滋賀
大津
OTSU
琵琶湖と山の峰が織りなす風光明媚な歴史の町
滋賀県大津市は、大きな琵琶湖の南部に、湖に沿うように西から南へと細長く街が延びて位置している。比叡山を隔てて西に隣接する京都市からも近い。山と湖が近く、そこに街が溶け合った美しい風景は、古来、多くの和歌や俳句に詠まれ、絵に描かれてきた。現在では琵琶湖を一望できるスポットとして、びわ湖テラスや比叡山山頂、湖上を遊覧するミシガンクルーズなどが人気だ。世界遺産・延暦寺の門前町である坂本は、里坊の石垣と街並みが調和して美しい。また、都の鬼門を守ってきた日吉大社と明智光秀ゆかりの西教寺をつなぐ山の辺の道ではのどかな風景を堪能できる。比叡山麓の坂本から、天智天皇を祀る近江神宮、数々の伝説が残る三井寺(園城寺)、『源氏物語』ゆかりの石山寺など、いずれの社寺も京阪電車の沿線なので移動が便利。さらに南に向かえば、雷伝説で知られた岩間寺も。山と湖が奏でる風景とともに、歴史ある街を味わいたい。
エリアの見どころ
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横川
- 延暦寺最奥の地で疫病退散を祈願、本格的なおみくじ体験も
- 西塔へは、東塔から北へおよそ6km。木々の緑に囲まれ鮮やかな朱色の映える横川中堂が迎えてくれる。最澄の弟子であり、天台密教の教えを唐から日本にもたらした円仁が創建。堂内には聖観世音菩薩が祀られており、円仁が始めたことにちなむ写経体験もできる。横川中堂を出ると、辺りは33体の石仏が並ぶミニ西国観音霊場。その先には、元三大師堂が現れる。平安中期は火災や建物の老朽化で荒廃した横川、そこに登場したのが良源だ。強い法力を持つ僧で、正月3日に亡くなったため元三大師と呼ばれ親しまれている。疫病が流行した際に祈祷をすると、良源は鬼のような姿に変化し病魔も退散したという。\また、横川はおみくじの発祥の地でもある。まず、悩みを打ち明け、僧侶がくじを引き、その結果をもとに相談にのってくれる。こちらも、良源のもとに、人びとがあらゆる相談を持ってきたことにちなむ慣習だ(予約制)。
- スポットの詳細
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横川
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坂本ケーブル
- 日本一の長さを誇るケーブルカーで比叡山延暦寺へ
- 1927年(昭和2)に延暦寺の表参道として開業し、ふもとの「ケーブル坂本駅」から終着の「ケーブル延暦寺駅」までの約2kmをわずか11分で結んでいる。両駅舎は大正ロマン漂う、国の登録有形文化財。階段状のホームで待ち構えるヨーロッパ調の洗練された車体は、大きな窓が印象的だ。進行方向(山手)を背にした座席配置で、いざ出発するとうしろへ引っ張り上げられるような感じが楽しい。幻想的な雰囲気を醸し出すトンネルを抜け、峡谷に立ついくつもの橋梁を渡るときには山の深さを味わえる。上りと下りの2両のケーブルカーが行き違うために造られた線路「ターンアウト」は、鉄道ファンならずとも興味が湧くところ。急こう配の山中を進むにつれ眼下に現れる雄大な琵琶湖に心躍り、車窓からは目が離せない。目的地に運んでくれる乗り物にも魅力を感じるひとときだ。終着駅から延暦寺の中心・根本中堂のある東塔地域までは徒歩約8分。
- スポットの詳細
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坂本ケーブル
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本家鶴㐂そば
- 比叡山延暦寺の門前町・坂本で知られた名物の手打ちそば
- 比叡山延暦寺への参拝や坂本の町巡りで、多くの人が訪れる老舗そば店が「本家鶴きそば」だ。京阪・坂本比叡山口駅のほど近く、1716年(享保元)に創業し、門前町の坂本で300年を超える歴史を紡いできた。もとは延暦寺の賄い方をしていた初代の鶴屋喜八が、参拝者にそばをふるまったことに始まるという。職人が毎日の気温や湿度に気を配り、手間暇かけて作られる少し細目の手打ち麺は、のどごしと風味が良く、そばつゆはこくのあるまろやかな味わいで思わず笑みがこぼれるおいしさだ。人気は「天ざるそば」だが、3種の具材をのせた「近江結味(おうみむすび)そば」も評判だとか。最後にいただくそば湯は身も心もホッとするやさしい温かさ。テーブル席や座敷席があり、季節の移ろいを感じられる築山枯山水の庭園や、離れの座敷では窓越しの石垣も見どころなので、そばとともに味わいたい。
- スポットの詳細
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本家鶴㐂そば
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びわ湖バレイ/びわ湖テラス
- 地上1100m、天空のテラスから望む圧巻のレイクビュー
- 標高1100mのテラスからさえぎるものの何もない琵琶湖のパノラマを望める「びわ湖テラス」。全国から訪れる人が絶えない滋賀県屈指の人気スポットだ。ロープウェイやリフトでの空中散歩やカフェタイム、アクティビティを楽しもう。
- スポットの詳細
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びわ湖バレイ/びわ湖テラス
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瀬田の唐橋
- 琵琶湖の水をひとつに束ねて流れる川に、ひときわ優美に架かる橋
- 京阪・唐橋前駅から東へ歩いてすぐに橋の欄干が見えてくる。琵琶湖から流れ出る唯一の川・瀬田川に渡された橋のひとつ、大橋・小橋からなる「瀬田の唐橋」だ。古くから京都と東域を結ぶ交通の要衝で、また、672年(天武元)の壬申(じんしん)の乱以降、幾度となく戦乱の舞台になり、「唐橋を制する者は天下を制する」といわれたほど、天下取りを目指す武将にとっても特に重要な橋だった。伝説「俵藤太(たわらのとうた)のムカデ退治」の場所、そして「急がば回れ」の語源でもある唐橋。江戸時代には、近江(滋賀)の特に優れた景勝地を讃える「近江八景」の「瀬田の夕照(せきしょう)」として人気を博し、松尾芭蕉の俳句や歌川広重の浮世絵でさらに知られるようになる。ゆるやかに反るアーチ状の優雅な橋は、川の両岸にある遊歩道から眺めるのもおすすめ。現在では琵琶湖を一周するサイクリングルート「ビワイチ」の出発地点のひとつとしても注目される。
- スポットの詳細
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瀬田の唐橋
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ガーデンミュージアム比叡
- 天空の庭園で印象派の陶板名画と花々の競演を満喫
- 比叡山山頂に広がるのは、四季折々の花のなかにフランス印象派の名画が点在する庭園美術館。季節の花を愛で、絵画を楽しみながらの天空散歩で夢心地気分に。さえぎるもののない山頂からの大パノラマも堪能したい。
- スポットの詳細
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ガーデンミュージアム比叡
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人気スポット
旅のヒント
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その1
京都駅から琵琶湖の西部へ向かう場合は、湖西線を利用する。JR琵琶湖線では湖の南部から西部へは直接行けないので、JR山科駅でJR湖西線に乗り換える。また、大津エリアは山中や山麓に建てられた社寺も多く、広い境内には階段や坂道もあるため、歩きやすい靴を履きたい。
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その2
びわ湖テラスへは車の利用が便利だが週末や連休は特に混雑する。公共交通機関を利用する場合は、電車、バスともに本数が限られているため事前確認が必要だ。
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その3
比叡山の車道ドライブウェイは歩行者、自転車ともに通行が禁止されているため、山内の移動は車かシャトルバスの利用となる。山を歩きたい場合は、歩道が示されたマップを手に入れたい。
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その4
西教寺へはJR湖西線・比叡山坂本駅や京阪・坂本比叡山口駅からバスを利用すると便利だが、本数が少ないので事前確認は必須。
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その5
岩間寺へは車の利用が便利だが、毎月の縁日(17日)にはJR琵琶湖線の石山駅前からシャトルバスが運行されるので、駐車場はバス専用となる。運行予定は公式サイトで確認を。