北海道

夕張・美唄

YUBARI / BIBAI

炭鉱で栄え、稲作地帯として農業も盛ん。アートや歴史にも触れられる

夕張・美唄のある空知地方は、北海道の内陸部、札幌と旭川のちょうど間にある。炭鉱で栄え、日本の産業近代化を支えたエリアだ。現在は、炭鉱の関連施設を保存し、炭鉱文化を後世に伝えるための活動も行われている。また、空知は北海道有数の米どころとして知られ、グリーンツーリズムや農業体験も各地で盛んだ。10の市と14の町で構成される空知エリアの中核都市は岩見沢市。豪雪地帯だが、その特性を生かしたブドウ栽培とワイン造りが行われ、「宝水ワイナリー」は全国にファンがいる。夕張メロンの産地として全国的に知られる夕張には、臨場感あふれる体験学習が可能な「夕張市石炭博物館」や映画のロケ地などもある。美唄は、自然豊かなエリアで、自然とアートの融合した「安田侃彫刻美術館 アルテピアッツァ美唄」のほか、マガンが飛来する湿地・宮島沼などが見どころ。郷土料理の「とりめし」や、「美唄やきとり」なども名物だ。

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エリアの見どころ

  • spot 01
    ロイズカカオ&チョコレートタウン
    人気チョコレートメーカー・ロイズの新しい施設がオープン!
    2023年(令和5)8月、札幌に隣接する当別(とうべつ)町に新しい見学・体験施設「ロイズカカオ&チョコレートタウン」がオープン。カカオやチョコレートに関する展示や体験ものがそろっているので、たっぷりと時間をかけて楽しみたい。
    建物内に「ロイズカカオ&チョコレートタウン」ができた「ロイズタウン工場」
  • spot 02
    安田侃彫刻美術館 アルテピアッツァ美唄
    美しい自然と彫刻作品が一体となったすばらしい芸術空間
    世界的彫刻家・安田侃(かん)の作品が展示されている「安田侃彫刻美術館 アルテピアッツァ美唄」。自然のなかに溶け込んだ作品とその空間を、時間をとってじっくりと味わいたい。春夏秋冬それぞれに異なる表情も魅力だ。
    流路と池に大理石の玉石が敷き詰められている「水の広場」
  • spot 03
    宝水ワイナリー
    岩見沢・宝水エリアの風土を表現するワイン造り
    札幌から高速を使えば40分ほどで到着する岩見沢市。その岩見沢のなかでも宝水エリアは、豊かな自然を誇る風光明媚な場所。ここで、手間を惜しまずていねいにワインを造っているのが「宝水ワイナリー」だ。
    建物は小樽の造船所の鉄工所を解体して出た材料を再利用して建築
  • spot 04
    夕張市石炭博物館
    日本の近代産業を支えた炭鉱の歴史に触れることができる
    炭鉱が数多くある空知エリアのなかでも、炭鉱跡地を観光地としていち早く整備したのが夕張。「夕張市石炭博物館」は、炭鉱の歴史を未来へ語り継ごうという人々の思いが伝わってくる場所だ。
    エレベーターを降りたところにある地下展示室。炭鉱マンのマネキンが出迎えてくれる
  • spot 05
    カフェ・ストウブ
    地元産食材を使った料理と石窯で焼いたパンを味わえるカフェ
    美唄(びばい)中学校のすぐそば、羊が放牧されている敷地内に立つのが「カフェ・ストウブ」だ。カフェだがパン屋として紹介されることも多く、石窯で焼かれるそのパンを求めて遠方から足を運ぶファンもいる。ここは、地元特産アスパラガスを与えた「アスパラひつじ」を育てる西川農場の社長が、「育てた羊と地元産の野菜やワインを味わってもらえる場所を」との想いで誕生した。店を作るにあたって、料理にはパンが欠かせないと小麦栽培もスタート。パンを焼いてくれる職人を探していたところ、縁があって東京でパンを焼いていたシェフ・石井賢さんに声がかかる。石井さんは家族で移住を決め、2017年(平成29)、オープンにいたった。店の奥には手造りの石窯があり、地元産の小麦粉を使ったハード系のパンが店頭に並ぶ。パンは、外はしっかりパリッと、中はモチっとした食感。想像以上に軽い口あたりで、毎日食べても飽きないのが特徴だ。カフェでは、パンと料理の新しい組み合わせを提案。和食系の総菜にもパンがあうのだという新しい発見も楽しい。パンは早い時間で売り切れてしまうこともあるので、どうしても購入したい人は前日までに予約をしよう。
    手前から時計回りで「クルミのコンプレ」560円、「2種レーズンとオレンジピール」580円、「玉ねぎと黒コショウ」580円、「チョコと3種のナッツ」380円
  • spot 06
    小林酒造
    北海道を代表する老舗酒造会社。記念館などでその歴史に触れられる
    「北の錦」の銘柄で知られる栗山町の「小林酒造」。日本酒造りに使う原料の米はすべて北海道産という、北海道を代表する酒造会社だ。敷地内には文化財に指定されているレンガ造りの酒蔵が立ち並び、歴史を感じられる。
    空知(そらち)地方にあるレンガ建造物としては最大規模といわれる「小林酒造」の酒蔵
  • spot 07
    レストラン&カフェpont
    体にやさしいフランス料理を気軽に味わえる隠れ家レストラン
    レンガ造りの酒蔵が立ち並ぶ小林酒造の敷地内にある「レストラン&カフェpont」。2021年(令和3年)にオープンした隠れ家的なフランス料理の店だ。「pont」とは、フランス語で「橋」という意味。料理を通じて生産者とお客さまの架け橋になりたいという想い、日本の食材とフランス料理をつなぐという想いが込められている。札幌のフランス料理店で腕を振るっていた葛巻紘(くずまきこう)さん、瑞樹さん夫妻と、ベルギーで料理人をしていたフランス人のセグレタン・バティスさん、七田あゆみさん夫妻の4人で切り盛りしている。瑞樹さんは自然栽培の農業に従事していた経験があり、あゆみさんも体調を崩した経験から食の大切さを実感。添加物を極力使わず、素材にこだわった体にも環境にもやさしい料理を提供している。ランチのコースは2000円~(14時までの提供)。メイン、サラダ、パンまたはライスの「本日のワンプレートランチ」1200円や、デザートセット800円などもある。月に1度の10名限定ディナーコース(5000円、2日前までの完全予約制)、テイクアウトメニューもあり。冬期(12~3月)は休みになるので注意を。
    この日のランチコースの前菜「夏野菜のテリーヌ ソース・レムラード」
  • spot 08
    いわみざわ公園バラ園
    無農薬で育てたバラの品種数は道内最大級。北海道が誇るバラ園
    約163万平方メートルの広さをもつ大規模な総合公園「いわみざわ公園」。広い公園内にはさまざまな施設があるが、そのひとつが「バラ園」だ。ここでは6月中旬から秋にかけて、美しく咲くバラを観賞できる。
    撮影時期は7月中旬。シーズンにはたくさんのバラが咲き誇る
  • spot 09
    NORTH FARM STOCK
    北海道のおいしさが詰まった人気グロサリーブランドの直営店
    「いわみざわ公園」から5分ほど車を走らせると、ナチュラルモダンな建物が目に入る。ここは、北海道産の素材を用いた人気グロサリーブランド「NORTH FARM STOCK」の直営ショップ&カフェだ。「NORTH FARM STOCK」は、別の事業を営んでいた現在の社長が、あるとき取引先の農協で出された婦人部手作りのトマトジュースに感動し、「このおいしさを本州の人たちにも知ってほしい」と、2003年(平成15)に立ち上げたブランド。それ以来、北海道の上質な素材と手作りにこだわった食品、飲料、調味料、スイーツなどを提供し続け、現在そのアイテム数は160近くにのぼる。おしゃれなパッケージも評判を呼び、テレビや雑誌などでもよく取り上げられている。この直営店には、食品やドリンクなど定番商品のほか、直営店限定の焼き菓子、スタッフがセレクトしたイタリア産オリーブオイル、フランスの紅茶なども並ぶ。ふだんの食卓をステキに彩ってくれるヨーロッパの食器など生活雑貨も扱っており、札幌や旭川から通うリピーターも多い。カフェでは、自社のパンケーキミックスを使ったパンケーキやバーガー、ソフトクリームなどを味わえる。1階のテラス席、2階のイートイン席、どちらもくつろげるのでおすすめだ。
    岩見沢ICから車で約5分の距離にある「NORTH FARM STOCK」
  • spot 10
    江別市セラミックアートセンター
    北海道の陶芸とれんが。土と火から作品が生まれる窯業(ようぎょう)を知る
    れんが産業が盛んであることから「れんがのまち」とも呼ばれる江別市。陶芸に関する活動も多い同市にあるのが、「江別市セラミックアートセンター」だ。「見る、創る、集う」の3つのコンセプトで運営されている。
    1階の「北のやきもの展示室」の様子。企画展などにあわせて展示作品が変わることもある
  • spot 11
    江別市ガラス工芸館
    元は個人宅だったレンガ造りの洋館内にあるガラス工房
    絵画や写真の題材に選ばれることも多く、市民に愛されているレンガの建物「江別市ガラス工芸館」。もともと個人の邸宅であったが、現在は江別市が管理し、ガラス工房併設の工芸館として公開されている。
    レンガ造りの建物の中にはさまざまなガラス作品が展示されている
  • spot 12
    EBRI
    有形文化財のレンガ工場跡を利用したローカルな商業施設
    「れんがのまち」と呼ばれる江別(えべつ)。JR野幌(のっぽろ)駅から徒歩5分、趣のある大きなレンガ造りの建物が「EBRI(えぶり)」だ。ここは1941年(昭和16)創業、肥田製陶の工場跡をリノベーションした商業施設。近代産業遺産にも選ばれ、2019年(平成31)には国の登録有形文化財にも登録された。施設名の「EBRI」は、江別とBRICK(英語で「レンガ」の意)を合体させた造語。施設内に入ると、コーヒーの香りが漂う。店内でコーヒー豆の焙煎もしている「NOPPORO COFFEE(のっぽろこーひー)」はオープン時から人気のカフェ。ていねいにハンドドリップで淹れたコーヒーが評判だ。オーガニック野菜や無添加食品が中心の「おいで屋」、新鮮野菜や食品がそろう「まちのやおやさん」の2店が入った「えぶり市場」があり、地域の人で賑わう。さらに奥には「江別アンテナショップ GET'S」も。江別の小麦を使った麺類、はちみつなどのほか、江別市と姉妹都市であるアメリカ・オレゴン州のグレシャム市、友好都市の高知県土佐市の特産品などを取り扱っている。2023年8月のリニューアルに合わせて市場は売り場面積が拡大。また、新しくスペインワインとカラスミのお店「WINE SHOP MARCOMAR」、ЁBRIのコンセプトショップ「ЁBRI STORE」の2店舗がオープン。旅の途中に立ち寄ってみよう。
    レンガが積まれた高い煙突が目印の「EBRI」。建物からも歴史を感じる
  • spot 13
    三笠鉄道村
    北海道の鉄道の歴史に触れ、蒸気機関車に乗ることもできる鉄道村
    北海道の鉄道発祥の地・三笠。石炭を運ぶために敷設された幌内鉄道は、日本で3番目に誕生した鉄道で、産業鉄道としては日本初だった。1987年(昭和62)に廃線となったが、その歴史を伝えているのが「三笠鉄道村」だ。
    三笠鉄道記念館がある幌内(ほろない)ゾーンに立つ「三笠鉄道村」の看板
  • spot 14
    三笠市立博物館
    ほかにはない珍しい展示方法と希少な収蔵品で化石ファンを魅了
    空知(そらち)エリア南部に位置する三笠市。三笠ICから桂沢(かつらざわ)湖方面へ車で約20分のところに「三笠市立博物館」がある。キーワードは「一億年の歴史」。化石に関する学術的資料がそろう博物館だ。
    直径約1.3m、重さ約580kgもある、日本最大級のアンモナイトの化石がお出迎え
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旅のヒント

  1. その1

    札幌からは日帰り圏内で遊ぶことのできるエリア。時間を有効に使うのであれば車移動が便利。

  2. その2

    札幌から旭川まで、高速が走っているのでうまく利用しながらスポット巡りを。高速を使わず景色を眺めながらのドライブを楽しみたい人は、国道12号、国道275号近くに道の駅が多く点在しているので、立ち寄りながらのドライブがおすすめ。

  3. その3

    テーマを決めてまわるのもおすすめ。たとえば、炭鉱文化の歴史というテーマであれば、「夕張市石炭博物館」を中心に、炭鉱跡、発電所などへ足を延ばそう。酒が好きな人は岩見沢の宝水ワイナリー以外にも、新十津川の金滴酒造、三笠の山崎ワイナリーなどがある。また、砂川市には洋菓子から和菓子までさまざまな菓子店の点在するスイーツロードがあるので、甘いもの好きならプランに入れてみよう。

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