母養山 宝樹院 恩山寺
空海と母の物語が息づく寺院
空海の親孝行が寺名の由来に
まず、恩山寺の歴史に少し触れておこう。飛鳥時代から奈良時代にかけて活動した日本の仏教僧・行基が、厄除のために薬師如来を御本尊として刻んだのが寺の始まりと伝えられ、当時は大日山福生院密厳寺(だいにちさんふくしょういんみつごんじ)と号していた。災厄や悪疫を払う女人禁制の道場であり、19番札所の立江寺(たつえじ)に向かって下る「花折り坂」という坂から上は、女性が入ることは許されていなかったとされている。その後、空海がこの地で修行をしていた際に母が来山したが、女人禁制のため入ることができなかった。空海は秘法を修し、女人解禁の祈願を成就。母の恩に応えることができたことから「恩山寺」に改名したと伝えられている。
山門と伝説の木を見逃すな
国道から小高い山を登りながら恩山寺を目指す途中、赤い橋を渡って右側に山門が立っている。車道からははずれているが遍路道の通過点となっており、その正面に毘欄樹(びらんじゅ)の木が生い茂っている。この木は、母への孝養を尽くした空海が植樹したとされ、宝樹院(ほうじゅいん)の院号の由来となっている。その先に車を進めると駐車場に到着。車を降りて5分ほど坂を上ると、木漏れ日のなかにたたずむ巨大な空海の像が出迎えてくれる。階段を上って左側に大師堂があり、空海が自らの像を彫刻したものを本尊として安置。大師堂の右手には玉依御前(たまよりごぜん)の剃髪所が隣接し、空海の母が祀られている。冒頭の伝説を理解してお寺に足を運ぶことで、悠久の歴史ロマンを感じることができるはずだ。
ここでしか入手できないお守りがある
本堂は、手水場を過ぎて階段を登った先にある。第17番札所からの長い道のりを経て恩山寺にたどり着いたお遍路さんが手をあわせる姿からは、深い信仰心を感じることができる。参拝を終えたあとに立ち寄ってほしいのが、右手奥にある納経所(のうきょうしょ)。ここでは、摺袈裟(すりげさ)と呼ばれる貴重なお守りを購入することができる。このお守りを所持すれば、陀羅尼(だらに)の功徳によっていかなる病気も治癒し、悪いことをよいことに変える滅罪生善(めつざいしょうぜん)のご利益があるといわれている。摺袈裟の授与は恩山寺のみで行われており、ほかのお寺で入手することは不可能。興味のある人は、ぜひ入手しよう。
スポット詳細
- 住所
- 徳島県小松島市田野町恩山寺谷40 地図
- エリア
- 徳島市周辺エリア
- 電話番号
- 0885331218
- 時間
- 7:00-17:00
- 休業日
- 無休
- 料金
- [拝観料]無料
- 駐車場
- あり(20台)
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 不可
- Wi-Fi
- なし
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
情報提供: ナビタイムジャパン
クチコミ
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- 四国霊場第18番札所の古寺です
- なかなか良い遍路寺です、としか言いようがない程度の普通のありふれた寺院でした。縁起は1200年を超える由緒ある寺院。昔は女人禁制だったらしい。知名度の割には印象が薄い寺院でした。本堂や大師堂よりも十大弟子像の方が見応えがあった。この遍路寺は効能抜群の「摺袈裟」で有名です。
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- 「弘法大師御母公 玉依御前 ゆかりのお寺」
- 参道脇に「弘法大師御母公 玉依御前 ゆかりのお寺」と彫られた石碑が立っていました。手前に大師像の立つ石段を上がって行くと正面に本堂が配されていましたが、小ぶりなお堂と云った印象を受けました。
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- 第18番札所
- 第18番札所 恩山寺駐車場から境内までは少し歩きます。お参りされる方も少なく静寂につつまれた境内は広くもなく狭くもなくゆっくりとお参りすることができます。雨の中のお参りでしたがそれもまた雰囲気があってよかったです。
TripAdvisorクチコミ評価
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