徳島県立阿波十郎兵衛屋敷

博物館/科学館

徳島の風土が育んできた阿波人形浄瑠璃の魅力

阿波人形浄瑠璃の代表的な演目『傾城阿波の鳴門』ゆかりの場所に建つ徳島県立阿波十郎兵衛屋敷。毎日、阿波人形浄瑠璃が上演されるほか、阿波木偶や太夫の道具などを常設展示。さまざまな角度からそのすばらしさを体感できる。

定期公演『傾城阿波の鳴門 順礼歌の段』の様子 定期公演『傾城阿波の鳴門 順礼歌の段』の様子

徳島が誇る伝統芸能の「今」を知ることのできる場所

JR徳島駅前の徳島市営バスターミナル7番乗り場から徳島市営バスに揺られること約25分。吉野川に架かる吉野川大橋を渡った先、閑静な住宅地の一角に立派な門構えが見えてくる。前のバス停で降りたところが、徳島県立阿波十郎兵衛屋敷だ。国指定重要無形文化財の「阿波人形浄瑠璃(あわにんぎょうじょうるり)」が毎日上演されているほか、いかにして受け継がれてきたかに重点を置いた展示により、徳島の人々が育んできた伝統芸能の「今」を知ることができる。阿波人形浄瑠璃の代表的な演目といえば『傾城阿波の鳴門(けいせいあわのなると)』だが、ここはその登場人物「阿波十郎兵衛(あわじゅうろべえ)」のモデル、板東十郎兵衛(ばんどうじゅうろべえ)の屋敷跡でもある。現在の建物は別の場所から移築されたものだが「とくしま88景」や「阿波歴史文化道」にも指定されている。

立派な門構えが歴史を感じさせる徳島県立阿波十郎兵衛屋敷 立派な門構えが歴史を感じさせる徳島県立阿波十郎兵衛屋敷

入り口すぐの中庭には「お弓・お鶴 別れの銅像」がある 入り口すぐの中庭には「お弓・お鶴 別れの銅像」がある

吉野川がもたらし、磨かれてきた庶民の芸能

吉野川の豊かな流れのもと、阿波藍(あわあい)の生産と取引により、おおいに栄えた徳島。その経済力で発展した芸能のひとつが、上方からもたらされた人形浄瑠璃である。江戸時代から徳島藩主や藍商人がパトロンとなり、小屋掛けと呼ばれる仮設舞台で淡路の人形座が興行を実施。やがてその流行が県南の山間地域などに及び、地元の人々が人形座を結成した。それが阿波人形浄瑠璃のルーツである。義太夫節(ぎだゆうぶし)の浄瑠璃と太棹(ふとざお)の三味線、三人遣いの人形という三者が演じる人形芝居のほか、人形を入れた2つの箱を天秤棒(てんびんぼう)で担いで運び「三番叟(さんばそう)」などの門付け芸を行う一人遣いの「箱廻し」が大きな特徴だ。また、天狗久(てんぐひさ)をはじめとする優れた人形師たちが独自の工夫を凝らした「阿波木偶(あわでこ)」を製作。庶民の芸能として広く愛され、今も県内各地の農村舞台では、定期的に阿波人形浄瑠璃が上演されている。

貴重な阿波木偶の頭(かしら)をはじめ、太夫の衣装や道具などを常設展示 貴重な阿波木偶の頭(かしら)をはじめ、太夫の衣装や道具などを常設展示

定期上演が行われる舞台は県内各地に残る農村舞台を模したものだ 定期上演が行われる舞台は県内各地に残る農村舞台を模したものだ

元禄期の風情ある庭園やショップも忘れずに

徳島県立阿波十郎兵衛屋敷の見どころは、なんといっても毎日の定期公演と常設展示だが、大きな和室である母屋(おもや)を会場に、不定期で実施されるワークショップや特別展示なども見逃せない。訪れる当日にどんな企画が開催されているのか、公式サイトの「イベント情報」からチェックしてから出かけよう。また、母屋の前に広がる池泉式庭園「鶴亀の庭」は、1698年(元禄11)に罪状が明らかにされないまま、徳島藩の政策上の犠牲となって処刑された板東十郎兵衛みずからの築庭だと伝えられている。名前の由来は、長寿の象徴である鶴と亀が雌雄2匹ずつ見立てられていることから。それぞれを探してみるのもおもしろい。すべてを鑑賞したあとは、県内各地の個性的な特産品がそろう「徳島じょうるりショップ」へ。来訪の記念になる品物やお土産に喜ばれるものを探してみたい。

板東十郎兵衛本人の築庭と伝えられている「鶴亀の庭」 板東十郎兵衛本人の築庭と伝えられている「鶴亀の庭」

「徳島じょうるりショップ」には県内各地の個性的な特産品が並ぶ 「徳島じょうるりショップ」には県内各地の個性的な特産品が並ぶ

スポット詳細

住所
徳島県徳島市川内町宮島本浦184 map map 地図
電話番号
0886652202
時間
9:30-17:00
[7-8月]9:30-18:00
休業日
年末年始(12/31-1/3)
料金
【入館料】
[一般]410円
[高・大学生]310円
[小・中学生]200円
駐車場
あり(40台)
クレジットカード
不可
電子マネー/スマートフォン決済
可(PayPay)
Wi-Fi
あり(Tokushima-wifi)
コンセント口
なし
喫煙
可(喫煙スペースのみ)
英語メニュー
あり
平均予算
【昼】1-1,000円
滞在目安時間
60-120分
車椅子での入店
乳幼児の入店

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 日本人も外国人も楽しめます
    5.0 投稿日 : 2022.06.26
    期待以上に楽しめました。入館料が安過ぎるくらいです。劇場と展示室があって、人形浄瑠璃で使われる人形の動く仕組みや骨格の見本が飾られていて、自由に触れる展示物も一部あります。浄瑠璃の上演はとても迫力がありました。上のスクリーンに英語の字幕も出るので、外国人でも内容は理解できるようになっていてとても親切だと思います。人形のしなやかな手先の動きや顔の表情がとても精巧です。ロボット開発のヒントになるのでは...
  • 『傾城阿波の鳴門』の原話となった十郎兵衞の屋敷跡
    5.0 投稿日 : 2022.02.23
    阿波の地は淡路島の地続きで人形浄瑠璃が盛んでした。『傾城阿波の鳴門』に名を残す阿波十郎兵衞の屋敷跡が人形浄瑠璃の上演施設として定着しています。今は本場である大坂の文楽人形とも少し違うところが興味深いものです。
  • 初めての人形浄瑠璃
    5.0 投稿日 : 2020.09.30
    日曜日に訪問10時に徳島駅から、路線バスで、10時半前後に到着。10分くらい映像で事前に人形浄瑠璃についての解説あり、その後ボランティアさんから、いろいろ説明を受けて、11時から、30分くらい人形浄瑠璃の観賞ができます。それから、庭や建物、展示物を見て、売店に寄って12時25分の路線バスで、徳島駅に戻りました。人形浄瑠璃のライブは、素晴らしい。たかだか人形劇と思っていたことが、恥ずかしいです...

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アクセス

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最寄り

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