瀬田の唐橋
琵琶湖の水をひとつに束ねて流れる川に、ひときわ優美に架かる橋
京阪・唐橋前駅から東へ歩いてすぐに橋の欄干が見えてくる。琵琶湖から流れ出る唯一の川・瀬田川に渡された橋のひとつ、大橋・小橋からなる「瀬田の唐橋」だ。古くから京都と東域を結ぶ交通の要衝で、また、672年(天武元)の壬申(じんしん)の乱以降、幾度となく戦乱の舞台になり、「唐橋を制する者は天下を制する」といわれたほど、天下取りを目指す武将にとっても特に重要な橋だった。伝説「俵藤太(たわらのとうた)のムカデ退治」の場所、そして「急がば回れ」の語源でもある唐橋。江戸時代には、近江(滋賀)の特に優れた景勝地を讃える「近江八景」の「瀬田の夕照(せきしょう)」として人気を博し、松尾芭蕉の俳句や歌川広重の浮世絵でさらに知られるようになる。ゆるやかに反るアーチ状の優雅な橋は、川の両岸にある遊歩道から眺めるのもおすすめ。現在では琵琶湖を一周するサイクリングルート「ビワイチ」の出発地点のひとつとしても注目される。
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情報提供: ナビタイムジャパン