東京

皇居・丸の内

IMPERIAL PALACE / MARUNOUCHI

江戸城の名残と近代日本の歴史を刻むビジネスエリア

皇居周辺から丸の内地区を経て東京駅に至る、まさに東京の中心に位置するエリアだ。皇居周辺は、付属庭園である皇居東御苑、旧皇室苑地の一部であった皇居外苑など、皇居にゆかりのある広大な庭園が広がり、緑豊かな散策スポットになっている。徳川家康が江戸城を築いた場所でもあり、天守台、濠、門、櫓など、江戸時代の遺構が各所に残る。国際フォーラムなど、江戸城をとりまく一帯にあった大名屋敷の跡に建てられた施設も多い。東京駅から丸の内地区にかけては、東京を代表するオフィス街。2002年(平成14)に丸の内ビルディングが竣工して以来、オフィスだけでなく商業施設も増え、今では週末でも賑わうエリアとなっている。オフィスビルのさきがけとなった旧三菱一号館は、創建当時の姿を復元した美術館となり、「一丁倫敦」と呼ばれた明治時代の丸の内をしのぶことができる。

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エリアの見どころ

  • spot 01
    皇居東御苑
    江戸城址に造られた緑豊かな皇居付属庭園
    皇居に付属する庭園で、江戸城の中心部があった場所を一部整備して造られた。広大な敷地内には、天守台や門をはじめとする江戸城の名残が各所に残り、その歴史が今も息づいている。
    現在は広大な芝生地となっている「本丸跡」
  • spot 02
    北の丸公園
    文化芸術にも触れられる江戸城ゆかりの公園
    南側を皇居の杜に接し、三方を濠に囲まれ、江戸城址の趣を今も残す公園。緑豊かな園内には、日本武道館、東京国立近代美術館、科学技術館などの文化施設もあり、数多くの人々が訪れる。
    芝生広場と樹林の間に造られた池では水鳥の姿も見られる
  • spot 03
    科学技術館
    大人も子どもも楽しめる仕掛けが詰まった科学の館
    身近な物理現象から光、動力、エネルギーなど、日常生活のなかにある「科学」について、見たり、感じたり、動かしたりといった体験を通して、楽しく学べるようになっている。
    正面の外壁には星の形をした小さな穴がずらりと並ぶ
  • spot 04
    東京国立近代美術館
    近代の日本美術史を珠玉のコレクションでたどることのできる美術館
    19世紀末から現代にいたる日本美術の名作を、重要文化財や、同時代の関係する海外の作品も交えて多数所蔵している。100年を超える近代日本美術の歴史を一気に鑑賞することができる、国内随一の美術館だ。
    東京国立博物館東洋館などを手がけた谷口吉郎が設計し、その後増改築された
  • spot 05
    日比谷公園
    さまざまなイベント会場としても使われる都心のオアシス
    皇居外苑、霞が関の官庁街、日比谷の劇場街に囲まれ、まさに東京の中心にある緑の公園。散策スポットとして親しまれているのはもちろん、ガーデニングショーなどのイベント会場にもなり、多くの人を迎えている。
    日比谷公園のシンボルにもなっている「大噴水」
  • spot 06
    靖國神社
    国家のために一命を捧げられた方々の神霊をお祀りする神社
    「国家のために一命を捧げられた方々の霊を慰め、その事績を後世に伝えること」を目的に創建された神社。平和な世界が続くことを願いながら、感謝の気持ちを込めて参拝したい場所だ。
    年間500万人以上の参拝者を迎える靖国神社の拝殿
  • spot 07
    東京大神宮
    縁結びのご利益をいただける「東京のお伊勢さま」
    東京における伊勢神宮の遥拝殿として創建された神社。高い格式をもつ「東京五社」の一社に数えられている。神前結婚式を創始した神社としても知られ、伝統的な儀式を今も守り伝えている。
    良縁、家内安全、厄除開運などを祈念し、多くの参拝者が訪れる
  • spot 08
    東京駅
    創建当時の姿に復原された赤レンガの駅舎
    首都東京の玄関口「東京駅」。幾度か形を変えながら、100年を超える歴史を刻み続けている。6年間に及んだ復原工事ののちは、創建当時の堂々たる姿で利用者を迎えている。
    正面の長さが334.5mという横長の造り
  • spot 09
    東京ステーションギャラリー
    東京駅の建築の歴史も体感できる美術館
    1988年(昭和63)、東京駅丸の内駅舎内に開館、2012年(平成24)復原工事を経て駅舎と同日に再開した美術館。「駅を単なる通過点ではなく、香り高い文化の場として提供する」というコンセプトのもと、知られざる作家に焦点を当てたり、鉄道・建築・デザインをテーマにしたりと、意欲的な企画展を開催している。もうひとつの大きな特徴は、重要文化財に指定された駅舎の中にあり、創建時の構造レンガを見学できること。八角塔を利用した階段沿いに続くレンガ壁には、東京大空襲の火災によって焼けた木レンガ(漆喰壁に内装材をクギで固定するためのもの)も残されており、駅舎がたどってきた歴史に触れることができる。見学後はミュージアムショップ「トレニアート」へ。レンガ壁をモチーフにしたマグカップ(1650円)や、東京駅丸の内駅舎をモチーフにデザインされたクリアファイル(458円)など、ここだけのオリジナルアイテムがいっぱい。
    駅舎創建時の構造レンガを利用した展示室の壁
  • spot 10
    三菱一号館美術館
    復元した赤レンガ建築が美術館として再生
    明治時代、丸の内で初めてのオフィス・ビルとして建てられた「三菱一号館」を可能な限り復元して美術館に。19世紀後半から20世紀前半の西洋美術を中心に、企画展を開催している。
    「一号館広場」と呼ばれる中庭に面した美術館の入り口
  • spot 11
    K I T T E
    旧東京中央郵便局舎の面影を残す商業施設
    東京駅丸の内駅舎の駅前広場に面した商業施設。旧東京中央郵便局舎を一部保存・再生しつつ建てられた。日本のものづくりにこだわった雑貨店や地域で話題の飲食店などが入っている。
    ガラス天井から自然光が差し込むアトリウム
  • spot 12
    K I T T Eガーデン
    K I T T E6階にあるパノラマスポット
    K I T T Eの6階に設けられた屋上庭園K I T T Eガーデン。約1500平方メートルのゆったりとしたスペースには、緑の芝生地やウッドデッキがあり、丸の内で働く人々の憩いの場となっている。復原工事のあと、創建当時の姿がよみがえったJR東京駅の丸の内駅舎を眼下に望むことのできる、パノラマスポットでもある。昼間の美しさはもちろんだが、夜景もまた絶品だ。夜の高層ビル群とライトアップされた東京駅の美景を堪能できる。トレインビュースポットとしても有名で、東京駅に入線する新幹線、山手線、東海道線などさまざまなタイプの列車を見ることができる。発着する列車の種類や発着数の多さから、鉄道ファンや電車好きな子どもたちの心をくすぐり、何度でも通いたくなる場所として人気を集めている。
    東京駅の丸の内駅舎も眺めることができる
  • spot 13
    旧東京中央郵便局長室
    創建時の様子が伝わるよう保存・一部再現された部屋
    K I T T Eの4階、生活雑貨やファッションなどショップの並ぶフロアの一角にあるのが旧東京中央郵便局長室。K I T T Eを建設するにあたり、旧東京中央郵便局の歴史を継承する空間として、内装を保存・一部再現したものだ。創建当時の素材が使用されているのは、床やガラス窓など。また壁に貼られた木羽目板は、創建当時の仕上げ材をいったんはずし、補修・修理したうえで再度取り付けた。大きなガラス窓からは、東京駅の丸の内駅舎を眺めることができる。雨の日でも楽しめる隠れたパノラマスポットとして、覚えておきたい場所だ。奥には、手紙を書くためのテーブルと椅子の用意された「レタールーム」がある。郵便の歴史を感じ取れる静かな空間で、大切な誰かに思いを綴る時間をつくってみては。
    1930年代の雰囲気が伝わるよう一部再現された
  • spot 14
    JPタワー学術文化総合ミュージアム インターメディアテク
    レトロモダンな空間に置かれた標本コレクションは圧巻
    K I T T Eの2、3階部に設けられた入場無料のミュージアムスペース。日本郵便株式会社と東京大学総合研究博物館による協働運営で、2013年(平成25)3月に開館した。名称は、各種の表現メディアの橋渡しを行うことで、新しい文化の創造につなげる「間メディア実験館」に由来している。見どころのひとつとなっているのは、東京大学が1877年(明治10)の開学以来蓄積してきた学術標本の常設展示。東京大学で戦前から使用されてきた什器が展示ケースとして使われ、その膨大なコレクションに圧倒されるはず。大学における最先端科学の成果や、さまざまな表現メディアによるユニークな創造を紹介する特別展示も随時行い、話題を呼んでいる。ショッピングの前後に、知的好奇心を刺激するミュージアム見学を楽しむのもいいだろう。\空間・展示デザイン (c)UMUT works\(c)=クレジット
    インターメディアテク2階常設展示風景 (c)インターメディアテク
  • spot 15
    東京国際フォーラム
    建築散歩も楽しめるコンベンションセンター
    業界のセミナーから海外のアーティストのコンサートまで、さまざまなイベントの会場として使われている総合文化施設。首都東京の中心で、世界とつながり交流する場を提供している。
    東京国際フォーラムを象徴するガラス棟
  • spot 16
    国会議事堂
    国の政治について議論が行われる白亜の議事堂
    国権の最高機関である国会が開かれる場所、国会議事堂。衆議院と参議院の2つの院があり、国の重要な事項について話し合われる場所の一部を、見学することができる。
    中央玄関は天皇陛下をお迎えする時、議員が初登院する際などに開かれる
  • spot 17
    皇居外苑
    江戸城のたたずまいを残す濠や城門など歴史が香る国民公園
    東京駅丸の内駅舎と皇居を結ぶ行幸通りを進むと、黒松が点在する広大な芝生広場に出る。1949年(昭和24)、旧皇室苑地の一部が開放され国民公園となった「皇居外苑」だ。江戸時代には、「西の丸下」と呼ばれた江戸城の一郭だった場所で、濠の風景などから、当時をしのぶことができる。皇居の前庭としての性格も持ち合わせており、行幸通りでは外国の特命全権大使が馬車で送迎される様子を見かけることも。行幸通りは、秋が深まるとイチョウ並木が黄金色に色づく、紅葉の名所でもある。周辺に残る歴史遺構のなかで、見どころのひとつとなっているのは「二重橋」。2つある橋のうち、奥にある「皇居正門鉄橋」が1614年(慶長19)に架けられた際(当時は木造)、橋桁を支えるため二重構造だったことに由来している。
    正門を経て宮殿に至る濠に架けられた二重橋
  • spot 18
    和田倉噴水公園
    水と緑で構成された丸の内ビル街のオアシス
    皇居外苑の行幸通りに面した一角に、いくつもの噴水を配した公園がある。1961年(昭和36)、上皇陛下のご結婚を記念して設置された大噴水を、1992年(平成5)の今上天皇陛下ご結婚を機に再整備、1995年(平成7)に完成した和田倉噴水公園だ。噴出口の形状を菊の花とつぼみにするなど品格ある大噴水の意匠を継承しつつ、「継続性と新たな発展」をテーマに一新。さらに滝やせせらぎを模した施設、球体噴水のモニュメントを加えて、水と緑が織りなす新たな風景をつくりあげた。公園のある地区は、江戸時代以前は東京湾の入り江に面しており、江戸時代初期に海面が埋め立てられた場所。江戸城に物資を運ぶための倉が置かれるなど、海上輸送の拠点になっていた。当時の名残「和田倉門跡」のそばには休憩所があり、展示された資料で公園の歴史について知ることができる。2011年(平成23)には、高出力の水中照明をLED化することに日本で初めて成功。噴水のきらめきをより繊細に再現できるようになり、高層ビルを背景にした夜景スポットとしても親しまれている。
    高層ビルに囲まれた清涼空間
  • spot 19
    Made in ピエール・エルメ 丸の内
    フランス人パティシエが選りすぐった日本の食材を世界へ発信
    パティスリー界の第一人者として、世界的に知られるフランス人パティシエ、ピエール・エルメ。日本の食材に対しても深い関心を寄せ、さまざまな生産者と交流を重ねた経験から、「日本のすばらしいもの」を世界に発信するコンセプトショップとして開いたのが「Made in ピエール・エルメ」だ。2018年(平成30)に丸の内店がオープン、現在、国内で14店舗を展開している。店内には、優れた生産者とのコラボによって生まれた、選りすぐりの商品がずらりと並ぶ。たとえば用途に応じてブレンドした「和風」と「洋風」の米や、旬の野菜を瓶詰めにしたピクルス、野菜(ニンジン、トマト、ジンジャー)とわずかなオイルで作ったドレッシングなど。生産者をフィーチャーしたフェアも行っており、期間限定のコラボ商品が販売されることもある。贈り物にするなら、選んだ商品を自由に詰め合わせられるギフトボックスがおすすめだ。併設のカフェには通りに面したテラス席もあり、ソーダフロート(715円-)などオリジナルドリンクとスイーツを楽しめる。
    こだわりの商品が棚にずらりと並ぶスタイリッシュなディスプレイ
  • spot 20
    東京會舘クッキングスクール
    歴史ある東京會舘の料理レッスンを「お試し」で体験
    本格的なフランス料理のレストランや宴会場を備え、多くの文化人に愛されてきた東京會舘。その創業以来受け継がれている料理のレシピを、クッキングスクールの「体験レッスン」で気軽に学ぶことができる。
    体験レッスンのメニューのひとつ「パエリアとガスパチョ」
  • spot 21
    インペリアルバイキング サール
    日本における「バイキング」発祥のレストラン
    「食べ放題」の代名詞にもなっている「バイキング」。このスタイルのサービスを日本で最初に始めたのが、「帝国ホテル 東京」内にある当レストランだ。今もその伝統を受け継ぎ、種類豊富な料理を提供している。
    日本を代表する名門ホテルにあるバイキングスタイルのレストラン
  • spot 22
    読売新聞東京本社
    報道や印刷の仕組みを学べる新聞社の本社見学
    140年以上の歴史をもつ読売新聞。大手町地区にある東京本社ビルでは、一般向け会社見学の申し込みを受け付けている。レクチャーや体験を通じて、楽しみながら、新聞社の業務について知ることができる。
    2013年(平成25)に完成した読売新聞東京本社ビル
  • spot 23
    増辰海苔店
    マイスターが選ぶ極上の海苔
    1914年(大正3)に海苔問屋から始まった増辰海苔店(ますたつのりてん)。問屋として培った眼識を生かして、社長自ら海苔マイスターを名乗り、全国の産地を飛び回る。強みは、必要量の確保を最重要視する大手には見過ごされやすい、品質がよく生産量の少ない希少な海苔を仕入れられることだ。商品にあわせた原料を集めるというより、あくまで品質のよいものを選び、そこから商品を作る。海外産は扱わない。ときには材料にあわせて新商品を作る姿勢は、自社工場をもつ海苔店だからこそ。店舗には最高級から日常使い、贈答品などさまざまな用途と価格帯の商品がそろう。おすすめは「金曜焼きたて海苔」(半切8枚648円)。金曜のみの販売で、焼きたての海苔が自社工場から店に直送される。ぜひ焼きたての風味を味わいたい。珍しい「青飛び海苔」を使った商品もおすすめだ。青飛び海苔とは、初冬に採れる黒海苔に自然の青海苔が混じったもの。黒海苔のうまみと青海苔の磯の香りを両方楽しめる、通好みの品だ。「青飛びのりプレミアム」(半切30枚1404円)や「青とび味のり」(10切60枚540円)などがある。「海苔はこんなにもおいしかったのか」と思える本物の味を教えてくれる店だ。
    酒のつまみにもおすすめの、味のりシリーズ。左から「青とび」「わさび」「プレーンな味のり」「しお」「うめ」(各10切60枚540円)
  • spot 24
    宝来屋本店
    愛らしい上生菓子がならぶ老舗和菓子店
    靖国神社のそばで創業から150年余り、上質な和菓子を作り続ける老舗和菓子店だ。喫茶室も併設し、煎茶とともに和菓子を楽しめる。月替わりで季節の風物をデザインした上生菓子が人気だ。
    喫茶室にはメニューがなく、1階で好きなものを購入するイートインスタイル
  • spot 25
    シェ・オリビエ
    実力派のフランス料理をくつろいだ雰囲気で
    東京・市ヶ谷にある「シェ・オリビエ」は、実力派シェフのオリビエ氏がつくり出す洗練された料理を、リラックスした空間で堪能できるフランス料理店。大切な人と至福の時を過ごしたい店だ。
    「牛ほほ肉の赤ワイン煮込み、ビーツとカシスのピュレ、牛のコンソメ」。ある日のランチメニュー3品(5500円)のメイン
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旅のヒント

  1. その1

    JR山手線(東京駅、有楽町駅)、東京メトロ(東京駅、有楽町駅、大手町駅、竹橋駅、九段下駅、桜田門駅、霞が関駅、国会議事堂前駅、日比谷駅)、都営地下鉄(大手町駅、九段下駅、日比谷駅)などから徒歩で訪ねられる。

  2. その2

    皇居東御苑、皇居外苑、北の丸公園、日比谷公園は、敷地面積が広いため、最寄り駅が複数ある。行きと帰りで駅を変えると、効率良く回れる。

  3. その3

    桜の名所(北の丸公園、靖國神社、日比谷公園など)、紅葉の名所(皇居東御苑、皇居外苑など)としても知られ、見頃の時期には多くの人が訪れる。

  4. その4

    広大な公園、庭園が多く、歩きやすい靴で訪れたい。

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