公人屋敷(旧岡本邸)
江戸時代、比叡山延暦寺を支えた寺務方の屋敷を見学
坂本のメインストリート
坂本は、788年(延暦7)に伝教大師が開いた比叡山延暦寺と、平安京の表鬼門を護る日吉大社の門前町として古くから発展を遂げた地。江戸時代になると、延暦寺で修行を積んだ僧侶たちが隠居のための住まい「里坊(さとぼう)」を坂本に置くようになり、それにともなって大工や屋根、石垣などの職人や延暦寺に物資を供給する商人など、さまざまな人々が生活を営むようになった。「公人」というのは、延暦寺の僧侶という立場にありながら、姓を名乗って刀を所持する「名字帯刀」と妻帯を特別に認められた人々のこと。延暦寺の堂舎や僧坊に所属し、治安を維持したり、年貢や諸税を集めて延暦寺に納めたりするなど寺務を担っていた。当時の「公人」の暮らしぶりに触れられるのが、「公人屋敷(旧岡本邸)」。アクセスは、京阪石山坂本線の坂本比叡山口駅から東へ徒歩約2分、またはJR湖西線の比叡山坂本駅から西へ徒歩約6分だ。
屋敷の中心、主屋を見学
坂本は江戸幕府により延暦寺の寺領として認められていたため、武家からの直接的な支配を受けることはなかったが、延暦寺独自の行政が行われ、その役職に就いたのが公人だった。かつて数多くの公人屋敷があったが、時代の移ろいとともに様相が変化。そんななか当時の趣をとどめる岡本家の屋敷は、公人の暮らしぶりがうかがえる貴重な存在だ。大津市に寄贈された後の改修時に見つかった棟札(むなふだ)から1864年(元治元)に新築または改築されたと考えられている。敷地内に残る建物は、主屋、米蔵、馬屋の3棟。主屋は切妻造、桟瓦葺きの建物で、土間のほか大小9つの部屋があり、江戸時代後期の画僧・横井金谷による襖絵(実物は現在大津市歴史博物館が所蔵)や、寄贈品、江戸時代の通貨「寛永通宝」、坂本の古写真などが見られる。岡本家は明治維新の神仏分離の折に延暦寺の公人を離脱し日吉大社の神職になったといい、元仏間と考えられる「神前の間」も残る。
主屋の裏手にある米蔵や馬屋へ
土間から主屋の裏に進むと、奥に米蔵と馬屋がある。1794年(寛政6)築、屋敷内で最古の建物と推定される米蔵は、瓦に延暦寺の紋が刻まれていることから、岡本家の米蔵ではなく公人として預かった年貢米などを蓄えておく延暦寺専用の米蔵であったと考えられる。馬屋は、坂本に訪れた上級武士の馬を預かるために建てられたといい、天台座主に挨拶に赴く前、屋敷の主屋で裃(かみしも)などの正装に着替えていたようだ。米蔵と馬屋の手前にはかつて岡本家の米蔵2棟や隠居所として使われていた数寄屋造りの離れもあったが、解体され現在は跡地となっている。坂本は、伝統的建造物群保存地区に指定される町。公人屋敷を見学したあとは、坂本観光案内所で「まちあるきMAP」を入手し、「穴太衆(あのうしゅう)」による石垣や、旧竹林院、旧白毫院、滋賀院門跡などの里坊も訪ねてみよう。
スポット詳細
- 住所
- 滋賀県大津市坂本6-27-10 地図
- エリア
- 大津エリア
- 電話番号
- 0775786455
- 時間
- 9:00-17:00(最終入館16:30)
- 休業日
- 月(祝の場合は翌日)、祝の翌日、年末(12/26-12/31)
- 料金
- [入館料]100円
- 駐車場
- なし
- クレジットカード
- 不可
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 不可
- Wi-Fi
- なし
- コンセント口
- あり
- 喫煙
- 不可
- 英語メニュー
- あり
- 平均予算
- 【昼】1-1,000円
- 滞在目安時間
- 0-30分
- 乳幼児の入店
- 可
- 雨の日でも楽しめる
- はい
情報提供: ナビタイムジャパン
アクセス
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