沖縄

那覇・首里

NAHA / SHURI

伝統とモダンが共存する亜熱帯都市

「沖縄の玄関口」である那覇市は、沖縄県で最も賑やかなエリア。中心地である沖縄県庁前の久茂地(くもじ)交差点からは沖縄随一の繁華街・国際通りが延び、お土産屋はもちろんのこと、沖縄そばやスイーツなどの沖縄グルメを味わえる店や、夜遅くまで楽しめる居酒屋までが軒を連ねる。近隣には「那覇の台所」と呼ばれる牧志公設市場が、そして周辺の筋道にはやちむん(焼物)発祥の地である壺屋地区などのノスタルジックな町並みがある。また、那覇市の東側には世界遺産の首里城を中心に琉球王国の王都として栄えた城下町の風情が残り、歴史スポットの散策が楽しい。那覇空港からは沖縄都市モノレール「ゆいレール」で国際通り周辺や新都心エリア、首里エリアまで簡単に行くことができる。

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エリアの見どころ

  • spot 01
    国営沖縄記念公園 (首里城公園)
    約450年続いた琉球王国の威容を物語る沖縄のシンボル
    1429年(正長2)から長年にわたり栄えた琉球王国の、政治・外交・文化の中心として栄華を極めたのが首里城だ。城跡はその歴史的、文化的価値から、2000年(平成12)には「首里城跡」として世界遺産に登録されている。
    二層の赤瓦の屋根が艶やかな守礼門は2千円札の絵柄にもなった
  • spot 02
    首里そば
    全国に名を知られた首里の名店
    伝説と謳われた沖縄そば店「さくら屋」で麺作りのノウハウを学び、1995年(平成7)にオープンした首里そば。現在では開店直後に行列ができるほどの人気店として県内外に知られる存在に。そばメニューは看板の「首里そば」のみ。最大の特徴は、てこの原理を利用し手もみにじっくりと時間をかけた自家製手打ち麺。しっかりとした歯ごたえは「嚙んで味わう」と称されるほど個性的。麺にあうよう作られたスープはカツオの一番だしのみを使用し、塩で調味することで上品かつしっかりとしたコクをあわせもつ。麺の上には、スープとのバランスを考えシンプルに味付けした三枚肉とロース肉、かまぼこをトッピング。薬味の針ショウガがそば全体の味を引き立たせるアクセントになっている。また、そばだけで物足りない人は沖縄風炊き込みご飯の「ジューシー」をぜひオーダーしてほしい。そばだしで炊くことであっさりとした味わいに仕上げた逸品だ。2021年(令和3)12月には守礼門からほど近い場所に姉妹店「首里そば なかだ」がオープン。より気軽に名店の味を楽しめるようになった。
    「首里そば」500円と「ジューシー」200円
  • spot 03
    首里金城町石畳道
    琉球国王も通った風情ある石畳の小道
    NHKの朝ドラなどのロケ地として有名な沖縄を代表する石畳道。琉球王国時代には国王が通ったこともある主要道路だった。首里城から近く、周辺には樹齢200年の巨木や史跡もあり散策にも最適。
    約300mにわたって昔から変わらない石畳道が続く
  • spot 04
    玉陵
    世界遺産と国宝に登録されている琉球国王の墓
    首里城をモデルにしたといわれる琉球独自の石造建築物で、琉球王国の最盛期といわれる尚真王(しょうしんおう)の時代に造られた。琉球王国の歴史に触れることができる貴重な史跡だ。
    地面に敷き詰められた白砂は、邪気から墓を守っている
  • spot 05
    識名園
    独特の工夫を凝らした琉球王家最大の庭園
    2000年(平成12)に世界遺産に登録された琉球王家の別邸。池の周りを歩きながら景色を楽しめる「池泉廻遊式庭園」で、琉球石灰岩で池の周りを囲み、中国と日本の文化を融合させた琉球独自の庭造りが見どころ。
    琉球王国の文化と歴史、自然を感じながら散策できる
  • spot 06
    国際通り
    沖縄一の通りは見て歩くだけでも楽しい
    終戦後いち早く復興を遂げたこと、通りの長さがほぼ1マイルであることから「奇跡の1マイル」と呼ばれる、沖縄随一の繁華街。沖縄グルメを味わえる店や土産物店が並ぶほか、ローカル感あふれる路地(筋道)も魅力的だ。
    ヤシの木が並び南国情緒を醸し出す
  • spot 07
    那覇市伝統工芸館
    琉球王朝時代から現在に伝わる伝統工芸体験を気軽に楽しむ
    14世紀頃から中国や東南アジア、インドなどと往来を盛んに行ってきた琉球王国。それらの地方から伝わった焼き物や染め織りの技法、漆器などの工芸品は王府の保護を受けながら発展し、やがて琉球独特の文化として今日まで受け継がれるようになった。国際通りの真ん中にある「てんぶす那覇」2階の伝統工芸館では、琉球王朝時代から沖縄で受け継がれてきた本格的な伝統工芸に気軽に触れられる体験プログラムが人気だ。施設の中で体験できるのは「琉球ガラス」「壺屋焼」「琉球びんがた」「首里織」「琉球漆器」の5種類。予約に空きがあれば当日でも受け付けている。製作時間は短くて10分、長くても1時間半ほど。大切な人にこっそり作ってお土産にするも良し、ふだん使いの食器や雑貨として持ち帰るのも良し。世界でひとつだけのオリジナル作品を作り、沖縄での素敵な旅の思い出をたっぷり詰めて明日からの日常に彩りを添えよう。
    お土産の購入と体験の受付は伝統工芸販売場で※体験は現金支払いのみ
  • spot 08
    国際通り屋台村
    はしご酒も大歓迎!! 人情味あふれる個性豊かな屋台村へ
    国際通りの中心地牧志(まきし)に位置し、県民に親しまれた映画館・旧グランドオリオン跡地に2015年(平成27)に誕生したのがこちら。おでんや餃子、寿司など、沖縄の食材を使ったバラエティ豊かな料理と地酒を味わえる店が21店、軒を連ねる。屋台村のコンセプトは「出会いを楽しむ」。1店舗ごとに20席までという制限を設けており、客とスタッフがひとつの空間を共有しているような、そんな心地良い時間が流れる。村内は全店舗チャージなし。2軒、3軒と気軽にはしご酒を楽しめる。「せんべろ(千円でベロベロに酔えるの略)」プランを利用しながらスタンプラリーに励む常連客も多いのだとか。副村長の和田さんは「旅行で訪れた方は、ぜひ初日の来店を」と呼びかける。そのわけは「スタッフが観光スポットや旅行プランを一緒に考えたい」から。アットホームでエネルギッシュなもてなしを、ぜひ体感したい。
    オープン間もない時間ながらすでに賑わいを見せる村内
  • spot 09
    むつみ橋 かどや
    昔から変わらない沖縄そばの老舗
    沖縄そばは沖縄県民のソウルフード。そば粉を使わない小麦粉100%の麺に豚やカツオのスープ、具材に三枚肉やソーキなどの豚肉やかまぼこを載せたそばだが、ラーメンのように地域や店ごとに特徴とこだわりがあり、沖縄そば店だけでなく食堂やパーラーでも食べることができる。国際通りのど真ん中、むつみ橋にある「かどや」は創業70年の老舗。豚骨をじっくりと煮出した豚ダシだけのスープに平麺という昔ながらの味を今も変わらずに提供し続けている。定番の「三枚肉そば」や「ソーキそば」はもちろん、ネギと紅ショウガだけのシンプルな「かけそば」や、脂身のないあっさりとした赤身肉が載った「ロースそば」などのオリジナルメニューも。そばのお供に、2個で100円のいなりずしも人気だ。また、沖縄そばの薬味は島唐辛子を泡盛に漬け込んだ「コーレーグース」が一般的だが、かどやには八重山産のピパーツ(長こしょう)や七味唐辛子があるのもうれしい。
    ロースそば500円、いなりずし(2個)100円
  • spot 10
    那覇市第一牧志公設市場 (仮設)
    珍しい食材が集まる「沖縄の台所」で食文化を体感
    「沖縄の台所」「那覇の胃袋」と呼ばれる、沖縄県の食材が一堂に集まる歴史ある市場。鮮魚や精肉店、食堂もそろい、沖縄の「食」を五感で体感できる。2023年(令和5)3月頃に仮設市場での営業は終了し、元の場所でオープン予定。
    魚のなかでも目立つ青い魚はイラブチャー(青ブダイ)
  • spot 11
    花笠食堂
    懐かしいアンマー(お母さん)の家庭料理を定食でじっくりと味わう
    昔ながらの市場の風情が残る平和通り商店街で、ひときわ目をひく大きな看板とショーケースが印象的な「花笠食堂」。1967年(昭和42)の創業当初から店で振る舞っていたというアイスティーが商品化されたことからも、その人気をうかがい知れる県民お気に入りの老舗食堂だ。看板メニューは定食で、汁物5種、ご飯3種などのなかから好きなものを選んで注文できるスタイルは、創業者山城里子さんのアイデア。料理はひと品ごとに十分な量ではあるが、さらにテーブルには来店と同時におかわり自由のアイスティーもポットで添えられる。これらはすべて、戦後空腹を耐えしのんできた山城さんの強い食への憧れと、「腹いっぱい、おいしいものを」という当時学生だった常連客へのもてなしの精神から始まったスタイル。50余年親しまれてきた「アンマー(お母さん)の味」。初めて口にするけどどこか懐かしい、そんな温かい味わいで迎えてくれるだろう。
    煮付けを中心に沖縄家庭料理を味わえる花笠定食900円
  • spot 12
    壺屋やちむん通り
    沖縄の焼物文化発祥地でお気に入りの器を探そう
    国際通りからほど近い場所にある壺屋やちむん通りは、琉球王朝時代から続く沖縄の焼物文化を支えてきた壺屋焼の産地。約400mの石畳道沿いには、古くからの窯元や小さな陶芸店が並ぶ。
    約400mの石畳道の途中には座って休める公園も
  • spot 13
    沖縄県立博物館・美術館
    「おきみゅー」の愛称で知られる県立のミュージアム
    那覇市のおもろまちにある沖縄県最大級の博物館と美術館が一緒になった複合文化施設。沖縄の自然や文化、歴史、芸術を中心とした展示をはじめ、沖縄にゆかりのあるアートなどがそろう。
    沖縄の歴史的資産であるグスク(城)の形態をイメージした外壁が何よりも特徴
  • spot 14
    波の上ビーチ
    アクセス抜群の街なかビーチで帰る前にもうひと泳ぎ
    那覇のパワースポット「波上宮」のすぐ隣にある那覇市唯一の海水浴場。ダイビングやスノーケリングをはじめ、SUP、BBQなどのビーチレジャーを存分に楽しむことができる。空港から約10分という好立地で地元の人でも賑わう。
    市街地にあるビーチとは思えない透明感
  • spot 15
    ジャッキーステーキハウス
    米軍統治下の沖縄で生まれたAサイン認定の老舗ステーキ店
    熱々の鉄板の上でジュージューと小気味良く音をたてるステーキ。1953年(昭和28)、戦後間もない沖縄で誕生した「ジャッキーステーキハウス」の看板メニューだ。アメリカ統治下にあった沖縄で、そのボリューム満点のステーキのおいしさはたちまち米兵の間で評判になった。そして、現在。当時の面影を残すノスタルジックな店内には今も「Aサイン」が飾られている。アメリカの厳しいレストラン基準を満たした許可証である「Aサイン」がある店は、それだけ客からの信頼もあつかった。常に吟味を重ねた上質な肉を提供するという真摯な姿勢と、それを楽しみに訪れる客との心地良い距離感。先代から守られてきた味ともてなしの心が、沖縄のステーキ史を牽引してきたこの名店のこだわりだ。「いつ来てもおいしい」そんな安心感に包まれながら、じっくりと味わいたい。
    人気No.1のテンダーロインステーキのセット(250g)3100円
  • spot 16
    千日
    先代のこだわりが詰まったふんわり甘い沖縄の定番おやつ
    沖縄の長く暑い夏に欠かせない「ぜんざい」。甘く煮た金時豆の上に氷が載った沖縄の伝統的なスイーツで、その老舗店として有名なのがここ千日だ。1962年(昭和37)、地元で古くから愛される地・波の上の近くにオープン。研究熱心な先代・金城新五郎さんのおいしさへの真摯な追求と、「看板娘」だった妻・春子さんの人懐っこいおもてなしもあって、瞬く間に繁盛店へ。当時、「帰りのバス賃を使い果たしてしまい歩いて帰った人もいる」というエピソードも残されているほど。今日までその人気は衰えず、千日ファンは実に4代にもわたって増え続けている。氷を削る機械や氷の質、刀の状態によってもぜんざいの仕上がりは違ってくる。先代からの味と思いがしっかりと刻まれた門外不出のレシピは、現在三女のれい子さんを中心に忠実に再現され、守られている。ふわっと溶けるパウダー状の氷と金時豆のやさしい甘さ。一瞬で至福の味わいに包まれる千日のぜんざい、旅の思い出にぜひ味わってみたい。
    創業以来の看板メニューのアイスぜんざい400円
  • spot 17
    福州園
    那覇の中心部にある都会のオアシス。アジアとのつながりを感じさせる中国式庭園
    中国福州市と那覇市の 友好都市締結10周年を記念して、1992年(平成4)に開園した中国式庭園。那覇空港から車で10分、ゆいレール県庁駅前より徒歩10分と那覇の都心にありながら、緑豊かな都会のオアシスで、心癒やされる時間を過ごせる。
    あずまやから欧治池(おうやいけ)を望む。水と緑に癒やされる庭園
  • spot 18
    波上宮
    沖縄の民間信仰と融合調和した、沖縄を代表する神社
    那覇市若狭の海に面した断崖に創建された波上宮。その地は、海の彼方にあるとされる他界「ニライカナイ」へ向けて、古から祈りが捧げられている御拝所(うがんじゅ)、いわゆる聖地として地元の信仰を集めている。
    波の上ビーチのある若狭海岸に面した神社
  • spot 19
    崇元寺石門
    中国から来琉した冊封使(さっぽうし)が最初の儀式で訪れた崇元寺
    かつて琉球国王の霊位を祀る国廟(こくびょう)だった崇元寺。重要文化財に指定されている美しい石門や石垣を眺め、「下馬碑(げばひ)」や「崇元寺御獄(すーぎーじうたき)」、「長虹堤(ちょうこうてい)」など、崇元寺にまつわる歴史をたどってみよう。
    内側から見る石門は鮮やかな緑と共存していてフォトジェニック。いつでも無料で入場可能
  • spot 20
    那覇市歴史博物館
    国宝の「琉球国王尚家(しょうけ)関係資料」を所蔵する博物館
    かつて独自の国家を形成していた琉球王国の文化と、王都として栄えた那覇市の歴史をたどる博物館。国宝に指定された「琉球国王尚家関係資料」をはじめ、貴重な歴史資料を見ることができる。
    金、銀など7種類の玉が計288個、金鋲でとめられた「玉冠」(那覇市歴史博物館所蔵)
  • spot 21
    わしたショップ国際通り店
    国際通りで立ち寄りたい、多彩な品ぞろえが魅力の沖縄物産店
    那覇空港からアクセスがスムーズな国際通りは、旅の始まりや終わり、旅の途中、いつでも立ち寄りやすい観光スポットだ。沖縄の多彩な魅力に出合える「わしたショップ国際通り店」でお土産選びを楽しもう。
    ゆいレール「県庁前駅」から県庁北口交差点を渡った先、国際通りの入り口に位置する
  • spot 22
    首里染織館 suikara
    王都首里で、琉球王朝時代から続く染め織りの真髄に触れる
    沖縄が誇る染物「紅型(びんがた)」と、織物「首里織」の伝統技術を次世代に継承し、その魅力を発信する施設。かつて王都として栄えた首里の城下町で、美しい布たちが紡ぐ物語と出合おう。
    名称には沖縄の言葉で首里を意味する「すい」と、首里「から」発信、首里「から」つながるという意味が込められている
  • spot 23
    壺屋焼窯元育陶園・やちむん道場
    壺屋焼の窯元でやちむん(焼物)作りを体験
    那覇の中心地、国際通りから徒歩圏内にある壺屋は、沖縄の焼物「やちむん」の発祥地。昔ながらの沖縄の風情が残る街並みを散策し、琉球王朝時代から続く壺屋焼の魅力を堪能しよう。
    「壺屋焼窯元育陶園」5代目の高江洲育男が作陶したシーサーが迎えてくれるやちむん道場
  • spot 24
    栄町市場
    昼と夜の顔をもつ、地域の愛され市場
    沖縄都市モノレール、通称ゆいレールの安里(あさと)駅東側にある栄町市場(さかえまちいちば)。昔ながらの相対売りの市場として、昼間は食材などを買い求める地元客で賑わい、夜は地元も観光客も入り交じっての呑み屋街となる。カフェや劇場、雑貨店などもあり、小さな店がひしめきあうノスタルジックな雰囲気が人気を呼んでいる。
    アジア的な混沌とした空気が漂う迷路のような市場。迷いながら楽しもう
  • spot 25
    いまいパン
    地産地消にこだわり、地域に愛される焼きたてパン
    世界遺産・識名園から徒歩約5分。店を営むブーランジェの今井陽介さんとパティシエールのあいこさんご夫妻は、本場フランスで腕を磨いた本格派。店内にはバゲットや食パンをはじめ、調理パンからおやつにぴったりな菓子パンまで常時70種類ものパンを用意。朝7時のオープンから閉店の19時30分まで、いつ来てもたくさんのパンが選べると地元客から絶大な支持を集めている。安心安全はもちろん地産地消にもこだわり、那覇市繁多川(はんたがわ)にある老舗、長堂豆腐店の豆腐や豆乳、南城市の玉城(たまき)牧場のEM牛乳など県産素材を積極的に利用したパン作りが魅力。また、沖縄らしい菓子作りにも力を入れており、いち押しはフランス菓子のフロランタンと地元の老舗「丸吉塩せんべい」の「塩せんべい」をあわせた琉球世界遺産Sweets「識名園るうまんぺい」。バターとはちみつの甘さに加え、フランス・ブルターニュ地方のゲランドの塩をまぶすことで大人の味わいに。2015年(平成27)に那覇の物産展事業 那覇市長賞最優秀賞を、2017年(平成29)には全国菓子大博覧会名誉総裁賞を受賞した自信作をぜひ旅のおみやげに。
    バラエティ豊かで何を食べようか迷ってしまう
  • spot 26
    謝花きっぱん店
    琉球の伝統銘菓「橘餅(きっぱん)」と「冬瓜漬」を唯一製造・販売する店
    今から300年以上前、中国の福州から伝わったとされる銘菓「橘餅」(きっぱん)と「冬瓜漬」。琉球王朝時代、中国から訪れる冊封使(さっぽうし)を歓待するための「御冠船(うかんしん)料理」で供された歴史があり、高位な人しか味わえなかったお菓子だ。庶民も口にできるようになったのは明治以降といわれている。手間暇がかかるため、時代とともに作り手が減り、現在製造しているのはこの「謝花(じゃはな)きっぱん店」のみ。創業130年以上、今は6代目がその味を受け継いでいる。店主のおすすめは、泡盛との相性が抜群だという「冬瓜漬」。冬瓜はウリ科の植物で、沖縄では「しぶい」と呼ばれ、料理にも用いられる特産品だ。冬瓜漬は、皮とワタを取り除いたものをアク抜きし、砂糖と冬瓜蜜で煮詰め、仕上げに砂糖をまぶして完成する。砂糖のシャキッとした食感と、果汁のようにみずみずしい味わいがたまらない。近年では、シークワーサーや伊江島産ラム酒などをしみ込ませた新しいフレーバーの冬瓜漬も販売している。
    橘餅プレーン3本、シークワーサー味とラム酒味の各1袋が入った冬瓜漬セット2200円
  • spot 27
    ステーキハウス88国際通り店
    ジューッ!と弾ける肉汁の音が食欲をかきたてる
    沖縄の食文化のひとつとして挙げられるステーキは、お酒を飲んだあとの「締めのステーキ」という言葉もあるほど県民にとって身近な存在。戦後、駐留するアメリカ人のお腹を満たすため持ち込まれた食文化で、厳しい衛生基準をクリアした米軍発行の許可証「Aサイン」を掲げる店で食べられていたのが始まり。県内に10店舗を展開するステーキハウス88は、1955年(昭和30)に米軍人相手に営業していたAサインバーCLUB88(クラブエイリーエイ)をルーツにもち、1978年(昭和53)に現在のスタイルであるアメリカンスタイルのステーキハウスとしてオープン。国際通り店は沖縄一の繁華街・国際通りを眺めながら食事ができると、昼夜問わず多くの観光客で賑わいを見せている。アツアツの鉄板で提供するステーキメニューは特上ニューヨークステーキなど16種類。いちばん人気のテンダーロインステーキは日本では「ヒレ」と呼ばれる部位で、脂身が少なく赤身でやわらかな肉質が特徴。肉は味付けをせず素焼きで提供されているので、まず肉本来のうまみをダイレクトに味わえる塩コショウで。そのあとはテーブルに用意されたソースで味変を楽しむのがおすすめ。ソースはにんにくじょうゆやオニオンペッパーソースなどオリジナルソースを多数用意。自分好みの味わいで楽しみたい。
    テンダーロインステーキ(200g)4,015円(スープ、サラダ、ライスorパン付き)
  • spot 28
    新垣カミ菓子店
    琉球王家御用達の伝統菓子を200余年受け継ぐ菓子店
    琉球王朝時代、王家の包丁役(料理方)を拝命していた父祖、新垣親雲上淑規(あらかきぺーちんしゅくき)の家系が営む琉球王家伝承菓子の店。新垣親雲上淑規は、中国と日本から菓子の製法を取り入れ、琉球独特の菓子を作り上げた人物で、店名の新垣カミはその技を継いだ4代目女主人の名前。「昔からの味は絶対に変えてはいけない」というカミの教えは代々受け継がれ、今も琉球古来より変わらぬ製法で、その味が守り抜かれている。作られているのは「ちんすこう」「花ぼーる」「くんぺん」「ちいるんこう」の4種類。国産の材料にこだわり、一つひとつていねいに手作りされている。卵黄、砂糖、小麦粉のみで作る「花ぼーる」は、やさしい甘みの素朴な味わいはもちろん、藤の花をモチーフにした芸術的な形も魅力だ。型は使わず、ヘラで切込みを入れ、成形していく職人の手作業は感動的。その様子を見学できるほか、自分で作る体験も受け付けているので、ぜひお問い合わせを。
    「花ぼーる」1個100円(左・下)、ピーナッツ餡が包まれた「くんぺん」1個80円(中央)、「ちんすこう」2個で60円(右)
  • spot 29
    瑞泉酒造
    首里で1887年(明治20)より泡盛造りを続ける老舗酒造所
    琉球王朝時代、泡盛は王族や中国からの冊封使(さっぽうし)を歓待するための高級酒として珍重されていた。高い品質を保持するため、王府が泡盛の製造を許可していたのは、首里の鳥堀町、崎山町、赤田町のみ。この地域は「首里三箇」(しゅりさんか)と呼ばれ、当時は約40の酒造所が軒を連ねていたという。2022年(令和4)、首里三箇に現存する酒造所は2か所のみとなり、崎山町で1887年(明治20)より泡盛造りを続ける「瑞泉酒造」は、その1つとして歴史に名を刻んでいる。代表する銘柄は20余年のロングセラーを誇る「御酒(うさき)」で、第二次世界大戦の戦禍をまぬがれ生き続けた幻の瑞泉菌のみを使用し、戦前の味を復刻させた奇跡の泡盛ともいわれている。果実のような甘い香りと、まろやかでクリアな飲み口は、泡盛初心者にも人気だ。また、熟成年数、度数の異なる年代古酒が豊富な「おもろ」シリーズもおすすめ。43度10年古酒は2004年(平成16)「インターナショナル・スピリッツ・アワード」で金賞を受賞している。
    「おもろ」10年古酒43度(720㎖)3960円、「御酒(うさき)」30度(720㎖)2915円
  • spot 30
    榮椿
    首里散策のお供にしたいひと口サイズのカステラ
    ゆいレール儀保駅から5分ほど歩いた首里の静かな住宅街に、築70年の古民家を利用した小さなお菓子屋がある。もともと叔父叔母が守り続けてきた大家(うふやー・本家のこと)を店主が継ぎ、夫妻で開業したのが2018年(平成30)。叔父と叔母の名前をひと文字ずつとった「榮椿」を店名に掲げ、ころんと丸くかわいいひと口サイズの焼きカステラを提供している。やんばるの「安室養鶏場」の木酢玉子や、北海道産小麦粉、きび砂糖などを独自にブレンドして作られる生地は、ふっくらやわらか。プレーンのほか、紅芋、粒黒糖など、沖縄県産素材を包んだ数種類の味も楽しめる。おすすめは、冬瓜漬入りレモン。「謝花きっぱん店」の冬瓜漬にシークワーサーをまぶしたものを生地に入れ、レモンチョコをコーティング。シャキッとした冬瓜漬の食感と柑橘の酸味があとを引くおいしさだ。十二支の守り本尊を巡拝する「首里十二カ所巡り」にちなんで作られた「首里十二支カステラ」も人気。ぜひ首里散策のお供に楽しんでほしいお菓子だ。
    冬瓜漬入りレモン6個入り380円。ラスク状に焼いた黒糖かりんとうも販売。6個入り220円
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旅のヒント

  1. その1

    シティリゾートやビジネスホテル、コンドミニアムスタイルのマンションなどさまざまなタイプの宿泊施設があり、選択肢豊富なのが那覇ステイの魅力。自分の滞在スタイルにあった宿を選ぼう。

  2. その2

    那覇市内だけの移動なら、沖縄都市モノレール「ゆいレール」が断然便利。1日フリー乗車券、2日フリー乗車券を利用すれば、乗車券提示で割引になる施設もありさらにお得。

  3. その3

    レンタカー利用の際は、ほかのエリアに比べて駐車場がある店やスポットが少ないので、事前確認は必須。周辺の有料駐車場を活用しよう。ホテルに宿泊する際も、駐車料金は別の場合が多い。市街地は道幅が狭かったり、一方通行の道も多かったりするので要注意。

  4. その4

    地方への交通の起点は、2018年(平成30)にリニューアルオープンした那覇バスターミナル。2階に「沖縄観光情報センター」があり、沖縄県の全エリアのパンフレットがそろうほか、観光地へのアクセスやイベントについての情報をもらえる。

  5. その5

    車を使わない場合は、ゆいレールの利用に加えて、市バスやタクシーの利用もおすすめだ。バスは那覇バスターミナルを起点として市内均一料金(大人240円、子ども120円)で利用でき、本数も多い。タクシーは主要観光スポットはもちろん、駅前やスーパーなどで待機している(初乗り550円〜)。

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