東京

品川・羽田空港

SHINAGAWA / HANEDA AIRPORT

東海道の品川と日本の玄関口である羽田。品川区と大田区は今も昔も交通の拠点

東海道の1番目の宿場町が「品川」だ。品川宿は品川駅の南、京浜急行北品川駅から南東に延びる旧東海道沿いにあり、江戸時代から非常に交通量が多かった。地方から江戸へ参勤する大名一行が、品川宿で旅装束を改めて江戸に向かったという。東海道のすぐ東側はかつての海で、沿岸部では海苔の養殖や漁業が盛んであった。これらの地域は昭和初期より埋め立てが始まり、現在、地の利を生かして巨大倉庫が林立する日本の物流の拠点へと発展した。近年はオフィスや住宅も急増し、都心への近さも手伝って住みやすい地域として人気が高い。大田区は日本の産業を支えるものづくりの街としても知られ、中小の町工場が独自の技術を磨いている。2010年(平成22)には羽田空港に国際線が戻り、日本の玄関口として新たな進化を見せている。

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エリアの見どころ

  • spot 01
    品川神社
    東海道北品川宿の鎮守様
    平安末期に創建された由緒ある神社は東京十社のひとつ。祈願成就・航海安全の神様、農業・商業・産業繁栄の神様、風水害除け・疫病除けの神様が祀られ、境内には富士塚、一粒萬倍(いちりゅうまんばい)の御神水など観光スポットも多い。
    源頼朝が安房国から天比理乃び命(あめのひりのめのみこと)をお迎えしたのが始まり
  • spot 02
    東京シティ競馬
    仕事終わりに楽しめる、都心に近いアミューズメントパーク
    南関東4競馬場のひとつが東京シティ競馬(TCK大井競馬場)だ。1950年(昭和25)に開場した東京23区にある唯一の競馬場で、帝王賞や東京大賞典などの重賞レースも開催。名馬ハイセイコーのデビューもここだ。
    地方競馬のなかで全国屈指の規模と充実した施設をもつTCK大井競馬場。羽田空港に近く、頻繁に離着陸する旅客機を見ながら大迫力のレースを観戦できる
  • spot 03
    Champions TCK
    カラフルでかわいいジョッキー&馬グッズを多数そろえる
    グッズショップは小さいながらも、確かなクオリティの品ぞろえが自慢。同競馬場に所属するジョッキーの騎手服をイメージしたマスクやマグネット、キーホルダー、ハンカチ、Tシャツなど、さまざまなアイテムが充実している。騎手本人がデザインした騎手服は、ファンならひと目見て誰だかわかるもの。派手に見える騎手服がおしゃれにデザインされていて、品もいい。選ぶのに時間がかかってしまうかも。また、TCK PRキャラクターの「うまたせ!」とガールフレンドの「ウマタセーヌ」のオリジナルグッズもかわいらしい。ぬいぐるみをはじめ、エコバッグ、ストラップ、タオル、財布、文房具などふだん使いにいいものが並ぶ。
    L-WING 1階入り口にある「Champions TCK」。東京シティ競馬のオリジナルグッズが豊富
  • spot 04
    しながわ水族館
    海の生きものが約450種類、魚と海棲動物が身近に感じられる水族館
    東京湾をはじめとする世界の水の生物が、生息環境に近い28のコーナーで飼育されている。館はほどよい広さで、エサやりやパフォーマンスなども交え、さまざまな角度から魚たちの特性を解説している。
    世界の熱帯魚も見学できるしながわ水族館。水族館へは京浜急行大森海岸駅から徒歩8分。JR大井町駅から無料送迎バスも運行されている
  • spot 05
    マリンショップ「シーガル」
    遊び心あふれるショップは海の生きものに関するグッズが豊富
    見学後もワクワク感が続くのが、このマリンショップ「シーガル」だ。水中をイメージした店内には、しながわ水族館のオリジナルグッズをはじめ、見ているだけで楽しくなるような海の生物にちなんだものでいっぱいだ。特にぬいぐるみは大中小とサイズも種類も豊富。人気のもちカワウソminiや、ウーパールーパー、サメ、クマノミ、ペンギンなど見ているだけで癒やされる。ぬいぐるみが好きなら試してほしいのが、ぬいぐるみくじ(1回1000円)。運が良ければ、巨大なイルカやペンギン、カメのぬいぐるみが当たる。はずれても大きさが変わるだけで損はない。家で待っている家族へおすすめしたいのは「プクまるあざらし」のスイーツ。イルカのお腹に366日の日付が入った「しながわ水族館366イルカのアニバーサリー」は記念日などに人気。ほかにも文具やリネン、小物、スナック類が豊富にそろい、時間が足りなくなるかも。
    見ているだけで癒やされるようなショップ。水族館とは別棟となっているので、入館料は不要
  • spot 06
    東京港野鳥公園
    都会の隠れたバードウォッチング・スポット
    埋立地にいつの間にか野鳥が集まり、そのエリアを保護しようと生まれた公園。森林や小川、淡水池、干潟といった野鳥をはじめとした生きものに適した環境が整い、一年を通して約120種類の野鳥が飛来する。
    東観察広場の観察壁はさまざまな高さの窓が設けられている。羽田を発着する旅客機も見られる
  • spot 07
    東京都中央卸売市場 大田市場
    東京ドーム8.5個分、青果物取扱量日本一、国内最大級の市場
    都内11の中央卸売市場のなかで、唯一、青果、花き(観賞用植物全般)、水産の3つ部門を取り扱い、都内で豊洲に次ぐ広さを誇る大田市場。全国の中央卸売市場に占める取引額の割合は青果15.3%、花き42.5%と、規模も国内屈指だ。正門左に建つ事務棟の2階から青果棟への見学者コースがあり、市場を上から見学できる。市場のハイライトであるせり(競売)は早朝の開始だ。青果は6:50、花きは7:00に始まるが、その前には仲卸業者やスーパーや青果店の売買参加者が、並んだサンプルをじっくり品定めする姿も見られる。せりは勢いのいい鐘の合図とともに始まり、次々にせり落とされていく。近年は1対1で話し合って値決めをする相対取引が増えているそうだ。市場の役割をさらに知りたいなら事務棟2階の展示室へ寄ろう。見学者コースは水産棟までつながっているが、途中の関連棟には飲食店や食料品・雑貨店もあり、うれしいことに一般の人も利用できる。見学にあたっては東京都中央卸売市場のウェブサイトなどで最新情報を確認すること。\https://www.shijou.metro.tokyo.lg.jp/kengaku/
    広大な青果棟の卸売場。野菜や果物の段ボールが積み上がり、商品を売る卸売業者や品定めをする仲卸業者、売買参加者の姿が見える。その間をひっきりなしにターレットトラックやフォークリフトが動き回る。
  • spot 08
    羽田イノベーションシティ
    先端技術とビジネス、エンターテインメントのコンプレックス
    羽田空港を見渡せる天空橋に開業した複合施設で、研究開発拠点、水素ステーション、会議場、オフィス、レストラン、ホテル、ギャラリー、ライブホール、癒やしエリアなど、さまざまな分野から構成されている。
    コンプレックスは大きく6つの建物に分かれ、それらを結ぶコリドーが広々としている
  • spot 09
    LUXURY FLIGHT HICity Fighter店
    音速で東京上空を飛行する、戦闘機のフライトシミュレーター
    顧客に楽しんでもらうことを徹底したフライトシミュレーターの会社だ。ここでトライできるのはF/A-18ホーネット、F-35ライトニング2、F-16ファイティングファルコンの3種類の戦闘機。元自衛隊のパイロットがアドバイザーとなり、操縦桿の持ち方や角度、視点を置く位置、計器を操作するタイミングといった操縦方法を、コツをつかむまでわかりやすくアドバイスしてくれる。特にスリリングなのは旋回(飛行機が向きを変えること)するポイント。驚くような急角度で曲がり、ぐるっと回転する醍醐味も味わえる。戦闘機だけに想像以上にスピードが速く、気をつけないと別のところへ行きそうになる。音速までスピードアップもでき、実際に飛行しているような錯覚を起こすだろう。フライトが終わると、これまでにない楽しさと緊張感にリピートする人も多いそうだ。メンバーになれば垂直上昇などのメニューを混ぜての体験も楽しめる。
    日本初、戦闘機のフライトシミュレートを体験できる施設。F/A-18、F-35、F-16の3機種から選べる
  • spot 10
    ソラムナード羽田緑地
    旅客機の離発着が楽しめる多摩川沿いの遊歩道
    旧羽田空港跡地の再開発エリアに2019年(平成31)4月、オープンしたのがソラムナード羽田緑地だ。ソラムナードとは、空港の「空」とフランス語のプロムナード(遊歩道、散歩道の意味)の造語で、多摩川沿いに続く遊歩道をメインにした、植栽や展望テラスなどからなる細長い公園だ。遊歩道は羽田イノベーションシティ南の駐車場を出たすぐ先から、第3ターミナル近くまでの約1.1km。西側入り口のゲート1付近には、5月下旬から6月中旬にかけてオレンジ色のスカシユリが一面に咲き、天気が良ければ青空とのコントラストが美しい。所どころにベンチ付きの展望テラスがあるから、腰掛けて離発着する旅客機を見てみよう。羽田には滑走路が4本あるが、天候と風向き、時間帯によってB滑走路から飛び立つ旅客機が、ゲート1のほぼ真上を通過する。車輪が収納されるさまは大迫力だ。
    散策も良し、飛行機を見るも良し。日の出と日の入りを望めるスポットでもある。ゲート1の前には誰でもトイレもある
  • spot 11
    東京国際空港(羽田空港)
    クリーンで快適、観光スポットとしても楽しめる日本の空の玄関口
    日本のハブ(拠点)空港である東京国際空港、通称「羽田空港」。ショップや飲食店は厳選された店が揃い、離着陸する旅客機を見ているだけでもワクワクしてくる。飛行機に乗らずとも旅行気分にさせてくれるところだ。
    開放感のある第3ターミナルの出発ロビー。清潔な空港は海外からの旅行者にも好評だ
  • spot 12
    羽田航空神社
    出発前に寄りたい空港内の小さなパワースポット
    現在、国際空港のほとんどに宗派を問わない礼拝室があるが、羽田には神社もある。第1ターミナル1階の中央の奥まった小さな一室にあるのが羽田航空神社だ。入り口扉の上には歴史を感じさせる「羽田航空神社」の扁額(看板)が掲げられ、かすかに暗い部屋に一歩入ると、空港の中にいるとは思えない静かな落ち着いた空間に遭遇する。小さな祠までは赤い毛氈が敷かれ、両側には手入れの行き届いた植栽もある。賽銭箱にお賽銭を入れ、祠に向かって手を合わせると、この空間に神様と自分だけがいるような感覚になる。神社は、都内港区新橋の航空会館屋上にある航空神社の分社で、航空界の礎となられた方々の御霊をお祀りし、航空安全輸送を司る神社である。航空安全、旅行安全、交通安全の祈願はもちろん、「落ちない」という祈りから受験生にも評判とのこと。飛行機に乗る前にお参りするのもいいし、気持ちをちょっと鎮めたいときに寄るのもおすすめだ。
    神社は1963年(昭和38)の建立。左側には神社の由来が書かれた立て札もある
  • spot 13
    昭和のくらし博物館
    昭和の人々の暮らしぶりは知恵と工夫の積み重ね
    戦後に建てられた住宅をまるごと博物館として保存。第二次世界大戦前から高度経済成長期(1955年頃)直前までの家財道具など、暮らしを支えたものが展示され、見学というより個人宅におじゃまをしているよう。
    1951年(昭和26)に建てられた家がそのまま博物館になっている
  • spot 14
    洗足池公園
    日蓮聖人ゆかりの池は、勝海舟も愛した都市部のオアシス
    周辺の湧き水をおもな水源とする洗足池。古くから景勝地として知られ、歌川広重の『名所江戸百景』にも描かれた。洗足池公園は桜の名所で、勝海舟夫妻の墓や由緒ある神社、日蓮聖人ゆかりの寺など見どころも多い。
    三連の太鼓橋から一望する洗足池。対岸の池畔にはかつて勝海舟の別荘「洗足軒」が建っていた。
  • spot 15
    大田区立勝海舟記念館
    幕末の傑人「勝海舟」の人物像に近づける記念館
    「江戸無血開城」の立役者であった勝海舟。海舟が愛した洗足池のほとりに誕生した、海舟の一生を紹介する施設だ。海舟の功績はもちろん、人間としての魅力をさまざまな角度から解説している。「海舟ブレイン」では「行蔵(こうぞう)は我に存す、毀誉(きよ)は他人の主張(自分の行動は自分の信念によるもので、批判は他人のもの)」などの言葉がスクリーンに映し出され、いつくもの言葉を残した海舟の思いを読み解くことができる。ほかにも「時の部屋」では艦長を務めた咸臨丸(かんりんまる)の航海をCG映像で再現したり、スクリーンで若き日の海舟に出会えたりと、海舟の存在を身近に感じられるような構成となっている。いちばんの特徴は、実物資料の展示。文書をはじめ、衣類や所用品といった資料が、年4回行われる常設・企画展を通して公開されている。時期を変えて訪れれば、そのつど海舟の新たな一面を知ることができる。
    勝海舟関連の図書の収集・閲覧等のために1928年(昭和3)に竣工した「清明文庫」。国登録有形文化財に指定されている建物で、東側の部分が増築されて海舟の記念館としてオープンした
  • spot 16
    AI_SCAPE
    ロボットが調理、配膳を行う未来型カフェ
    近い将来を見ているようなロボットが活躍するカフェ。キッチンでは調理を担当し、客席スペースではウェイターとして配膳する。ここはロボットを作動させながら、洗い出された課題を解決する実証実験の場でもある。
    配膳ロボットのニョッキーは表情豊か。より使いやすいロボットを目指して日々プログラムを改良している
  • spot 17
    池上本門寺
    日蓮宗大本山のひとつ、池上本門寺は日蓮聖人入滅の霊場
    今をイキイキと生きることが大切であると説いた日蓮宗の開祖、日蓮聖人。その入滅の場に立つ寺院が池上本門寺(いけがみほんもんじ)だ。時代を超えて老若男女無数の参拝者を迎え入れ、徳川将軍家をはじめ多くの信徒が眠る墓所でもある。
    創建から740年以上の歴史をもつ池上本門寺。日蓮宗の大本山のひとつで、大田区を代表する観光スポットだ。写真は大堂
  • spot 18
    新田神社
    開運、勝利、招福、縁結びの神様を祀る、破魔矢発祥の神社
    室町時代初期の名将「新田義興(にったよしおき)」を祀った神社は、敷地内の旗竹を使って作られた「破魔矢」の元祖が生まれた地としても知られる。「LOVE」の石碑があることから、近年は縁結びの神社としても評判を呼んでいる。
    商店街のすぐ近くにあるにもかかわらず、緑に覆われた別世界が広がる
  • spot 19
    戸越銀座商店街
    古くからの個人商店とポップな店が混在する東京最長の商店街
    全長約1.3km、400店ほどが連なる戸越銀座商店街は、テレビや雑誌でおなじみの都内屈指の商店街。ノスタルジックな店から映えるスイーツまで多種多様な店が軒を連ねる。庶民的な雰囲気も戸越ならでは。
    毎日約1万人が通行する戸越銀座商店街。夕方は買い物客でごった返す
  • spot 20
    池上池田屋
    久寿餅(くずもち)にたっぷりかけたい、さっぱり系の黒みつが食欲をそそる
    本門寺の総門からまっすぐ歩いて約2分。右側に、クリーム色の壁とこげ茶の梁が仏閣を思わせる建物が目に飛び込んでくる。創業は元禄時代、現在の店主は17代目を数える指田さんだ。参拝帰りのひと休みに最適なロケーションにあり、久寿餅の販売はもちろん、カフェも併設している。店内では名物の「久寿餅」をはじめ、あんみつやところてんなどの和スイーツのほか、卵かけご飯など小腹が減ったときにもうれしいメニューを用意している。本門寺参拝後の余韻を壊さない店内の雰囲気もいい。久寿餅にはモチモチ感とぎゅっと詰まった凝縮感とがあり、きな粉の香りが鼻をくすぐる。元禄より貫いているレシピの黒みつは、ポットに入ってテーブルに置かれている。そう、好きなだけみつを久寿餅にかけることができるというわけ。黒みつは見た目ほどしつこくなくさっぱり感があり、これが癖になるという人も。土産用の久寿餅は、1人前から12人前まで充実の品ぞろえで、賞味期間は6日間とやや長めなのもうれしい。地方発送にも応じてくれる。
    黒みつを好きなだけかけられるのは、池上池田屋ならでは。和のスイーツ好きにはたまらない
  • spot 21
    浅野屋本舗
    あんみつ、みつ豆、豆かんなど「くずもち」以外も人気の老舗
    池上駅から徒歩4分。本門寺への参道である本門寺通りは昭和の雰囲気が残る商店街。その入り口近くにある浅野屋本舗は、創業1752年(宝暦2)の「くずもち」の老舗で、現代の店主は12代目。時代を超えた自慢の「くずもち」は、温度に気を遣いながら、小麦粉のでんぷんを1年以上かけて発酵させ、ていねいに水にさらしたもの。もちろんすべて手作りだ。浅野屋の「くずもち」は、もちもち感はちょっと抑えめで、サラッとした黒みつの上にかかるきな粉がとても香ばしく、甘いものが苦手な人や若い人にも好評だ。実はこの浅野屋本舗、「くずもち」だけでなくみつ豆や豆かん、ところてんといった寒天を使った商品も人気が高い。寒天は天草(てんぐさ)の産地である三宅島や西伊豆のものを独自にブレンドし、赤胴の羽釜で加熱し溶かしていく。きな粉の大豆も、赤えんどう豆も、あずきもすべて国産、しかも無添加というこだわりようだ。そのため、定番の「くずもち」は2日以内に食べたい。喫茶コーナーは甘味好きがひとりでもふらっと入ることができる雰囲気がいい。4人掛けのテーブル席が3つある店内は、週末混雑する。
    いちばん人気が「白玉抹茶クリームあんみつ」。これに自家製の黒みつをかけていただく。つぶ餡の塩加減が寒天や豆の味を引き立てる
  • spot 22
    餅甚
    300年の時を超えて旅人に愛される、昔ながらのあべ川餅
    初代甚三郎が駿河国駿府(現在の静岡県静岡市)の安倍川から出府し、東海道の海辺に近い大森に店を構えたのが1715年(享保元)のこと。以来300年以上にわたって故郷で親しまれてきたあべ川餅を旅人や庶民に提供し続けてきた老舗だ。名物のあべ川餅は、一般的な餅に醤油をつけて海苔で巻いて食べるスタイルではなく、餅の上に黒みつときな粉をまぶして食べるのが特徴。実は、昔餅はつねに食されたわけではなく、うなぎのように元気をつけるために土用(季節の変わり目)の期間だけ食べられていた。餅甚のあべ川餅は評判もよく、お土産として訪問先に持って行きたいという常連客の要望に応えて一年を通して作られるようになったという。いちばんの特徴は餅のやわらかさ。代々使われてきた店内の井戸水で餅米を炊き、夏はかために、冬は少しやわらかめに餅をつく。季節に応じた配合で煮込む黒みつも含め、伝統の技法は代々受け継がれてきたもの。もちろん、すべて手作りだ。餅甚では赤飯も人気で、実は大リーグロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手とご両親もここの赤飯のファンだという。今では東京の一品ものを求めて全国から人が訪れる。
    餅甚のあべ川餅はコシがあるのにやわらかい。特製の黒みつ、きな粉をかけてすぐにいただくのがおいしく食べるコツ
  • spot 23
    ANA Blue Hangar Tour/ANA機体工場見学
    間近で見るドリームライナー(787)やエアバスは大迫力
    羽田空港にあるANAの機体工場を見学するツアーが人気だ。格納庫の音やにおいを感じながら、近くで巨大旅客機の整備を見学。整備作業の現場から、ANAの安全運航に対する意識の高さが伝わってくる。
    至近距離で見られる旅客機の大きさに圧倒される。機体はボーイング777-300
  • spot 24
    田園調布古墳群と多摩川台公園古墳展示室
    多摩川沿いの古墳を歩いて、古代人の世界にタイムスリップ
    神奈川県との境を流れる多摩川の大田区田園調布から世田谷区野毛の周辺は、東京でも古墳の集中する数少ない地域である。多摩川台公園には4世紀から7世紀に造られた10基の古墳があり、古墳を解説する無料の展示室もある。
    古墳展示室には古墳をイメージした再現模型があり、照明の演出で一日の日照の変化を見ることができる
  • spot 25
    大森貝塚遺跡庭園
    明治政府の御雇外国人が発見した日本で最も有名な貝塚
    教科書にも紹介され、多くの人が一度は耳にしたことのある「大森貝塚」。縄文時代後期を代表する貝塚は、JR大森駅に近い高台にあり、貝塚発見を記念して一帯は遺跡を保存する公園になっている。
    庭園の中央には大森貝塚の発見者であり、縄文土器を手にしたモースの像がある
  • spot 26
    T.Y.HARBOR
    運河の夜景を眺めながら、クラフトビールと絶品ウイングに舌鼓
    モノレールの天王洲アイル駅から運河沿いを歩いて約5分。突き当たりにあるT.Y.HARBOR(てぃーわいはーばー)はブリュワリーをもつ人気のレストランだ。元倉庫を改装した開放的な店内と運河に面したテラス席、そして運河に浮かぶリバーラウンジは、まるでアメリカ西海岸のよう。特に夜は、対岸を結ぶ天王洲ふれあい橋がライトアップ、向かいの公園や建物群が運河に反射して景観もすばらしい。レストランのマストは造りたてのクラフトビールだ。定番5種、期間限定を加えると常時7-8種類を用意する。いちばん人気は苦味と香りのバランスのよさが自慢のペールエール。さまざまな料理にあうが、ここではテッパンの「スパイシーNYチキンウイング」(5個1600円)を。日本人の口にあうピリ辛さとほどよい酸味で、やみつきになるおいしさだ。もう1つの人気、「スウィートフライドポテト」(1000円)はベーコンのディップで甘さと塩加減のハーモニーが絶妙。アメリカ料理をメインとした料理がそろうが、量が多いので仲間や家族でシェアするのがいい。レストラン約350席、リバーラウンジ約70席あるものの、とても人気が高いのでできるだけ予約をしたい。T.Y.HARBORのウェブサイトからはテラス席の指定もできる。
    「スパイシーNYチキンウイング」(右)と「スウィートフライドポテト」(左)。ペールエールとの相性も抜群
  • spot 27
    しながわ翁
    品川で評判の手打ちそばは、店主のそばへの愛情の賜物
    「出されたらすぐに食べてください。食べるときはそばと一緒に空気をすすると、空気を入れることによってそばの香りが引き立ちます」とおいしいそばの食べ方について語る店主の高野さん。大企業に就職してから4年ほど経った頃、自分の色で仕事をしたいと一念発起。志したのがそばの道だった。決して手を抜かないことで知られるそば打ち名人・高橋邦弘さんのもとで修業し、品川に念願の店を開店させたのが2000年(平成12)12月。以来、師匠のそばを目標に毎日そばを打ち続けている。北海道沼田町、茨城県古賀市(旧三和町)、長野県富士見町産の丸抜き(そば殻を取り除いてそのままの形のそばの実)を取り寄せ、2階の石臼でていねいに挽き、練り、手打ちする。「そばは劣化の工程で作るもの」とは高野さんの弁。それだけにスピードと管理が大切だという。翁の茹でたてのそばには宝石のような深い輝きがあり、のどごしもいい。おいしく食べるコツが1つ。大盛りは食べるのに少し時間がかかり、そのぶんそばが乾いて(のびて)しまう。できれば普通盛りを頼み、足りなかったらもう1枚追加するのがいい。翁は玉子焼きも人気で、ぜひ試したい。
    定番のもりそば田舎 (860円)。口いっぱいにそばの香りが広がり、つゆのからみ具合も抜群だ。手打ちのおかげだという
  • spot 28
    你好別館
    ジューシーでモチモチ、パリッパリッ、羽根付き餃子の元祖
    いまや知名度を全国区に引き上げた蒲田名物の羽根付き餃子。発祥の地が「你好(ニーハオ)」だ。羽根付き餃子を発案し、行列のできる店にまで成長させたのは、中国残留孤児であった八田さん。約40年前に帰国後日本語習得のため小学校に通い、その際世話になった先生方を招いて中国の家庭料理であった水餃子でもてなした。これが大好評で、八田さんは調理師の道を決意。有志の協力を得て、蒲田に待望の店を開業させた。口コミで評判が次第に広まり、行列ができるまでに成長。多いときは70人、待ち時間2時間というときもあった。你好のこだわりは、いまだにすべてが手作りである点。水分をそのまま閉じ込めるため野菜は必ず包丁で刻み、肉は自分の目で選んだものをブロック買いして刻む。そしてそれだけでもおいしいと評判の皮は、必ずお湯でこねる。ひと口ほおばると、肉と野菜が調和するコクのあるスープが、弾力のある皮と口の中で調和する。肉の臭みがないのもすごい。最初は何もつけずに食べてみたい。素材の味を堪能したら、次は酢と醤油を少しつけ、ラー油はつけないのがポイント。毎日約1万個が作られるニーハオの餃子。羽根のパリパリ感とともにじっくり味わいたい。
    蒲田名物の羽根付き餃子は研究を重ねるうちに生まれた逸品。皮は餅米が入っているかと思うほどもちもちして、それだけでも美味
  • spot 29
    とんかつ檍
    肉のうまさを塩で勝負、蒲田で食べる極上とんかつ
    餃子と並んで蒲田で絶対に食べたいものがとんかつだ。JR京浜東北線蒲田駅から徒歩4分、大田区民ホール・アプリコから半ブロック西にある、とんかつ檍(あおき)は蒲田でも屈指の人気店。創業者が研究に研究を重ねて誕生した逸品は、素材へのこだわりが強い。豚肉の「林SPFポーク」は、抗生物質を極力避けビタミン豊富な飼料で育てられたブタで、脂が甘く、軽いのが特徴。おいしさの秘訣は特製の打ち粉。卵がだれずに、肉のうまみをしっかり閉じ込めるのだ。創業者のモットーもおもしろい。「とんかつのうまい店はいくらでもある。うちはご飯と味噌汁にこだわった」というように、メニューはすべて「定食」。米は佐渡島のコシヒカリを用い、粘りと歯ごたえ、香りがいい。信州味噌を使った豚汁は野菜がたっぷりで、豚はもちろん林SPF。ポイントは多めの玉ねぎで、やさしい味にホッとする。肝心のとんかつは自家製ソースで食べるのもいいが、ぜひ塩でも味わってほしい。定番は硫黄の香りがするヒマラヤ岩塩のナマック。まろやかな塩味の沖縄粟国の塩も人気だ。断面に付けて食べると肉のうまさを引き立てる。サクサク、ジューシーで、誰もが無言で食べるのにも納得がいく。
    豚肉は「林SPFポーク」を使用。やわらかく、くさみもないので食べやすい。肉本来のおいしさが直に伝わってくる
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旅のヒント

  1. その1

    品川区と大田区を縦断する鉄道は2本。JR京浜東北線と京浜急行本線がほぼ並行して走っている。京浜急行は、駅の数では京浜東北線より遥かに多く、京急蒲田駅から分岐して羽田空港まで路線が延びている。品川区、大田区の内陸側には東急の大井町線、池上線、目黒線、多摩川線などが網の目のように走り、本数も多くとても便利。また、JR浜松町駅から羽田空港へはモノレールが湾岸部を通り、景色も良い。

  2. その2

    観光スポットは湾岸部に多く、京浜急行やモノレールでアクセスできるが、東京港野鳥公園は大森駅か平和島駅からバスの利用となる。大田区の洗足池や昭和のくらし博物館は最寄り駅から歩ける距離。

  3. その3

    首都高羽田1号線、または湾岸線がこのエリアを走っている。羽田空港へは湾岸線でアクセスできる。湾岸部の観光スポットへは首都高の利用もいいが、住宅地の観光スポットは道も狭くなるので運転には注意を。できれば駐車場がどこにあるかを把握しておきたい。

  4. その4

    地元の人の間ではよく知られていることだが、品川駅は品川区にはなく港区に、目黒駅は目黒区にはなく品川区にある。

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