情が残り、まるで明治時代にタイムスリップしたかのような雰囲気。老舗の貫禄が所どころでうかがえるような店構えも見逃せない。
    生でも食べられる「極上ロース」(1人前、2980円)。「白い肉」はコラーゲンたっぷりの馬肉の脂身
  • spot 18
    創吉
    伝統の江戸切子グラスの作成を体験できる
    レストラン・バー業界ではグラス専門店として知られている創吉。グラスの販売に加え、江戸切子の作成体験のできる教室としても知られていて、初心者でも気軽にオリジナルの切子グラスの制作を体験することができる。
    下書きに沿って慎重に柄を彫り込んでいく。コツをつかむまでは緊張の連続だ
  • spot 19
    雷5656会館
    浅草土産の雷おこしを自分で作ってみよう
    雷おこしで有名な常盤堂雷おこし本舗。雷5656(かみなりごろごろ)会館には、商品の販売のほか、雷おこしを製造できる体験コーナー、製造工程が見学できる浅草工房があり、雷おこしのすべてを知ることができる。
    切れ目を入れたおこしを手でちぎっていく。切れ目通りに切れなくてもOKだ
  • spot 20
    待乳山聖天
    大根を奉納して願いを成就する
    「聖天様」として地域の人々に親しまれてきた。大根をお供えする独特な参拝方法で知られており、強力なご利益に参拝客があとを絶たない都内有数のパワースポットといわれている。
    本堂は第二次世界大戦後に再建されたもの。唐破風の下には聖天様のご利益を示した大根と巾着が施されている
  • spot 21
    すみだリバーウォーク®
    隅田川の風を感じながら向こう岸への快適ウォーク
    浅草寺と仲見世など古くからの観光地のある浅草側と、東京スカイツリーⓇを中心とする新しいエリアをつないでいるのが、すみだリバーウォークⓇだ。両岸をつなぐ約160mのボードウォークは、広々とした隅田川沿いの景色と風を楽しみながら歩ける気持ちのいい歩道だ。小さな窓のように、部分的にガラスをはめた場所があり、下を流れる川をのぞけるという遊び心のある設計が楽しい。また途中、2か所に「恋人の聖地」と刻まれたプレートが掲げられている。恋人の聖地は、全国の観光地からプロポーズにふさわしいスポットとしてNPO法人地域活性化支援センターが選定している場所だ。リバーウォークが開通したのは2020年(令和2)6月。浅草側から歩き始めて渡りきった少し先には、時を同じくしてオープンした複合商業施設、東京ミズマチⓇがある。ミズマチのショップを楽しみ、あるいは目の前の隅田公園でひと息ついて、そしてスカイツリーまで、ぐるりと効率的に楽しむことができる。通行できるのは7-22時の間。
    台東区と墨田区をつなぐ、すみだリバーウォークの全景
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旅のヒント

  1. その1

    徒歩でも十分移動できるが、目的のスポットによって最寄り駅と路線が異なる。上野方面から移動する場合、浅草寺周辺やかっぱ橋道具街へ向かうなら東京メトロ銀座線、六区周辺へ向かうならつくばエクスプレス線が便利だ。

  2. その2

    浅草寺周辺は休日、平日の午後には観光客でかなり混雑する。主要観光スポットは平日午前中にまわると比較的すいている。

  3. その3

    浅草寺周辺を午前中に訪れ、その後かっぱ橋へ移動すると1日でまわれる。かっぱ橋道具街で買い物をすると荷物が増えるので、最後にまわるほうが効率的。

  4. その4

    観光人力車を使うと、中央部から少し離れた場所や訪れる人の少ない観光スポットもまわることができるので、検討してみよう。

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