北海道

旭川

ASAHIKAWA

北海道の真ん中にある第2の都市は都会と自然が調和する観光拠点

北海道のほぼ中央に位置する旭川市は、札幌に次いで2番目の人口を有する都市である。動物本来の能力を引き出す行動展示で、全国的にも人気の「旭川市旭山動物園」をはじめ、北海道三大ラーメンのひとつである醤油味の「旭川ラーメン」などが有名だ。旭川の地名はアイヌ語に由来するとの説が有力。アイヌが市内を流れる忠別川を「チュクペッ」と呼び、それが転じて「太陽川」(諸説あり)と解釈され1890年(明治23)に「旭川村」と命名され、設置された。実際、市内には石狩川、忠別川、美瑛川など、大小合わせて130の川が流れ、750以上の橋が架かっていることから「川と橋のまち」とも呼ばれている。旭川は市内に観光スポットが点在しているため、1泊2日でも十分に楽しめる。旭川から車で約30分の美瑛や、車で約1時間30分の富良野方面、または層雲峡への観光もセットで考える場合は、2泊3日でまわると、北海道らしい景色も合わせて楽しめる。

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エリアの見どころ

  • spot 01
    旭川平和通買物公園
    旭川のメインストリートは全国初の歩行者天国!?
    その街の雰囲気を知るには、自分の足で歩いてみるのがおすすめだ。旭川平和通買物公園は、東京でいうなら銀座、札幌でいうなら大通公園。旭川の雰囲気を肌で感じて体感するためにも、ゆったりと散策してみよう。
    JR旭川駅から8条通りまで続く旭川平和通買物公園
  • spot 02
    旭川らぅめん青葉 本店
    極寒の地だからこそ生まれた、先人の知恵が生かされた一杯
    1902年(明治35)1月、日本最低気温のマイナス41℃を記録した旭川市は冬の寒さが厳しい。そんな極寒の地で温かいラーメンスープが冷めないようにと工夫されたのが、スープにラードを浮かべること。ラードの油膜でスープを覆うことにより、冬もアツアツのラーメンを楽しめるようになった。旭川ラーメンの特徴は、ラードを浮かべることに加え、スープが醤油味であること。出汁は豚骨などの「動物系」と煮干しなどの「魚介」を合わせたWスープだ。麺は低加水の中細縮れ麺で、スープがからみやすい。戦後の1947年(昭和22)に屋台から始まった旭川らぅめん青葉は、この特徴的な旭川ラーメンの王道ともいえる味を提供し続けている。ランチ時間などは特に混雑するが、旭川ラーメンの文化と歴史を凝縮したこちらのラーメンはおさえておきたい。
    旭川は醤油、札幌は味噌、函館は塩味がラーメンの定番
  • spot 03
    塩ホルモン炭や 旭川店
    旭川を代表するB級グルメ「塩ホルモン」は庶民の味
    旭川発祥の「塩ホルモン」は、塩などの調味料に漬け込んだ豚の腸で、牛は使わない。旭川は明治末期から1945年(昭和20)頃まで養豚業が盛んで、戦後の食糧難の時代にそれまで捨てていた内臓を塩漬けにして食べたことが始まりといわれ、庶民の間で広まっていった。ホルモンのうまさの決めては鮮度。新鮮な内臓が手に入りやすい旭川で塩ホルモンがブームになったのは理にかなう。さらに余分な脂が少なく、ヘルシーでコラーゲンもたっぷり、なのにリーズナブルとあって、女性を中心にブームを巻き起こした。ブームの火付け役となったのは1986年(昭和61)創業の「炭や」。鮮度を維持するため冷水でていねいに下処理をした内臓は、素材の味を生かすため、味付けは塩とコショウのみ。七輪の炭火で焼くと、こんがりカリッと焼き上がり、白飯を食べる手が止まらなくなる。地元民も太鼓判の名店で、ビールと一緒に味わおう。
    塩ホルモン330円、サガリ462円、豚トロ462円(値段は各1人前)。玉ねぎは最初のひと皿はサービス
  • spot 04
    旭川市旭山動物園
    閉園の危機から全国一の入園者数を誇る動物園に進化
    単に動物の姿形を見せる「形態展示」ではなく、動物の持つ能力や行動などを見せる「行動展示」で一躍全国に知られるようになった旭川市旭山動物園。全国はもとより、海外の動物園関係者も視察に訪れるなど、注目を集めている。
    豪快に泳ぐホッキョクグマ
  • spot 05
    上野ファーム
    「北海道ガーデン」という新しいジャンルの魅力
    テレビドラマの舞台となった富良野市の「風のガーデン」をはじめ、大雪山連峰を望む「大雪 森のガーデン」などをプロデュースしたガーデナーの上野砂由紀さんが家族と一緒に作り上げた話題のガーデンだ。
    左右対称に宿根草が咲く鏡合わせのような花壇「ミラーボーダー」
  • spot 06
    大雪 森のガーデン
    大雪山連峰の絶景を望む広大な花と森の楽園
    森の中に造成された総面積5万平方メートルを誇る広大なガーデン。高台にある園内には3つのエリアが広がり、各エリアでテーマに合わせた草花を見たり、体験したりして楽しめる。
    雄大な大雪山連峰の撮影スポットとしてプロのカメラマンからも評判
  • spot 07
    層雲峡
    太古の大自然を今に伝えるダイナミックな岩壁
    国内の国立公園のなかで最も広い面積を誇る大雪山国立公園内にあり、断崖絶壁の岩壁が豪快な景観を呈する層雲峡。北海道らしい大自然が楽しめるうえ、北北海道随一の温泉街もあり、海外観光客も多く訪れる人気スポットだ。
    大雪山国立公園の広さは約2267.64㎢。面積は神奈川県とほぼ同じ
  • spot 08
    旭岳温泉
    カムイミンタラ「神々の遊ぶ庭」へ。高山植物が咲き誇る温泉郷
    アイヌ語で「カムイミンタラ」(神々が遊ぶ庭)と呼ばれる大雪山連峰。連なる山々のなかで、道内一の標高を誇る旭岳は高山植物の宝庫でもあり、最盛期は可憐な花々が咲き乱れる。旭岳温泉はそんな楽園に広がる温泉郷だ。
    北海道の屋根と呼ばれ、「日本の百名山」にも選ばれている標高2291mの旭岳
  • spot 09
    層雲峡温泉
    北海道有数、北北海道随一の温泉地
    温泉ホテルを中心に民宿やペンションなど、約15軒の宿泊施設と日帰り入浴専用施設などがある。温泉街はカナダの山岳リゾートをモチーフにした「キャニオンモール」が整備され、散策やショッピングなども楽しめる。
    大自然に溶け込む層雲峡温泉
  • spot 10
    北の嵐山
    豊かな自然のなかで工房巡り&創作体験
    陶芸、ガラス工芸、クラフトなど、幅広いジャンルの作家などが工房を構えるアーティスティックなエリア。市内を一望できる嵐山のふもとにあり、京都の嵐山に似ていることから「北の嵐山」と呼ばれている。
    生活を豊かにしてくれそうな遊び心いっぱいの雑貨などが並ぶ「クラフト ブラウンボックス」の店内
  • spot 11
    中原悌二郎記念旭川市彫刻美術館
    地元の日常空間に溶け込む国指定の重要文化財「旧旭川偕行社」
    日本の近代彫刻史に燦然と輝く旭川ゆかりの彫刻家・中原悌二郎を記念する美術館。悌二郎が残した全12点の作品を中心に、ロダンや荻原守衛(おぎはらもりえ)など悌二郎が影響を受けた作家の作品も展示する。
    1989年(平成元)、旭川市では唯一となる国の重要文化財の指定を受けた建造物
  • spot 12
    男山酒造り資料舘
    男山350年の歴史を伝える酒造り資料舘
    かつて北の灘と呼ばれた酒どころ・旭川を代表する蔵元「男山株式会社」。男山350年の歴史とともに、日本の伝統産業のひとつである酒造り文化を伝えるのが男山酒造り資料舘だ。
    万年雪から染み出る伏流水と厳しい寒さが生み出す淡麗辛口の味
  • spot 13
    壺屋き花の杜
    老舗菓子メーカーが作った、旭川の街を感じながら過ごせる施設
    道内でも指折りの老舗菓子メーカー「壺屋総本店」。地元・旭川の人たちに愛される同社が、2014年(平成26)にオープンしたのが、代表銘菓「き花」の名を冠した複合ショップ的施設、「壺屋き花の杜」だ。
    店内はまるで小さなお店がたくさん並ぶマルシェのようにも見える
  • spot 14
    旭川デザインセンター
    国内外に旭川デザインのすばらしさを発信する拠点&総合展示場
    旭川は日本の家具の5大産地のひとつ。旭川のある上川(かみかわ)地方は豊かな森を有し、木材会社も数多く、家具作りに適した環境が整っている。地元の家具やクラフトメーカーのアイテムがそろうのが「旭川デザインセンター」だ。
    建物内、約3300平方メートル、坪数で1000坪ほどの広い空間に家具が並ぶ「旭川デザインセンター」
  • spot 15
    パレンタ
    セレクト雑貨のショッピングのあとは、台湾式飲茶でホッとひと息
    「旭川デザインセンター」の敷地内にあるセレクトショップ「パレンタ」。もともと旭川市内でセレクト雑貨を販売していたが、2019年(平成31)にこちらの場所へ移転した。2階が生活雑貨などを扱うショップ&ギャラリーで、1階は台湾式飲茶カフェ。ショップでは、「よりよい暮らし」「豊かな暮らし」をコンセプトに選んだ国内外の生活用品、クラフトなどが並ぶ。家具の端材を使ったコースター、「旭川デザインセンター」のイベントなどで使ったタペストリーを生地にしたエコバックなど、オリジナルのサステナブルアイテムもユニーク。一つひとつ手に取り、ゆっくりじっくり選びたいステキなものばかりだ。1階のカフェは、2022年(令和4)にリニューアル。オーナーは台湾で暮らした経験があり、現地で学んだレシピをもとに、手作りスイーツやヘルシーな台湾料理を提供している。台湾から仕入れたお茶は17種類ほど。白い器に盛られて運ばれる料理はどれもおしゃれで、北欧風のスタイリッシュな雰囲気の店内にとてもマッチしている。
    センスのよさが光るセレクト雑貨。木工家具の町・旭川らしく、木工クラフトも多くそろう
  • spot 16
    あさひかわ北彩都ガーデン
    JR旭川駅周辺に広がる、花と緑のオアシス的ガーデン
    JR旭川駅の南口から続く「あさひかわ北彩都(きたさいと)ガーデン」。手入れの行き届いた美しい庭とゆったりと流れる忠別(ちゅうべつ)川。その奥には大雪山系の山並みが連なり、ついその美しさに見惚れてしまう。
    園内にあるガーデンセンターのそばには、記念撮影のできるトピアリー(立体花壇)がある
  • spot 17
    三浦綾子記念文学館
    三浦綾子のすべてが詰まった文学館。今もなお多くのファンが足を運ぶ
    旭川出身のミリオンセラー作家・三浦綾子。『氷点』『塩狩峠』『泥流地帯』など数々の作品は、今も多くの人の心をつかんで離さない。そんな彼女のファンや地域の人々の尽力によって運営されているのが「三浦綾子記念文学館」だ。
    「三浦綾子記念文学館」は小説『氷点』の舞台、外国樹種見本林の横に立つ。『氷点』ファンならこの林から思い出すシーンがあるはず
  • spot 18
    髙砂酒造 明治酒蔵
    創業から120年以上、地域で愛される旭川の老舗酒蔵
    かつて「北の灘」とも呼ばれるほど酒造りが盛んだった旭川。最盛期の大正時代には17もの酒蔵があったそう。現在も日本酒造りを行っている酒蔵は市内に3つ。そのうちの1つが「髙砂酒造」である。
    築100年以上の「髙砂酒造 明治酒蔵」。2004年(平成16)には第5回旭川市景観賞を受賞
  • spot 19
    Japacheese Asahikawa
    牛乳のおいしさを最大限に生かした毎日食べても飽きないチーズ
    「旭川平和通買物公園」の7条緑道近くにある、ナチュラルチーズ工房「Japacheese Asahikawa」。印象的なロゴマークが目印だ。代表の長尾英次さんは宮城県出身で、長年、蔵王でチーズ作りに携わってきた。震災後、仕事や実家のことを考えるとなかなか踏み切れずにいたが、2014年(平成26)に妻の実家がある旭川へ移住。チーズ工房というと、一般的には牧場併設型が多く、観光要素が強い傾向にあるが、日常的にナチュラルチーズを食べてもらいたいと、あえて街の中心部に工房と店を構えた。チーズ作りに欠かせない牛乳は、旭川市北部、東鷹栖(ひがしたかす)の加藤牧場のものを使用。良質な牛乳のおいしさを最大限に生かしたチーズ作りを行っている。長尾さんは、「技術者はつい凝ったことをしたくなるが、僕は余計なことをせず、日本人の食卓にあう日本人のためのチーズを作っていきたい」と話す。実際、長尾さんの作るチーズはシンプルで、どれも食べやすい。そのまま食べてももちろんおいしいのだが、アレンジできるのも魅力のひとつ。豆腐の代わりに味噌汁に入れたり、刻んだチーズを卵かけご飯にあわせるのもOK。一見意外だが、やってみると納得のおいしさだ。
    炙って食べてもおいしいチェダー(左)と、豆腐のようにも使えるモッツァレラ(右)。価格は店舗に問い合わせを
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旅のヒント

  1. その1

    空路は旭川空港と羽田空港間に定期便あり。夏季は伊丹空港や関西国際空港、中部国際空港と結ぶ季節運航便が飛ぶこともある。

  2. その2

    JR札幌駅からJR旭川駅は特急で約1時間30分、高速バスなら約2時間。

  3. その3

    美瑛町、富良野市、上川町とJRで結ばれている。各到着駅から観光スポットへのアクセスは、路線バスの運行本数が少なかったり、なかったりするので注意。

  4. その4

    旭川市内をまわる場合、目的地が2-3か所なら路線バスの利用を検討してもよいが、旭川市旭山動物園、上野ファーム、北の嵐山、中原悌二郎記念旭川市彫刻美術館、男山酒造り資料舘など、多くのスポットを巡るならレンタカーの利用がスムーズ。

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