石山寺

寺院

平安の王朝人も憧れた風光明媚な観音霊場の古刹

琵琶湖から流れ来る瀬田川のほとりにて、奈良時代からの歴史を刻んできた石山寺。観音霊場として平安の王朝人もたびたび訪れ、『源氏物語』ゆかりであるとともに花と月の美しさでも名を馳せている。

巨大な硅灰石の上にそびえる多宝塔} 巨大な硅灰石の上にそびえる多宝塔

古来景勝の地・瀬田川畔に門戸を開く

京阪電車石山坂本線の終点・石山寺駅から瀬田川の西岸に沿い、ゆるやかにカーブする道を南へ歩くこと約10分、門の両側に石山寺と書かれた大きな提灯が見えてくる。これが石光山(せっこうざん)石山寺の正門・東大門(ひがしだいもん)だ。747年(天平19)、聖武天皇の命を受けて良弁僧正(ろうべんそうじょう)が伽藍山(がらんやま)の麓に開いた。二臂如意輪観世音菩薩(にひにょいりんかんぜおんぼさつ)を本尊とする東寺真言宗の大本山で、西国三十三所観音霊場の第13番札所としても知られる名刹である。東大門をくぐると、参拝者を誘うかのように石畳の参道が奥へとまっすぐに延びている。

運慶・湛慶による仁王像が立つ東大門} 運慶・湛慶による仁王像が立つ東大門

奇岩の上に坐す霊験あらたかな観音様

参拝受付を済ませて進むと、いたるところで寺名の由来となった硅灰石(けいかいせき、天然記念物)の大岩が目にとまる。急な石段を上がれば、硅灰石とそびえ立つ多宝塔(国宝)の景観が圧巻だ。さらに左手の石段を上がり、まずは本堂(国宝)へお参りしよう。地形と硅灰石を活用した懸造(かけづくり)と呼ばれる建築様式の本堂には、岩の上に坐す本尊の如意輪観音が安置され、33年に1度と天皇即位の翌年にのみ御開帳となる。安産・福徳・縁結びのご利益があり、観音霊場札所のひとつとして古来あつい信仰が寄せられてきた。南側の欄干に立てばお堂の高さを実感できる。御朱印とお守りなどの授与品は堂内でいただこう。

豊かな自然に包まれて石段の先にたたずむ本堂} 豊かな自然に包まれて石段の先にたたずむ本堂

「幸福の鈴守」(上)、水引結び「龍王守」(下)} 「幸福の鈴守」(上)、水引結び「龍王守」(下)

古き優美な堂塔と月と花が彩る境内

本堂をあとにして順路に沿ってゆくと、再び多宝塔が現れる。1194年(建久5)の建立で、源頼朝が寄進した建造物のひとつといい、軽快で優雅な姿は美しさにおいても日本屈指。多宝塔の東側にたたずむ月見亭は、平安末期、第77代・後白河天皇の行幸の折に建立されたと伝わり、歴代天皇の玉座であったとのこと。石山寺は、琵琶湖周辺の8か所の名勝を讃えた「近江八景」のひとつ「石山の秋月(しゅうげつ)」としても知られ、秋の美しい月姿をひと目見ようと、今も多くの人が訪れる名所だ。また、花の寺とも呼ばれるように、一年を通して咲く花は多彩。3か所の梅園では、春まだ浅き頃から40種400本もの梅の花が香りとともに楽しめる。

高さ約17m、日本最古の多宝塔の優美な姿} 高さ約17m、日本最古の多宝塔の優美な姿

高台の月見亭から眺める名月は特に秀逸} 高台の月見亭から眺める名月は特に秀逸

『源氏物語』誕生のきっかけの地

古くから庶民に親しまれ、都の皇族や貴族にとっても「石山詣(いしやまもうで)」として憧れであった石山寺。平安文学の舞台としても脚光を浴び、紫式部は同寺に7日間こもった際に『源氏物語』の構想が浮かんだと伝わる。本堂の一角には紫式部ゆかりの「源氏の間」が残されている。江戸時代には、近江をたびたび訪れた松尾芭蕉が仮住まいし、多くの俳句を残した。観音様にお参りするのと同時に、かつてお寺を訪れた人々に思いを馳せるのも一興だ。天智天皇の石切場など、境内奥には長い歴史を感じる見どころもあり、境内図を参考にして散策したい。起伏に富む広大な寺域に伽藍が点在し、石段や坂道もあるので歩きやすい靴がおすすめだ。

境内北西の源氏苑にある紫式部像} 境内北西の源氏苑にある紫式部像

スポット詳細

住所
滋賀県大津市石山寺1-1-1 map map 地図
エリア
大津エリア
電話番号
0775370013
時間
8:00-16:30(最終入山16:00)
休業日
無休
料金
【入山料】
[一般]600円
[小学生]250円
駐車場
あり(140台)
クレジットカード
不可
電子マネー/スマートフォン決済
不可
コンセント口
なし
滞在目安時間
60-120分

情報提供: ナビタイムジャパン

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アクセス

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最寄り

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