沖縄

八重山諸島

YAEYAMA ISLANDS

個性豊かな12の島々からなる日本南西端の諸島群

沖縄本島の南西400~500㎞に位置する八重山諸島は、美しい珊瑚礁の海に浮かぶ12の島々から形成される諸島群。玄関口となる石垣島(石垣市)からは、竹富島・小浜島・黒島・西表島・由布島・鳩間島・新城島(上地島、下地島)・波照間島の9つの有人島(いずれも竹富町)に高速船で渡ることができる。石垣島に最も近い竹富島(高速船で約15分)は、昔ながらの赤瓦の民家と白砂の道など伝統的な風景が色濃く残る島。2021年(令和3)に世界自然遺産に登録された西表島(高速船で約40~50分)は島の約9割が亜熱帯のジャングルに覆われており、滝トレッキングやマングローブカヌーなどのアクティビティを楽しめる。日本最南端の波照間島(高速船で約80~90分)では、サトウキビ畑と満天の星空に包まれて何もしないぜいたを満喫できるなど、島ごとに異なる文化と魅力がある。いずれの島も平均気温は約23~25℃と過ごしやすく、冬場でも15℃を下回ることはあまりない。日帰りが可能な島もあるが、できれば余裕をもった計画を立てて、離島ならではのゆったりとした時間を味わいたい。

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エリアの見どころ

  • spot 01
    竹富島集落・なごみの塔
    古き良き沖縄の原風景が残る「うつぐみ」の島
    石垣島から高速船で約15分の竹富島は、周囲約9kmの小さな離島。その最大の魅力は、1987年(昭和62)に国の「重要伝統的建造物群保存地区」に指定された伝統的な集落の町並み。白砂の道に映える昔ながらの赤瓦屋根や、南国の花々に彩られたサンゴの石積みが美しい。島の暮らしを感じながら集落を散策したり、名物の水牛車で観光を楽しむこともできる。
    「なごみの塔」がある赤山公園から集落を望む
  • spot 02
    西桟橋
    青い海に向かって延びる竹富島の絶景桟橋
    西桟橋は、竹富島の西海岸にある観光スポット。石灰岩とコンクリートで造られた竹富島で最初の近代的な桟橋で、国の有形文化財にも登録されている。日中は青い海と空とのコントラストを、日没時には辺り一面がオレンジ色に染まる幻想的な風景を楽しむことができ、写真を撮りたくなるフォトジェニックなスポットとしても人気を集めている。
    桟橋の先端に立つと、視界いっぱいに青い空と海が広がる
  • spot 03
    コンドイ浜
    白い砂浜と青い海のグラデーションが美しいビーチ
    竹富島の西海岸にあるコンドイ浜は、透明度の高い海と白砂とのコントラストが美しい天然の浜。石垣島から日帰りでも行けるビーチとして人気が高く、夏は海水浴を楽しむ多くの人で賑わう。ビーチ前の園地にはシャワーやトイレ、あずまやもあり、海の向こうに石垣島、小浜島、西表島を望むこともできる。楽園のような風景のなかでのんびり過ごしたい人におすすめのスポットだ。
    透明度の高い遠浅のビーチは海水浴や撮影スポットとして大人気
  • spot 04
    カイジ浜
    星砂浜(ほしずなはま)の別名をもつ憩いのビーチ
    カイジ浜は竹富島の観光スポット。砂浜に星の砂があることから、別名「星砂浜(ほしずなはま)」とも呼ばれている。流れが速いため遊泳には注意が必要で、白砂が美しいビーチで星の砂を探したり、涼しい木陰で青い海を見ながらのんびり過ごすのがおすすめだ。
    星の砂を見つけられることで知られているカイジ浜
  • spot 05
    由布島
    水牛車に揺られながらのんびり渡る亜熱帯植物園
    西表島東部に浮かぶ由布島は、浅瀬の海を水牛車に乗って渡る風景でおなじみの島。島内では南国の草花や蝶と戯れたり、水牛と記念撮影したりできるほか、レストランやカフェもあり島のリズムでくつろぐことができる。
    川から流れた砂が蓄積してできた周囲約2km、面積15万平方メートル(東京ドーム約3個分)ほどの小さな島
  • spot 06
    西表野生生物保護センター
    世界自然遺産、西表島の生物多様性を楽しく学べる施設
    2021年(令和3)7月、世界自然遺産に登録された西表島。その豊かな自然環境と生物の多様性について、資料や映像などを用いた体験型の展示で学ぶことができる施設。イリオモテヤマネコをはじめとする野生生物の生態はもちろん、保護活動の取り組みまでわかりやすく紹介されており、西表島で自然体験をする人には必ず訪れてほしいスポットだ。
    圧倒的な情報量で、西表島の自然環境と生物の多様性についての知識を得られる
  • spot 07
    仲間川マングローブクルーズ
    日本最大級のマングローブ林を巡る仲間川遊覧
    西表島で2番目に大きな川、全長約17.5kmの仲間川(なかまがわ)の河口-中流域を遊覧船で巡る人気のジャングルクルーズ。日本最大級のマングローブ林を両岸に見ながら進み、天然記念物のヤエヤマヤシ群落や日本最大のサキシマスオウノキなど、西表島でしか見ることのできない珍しい亜熱帯の植物を見学することができる。心地よい風を受けながら、世界遺産、西表島の貴重な自然環境を間近に感じよう。
    屋根付きの遊覧船なので、日差しや雨を避けて水上散歩を楽しむことができる
  • spot 08
    うなりざき公園
    西表らしい海景色が広がる風通しの良い絶景スポット
    西表島の西部にある上原港から車で約15分の絶景スポット。遊具のある広場や遊歩道があり、岬の展望台からは外離島(そとぱなりじま)や東シナ海に沈む夕陽を望める。星空スポットとしても知られ、地元の人たちの憩いの場にもなっている。
    公園内の展望台から望める風景。青のグラデーションが大海原に輝く
  • spot 09
    星砂の浜
    星の砂がたくさん見つかる西表島を代表するビーチ
    星の形をした砂で有名な星砂の浜は、西表島西部の上原港から車で約10分、徒歩30分の好立地にある。自然海岸がほとんどの西表島においてトイレやレストハウスのある数少ないビーチのひとつで、観光客や地元のファミリーにも人気だ。
    小島や岩礁が点在するビーチ。水中は透明度が高くカラフルな熱帯魚を見ることができる
  • spot 10
    トゥドゥマリの浜(月ヶ浜)
    美しいサンセットを望める三日月形のビーチ
    西表島の北西部、宇那利崎(うなりざき)と浦内川の河口の間に広がるトゥドゥマリ浜は、きめ細かな白砂が美しい海岸。昔から聖地として大切に守られてきた場所でもあり、のんびり散策したり、水平線に沈む夕陽を眺めるのがおすすめだ。
    モクマオウ林に囲まれた白砂の海岸。日中は人も少なくのんびりと過ごせる
  • spot 11
    浦内川
    亜熱帯のジャングルクルーズを楽しめる沖縄最長の川
    浦内川は沖縄県最長の川。遊覧船に乗って日本最大級のマングローブ林が広がる下流域から上流域までを手軽に楽しめるクルーズのほか、上流の船着場からトレッキングコースを歩いてマリユドゥの滝やカンビレーの滝に行くこともできる。
    遊覧船でジャングルのなかへ。下流から上流へとダイナミックに風景が移り変わる
  • spot 12
    マリユドゥの滝
    「日本の滝100選」に選ばれた西表島の2段滝
    マリユドゥの滝は、浦内川の上流にある2段の滝。西表島の言葉で「マリ」は丸い、「ユドゥ」は淀みを指し、滝壺が丸みを帯びていることからこの名がつけられた。落差は大きくはないが、亜熱帯の色濃い緑を背景にカーブを描きながら豊かな水が落ちてゆく様が美しく、1990年(平成2)に沖縄県から唯一「日本の滝100選」に選ばれた。マリユドゥの滝へは浦内川観光の遊覧船(大人2200円、片道約30分)に乗る、もしくはカヌーツアーなどで上流の船着場(軍艦岩)まで行き、そこから森のなかのトレッキングコースを約1時間歩いてアクセスする。2021年(令和3)12月現在、滝の間近を歩くことはできないが、丸い滝壺を見渡せる展望台や、近くから流れを眺めることのできる遊歩道が設置されている。さらに上流に向かって約15分歩くと、カンビレーの滝が現れる。
    2段の滝が丸い滝壺に落ちる様が美しいマリユドゥの滝
  • spot 13
    カンビレーの滝
    西表の神々が集った「神の座」という名の滝
    カンビレーとは、西表島の言葉で「神(カン)の座(ビレー)」という意味。その昔、西表島の15の地域の神々が集い、話し合いが持たれたという伝説が残っており、西表島のなかでも最高位の聖地とされている。滝の高低差は小さく、約200mにわたり斜面がゆるやかな階段状になって続いているのが特徴。幅の広い川岸に座って、心地良い水音を聴きながら山歩きで疲れた足を癒やしたい。川岸にはポットホールという丸い水溜まりが点在している。これは小さなくぼみに入った石が川の流れによって転がることで作られたもので、水溜まりの中にテナガエビやカエルなどを観察することができる。水に濡れた岩の上は大変滑りやすいので注意して歩こう。浦内川観光の遊覧船で上流の船着場(軍艦岩)に行き、そこからトレッキングコースをゆっくり歩いて約1時間で到着する。
    川幅も川岸も広いカンビレーの滝
  • spot 14
    ピナイサーラの滝
    沖縄一の落差を誇る、西表島を代表する滝
    ピナイサーラの滝は、沖縄県で最も大きい約55mもの落差がある雄大な滝。緑のなかをまっすぐに落ちていく白い水の帯は、西表島の言葉でピナイ(ひげ)、サーラ(下がったもの)というその名のとおり、垂れ下がった老人のひげのようにも見える。亜熱帯の森をカヌーとトレッキングで進み、滝つぼや滝上に行くことができる。
    沖縄では他に類を見ない細長い滝。濃緑のなかに落ちるその姿は神々しくもある
  • spot 15
    波照間島
    何もないぜいたくを満喫できる日本最南端の島
    波照間島(はてるまじま)は、石垣島の南西約50km沖に浮かぶ日本最南端の有人島。八重山諸島のなかでも屈指の美しさを誇るニシ浜や、青空の下に広がるサトウキビ畑、好条件で南十字星を観測できる星空に日本最南端の塔や泡盛など、旅人を魅了してやまない要素が満ちあふれている。不便を楽しみ、何もないぜいたくを味わいたい人にとっては楽園のような島だ。
    一度見たら忘れられない「ハテルマブルー」がまぶしいニシ浜
  • spot 16
    ニシ浜
    思わず歓声を上げたくなる最南端の島の絶景ビーチ
    波照間島随一の人気ビーチ。「ニシ」とは島の言葉で「北」のことで、浜が北向きのためにこの名が付いたと考えられている。波照間港からは徒歩15-20分、港でレンタサイクルやレンタバイクを借りれば約5-10分でアクセスできる。港や集落から製糖工場横の坂道を下ってニシ浜に向かうと、目の前に「ハテルマブルー」と称されるコバルトブルーの海が広がり、思わず歓声を上げる観光客も多い。島内唯一の遊泳ビーチとして駐車場、シャワー、トイレ、あずまやが完備されている。白い砂浜の広がる海は遠浅で波も穏やかなので、子ども連れでも安心して海水浴やスノーケリングを楽しむことができる。ただし、近年は事故が多発しているため、ライフジャケットの着用を心がけ、体調管理や天候の変化に気を配りたい。また、ビーチ左側にある古い防波堤の手前には藻場があり、運がよければ海藻を食べにくるウミガメに出合えるかもしれない。触れたり近づいたりせずに、適度な距離を保って観察しよう。サンセットポイントとしても人気があり、水平線に沈む太陽と、オレンジ色に染まっていく海と空をのんびり眺めるのもおすすめだ。
    「ハテルマブルー」が美しいビーチとして名高い浜
  • spot 17
    日本最南端の碑
    3つの碑が並ぶ日本最南端の地
    日本最南端の有人島、波照間島(はてるまじま)の南端、高那崎(たかなざき)にあるコンクリート製の碑。1970年(昭和45)に北海道から日本縦断の旅をしてきた大学生が自費で建立したもので、2001年(平成13)に改修された。すぐ横には1972年(昭和47)5月15日の沖縄の本土復帰を記念して建てられた「波照間の碑」と、1995年(平成7)に戦後50周年を記念して竹富町が建てた「平和祈願の碑」もあり、記念撮影のメッカになっている。また、「波照間の碑」へと続く白砂の遊歩道は「蛇の道」と呼ばれ、日本全国の青年が平和を祈願して47都道府県から持ち寄った石が埋め込まれている。2匹の蛇がからみ合っているような2つの道は、日本と沖縄が二度と離れ離れになることがないようにとの想いが込められている。碑のある高那崎(たかなざき)は、隆起した琉球石灰岩の断崖に荒々しい波が打ち付ける岬で、見渡す限りの水平線が広がる景色は最南端ならではの開放感と達成感を感じさせてくれる。
    東経123度47分12秒、北緯24度02分24秒に位置する日本最南端の碑
  • spot 18
    コート盛
    波照間港を一望できる琉球王国時代の遠見台
    コート盛(もり)へは波照間港から徒歩約8分、自転車で約5分、港から坂道を登って集落に向かう途中にある。琉球石灰岩を積み上げて造られており、琉球王国時代には海上を往来する外国船や、琉球から中国へ向かう進貢船を監視してのろしを揚げる火番所であった。標高約60mの高台の上に積み上げられた約4mの遠見台の上からは波照間港を一望でき、海の向こうには、かつてのろしで連絡を取り合っていた西表島を見ることができる。八重山の島々には、1644年(寛永21)に江戸幕府の令によって造られた同様の遠見台が各所にあり、コート盛を含む宮古、八重山諸島の14の島々にある19か所の遠見番所群は「先島諸島火番盛(さきしましょとうひばんむい)」として2007年(平成19)に国の史跡に指定されている。コート盛の周辺には、琉球王府に反乱を起こしたことで知られる八重山の豪傑、オヤケアカハチの生誕地や、琉球王国以前に築かれた下田原城(しもたばるぐすく)の跡などもあるので、歴史散策を楽しんでみるのもおすすめだ。
    海上を行き来する船を監視するため、17世紀半ばに設置された
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旅のヒント

  1. その1

    八重山諸島へのアクセスは、まず空路で南ぬ島(ぱいぬしま)石垣空港に入り、路線バスかタクシーを利用して石垣港離島ターミナルへ(所要時間は約25~40分)。石垣港から高速船で竹富町の島々を巡ることができる。船会社は安栄観光と八重山観光フェリーの2社があり、それぞれに路線や時間、乗船券が異なるので注意しよう。

  2. その2

    すべての島にコンビニはなく、カード決済できる店もATM(ゆうちょのみ)も少ないため、石垣島で現金を用意してから渡りたい。また、食事ができる店や商店も営業が不定期なため、必ず事前に確認や予約が必要だ。

  3. その3

    島内での移動は、竹富島ではレンタサイクルか徒歩、西表島ではレンタカー、レンタバイクか路線バス、波照間島ではレンタサイクルかレンタバイク、徒歩での移動となるが、台数に限りがあるので予約しておきたい。

  4. その4

    日差しが強いので、4~11月は日焼け止めや帽子などの紫外線対策や熱中症対策を忘れずに。また、毎年7~9月は台風シーズンとなり、台風が遠く離れていても波風が高くなると船が欠航になり、長らく続くこともあるので注意が必要だ。

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