徳島

徳島市周辺

AROUND TOKUSHIMA CITY

四国三郎・吉野川をはじめとする豊かな川の風景に出会える水都エリア

徳島県の東部に位置し、約26万人の人口を抱える徳島市。紀伊水道に面し、四国三郎・吉野川をはじめとする大小さまざまな川が流れる「水都」として発展している。特に徳島市中心部を上空から眺めると、街を囲むように流れる川の形が瓢箪(ひょうたん)のような形をしていることから「ひょうたん島」の愛称で呼ばれる。今や全国的に有名になった阿波おどりの本場であり、毎年お盆には街中が踊り一色に染まる。また、市内の真ん中にそびえる眉山(びざん)は街のシンボルとなっており、小説や映画のタイトルにもなっている。眉山の麓に建てられた「阿波おどり会館」では、一年中にわたって有名連や専属連の阿波おどりを観覧することが可能。ロープウェイで頂上まで登れば、水都の豊かな街並みを一望することもできる。

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エリアの見どころ

  • spot 01
    徳島中央公園
    徳島城の歴史を散りばめた近代公園
    徳島市の中心部にある徳島中央公園は、徳島城跡に開設された公園。1910年(明治43)の開設以来、市民の憩いの場として親しまれてきた。徳島城博物館や庭園などの施設は、観光地としても人気が高い。
    徳島城の城門を復元した「鷲の門」
  • spot 02
    旧徳島城表御殿庭園
    徳島城の表御殿に設けられた庭園
    阿波と淡路の両国を合わせ25万7千石の大名として君臨した蜂須賀家。その居城だった徳島城の表御殿に設けられた庭園が、旧徳島城表御殿庭園だ。隣接する徳島城博物館と合わせて楽しもう。
    庭園を北側から見た風景
  • spot 03
    徳島城博物館
    徳島藩と蜂須賀家の歴史が集結
    徳島藩と藩主蜂須賀の歴史や美術工芸品を専門的に扱う博物館として、徳島城博物館は1992年(平成4)に開館。常設展示や企画・特別展示を織り交ぜながら、阿波国の歴史を今に伝えている。
    徳島中央公園内に建てられた徳島城博物館
  • spot 04
    岡田製糖所
    日本古来の製法で作られる阿波の和三盆糖
    四国東部のごく限られた地域で生産される国産高級砂糖のひとつ「和三盆糖」。徳島県における草分けであり、昔ながらの職人による手作りを続けているのが、徳島県板野郡上板町にある岡田製糖所だ。
    阿波和三盆糖のみで作られた型物(干菓子)が美しい
  • spot 05
    阿波おどり会館
    本場の阿波踊りを一年中楽しめる
    徳島の夏の風物詩となっている阿波踊り。本場の踊りをいつでも楽しめる施設が、眉山のふもとにある「阿波おどり会館」だ。夏にしか味わえない興奮と感動を、旅のお土産に持ち帰ろう。
    JR徳島駅から「阿波おどり会館」まで徒歩約10分
  • spot 06
    眉山
    水都の暮らしを見守る徳島のシンボル
    映画や小説のタイトルにもなった「眉山」。その名のとおり、眉毛のように細長い山が徳島市の中心部に横たわり、吉野川をはじめとする水都の表情と合わせて、街のシンボル的存在となっている。
    市街地から見た眉山の風景
  • spot 07
    徳島県立阿波十郎兵衛屋敷
    徳島の風土が育んできた阿波人形浄瑠璃の魅力
    阿波人形浄瑠璃の代表的な演目『傾城阿波の鳴門』ゆかりの場所に建つ徳島県立阿波十郎兵衛屋敷。毎日、阿波人形浄瑠璃が上演されるほか、阿波木偶や太夫の道具などを常設展示。さまざまな角度からそのすばらしさを体感できる。
    定期公演『傾城阿波の鳴門 順礼歌の段』の様子
  • spot 08
    ひょうたん島クルーズ
    水都の街並みを水上から見渡そう
    徳島市街地は、上空から見た中洲の形から「ひょうたん島」と呼ばれている。市街地を囲むように流れる川を遊覧船で1周する「ひょうたん島クルーズ」に乗り、川の真ん中から徳島の風景を眺めよう。
    新町川を走る遊覧船
  • spot 09
    中華そばいのたに本店(徳島ラーメン)
    徳島ラーメンを代表する老舗
    徳島グルメの代表格に挙げられる徳島ラーメン。豚骨醤油をベースにしたうまみと甘みが豊かなスープで、全国のラーメン通をうならせている。「中華そばいのたに」は、初めて徳島を訪れる人におすすめしたい店のひとつといえる。
    中華そば肉入り中盛り(850円)
  • spot 10
    あすたむらんど徳島
    子どもたちの感性を磨くテーマパーク
    活動的な休日スポットとして、親子連れに高い人気がある「あすたむらんど徳島」。遊びや体験を通して科学する心を育てる「子ども科学館」を中核施設とした大型公園には、発見と感動が詰まっている。
    入場ゲートのウェルカムガーデン
  • spot 11
    徳島県物産観光交流プラザ『あるでよ徳島』
    徳島の「ええもん」はここで選ぼう!県内最大級の土産物店
    徳島市の中心部にそびえる眉山(びざん)のふもとにある阿波おどり会館。その1階にある徳島県物産観光プラザ『あるでよ徳島』は、その名のとおり、県内各地の特産品や土産物が勢ぞろい。旅の途中や終わりに立ち寄ってみては?
    徳島杉の柱に下げられた提灯が印象的なエントランス
  • spot 12
    姫宮神社
    徳島市中心部にある恋愛のパワースポット「姫宮さん」
    1809年(文化9)に創建された徳島眉山天神社。その境内に古来から祀られている巨大な陰石(いんせき)が「姫宮さん」である。天神社の創建以前からこの地にあり、特に縁結びをはじめ、安産祈願や病気平癒祈願にご利益があることから、地元の女性たちからの信仰を集めてきたという。現在では徳島県でも有数の「恋愛のパワースポット」として知られるようになり、全国各地から悩める女子が訪れる神社となった。参道には「夫婦の踏み石」と名付けられた22個のハート型の踏み石があるほか、さまざまなところにハートのモチーフが使われている。また、着物をかたどったデザインの「姫みくじ」には、通常の運勢に加えて「あなたの姫度」や「運命の殿方」といった項目も。女性グループで盛り上がるにはぴったりの内容だ。御朱印は月替りのデザインで、一つひとつが心を込めて書かれたもの。オリジナルの御朱印帳とセットで購入してもいいだろう。
    巨大な陰石(いんせき)が祀られている境内
  • spot 13
    和田の屋 本店
    400年の歴史。今も昔も変わらぬ阿波名物「滝の焼餅」
    春日神社をはじめ、御嶽神社や聖観音堂、滝薬師などの神社仏閣が集まる眉山(びざん)北東部。この一帯は大滝山(おおたきやま)と呼ばれ、行楽シーズンともなれば「お滝へ」「滝の山へ」という合言葉が生まれるほど、古くから人々に親しまれてきた。風情ある界隈の一角に店を構えるのが、阿波名物「滝の焼餅」を製造販売している和田の屋 本店である。この菓子は1585年(天正13)、徳島城の築城祝いとして蜂須賀家政(はちすかいえまさ)公へ献上。見事な味わいから藩主御愛用の錦竜水(きんりょうすい)の使用を許され、御用菓子として名声を博したという。その伝統は現在も受け継がれ、厳選された材料と錦竜水を用いて餡を炊き、熟練の職人が焼き上げている。夏・冬に季節限定のメニューとして提供するかき氷とぜんざいも人気だ。店の中庭には「白糸(しらいと)の滝」が流れ落ちる小さな中庭があり、11月頃からは黄花亜麻(きばなあま)が周囲を彩ってくれる。これは徳島を愛したポルトガルの文豪、ヴェンセスラウ・デ・モラエスが植えたもので「モラエスの花」とも呼ばれている。喧騒を離れて落ち着いた店内で過ごすひとときは、すばらしい思い出になるはずだ。
    一枚一枚、香ばしく焼き上げられた「滝の焼餅」
  • spot 14
    太郎酒店
    「阿波の地酒」をこよなく愛する店主が営む日本酒専門店
    全国各地にそれぞれ特徴が異なる地酒があるように、ここ徳島にもおいしい日本酒がある。しかし、その製造量と消費量は低迷しており、地元でも知られていない現状が続いている。そんな現状を憂い、山田全宏(やまだまさひろ)氏が2018年(平成30)にオープンしたのが、JR徳島駅から徒歩9分の銀座商店街入り口にある太郎酒店だ。県内に10ある蔵元の純米酒から選び抜いた銘柄を、氷点下に保たれた日本酒セラーで保管。いつでも最高の状態で提供できるという。全国発送に対応しているほか、店内で楽しむ場合は、好きな日本酒をシングル(50mℓ)とダブル(100mℓ)から選ぶことが可能。複数の銘柄を比べてみたいときは、さまざまな組み合わせの「三種試飲セット」を選ぶといいだろう。もちろん、それぞれの日本酒についても詳しく教えてくれる。「徳島の地酒を倍増するプロジェクトチーム本部」としても活動する太郎酒店では、蔵元から杜氏(とうじ)を招く「徳島のうまい地酒を楽しむ会」なども定期的に開催。阿波の地酒の魅力を知るには最適な1軒である。
    夕方から開店しているため、気軽に立ち寄ることができる
  • spot 15
    銀座一福 本店
    昭和の雰囲気を色濃く残す「徳島中華そば」の名店
    スープの色の傾向から大きく「白系」「黄系」「茶系」の3つに分かれる徳島ラーメン。最も人気のある「茶系」の元祖ともいえるのが、1951年(昭和26)創業の老舗、銀座一福(ぎんざいっぷく)本店である。徳島に住んでいた中国人から製法を教わり、戦前から「大盛軒(たいもりけん)」という屋台を引いていた初代の折原定二(おりはらさだじ)氏が開業。徳島市で初めてとなる中華そばの店舗を構えるにあたり、チャーシューを豚バラ肉に変え、現在まで続く徳島ラーメンのスタイルを生み出したという。さらに銀座一福の味を守りながら進化させたのが、2代目の折原勝之(おりはらかつゆき)氏である。秘伝のスープは時代の流れや客の嗜好の変化にともない、少しずつまろやかに。そして、創業時から半世紀以上にわたって継ぎ足してきたタレで煮込んだ豚バラ肉は、丼の中央に落とす生卵との相性が抜群だ。銀座一福では「月見そば(肉入)」と呼んでいる。地元では手作りのワンタンも人気で、豚バラ肉とあわせた「ワンタン麺(肉入)」を頼む常連客も目立つ。これぞ「徳島中華そば」という味を堪能してほしい。
    最後の一滴までスープを飲み干したい「月見そば(肉入)」
  • spot 16
    古庄染工場
    「現代の名工」が営む工場で、自分だけの特別な藍染めを
    徳島は古来より藍染(あいぞ)めが盛んであり、そのベースとなる天然染料「すくも」の一大産地として知られていた。徳島市にある古庄(ふるしょう)染工場は、今も江戸時代から受け継がれる製法にこだわり、美しい藍染めを生み出している貴重な工房である。
    「天然灰汁(あく)発酵建て」が鮮やかなジャパンブルーを生む
  • spot 17
    阿波木偶資料館
    思わず引き込まれるストーリー性のある展示が魅力
    全国でも類を見ないレベルの所蔵数を誇る阿波木偶資料館(あわでこしりょうかん)は入場無料。現在でも徳島における代表的な文化・芸能のひとつとして名高い人形浄瑠璃(にんぎょうじょうるり)の世界を、工夫あふれる展示で堪能しよう。
    迫力ある表情の阿波木偶たちのたたずまいに圧倒される
  • spot 18
    徳島市天狗久資料館
    貴重な記録映画も上映。徳島の誇る天才人形師の仕事場
    徳島の伝統芸能である阿波人形浄瑠璃(あわにんぎょうじょうるり)を語るうえで、決してはずすことのできない天才人形師、天狗久(てんぐひさ)。その旧工房兼住居を保存・修復し、一般公開しているのが、徳島市天狗久資料館である。
    板敷きの玄関から建具を取り払った一間が開放されている
  • spot 19
    長尾織布
    工場見学と藍染め体験がうれしい「阿波しじら織」の老舗
    徳島が誇る「阿波しじら織」の工場見学と「藍染め」の体験をできる長尾織布(ながおおりふ)。工場では昭和初期の機械が現役で稼働しており、まるで古い映画のワンシーンのような雰囲気だ。見て触れて、そのよさを感じてみてほしい。
    冴えざえとした色が美しい「阿波正藍(しょうあい)しじら織」
  • spot 20
    常楽寺
    唯一無二の本尊・庭園・霊木を有する第十四番札所
    四国八十八ヶ所霊場のうち、弥勒菩薩(みろくぼさつ)を本尊とする唯一の寺が、第十四番札所である常楽寺(じょうらくじ)だ。創建は815年(弘仁6)のこと。この地で修行中の空海の前に、多くの菩薩を従えて弥勒菩薩が来迎(らいごう)。霊木にその御姿を刻み、堂宇(どうう)を建立(こんりゅう)して本尊とした。石段を上がって本堂へと近づくにつれ、境内が歩きにくく感じるようになるだろう。これは巨大な岩盤が、長年の風雨や参拝者の歩みによって削られたもので「流水岩の庭園」と呼ばれている。また、本堂の隣に立つ巨木は「アララギ大師」の名で信仰があつい。かつて糖尿病に苦しむ老人に、空海がこのイチイの霊木を煎じて飲ませたところ、健康を取り戻したという。そのため、糖尿病や眼病をはじめ、あらゆる病気に霊験あらたかだとされている。2018年(平成30)の台風によって痛々しい姿になったが、手を触れる人があとを絶たない。常楽寺を訪れた際には、忘れずにお参りしていこう。
    珍しい「流水岩(りゅうすいがん)の庭園」の奥に本堂がある
  • spot 21
    国分寺
    四国八十八ヶ所霊場のひとつとなった阿波の国分寺
    薬師如来を本尊とする四国八十八ヶ所霊場第十五番札所、国分寺。1953年(昭和28)に徳島県の史跡として指定された境内には、七重塔の礎石が残されているほか、独特の石組で名高い「阿波国分寺庭園」を鑑賞することができる。
    国の名勝にも指定されている「阿波国分寺庭園」
  • spot 22
    観音寺
    空海の筆跡でお遍路さんを守る「光明真言印」
    四国八十八ヶ所霊場の第十六番札所である観音寺(かんおんじ)は、第十四番、第十五番と並んで徳島市の国府町にあり、住宅街のなかに現れる立派な鐘楼門が目印となる。寺伝によれば、741年(天平13)に聖武天皇が全国に国分寺・国分尼寺を創建した際、行基(ぎょうき)に命じて開創(かいそう)した勅願道場だと伝えられている。その後、816年(弘仁7)頃に空海が訪れ、本尊として千手観音像、脇待(きょうじ)として不動明王像と毘沙門天像を自らの手で彫り、安置したという。姑を折檻(せっかん)した嫁を炎で包んで悔いあらためさせたという逸話や、本尊のご利益で視力を取り戻した盲目の男性が松葉杖を奉納するなど、明治・大正時代にも霊験あらたかなエピソードが数多く残されている。また、観音寺には、四国八十八ヶ所霊場のうち、ここにしかない空海の筆跡を刻印した「光明真言印(こうみょうしんごんいん)」があり、道中着か納経用の白衣(はくえ)に押してもらうことができる。お遍路(へんろ)の間は身を守ってくれるほか、納棺時に着ていると極楽浄土へ導かれるという。四国八十八ヶ所霊場を巡礼するときには、忘れずにお願いしたい。
    上層に鐘が吊るされている観音寺の鐘楼門(しょうろうもん)
  • spot 23
    井戸寺
    一夜にして空海が掘ったという伝説の井戸が残る寺院
    673年(白鳳2)に天武天皇の勅願道場として創建された歴史をもつ。当時は八町四方の広大な敷地に七堂伽藍(しちどうがらん)、末寺十二坊を有する大寺院で「妙照寺」と号していた。本尊は聖徳太子の作と伝えられる薬師瑠璃光如来を主尊とする七仏の薬師如来坐像。また、脇侍(きょうじ)の月光菩薩と日光菩薩は行基(ぎょうき)の作だといわれ、徳島県指定有形文化財に指定されている。空海がこの地を訪れ、十一面観世音菩薩像を刻んで安置したのは、815年(弘仁6)のこと。人々が濁り水に苦しむ様子を哀れに思い、自らの錫杖で一夜にして井戸を掘ったことにちなみ、村名を「井戸村」、寺号を「井戸寺(いどじ)」へとあらためたという。武家造りの仁王門をくぐった先の境内には、本堂や大師堂、光明殿や鐘楼などのほか、5日や7日など、日数を限って日参することで願いが叶う「日限大師」のお堂がある。この中には空海が掘ったという「面影の井戸」があり、のぞき込んで自分の姿が映らなければ、3年以内に厄災に見舞われるといわれている。また、空海が井戸の水面に映った自身の姿を掘ったという「水大師」と呼ばれる石像にも参拝しておこう。
    阿波西国三十三観音霊場(東部)の第三十三番でもある
  • spot 24
    徳島木のおもちゃ美術館
    大人も子どもも大満足! 全国最大規模の「木育」ミュージアム
    県土の約4分の3を森林が占める徳島。古くから林業が盛んな土地柄であり、特に県産ブランド材として知られる「徳島すぎ」は、全国トップクラスの品質を誇っている。そんな木の魅力や文化、伝統を発信する施設が、徳島木のおもちゃ美術館である。
    徳島木のおもちゃ美術館へは「木育のにわ」を通っていく
  • spot 25
    金泉寺
    「黄金の井戸」をはじめとする多くの伝説が残る金泉寺
    四国八十八ヶ所霊場第三番札所である金泉寺(こんせんじ)は、日照りによる水不足に苦しむ人々のため、空海が掘ったとされる「黄金の井戸」が残る寺院だ。そのほかにも、源義経主従の伝説や長慶天皇(ちょうけいてんのう)の御陵石(ごりょういし)など、見どころが多い。
    極楽橋の正面、広い境内の奥に見えるのが金泉寺の本堂
  • spot 26
    地蔵寺
    等身大の五百羅漢がある奥の院で知られる第五番札所
    地元の人々から「羅漢(らかん)さん」と呼ばれる四国八十八ヶ所霊場第五番札所、地蔵寺(じぞうじ)。四国八十八ヶ所霊場では唯一の勝軍(しょうぐん)地蔵菩薩像を本尊とするほか、奥の院では、等身大の五百羅漢彩色木像を拝むことができる。
    等身大の五百羅漢彩色木像はさまざまな表情を浮かべている
  • spot 27
    小松海岸(小松海水浴場)
    アクセス抜群のマリンスポーツ拠点
    徳島県には日本有数のサーフスポットが数多く存在する。その多くは太平洋に面する県南地域に固まっているが、徳島市内にある「小松海岸」は、気軽にアクセスできる街なかのサーフスポットとして人気を博している。
    関西圏からのアクセスにも優れる
  • spot 28
    大日寺
    「しあわせ観音」が迎えてくれる第十三番札所
    徳島市内から神山町へと抜ける県道21号線沿いに建つ第十三番札所、大日寺(だいにちじ)。寺伝によれば創建は815年(弘仁6)。四国巡錫(じゅんしゃく)中の空海が「大師ヶ森」で護摩修法を行っていたところ、紫雲(しうん)とともに大日如来が顕現(けんげん)。お告げによって大日如来像を刻み、堂宇(どうう)を建立(こんりゅう)して本尊とした。その後、明治初期の「神仏分離令」により、現在の本尊は道を隔てた対面にある一宮神社(いちのみやじんじゃ)の本地仏(ほんじぶつ)であった十一面観音菩薩像に変更。大日如来像は脇待仏(きょうじぶつ)となったという。境内を入って左に本堂、右に大師堂があるほか、正面には合掌した両手を模した彫刻に入った「しあわせ観音」が立つ。その名のとおり「幸せを祈ると幸福が授かる」とされ、多くの参拝客が手をあわせている。また、奥には小さな池があり、七福神像に囲まれる形で、不動明王の化身である倶利伽羅龍王像(くりからりゅうおうぞう)がある。四国八十八ヶ所霊場ではあまり見ることのできない石像なので、こちらも拝んでおきたい。
    春には桜が美しい薬医門(やくいもん)は2006年(平成18)に復元されたもの
  • spot 29
    一宮神社
    1100年以上の歴史をもつ「阿波の祖神」を祀る神社
    県道21号線を挟んで、四国八十八ヶ所霊場の第十三番札所である大日寺(だいにちじ)の対面に立つ一宮神社(いちのみやじんじゃ)。正確な創建年代は不明だが、927年(延長5)にまとめられた『延喜式神名帳』に記載があることから、およそ1100年前には、この地にあったと推測されている。元来は「阿波一の宮」とされた名西郡(みょうざいぐん)神山町の上一宮大粟神社(かみいちのみやおおあわじんじゃ)から平安時代後期に分祀(ぶんし)された「一宮(いちのみや)」。以降、室町時代までは、こちらが「阿波一の宮」とされ、明治初期の「神仏分離令」までは、大日寺が別当寺(べっとうじ)であり、一宮神社が四国八十八ヶ所霊場の札所だったという。御祭神(ごさいじん)は大宜都比売命(おおげつひめのみこと)と天石門別八倉比売命(あまのいわとわけやくらひめのみこと)の二柱。特に大宜都比売命は「阿波国の祖神」と『古事記』に記されており、主神として祀(まつ)られている神社は、ここ徳島県にしかない。隣には県内最大規模の山城であった一宮城跡があり、時間と体力があれば、ぜひ登ってみてほしい。
    大日寺側から見た一宮神社。こちらにも注連柱(しめばしら)がある
  • spot 30
    焼山寺
    八十八ヶ所巡り最大の難所ともいわれる山岳札所
    四国八十八ヶ所霊場で2番目に高い山岳札所であり、古来より「一に焼山、二にお鶴、三に太龍」といわれる第十二番札所、焼山寺(しょうざんじ)。「遍路(へんろ)ころがし」と呼ばれる難所として知られ、その荘厳な雰囲気には足を運ぶだけの価値がある。
    焼山寺山の頂上付近だけあって独特の空気が漂う境内
  • spot 31
    雨乞の滝
    迫力ある夫婦滝は神山町屈指の観光スポット
    徳島ICで降りたあとは徳島市を抜け、標識に従って神山町へと向かおう。国道438号線から神山町役場を過ぎて、小さな案内看板が目印の細い道に入り、道なりに進むと駐車場に到着する。ここからは徒歩で山道を登っていく。直線距離で800mの表示があるが、意外と険しいところもあり、子ども連れの場合は、40分ほどかかるかもしれない。このエリアは中部山渓県立自然公園の指定区域であり、目的地の「雨乞(あまごい)の滝」以外にも、高根(こうね)山を水源とする滝を何本か見ることができる。一歩ずつ登っていくのは大変だが「うぐいす滝」「不動滝」「もみじ滝」「観音滝」と見ていけば、やがて「雨乞の滝」に到着するのはうれしい。「日本の滝百選」をはじめ「四国のみずべ八十八カ所」や「とくしま88景」「とくしま水紀行50選」などにも選定されている。「雨乞の滝」は、左に落差27mの雄滝と、右に落差45mの雌滝という夫婦滝。その名は日照りによる干ばつの際、ここに祀(まつ)った竜王と不動尊に雨を祈った故事に由来する。非常に迫力のある名瀑(めいばく)であり、神山町屈指の観光スポットだといえるだろう。
    直瀑の雄滝(左)と三段瀑の雌滝(右)のコントラストが美しい
  • spot 32
    SHIZQ STORE
    「神山杉」を使った美しい製品で環境を守る取り組み
    国道192号線から「神山・佐那河内(さなごうち)」の標識に従って国道438号へ入り、一本道を走って新府能(しんふのう)トンネルを抜けたところが神山町。しばらく道なりに進み、道の駅「温泉の里 神山」を過ぎると「SHIZQ(しずく)」と書かれた看板が見えてくる。SHIZQは、神山町の自然に魅了され、2012年(平成24)に移住したデザイナーの廣瀬圭治(ひろせきよはる)さんが始めたプロジェクト。林業が衰退して里山が保水力を失ったことから、30年後には川の水が枯渇する可能性を知り、地元の神山杉(かみやますぎ)を使って美しい器を作る取り組みをスタートした。軟質の杉材は加工が難しく、器には不向きとされてきたが、熟練の職人たちの協力もあり、実現することができたという。現在はタンブラーやプレートなどの食器類を中心に、杉から蒸留・精製した精油など、魅力的な製品を数多く発表。2019年(平成31)には、イタリアのデザインコンペティション『A’Design Award & Competition 2019』でソーシャルデザイン部門金賞を受賞、多方面で注目を集めている。神山の景色を一望できる高台にあるSHIZQ STOREで、豊かな自然を感じながら、ゆっくり徳島土産を選んでみてほしい。
    天然の色味を生かしたツートンカラーが美しいロックグラス
  • spot 33
    恩山寺
    空海と母の物語が息づく寺院
    四国八十八箇所霊場・第18番札所にあたる「恩山寺」。小松島市(こまつしまし)の小高い山の中腹にあり、聖武天皇(しょうむてんのう)の勅願により行基(ぎょうき)が開基したと伝えられている。
    本堂から見た緑豊かな境内
  • spot 34
    立江寺
    白鷺伝説が残る四国霊場
    「子安の地蔵尊(じぞうそん)」や「立江の地蔵さん」と親しみを込めて呼ばれる「立江寺」。高野山真言宗の別格本山であり、阿波の関所として知られる。白鷺の伝説が息づく、霊験あらたかな寺院を参拝しよう。
    境内の中央にそびえる多宝塔
  • spot 35
    こまつしまみなと海鮮朝市
    旬の食材と活気に満ちた海鮮市場
    徳島の東部中央に位置する小松島市(こまつしまし)は、古くから漁業が盛んな地域。小松島漁協と和田島(わだじま)漁協の2つの漁協から、徳島の豊かな海の恵みを全国の市場へと届けている。そんな小松島の人気スポットとして定着しているのが、小松島市漁協が運営する「こまつしまみなと海鮮朝市」だ。水・日曜以外の毎週5日間、一般の方を対象とした市場を漁協内にオープン。漁船から水揚げされたばかりの魚介類を安価に購入できるため、午前8時の開始時刻になると入り口付近は買い物客でいっぱいになる。開場と同時に人が市場へと流れ込み、何層にも積み重ねられていた魚介類のケースが、みるみるうちに減っていく。買った魚をその場でおろしてもらえるサービスもあるので、魚をさばくのが苦手な人も安心。季節ごとのイベントも意欲的に開催している。徳島に訪れた際には、ちょっぴり早起きをして、漁師町の熱気を旅の思い出に変えよう。
    朝市は毎週5日にわたって開催される
  • spot 36
    みはらしの丘 あいさい広場
    旬の食材が集まる県内最大級の産直市
    豊かな大地と海に囲まれ、農業が盛んな小松島市(こまつしまし)。地元のJAが運営する県内最大規模の産直市が「みはらしの丘 あいさい広場」だ。オープン以来、地域内外の人々に利用され、パワーアップを重ねながら魅力を高めている。
    店内はいつも買い物客で賑わっている
  • spot 37
    津久司蒲鉾
    徳島が誇るB級グルメの決定版
    目前に港の風景が広がる「津久司蒲鉾」が、フィッシュカツを考案したのは1955年(昭和30)のこと。近年では徳島県を代表するB級グルメとしてメディアを賑わせているが、実は戦後間もない時代から市民のソウルフードとして親しまれてきた歴史をもっている。フィッシュカツとは、近海で獲れた白魚のすり身にカレー粉や唐辛子、パン粉をまぶして揚げたもの。しっとりとした衣のなかにはカレー風味の練りものが入っており、ピリッとした辛味がやみつきになるだろう。徳島の食卓にはよく登場し、そのまま食べたり、焼きそばやお好み焼きの中に入れたりと無数のアレンジがある。今では多くのお店が類似商品を販売しているが、その元祖として受け継がれる味を守り続けている。同店が店を構えるのは、港町として栄えた歴史をもつ小松島市(こまつしまし)。海沿いの路地にあるため場所がわかりにくいが、市役所前の通りにフィッシュカツの大きな看板が出ているので、そこに車を停めてお店に向かおう。
    わらじのような見た目のフィッシュカツ
  • spot 38
    谷ちくわ商店
    港町が生んだ竹ちくわの名店
    徳島市の南側に位置する小松島市(こまつしまし)は港町として栄えた歴史をもつ。フェリーや貨物船が行き来した時代には、船内で「竹ちくわ」をおいしそうに頬張る人々の姿がよく見られた。竹ちくわは、魚のすり身を竹に巻き付けて焼いた食べ物。源平屋島合戦で源義経が小松島に上陸した際、地元の漁夫たちが作った竹ちくわの味を賞賛したと言い伝えられている。そんな県民のソウルフードとなっている竹ちくわの販売で有名なのが「谷ちくわ商店」。午前7時にオープンする店には、地元住民や観光客がひっきりなしに訪れる。購入後に近くの港に移動し、紀伊水道の海を眺めながら本場の竹ちくわを頬張るのもおすすめだ。竹の両端を手で持ち、竹にへばりついたちくわを歯でこそげ取るようにしながらワイルドに食べよう。同店では竹ちくわのほかにも、さまざまな練り製品や加工品を販売している。もちろん、購入した商品の県外発送も可能。小松島市が誇るB級グルメを、お土産に持ち帰ろう。
    竹ちくわは徳島県民のソウルフードのひとつ
  • spot 39
    藤政
    本場の和田島ちりめんを販売
    古くから紀伊水道を漁場とした漁師町として栄えてきた、小松島市和田島町(こまつしましわだじまちょう)。いわしの稚魚をボイルし、天日で干した「和田島ちりめん」は、徳島県を代表する海産ブランドのひとつとして名を馳せてきた。そんな歴史ある漁師町の真ん中で、地元の新鮮な海産物を取り扱ってきた直営店が「藤政」だ。もともとは海岸沿いで地元の新鮮な海産物を製造・卸売りしていたが、小売りの要望に応えて直営店をオープンしたのが始まり。同店で販売する和田島ちりめんは、漁場と加工場が近いため鮮度抜群。その日に水揚げされた釜あげしらすや生しらすも販売される、地元でも珍しいお店となっている。また、地場の新鮮な小えびを自社工場で加工した干えびや、旬の魚の干物など、自家製商品も豊富にラインナップ。特産のすだちや半田そうめんなど、徳島県の名産品もそろう。同店までは、徳島市から車で30分ほど。県南方面に向かう人は、ぜひ立ち寄ってみてほしい。とれたての釜あげしらすも発送してくれるので、徳島色あふれるお土産として親しい人に送ろう。
    和田島町のメイン通りにお店を構える
  • spot 40
    岡本中華
    徳島を代表する白系スープの老舗
    徳島県の地元グルメを挙げるなかで、「徳島ラーメン」をはずすことはできないだろう。徳島ラーメンのスープの傾向は大きく分けて「白系」「黄系」「茶系」の3つに分かれており、地域や店によって味も少しずつ異なっている。徳島市のすぐ南側に位置する小松島市(こまつしまし)は、白系の徳島ラーメンを生み出した土地であり、そのなかでも老舗として多くのメディアを賑わせているのが「岡本中華」だ。戦後間もなく屋台から営業を開始し、70年以上の時を経て今は3代目が跡を継ぐ。店内に入ってすぐに食券機があるので、まずはラーメンの種類を選択。肉の増量や味付玉子のトッピングをできるほか、ガッツリと食べたい人は「豚どん」などのサイドメニューも選べる。壁には同店の取材記事などが貼られているので、ラーメンが運ばれてくるまで、店の特徴や魅力を再確認するのもよいだろう。厚めのチャーシューが浮かぶ乳白色のスープは、まろやかでコクのある豚骨ベース。白系・徳島ラーメンの真髄ともいえる、初代が作り出した秘伝のスープの奥深さを堪能しよう。
    中華そば 味付玉子入 肉大(1120円)
  • spot 41
    恵比須丸
    徳島県南の海の幸をぜいたくに味わう
    太平洋や紀伊水道など、豊かな海に囲まれた徳島県。県内には新鮮な魚介類をふるまう店が数多く存在するが、小松島市(こまつしまし)の国道沿いに店を構える「恵比須丸」は、そのなかでも異色の存在だ。伊勢えびやアワビ、サザエなどの魚介を産地から生きたまま直送し、店内の生け簀で管理。その場で選んだ魚や貝を買うことができ、宅配便でも希望する全国の配送先へと届けてくれる。店主の実家が漁師だけあって、店の外観や店内は、漁師が使う網や照明、船の部材などが飾られたワイルドな空間。その優れた目利きやネットワークを生かして、県産の魚介類を新鮮な状態で仕入れることができるそうだ。店の奥には、長いカウンターを備えた居酒屋も併設。店主自らが客の目の前で魚をさばき、刺身や焼き物、唐揚げなど、素材の味を生かしたメニューを堪能できる。地元の海を知り尽くした男が経営する店で、徳島の恵みを味わい尽くそう。
    恵比須丸の外観はワイルドな雰囲気
  • spot 42
    上勝町ゼロ・ウェイストセンター WHY
    まちの暮らしが息づくサステナブルな複合施設
    標高700mを超える山々に囲まれ、清流の流れる渓谷や、美しい棚田の風景を残す上勝町(かみかつちょう)。持続可能な社会を目指す地元の人々の暮らしと、この地を訪れる宿泊客の体験をつなぐ複合施設は、世界中から人々を呼び寄せている。
    施設を上空から見ると「?」の形をしている
  • spot 43
    RISE & WIN Brewing Co.
    まちの未来とビールをつくるブルワリー
    持続可能な社会を目指す「ゼロ・ウェイスト」の活動で知られる上勝町(かみかつちょう)。町の入り口にある正木トンネルを抜けて少し走ると、やがて無数のアンティークな窓でデザインされた建物が見えてくる。上勝町の木材や、解体された民家の廃材や建具などを再利用した店は、ブルワリー、レストラン、ショップ、宿泊施設を備えたスポット。空き瓶で作られたシャンデリアが印象的な店内では、地元産の晩茶、洗剤などが販売されており、まちの食材を使ったおいしい食事を楽しむこともできる。なかでも注目なのが、上勝町の特産品などを使った、個性あふれるクラフトビールの数々。柚香(ゆこう)の果皮や鳴門金時(なるときんとき)、上勝晩茶など、廃棄されるはずだった素材を巧みに活用し、まちの未来とともに歩む「サステナ・ブルワリー」として、オリジナリティあふれる商品を生み出し続けている。ビールを口に含んだ瞬間に感じる柑橘系の風味や独特のコクは、この地域の豊かさを詰め込んだかのような味わい。この地の未来へとつながるおいしさを、旅の思い出に加えよう。
    無数の窓が印象的な外観
  • spot 44
    府殿の棚田
    四季を彩る棚田の風景
    上勝町ゼロ・ウェイストセンターを中心とした環境保全への取り組みや、料理のツマものとして使う葉っぱビジネスなど、サステナブルな活動で知られる上勝町(かみかつちょう)。山に囲まれた自然豊かな地で注目されている観光スポットのひとつが、町内に点在する棚田の風景だ。ちなみに棚田とは、傾斜地にある稲作地のこと。2022年(令和4)3月には、5つの棚田が国の「つなぐ棚田遺産」に認定されるなど、地域が誇る風景を後世に残すための場所として大切にはぐくまれている。府殿の棚田もそのひとつで、山奥に連なる段々畑の美しさは圧巻。その風景を間近で見るためには、かなり細い山道を車で進むことになるので、車の運転に自信のない人は少し注意が必要だ。しかし、ひとたびその場所に立てば、稲穂がたわわに実る光景に、山紫水明(さんしすいめい)に恵まれた日本人の原点を感じることだろう。近くには樫原(かしはら)の棚田や、田野々(たのの)の棚田などもあるので、上勝町に立ち寄った際には、ぜひ巡ってみてほしい。
    つなぐ棚田遺産に認定された「府殿の棚田」
  • spot 45
    田野々の棚田
    山のふもとに広がる段々畑アート
    家庭から出るごみを限りなくなくすゼロ・ウェイストへの取り組みなど、サステナブルな活動で全国的に有名な上勝町。周囲を山に囲まれた地域には数々の自然が残るが、そのなかでも近年注目されている観光スポットのひとつが、町内に点在する棚田の風景。2022年(令和4)3月には、5つの棚田が国の「つなぐ棚田遺産」に認定されるなど、傾斜地にある稲作地の機能や風景が再評価されている。田野々の棚田もそのひとつで、この先に点在する棚田巡りの入り口に位置しており、最も行きやすいスポットとなっている。上勝町役場を越えて5分ほど走った場所にあるが、少し場所がわかりにくいので事前確認をおすすめする。山を少し登ると左手側に棚田があるが、その全容を見ることができるのは道を右側に上った場所になる。少し高い場所から見下ろす田野々の風景には、素朴さと美しさが同居している。ちなみに、番茶の香りが漂う集落は「かおり風景100選」にも選ばれている。ぜひ名物の上勝番茶を買って帰ろう。
    「つなぐ棚田遺産」に認定された「田野々の棚田」
  • spot 46
    樫原の棚田
    地域住民が守り続ける日本の原風景
    町内に点在する5つの棚田が、国の「つなぐ棚田遺産」に認定された上勝町(かみかつちょう)。サステナブルをテーマとした全国誌でもたびたび取り上げられるなど、豊かな日本の風景が残る場所として注目が集まっている。上勝町にある棚田のなかでも、最も有名なのが「樫原の棚田」だろう。1999年(平成11)には「日本の棚田百選」に認定され、徳島県で初めて国の重要文化的景観に認定されている。上勝町役場から車で約20分の場所にあるが、目的まではかなり狭い山道を登っていく必要がある。逆にいえば、移動に苦労する場所だからこそ、地元の暮らしに根ざした自然の形がそのまま残っているといえるだろう。樫原の棚田は江戸時代から地形が変わらないといわれ、稲穂が実る前の水面には空の青が映し出される。水田の脇には水車小屋が設置され、古きよき日本文化を残す山村の価値をさらに高めている。日本が誇る原風景に悠久の歴史を感じながら、そのぜいたくな空間に心と体を浸そう。
    「樫原の棚田」は「日本の棚田百選」のひとつ
  • spot 47
    喫茶いくみ
    林道の入り口にたたずむ昭和喫茶
    自然豊かな上勝町(かみかつちょう)から那賀町(なかちょう)にかけて、剣山(つるぎさん)スーパー林道と呼ばれる道が延びている。林道としては日本最長(約90km)となっており、その雄大な自然美とダートコースを求めて全国から多くのオフロードバイク乗りたちが集まる。その上勝町側の入り口に、ひっそりと店を構えるのが「喫茶いくみ」だ。土・日曜に振る舞われる徳島の地鶏を使った「阿波尾鶏(あわおどり)の煮込みカレー」(900円)が人気。川沿いには自然の地形をそのまま生かした「いくみキャンプ場」も併設されているので、林道にアタックする前に休憩や食事、キャンプなどを楽しもう。
    店内は昭和ノスタルジーな雰囲気
  • spot 48
    山犬嶽
    山中にひそむ巨岩と苔の芸術
    秘境と呼ばれる場所は日本各地に存在するが、上勝町(かみかつちょう)の山奥にある「山犬嶽」は、知る人ぞ知る秘境のひとつといえるかもしれない。群集する巨石に水苔がびっしりと張り付いた光景を目のあたりにすると、思わず八百万(やおよろず)の神々の存在を信じたくなる。昔は岩石の形が、山犬が口を開いたような形をしていたことから、その名が付いた。その神秘的な風景は、全国誌の表紙にも取り上げられるほど美しい。ただし、手付かずの自然が残る場所だけあって、道順は少し複雑だ。まず上勝町役場を過ぎて国道16号をさらに進むと、道路の左手に「山犬嶽登山口」の看板が見えてくる。そこから山道へと右折し、細い道をひたすら上っていくことになるが、車の大きさによって推奨ルートが異なるため、役場などで事前に確認しておいた方が良いだろう。山道に入ってから約20分で登山口へ到着するが、一旦そこを通り過ぎて数分の場所に駐車場が設けられている。登山口からハイキングコースに入ってすぐに「コケの名所」と書かれた案内版が立っているので、そちらに向かって歩こう。40分ほどで、水苔に覆われた感動的な風景に出合えるはずだ。
    巨岩と水苔が幻想的な山犬嶽
  • spot 49
    鶴林寺
    「お鶴さん」の名で親しまれる霊場
    お遍路ブームにより、四国の札所を巡る観光客は多い。四国八十八箇所霊場のひとつに数えられるのが、第20番札所の「鶴林寺」だ。地元住民やお遍路さんからは「お鶴さん」の呼び名で親しまれており、歩き遍路がたどる山道は「一に焼山(しょうざん)、二にお鶴、三に太龍(たいりゅう)」といわれるなど「阿波三大難所」のひとつとなっている。とはいえ、寺には駐車場が完備されているため、移動の心配は無用だ。寺の歴史は古く、平安時代初期の798年(延暦17)に桓武(かんむ)天皇の勅願によって空海が開創したと伝えられている。鶴林寺の名前の由来は、修行中の空海が雌雄の白鶴が老杉の梢で小さな金の地蔵菩薩像を守護していたことに由来する。そのため仁王門では金剛力士像とともに、また本堂脇にも一対の鶴像が配されている。境内には、徳島県最古(室町時代)の丁石(ちょうせき/道しるべの石)が立っているほか、三重塔は県指定重要文化財に指定されている。静かなエネルギーに満ちたパワースポットで、悠久の歴史に思いを馳せよう。
    本堂の両脇に設置された鶴の像
  • spot 50
    うつわと暮らしのもの nagaya.
    昔ながらの長屋を改装した古くて新しい場所
    ファストフードやカフェなど、さまざまな店が並び、若者たちが訪れる徳島市の沖浜町。交通量の多い国道55号線から少し離れた住宅街に立つのが「うつわと暮らしのもの nagaya.」である。始まりは1955年(昭和30)頃に建てられた二軒長屋形式の古い建物を、オーナーの吉田絵美(よしだえみ)さんが祖父母から譲り受けたこと。住居としては不向きでも、店舗やアトリエ、ギャラリーとしては最適なのではないかと考え、雰囲気を壊さぬように最低限の改修を実施。雑貨バイヤーの経験を生かすべく、2014年(平成26)に「うつわと暮らしのもの nagaya.」をオープンした。取り扱っている商品は、四国・徳島のアイテムはもちろん、昔ながらの素材や手法で作られたものや、土地に根付いて作り出されたものたち。新品のはずなのに、どこか懐かしさを感じるのは、そのせいなのだろう。月に一度、うつわや日用品など、さまざまな展示会を実施しており、多くの人が訪れている。コロナ禍の影響で、喫茶スペースは休止中だが、テイクアウトでドリンクの注文は可能。また、裏手には別棟の長屋があり、こちらにはデザイン事務所やマイクロライブラリーなどが入っている。ぜひ、旅の途中で足を運んでみてほしい。
    シンボルツリーのようなザクロが入り口を彩る「nagaya.」
  • spot 51
    藍よしのがわトロッコ
    吉野川を吹き抜ける風を感じるトロッコ列車
    2020年(令和2)にJR四国の「おでかけ。四国家(しこくけ)」キャンペーンの第2弾として始まった徳島線トロッコ列車「藍よしのがわトロッコ」。土・日曜、祝日に、徳島駅から阿波池田駅までの区間を往復しており、親子連れを中心に人気を集めている。最大の特徴は珍しいトロッコ車両に乗車できること。ギリギリまで柱をなくしたオープンな設計のため、吉野川の恵みによって育まれた里山の景観や暮らしを、吹き抜ける風とともに体感できるだろう。また「藍よしのがわトロッコ」の運転に合わせて、販売を終了していた駅弁が復活。下りの「さとめぐみの風」では「阿波尾鶏(あわおどり)トロッコ駅弁」が、上りの「かちどきの風」では「㊗三周年藍よしのがわトロッコかちどき牛勝(ぎゅうかつ)弁当」を、それぞれ味わうことができる(要予約)。沿線の見どころを解説するガイドをはじめ、徳島県の特産品やオリジナルグッズなどの車内販売もあり、片道約2時間30分の列車旅は、あっという間に感じるはずだ。
    少しずつ濃くなるグラデーションで藍の美しさを表現
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旅のヒント

  1. その1

    JR四国を利用する場合は、徳島駅が各方面に移動する際の中心駅となる。高徳線、牟岐線、徳島線、鳴門線が利用可能。県内各地へと向かうバスターミナルも備えている。

  2. その2

    京阪神から高速バスを使用する場合は、徳島バス、海部観光、阪急バス、JR四国バスなどが候補に挙げられる。徳島駅で下車後、徒歩やバスで目的地へ向かおう。

  3. その3

    自家用車やレンタカーで訪れる場合は、市内に点在するコインパーキングが便利。徳島駅前周辺であれば県営の地下駐車場も活用できる。

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