沖縄

久米島

KUMEJIMA

那覇からのアクセスもよい、琉球で最も美しい島

沖縄本島の南西約100㎞に位置する久米島は、島全体が沖縄県立自然公園に指定されている風光明媚な島。琉球王国時代には、中国や日本、東南アジア諸国との中継貿易の寄港地として栄え、琉球で最も美しい島を意味する「琉美(くみ)の島」と呼ばれてきた。島の北部から中央部には、かつて城が築かれていた宇江城岳(うえぐすくだけ)や大岳(おおたけ)、南部にはアーラ岳など緑の山々が連なり、島の周囲を取り囲むように形成されているサンゴ礁の内側には、白い砂浜だけが浮かぶハテの浜や、「日本の渚百選」に選ばれたイーフビーチなど、楽園と呼ぶにふさわしい青い海が広がっている。また、島の植物や鉱物から生み出される久米島紬や、豊かな水源を生かした泡盛、全国一の生産を誇る車えびなど、歴史と風土に育まれた工芸やグルメも見逃せない。那覇から空路で約30分とアクセスがよいことも魅力だ。

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エリアの見どころ

  • spot 01
    ハテの浜
    真っ白な砂浜だけが続く久米島の絶景ビーチ
    ハテの浜(はてのはま)は、久米島の南東約3km沖にある白砂だけでできた砂州。全長約7kmの白い砂浜がコーラルブルーの海に浮かぶ風景は、東洋一の美しさともいわれる。アクセスは船のみで、泊(とまり)フィッシャリーナから約20分。上陸した浜では海水浴やスノーケリングなどのマリンアクティビティを楽しむことができる。
    青い海と空の間に白い砂浜だけが浮かぶ幻想的な風景
  • spot 02
    ミーフガー
    奇石が生み出す風景が神々しい、女性のパワースポット
    ミーフガーは、久米島空港の北側にある大和泊(やまとどまり)海岸にあり、地質的にも珍しい奇岩を観察できるスポット。地元では、女性が子宝や安産を祈願すると叶うという伝承があり、悠久の時間と自然の壮大さを感じることのできるパワースポットとしても知られている。
    2つの岩がぶつかりあって生まれた神秘的な景観
  • spot 03
    タチジャミ
    自然海岸にそびえ立つ神々しい屏風岩
    タチジャミは、久米島の北海岸にある屏風のような巨岩。漢字では「立神」と書き、島では古くから信仰の対象であった。1972年(昭和47)に久米島町の天然記念物に指定され、周辺は「タチジャミ自然公園」として整備されているので、緑豊かな遊歩道を散策しながら、タチジャミ岩のすぐ近くまで歩いて行くことができる。
    自然公園内の海岸にある高さ約40mの岩壁。近くで見ると迫力満点
  • spot 04
    久米島紬の里ユイマール館
    日本紬の発祥地で、風土にはぐくまれた染織物に触れる
    島の植物が織りなす素朴な風合いと、泥染に代表される艶やかな色調が特徴の「久米島紬」は、日本で最初の紬ともいわれる染織物。「久米島紬の里ユイマール館」では、国の重要無形文化財にも指定されている製作技術や歴史など、久米島紬の魅力にたっぷりと触れながら、工房で染織体験をすることもできる。
    入り口にある大きな糸車が目印
  • spot 05
    久米島ホタル館
    久米島の自然環境と生態系を学ぶネイチャービジターセンター
    1993年(平成5)に発見され、翌年に沖縄県の天然記念物に指定された久米島だけに生息するホタル、クメジマホタルの保護観察を目的としたビジターセンター。島の人たちの暮らしを支えてきた久米島の豊かな自然環境と生態系について学べるように、館内には昆虫やカエル、魚など身近な生物の生体展示や資料が展示され、解説員も常駐している。かつての久米島は稲作が盛んで、田仕事帰りのあぜ道をホタルの光が昼間のように明るく照らしていたという。そうした自然環境が失われつつあるなかで、2000年(平成12)にオープンしたホタル館では、地元の子どもたちとともに、10年以上にわたって浦地川で消滅したクメジマホタルの再生に取り組み、実現させた。館の周辺では、多様な生物が生息している池や滝などのビオトープ作りが現在も継続して行われており、4月初旬-下旬頃に見られるクメジマホタルの観察会など、さまざまなフィールド体験プログラムが開催されている。見て、聞いて、体験することで久米島の自然への知見を深めよう。
    浦地川沿いにある久米島ホタル館
  • spot 06
    久米の五枝の松
    地を這うような枝振りが特徴の国指定天然記念物
    樹齢180年余の五枝(ごえ)の松は、「日本の名松100選」にも選ばれているリュウキュウマツ。伊平屋島の「念頭平松」とともに「沖縄の二大名松」とも呼ばれている。特徴はその見事な枝振りで、高さ6mの一本松の幹の根元から、分岐した枝が地面を這うように広がって伸びている。その面積は250平方メートルにも及び、こうした枝の広がり方は日本国内でも珍しいため、国の天然記念物にも指定されている。松の根元まで近づくことのできる遊歩道が整備されているので、四方に広がる枝葉の様子を間近で観賞してみよう。記録によると、この松は18世紀初頭に中国から伝来した農業の神様「土帝君(トゥテークン)」を祀った際に植えられたものと言い伝えられており、根元にある祠は、現在も拝所として大切に守られている。現在の松は1839年(天保10)に2代目の松として植えられたと上江洲家(うえずけ)の「家記」に残されている。また、公園の敷地内に流れる川では、5月上旬頃に久米島にしか生息していない希少な「クメジマボタル」を観賞することができる。
    沖縄県立自然公園「五枝の松園地」として整備されており、遊歩道から松を間近に見れる
  • spot 07
    奥武島の畳石
    亀の甲羅のような岩が並ぶ不思議な風景
    畳石は、久米島の東海岸沖にある奥武島(おうじま)の景勝地。新奥武橋(しんおうばし)でつながっている奥武島に渡り、すぐ右手に見えてくる駐車場を抜けると、青い海を背にした白い砂浜に亀の甲羅のような六角形や五角形をした石が畳のように敷き詰められた風景が見えてくる。この不思議な畳石は柱状節理と呼ばれ、火山活動で噴出した安山岩質の溶岩がゆっくり冷えて固まっていく過程で発生したもの。岩の柱は束となり、深さ約100mほどまであるという。一つひとつの柱がこれだけ大きく上を歩けるところは世界的にもきわめて珍しいため、2014年(平成26)に国の天然記念物に指定された。砂に覆われている部分も含めて1000個以上にも及ぶという畳石は、潮が引くと見える範囲が広くなり、その上まで行くことができる。波や砂で削られた畳石の表面は海水で濡れた部分が滑りやすいので、足下に気をつけながら歩こう。また、右手にイーフビーチの見える奥武島の海の美しいグラデーションブルーも見どころのひとつだ。
    まるで自然がつくり出した芸術作品のよう
  • spot 08
    宇江城城跡
    久米島を一望できる天空のグスク跡
    久米島空港から車で約25分、道路標識に沿って進むと、道幅の狭い山道を登りきったところに宇江城城跡(うえぐすくじょうあと)がある。向かう道中から山の上に見えるほど、存在感を放つ城跡だ。標高約310mと、沖縄県内のグスク(沖縄の方言で城のこと)のなかでいちばん高い位置にあり、2009年(平成21)には国の史跡名勝天然記念物に指定されている。沖縄本島のグスクとは造りが異なっており、琉球石灰岩ではなく安山岩(あんざんがん)が積まれた珍しい城壁を見ることができる。また、グスクの最上階にあたる城郭まで登ると久米島のほぼ全域を見渡せるパノラマビューが広がり、ハテの浜や周辺の離島、天気のよい日には沖縄本島まで見渡すことができる。頂上に立つと、天気の悪い日でも雲の上にいるような不思議な感覚を味わうことができるので、ぜひ体感してみてほしい。見学用に鉄製のはしご階段が整備されているが、ばらつきのある段差で足場が悪いため、安定感のある靴で登ることをおすすめしたい。
    宇江城岳の山頂にあり、久米島のマチュピチュとも呼ばれている
  • spot 09
    イーフビーチ
    白い砂浜が2kmも続く、久米島が誇る天然ビーチ
    久米島空港から車で走ること約20分。島の東海岸に広がるイーフビーチは、素足に心地よいパウダーサンドの砂浜が2kmも続く、久米島が誇る天然ビーチだ。大きな駐車場や休憩用のあずまやもあり、近隣にはリゾートホテルや飲食店、ダイビングショップなどが立ち並んでいるので、観光客にとっては最も利用しやすいビーチでもある。また、朝昼晩と違った楽しみ方ができることも、このビーチの魅力のひとつ。早朝には、まだ人の少ない砂浜で、水平線から昇る朝日をゆったりと眺めるぜいたくな島時間を味わえる。日中は、エメラルドグリーンに輝く海で海水浴を満喫しよう。遠浅なので子供連れでも安心して泳ぐことができる。ただし、干潮時に膝下程度の水位しかないため、油断して沖へ出過ぎてしまうと、潮が満ちるにつれて戻れなくなることがあるので注意が必要だ。監視員はおらず、クラゲ防止ネットもないので、海に入る際には天候や体調など安全管理に十分気をつけたい。夜には満天の星空が広がり、天体観測にも最適なスポットとなる。
    海の青さと白い砂のコントラストが美しい、久米島を代表するビーチ
  • spot 10
    ゆくい処 笑島
    世界グランプリを獲得した「車海老そば」を味わえる
    車えびの養殖量が日本一の久米島には、2019年(令和元)の「にっぽんの宝物」世界大会でグランプリに輝いた沖縄そばがある。それが、「ゆくい処 笑島(わしま)」の「車海老そば」だ。エビの出汁がきいた濃厚なスープと、久米島産のえびが載っているえびづくしのそば。そこにトッピングされた、島内にしか出回っていない久米島特産の「惣慶(そけい)もやし」のシャキシャキ食感がさらにおいしさを引き立てている。また、じっくりホロホロになるまで煮込まれた「軟骨ソーキそば」や、フルーティでありながらも中辛な「マンゴーチキンカレー」もおすすめの人気メニュー。少し高台に位置するため、カウンター席からはオーシャンビューの景色を眺めることもできる。店の看板にもなっている珍しい柄の「パンダヤギ」は、店の裏に実在しているので、食後にぜひ触れ合ってみよう。店の前の坂を登ると「五枝の松」や「宇江城城跡(うえぐすくじょうあと)」などの景勝地があるので、観光途中の腹ごしらえにも最適だ。
    島の食材をふんだんに使用した、車えびの出汁が濃厚な「車海老そば」1300円
  • spot 11
    比屋定バンタ
    高さ200mの断崖絶壁にある展望台
    久米島空港から久米島一周道路を北回りに車で走って約15分。沖縄らしい赤瓦の屋根と2頭のシーサーが目印の展望台が見えてきたら、比屋定バンタに到着だ。「バンタ」とは「景色のよい断崖絶壁」を意味する沖縄の言葉で、高さ200mの断崖絶壁から見渡す風景は、思わず歓声を上げるほどの迫力がある。眼下に広がる海の青も美しく、よく晴れた日には、はての浜や、近隣の離島である粟国島(あぐにじま)や渡名喜島(となきじま)、慶良間諸島(けらましょとう)まで一望できる。展望台から見える各島の位置が記載された地図もあるので、場所を確認しながら景観を楽しみたい。高いところが苦手でなければ、展望台の2階に上がって、さらに高い位置からの絶景を堪能してほしい。よりいっそうサンゴ礁の青のグラデーションがはっきりと見え、陸地の緑とのコントラストを楽しめるはずだ。
    大きなシーサー2頭がお出迎え
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旅のヒント

  1. その1

    久米島へのアクセスは、各都市から沖縄本島(那覇)を経由して飛行機か船(フェリー)を利用する。夏期限定で東京からの直行便が就航することもある。那覇の泊港から出発する船は1日約2便あり、渡名喜島を経由して兼城港に入る(所要時間は約3時間30分)。いずれの便も夏期は満席になることが多いので、早めの予約が必要だ。

  2. その2

    久米島は沖縄の離島のなかで5番目に大きな島で、車で一周すると約40~50分かかる。町営バスも運行しているが、点在する観光地を巡るには本数が少ないのでレンタカーやレンタバイクを利用するのが便利。

  3. その3

    起伏の少ないイーフビーチや奥武島(畳石)周辺をのんびり周遊するのであれば、電動アシスト付のレンタサイクルがおすすめ。また、初めての久米島であれば、島の人がガイドをしてくれる観光タクシーを利用するのも良い。

  4. その4

    宿や飲食店はイーフビーチ近くに集中しており、島内にある3つのリゾートホテルのうちの2つがイーフビーチにある。また、サンセットスポットとして人気のシンリ浜にもリゾートホテルがある。島の人との触れ合いが魅力の民宿も多く、コンドミニアムやアパートメントタイプの宿も増えているので、滞在目的や好みにあわせて選びたい。

  5. その5

    人気のはての浜へのツアーや、シュノーケリング、ダイビングなどの各種マリンスポーツは事前予約が必要なので、しっかり計画を立ててから出かけたい。

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