秋田

角館・田沢湖・乳頭

KAKUNODATE / LAKE TAZAWA / NYUTO

角館の武家屋敷や憧れの秘湯がひしめく県内屈指の観光エリア

秋田県の東部中央に位置し、岩手県と隣接している地域。水深日本一の田沢湖を中心に、東側には乳頭温泉をはじめ、温泉ファン憧れの秘湯が点在する駒ケ岳、北側には岩手県との県境にまたがる雄大な八幡平(はちまんたい)エリアが広がる。南にはミシュラングリーンガイド2つ星の角館武家屋敷をはじめとした、国内外で知名度の高い観光コンテンツがそろっている。エリアの8割は森林地帯で、それぞれの観光スポットを巡るドライブコース沿いには、美しい田沢湖やエメラルドグリーンの抱返り渓谷(だきがえりけいこく)、ブナの原生林などのネイチャースポットも点在している。佐竹北家のお膝元であり、かつては秋田佐竹藩の避暑地として、昭和に入ると県内屈指のリゾート観光地として賑わいをみせた。近年のアウトドアブームで、田沢湖畔にはキャンプ場や屋外サウナ施設、マリンアクティビティスポットが続々誕生しており、今もなお観光地としての魅力を増し続けている。

recommend spot

エリアの見どころ

  • spot 01
    玉川温泉
    全国屈指の効能と称される日本一の強酸性泉に出合える秘湯
    日本一の湧出量かつ強酸性を誇る玉川温泉には、豊かな効能に期待して日本各地から湯治客が訪れる。自然研究路一帯では天然の岩盤浴を楽しめ、そこかしこにゴザを敷いて寝転がる人々の光景が見られる。
    岩肌に寝転がり岩盤浴をする人たち
  • spot 02
    武家屋敷通り
    江戸時代の武家の町並みが残る、みちのくの小京都
    400年前に造られた城下町。武家屋敷をはじめ歴史的建造物が現存する国の重要伝統的建造物群保存地区。桜が有名な角館。かつての城主へ京都から公家の娘が嫁いでくる時に持ってきた苗木が始まりとされ、シダレザクラと黒板塀の景観が美しく、小京都と称される。
    通りの両側に武家屋敷が立ち並ぶ。黒板塀と大樹の枝葉が通りを囲む
  • spot 03
    角館の人力車
    地元車夫による観光ガイド付き人力車で優雅に武家屋敷通りを散策
    かつて武士が暮らした内町を中心に、武家屋敷通りを目線の高い人力車に乗りながら散策できる観光サービス。知られざる歴史秘話など、車夫のガイドを楽しみながら観光できる。
    樺細工伝承館向かいで待機している「角館人力社」
  • spot 04
    角館歴史村・青柳家
    9000平方メートル以上の敷地に6つの資料館が並ぶ歴史体験スポット
    約400年の歴史がある名家で、広大な敷地内には母屋・武器庫・解体新書記念館などの資料館が並び、展示する貴重な品々は約3万点以上にも及ぶ。武家の暮らしや日本文化を五感で感じられる角館観光の拠点。
    座敷を板縁と土間で囲み外側に高窓付き雨戸をめぐらした母屋。雨戸を閉めても採光できる造り
  • spot 05
    武家屋敷「石黒家」
    今も直系子孫が暮らす角館武家屋敷通りに現存する最古の主屋
    1806年(文化6)建造の格式高い薬医門に、江戸後期建造の主屋。角館に現存する武家屋敷のなかでは最古の建造物であり、唯一直系の子孫家族が住み続けている。主屋を解説してくれるガイドが常駐している。
    地元の茅葺き職人が手入れを続ける茅葺き屋根の主屋
  • spot 06
    あきた角館西宮家
    明治から大正時代の母屋と5つの蔵を改装した観光拠点
    佐竹本家の家臣・今宮武士団のなかでも格式が高い武家。1910年(明治43)建造の巨大な米蔵が、後に角館随一の大地主となった栄華を今に伝える。雑貨ショップやレストランへと蔵を改装し、特に女性人気の高い観光施設として有名だ。
    商人が暮らした外町に面した西宮家米蔵。「外町交流広場」に隣接している
  • spot 07
    安藤醸造本店
    東北最古のレンガ蔵を持つ創業170余年の老舗味噌醤油醸造元
    1853年(嘉永6)の創業以来170年以上にわたり、角館で天然醸造の味噌醤油にこだわり、伝統の製法を守り続けている老舗。1892年(明治25)に完成した東北最古のレンガ蔵は、冠婚葬祭を行う座敷蔵として無料公開中だ。
    仙北市指定有形文化財に指定されているレンガ造りの土蔵蔵が目印
  • spot 08
    平福記念美術館
    近代日本画の巨匠・平福穂庵(ひらふくすいあん)と百穂(ひゃくすい)父子の原画に出合える美術館
    角館出身の近代日本画家・平福穂庵(ひらふくすいあん)と平福百穂(ひらふくひゃくすい)父子を中心に、郷土ゆかりの秋田蘭画などの作品を紹介する美術館として1988年(昭和63)に開館。約2500点もの所蔵があり、年に数回展示替えを行いながら貴重な原画を公開。
    約2か月に1度展示作品の入れ替えを行う常設室
  • spot 09
    大村美術館
    世界の愛好家を魅了するルネ・ラリック作品の個人所蔵美術館
    アール・デコの巨匠と讃えられるフランスの装飾芸術家ルネ・ラリックのガラス作品を中心に展示するプライベートミュージアム。約100平方メートルのコンパクトな空間ながら、希少価値では世界有数のコレクションを鑑賞。
    美術館に並ぶような作品をケースに入れずに展示。細部の仕事まで鑑賞できる
  • spot 10
    唐土庵
    秋田の伝統菓子を改良した生もろこし
    もろこしとは、小豆粉と砂糖を混ぜて型打ちした伝統菓子のことで、ルーツは中国といわれており、秋田では江戸時代から角館のお土産として親しまれてきた。元祖生もろこし本舗である唐土庵は1957年(昭和32)に角館の地に創業。当時は型打ちしてから焼きを入れる硬いお菓子であったが、生のまま仕上げることで炒りあずきの風味を残しつつ口どけなめらかな「生もろこし」を生みだした。唐土庵の真骨頂ともいえる商品が、角館の直営店だけで限定販売している「吟醸生もろこし」だ。北海道十勝産の高級あずきを磨き上げた芯だけを使い、上品な和三盆と金粉を加えて桜の花びら型にした逸品。生もろこしを最もおいしくいただくコツは、あらかじめ冷凍庫で冷やして、冷たいうちに食べることだ。かまずとも口の中で溶けていく食感を楽しめる。お茶はもちろん、炒ったあずきを使っているためコーヒーとの相性も抜群だ。武家屋敷店など角館内の4店舗で購入できる。
    焼きを入れずに仕上げた、しっとりやわらかな食感の生もろこし(プレーン味)
  • spot 11
    田沢湖
    日本で最も深い水深423.4mの神秘の湖
    「日本百景」にも選ばれている景勝地。周囲20kmの湖はほぼ円形で、最も深い場所で水深423.4mと日本でいちばん深い。付近の駒ケ岳山麓には水沢温泉郷、田沢湖高原温泉郷があり、上質な高原リゾート地としても名高い。
    瑠璃色の湖水と黄金に輝くたつこ像のコントラストが美しい
  • spot 12
    田沢湖高原温泉郷と水沢温泉郷
    田沢湖と鳥海山の景色も楽しめる2つの温泉
    水深日本一の田沢湖から乳頭温泉郷に向かう途中の高原エリアにある2つの温泉郷。高原リゾート感あふれる田沢湖高原温泉郷と古くからの湯治場として栄え、スキーも楽しめる水沢温泉郷だ。
    田沢湖高原温泉郷「亀の井ホテル 田沢湖」の男湯露天風呂
  • spot 13
    乳頭温泉鶴の湯
    江戸時代の風情が残る全国の秘湯ファン憧れの温泉宿
    7つの温泉と秘湯宿がひしめく乳頭温泉。なかでも最も歴史の古い鶴の湯は、今から380年ほど前に佐竹藩主が湯治に訪れたという由緒ある湯宿。乳白色の混浴露天風呂を目当てに国内外から温泉ファンが訪れる。
    通常は乳白色の混浴露天風呂。毎週月曜は露天風呂清掃のため、露天風呂は休みとなる
  • spot 14
    あきた芸術村
    劇団わらび座の大劇場を中心としたエンタメリゾート施設
    日本有数のミュージカル劇団「わらび座」の本拠地である大劇場のほかに、ホテル・日帰り温泉・和食レストラン・クラフトビール醸造所・工芸館などを運営する複合施設。演劇や民俗芸能をテーマにした体験ワークショップも充実。
    地域の交流拠点として体験ワークショップなど広い用途で使われる「わらび劇場」
  • spot 15
    抱返り渓谷
    ミシュラングリーンガイド星付きの青緑色に輝く渓谷
    水面がエメラルドグリーンやコバルトブルーに変化する全長10kmの美しい渓流。秋田県最古の吊り橋や素掘りの洞窟をたどる遊歩道を進みながら、桜やカエデの原生林も観賞できるフォトジェニックな渓谷。
    酸性度の高い水質と白い岩盤が鮮やかな色をつくる
  • spot 16
    角館樺細工伝承館
    ヤマザクラの樹皮を使う伝統的工芸・樺細工の展示&実演を鑑賞
    藩政時代に武士の手仕事として伝承されてきた国の伝統的工芸品「樺細工」。その工芸技術や歴史文化にまつわる展示を閲覧できる施設で、なかには本物の職人による実演コーナーやレトロな喫茶室、ショップも併設。
    デザインや用途もさまざまな樺細工を実際に購入できる「物産展示室」(角館町物産協会)
  • spot 17
    小田野家
    無料見学可能な苔むす庭園に囲まれた中級武家屋敷
    無料で閲覧できる角館の中級武家の屋敷。主屋は大火で焼失し1900年(明治33)に再建されたものだが、薬医門(やくいもん)を挟む樹齢250余年のアカマツやドウダンツツジなど、手入れが行き届いた庭園の美しさにも定評がある。
    JR角館駅方面から向かうと、黒板塀が続く武家屋敷通りの入り口付近に位置する「小田野家」
  • spot 18
    松本家
    時代劇映画のロケ地でも有名な簡素な下級武家屋敷
    秋田県内に残る近世下級武士住宅として、江戸末期の技法が残る唯一の武家屋敷。簡素なたたずまいが美しく、アカデミー賞ノミネート映画『たそがれ清兵衛』の仇役が暮らす屋敷のロケ地にも使われた。
    柴垣に囲まれた松本家。下屋の杉皮葺きには石が置かれている
  • spot 19
    河原田家
    苔むす枯山水庭園と書院造りが美しい中級武家屋敷
    明治時代中期に建てられた書院造りの武家屋敷。表座敷には蝶の欄間や平福穂庵(ひらふくすいあん)の屏風、三森山静(みつもりさんせい)の襖絵など貴重な調度品も。座敷から眺める美しい庭園や宮沢賢治ゆかりのユリノキなど、見どころが多いスポット。
    客人用の座敷から眺めた枯山水庭園。座敷に座った時の眺めが美しくなるように設計されている
  • spot 20
    岩橋家
    明治の大火を逃れた貴重な幕末時代の武家屋敷
    江戸末期に改修された当時の意匠が残された中級武家屋敷で、秋田県指定史跡。松本家と同様に映画『たそがれ清兵衛』で主人公の屋敷として使われた。樹齢300年前後という市指定天然記念物のカシワの木がシンボル。
    簡素ながら威厳を感じさせる岩橋家の薬医門
  • spot 21
    食彩 町屋館
    秋田や角館ならではの特産品がそろう手土産&ご当地グルメショップ
    JR角館駅から徒歩20分ほど。かつて武士が住んでいた武家屋敷通りと、町民が住んだ街並みのちょうど境目付近に立つ複合施設。角館の景観に調和する和風デザインの建物の1階は、角館をはじめ秋田各地からセレクトされた特産品がズラリと並ぶお土産ショップ。2階には秋田名物の比内地鶏や稲庭うどんのメニューを中心に、角館のご当地グルメなどを味わえるレストランを併設している。1階お土産ショップは、秋田の特産品や角館の老舗醸造所でこしらえた調味料などのラインナップが豊富。スーパーなどではなかなか買えない逸品もセレクトされている。食品以外にも角館の伝統工芸「樺細工」コーナーや、角館ゆかりの駄菓子売場もあり、大人も子どももワクワクしながら買い物を楽しめる。2階にある食事処「町屋館 かくのだ亭」では、「日本三大地鶏」の比内地鶏を使った親子丼、「日本三大うどん」と称される稲庭うどんが人気。敷地内には無料駐車場が設置されていて、ドライブ旅行の休憩所として立ち寄るにも便利なスポットだ。
    開放的な吹抜けと角館らしいレトロな装飾が印象的な館内
  • spot 22
    お食事処 桜の里
    武家屋敷で行列必至!究極の比内地鶏親子丼に出合える
    角館(かくのだて)の中・下流武士の武家屋敷が立ち並ぶ東勝楽丁(ひがしかつらくちょう)の一角。武家屋敷・河原田家の隣にある「秋田のおいしいもの」をコンセプトにした食堂。平日でも行列ができる人気店の名物メニューはおもに2つ。本場大館から取り寄せる比内地鶏をぜいたくに使った「究極の比内地鶏親子丼」と、老舗名店の流れを汲む佐藤養悦本舗(さとうようえつほんぽ)の稲庭干饂飩(いなにわほしうどん)。なかでも究極の比内地鶏親子丼は、全国メディアにもたびたび取り上げられる逸品で、このメニューを食べるためにわざわざ全国から訪れるファンも多い。甘く繊細な脂身と歯ごたえのある肉質、濃厚なうまみが特徴の比内地鶏。桜の里では注文を受けてからひと手間をかけ、備長炭で皮目を炭火焼きに。外はカリカリで香ばしく焼き上がった地鶏を、特製だしと比内地鶏の卵で半熟状態に火入れ。濃厚でまったりした黄身がだしの利いた甘めのタレにからみ、味の強い地鶏をしっかりコーティングしている。ひと口頬張ると炭火焼きした地鶏の香りとジューシーな肉汁が弾けて広がり、絶妙なバランスの味わいを楽しませてくれる。稲庭うどんとのセットメニューも観光客に人気だ。
    比内地鶏(ひないじどり)の卵をぜいたくに3つも使用。丼のご飯は地元仙北産のあきたこまち(お新香・小鉢・汁物付きで1700円)
  • spot 23
    田沢湖遊覧船
    神秘の田沢湖を船上から眺める優雅な遊覧船クルージング
    日本で最も深く世界でも3番目に深い水深423.4mの田沢湖。周囲約20kmの湖畔に点在する観光スポットに立ち寄りながら、コバルトブルーやエメラルドグリーンに輝く湖上を巡る約40分のクルージング体験。
    田沢湖のシンボル「たつこ像」。遊覧船の上から記念撮影する観光客が多いスポット
  • spot 24
    田沢湖キャンプ場
    絶景レイクビュー&感動アウトドアツアーで田沢湖を満喫
    深さ日本一の田沢湖を望む絶景ロケーション。テント約100張可能な広大なフリーサイト、オートキャンプ場やバンガローを完備。田沢湖でのSUPやカヤックなど体験メニューも充実した、県内屈指のアウトドアエリア。
    キャンプ場の受付、売店、各種アクティビティツアーの窓口になっている管理棟
  • spot 25
    タザワコサウナ
    田沢湖にダイブしてととのう完全プライベートサウナ
    JR田沢湖駅から車で10分ほど、田沢湖東岸の白浜エリアで営業している完全予約制のプライベートサウナ。ほかのお客さんに出会うことなく、絶景のロケーションを独り占めできる特別感。エメラルドグリーンに輝く湖畔に建てたテント式サウナで、薪ストーブを焚いて室温を上げていき、好みの温度に調整することも可能だ。薪ストーブの上のサウナストーンに水をかけて「ロウリュ」すると、湿度とともに体感温度も上昇。ロウリュの水には白樺アロマ水も入っており、天然アロマの香りが漂いリラックス効果も抜群だ。タザワコサウナの最大の特徴は、水風呂の代わりに目の前の田沢湖にダイブできること。サウナ先進地であるフィンランド式湖畔サウナを再現したスポットとしては国内でも珍しく、日本最大級のサウナ専門サイトで秋田県サウナランキング1位にも選ばれている。予約すれば2.5時間の秋田で自由に楽しめるシステムで、おすすめは「テントサウナに10分・湖水浴を10分・砂浜での外気浴を10分」の計30分を2.5時間のなかで3-4セット繰り返すことだそう。スタッフがサポートしてくれるので、初心者でも至高のととのい体験ができるかも。
    薪焚べ・組み立て等のテントサウナの管理は常駐スタッフが行うので安心
  • spot 26
    思い出の潟分校
    小学生気分で遊べる、昭和時代に廃校になった湖畔の木造校舎
    1974年(昭和49)に廃校になった湖畔の小学校を、ノスタルジックな当時の趣を残したまま一般公開。実際に教室に入って黒板に落書きをしたり、体育館では卓球などで自由に遊べたりする田沢湖の隠れた人気スポット。
    木造校舎の入り口には樹齢100年以上の巨木が立ち並び、桜や紅葉シーズンは特に美しい
  • spot 27
    乳頭温泉郷 妙の湯
    瀟洒(しょうしゃ)でレトロなしつらえと渓流沿いの露天風呂で非日常体験
    秋田新幹線の停車駅であるJR田沢湖駅から車で30分ほど。天然ブナ林の山道を抜けると聞こえてくる先達川のせせらぎの音。治場風情あふれる鄙(ひな)びたイメージの乳頭温泉のなかでも、おしゃれなたたずまいと上品なしつらえが女性に大人気の宿。乳頭温泉の代名詞である硫酸塩泉のほかに、無色透明でトロリとした単純線も楽しめるため、敏感肌の方でも安心して秘湯を堪能できる。軒先のすぐ下に渓流が流れており、白い濁り湯が流れ込む露天風呂からは見事な滝を眺めることも。宿泊すれば満点の星空やランプの灯りのもとで幻想的な非日常体験ができるが、日帰りでもこの温泉を楽しめるのがうれしい。宿泊の食事会場として利用される「食事処草庵」を解放しており、日帰り入浴の時間はおしゃれなカフェダイニングに。稲庭うどんセットや名物きのこ汁御膳などのお食事メニューのほかにも、「こだわり珈琲」などのカフェメニューも充実。大窓から四季の借景を眺めながら、のんびりと湯上がりのひとときを過ごしてほしい。
    天候などの条件で色が変わる濁り湯「金の湯」が注ぎ込まれる露天風呂
  • spot 28
    蟹場温泉
    乳頭では珍しい単純硫黄泉を、原生林に囲まれた混浴露天で堪能
    JR田沢湖駅から車で30分ほどの乳頭温泉のなかでも、最も奥まった場所にたたずむ宿。注目は天然ブナの原生林に囲まれた野趣あふれる混浴露天風呂だ。露天風呂は本館から50mほど離れた森のなかにあり、外に出て2分ほど歩いた先に脱衣所がポツンと見えてくる。脱衣所は男女に分かれているが、露天風呂は30人ほど入れそうな広さの岩風呂で、基本的に古きよき混浴スタイル。泉質は美肌効果が期待できるといわれる「単純硫黄泉」。硫黄の香りが強く白く濁った泉質が多い乳頭温泉のなかで、無色透明な源泉かけ流しの湯に浸かれる貴重な露天風呂だ。宿泊の際には女性専用時間も用意されているので、混浴が苦手な方でも安心して秘湯を楽しめる。露天風呂以外にも秘湯ムードあふれる秋田杉造りの内湯と岩風呂の内湯があり、肌寒い季節もゆっくり温泉に浸かれるために常連ファンからも人気だ。「蟹場」という名前の由来は、宿の付近でサワガニがよく獲れたからだという。今でもエントランス付近にカニのオブジェなどが見つかるので、日帰り入浴のついでに探してみてはいかが。
    四季の移ろいを眺めながら秘湯気分を味わえる「露天風呂 唐子(からこ)の湯」
  • spot 29
    大釜温泉
    旧校舎を移築改装した昭和ノスタルジックな秘湯宿
    乳頭温泉郷(にゅうとうおんせんきょう)「妙の湯(たえのゆ)」から徒歩で3分ほど。先達川に架かる橋を越えた先にある一軒宿。ノスタルジックでどこか懐かしい外観は、1965年(昭和40)まで実際に使われていた旧小学校校舎の建築資材を活用して再建しているため。玄関から一歩足を踏み入れると、館内も懐かしい木造校舎の雰囲気を残した空間が現れる。冬場も入れる露天風呂もあわせて湯船は2か所。内湯は10名ほどが入れそうな広さで、丸太をくり抜いた湯口からザザーと源泉が流れ落ちてくる。自家源泉の湯温が98℃ほどという高温なので湯温調整のために加水しているが、それでもトロリとした肌触りに圧倒的な湯力を感じる。内湯のすぐ外には、ブナの原生林に囲まれた野趣あふれる露天風呂が。こちらにも日々の条件で色が変化する源泉をかけ流し。男女とも冬でも入浴可能な露天風呂をしつらえており、幻想的な雪見露天風呂も堪能できる。ちなみに夏季限定で乳頭温泉唯一の足湯が登場。日帰り入浴ついでに気軽に立ち寄りたい。
    旧小学校の校舎を移築して改装したどこか懐かしい木造建築
  • spot 30
    黒湯温泉
    乳頭温泉郷の最深部に現れる茅葺き集落のような広大な温泉宿
    開湯300年以上の歴史があり、乳頭温泉郷(にゅうとうおんせんきょう)のなかでも最も湯量が豊富な秘湯。天然ブナ林の山道を抜けて駐車場へ。さらに駐車場から温泉看板の脇の小道を下っていくと、先達川上流の荒涼とした源泉地帯に茅葺きや杉皮葺きの趣ある建物や湯小屋が現れてくる。打たせ湯もあわせると10か所以上の湯船で濁り湯を堪能できる。露天風呂や打たせ湯の湯小屋にはブナの丸太を使うことで、四方に広がる川や原生林とも見事に調和。敷地内の小道を歩いた先に広がる源泉地の湯畑など、時代から取り残された集落に暮らしているような不思議なノスタルジー感を味わえる。黒湯温泉には「上の湯」と「下の湯」の2つの自家源泉が湧き、そのどちらにも内湯、露天風呂、名物の打たせ湯があり、日帰り入浴が可能だ。泉質は硫化水素型の単純硫黄泉で、pH値が4.1ほどと弱酸性。青白く濁った湯はお肌への刺激も強過ぎずにトロリとしていて、まるで乳液を身にまとうような肌触り。受付のある本館には日帰りでも利用できるカフェダイニングがあり、軽食から温泉卵、湧水で冷やしたラムネやコーヒーなどでひと息つける。
    茅葺き屋根の宿泊棟や自炊棟が点在。冬季は積雪のため休業(4-11月営業)
  • spot 31
    孫六温泉
    徒歩で吊り橋を渡って到着する昔ながらの湯治場風情の山荘
    駐車場から細い林道を歩いて10分ほど。先達川に架かる吊り橋を渡った川岸に、3棟の湯治棟と3戸の趣深い湯小屋が見えてくる。車でアプローチできないため自然の音だけが響きわたる、まさに静寂のなかにたたずむ秘境温泉だ。泉質の異なる4つの自家源泉をもち、加水や加温、循環せずに源泉100%かけ流しの湯を露天風呂と内湯で堪能できる。明治時代に開湯して以来、ラジウムを含む泉質がさまざまな病気を癒やすといわれ「山の薬湯」として湯治客に利用されてきた。源泉はラジウム含有泉や硫化水素塩泉などで、特に石の湯と呼ばれる温泉は「湯の色によって翌日の天候がわかる」といわれるほど、日々色が変化している。また石の湯は源泉が自噴する岩盤をくり抜いて造られたため、半地下のような造りになっているのも特徴的。露天風呂の真横を流れる川のせせらぎ、注ぎ込まれる源泉の湯の音、鳥や草木の音だけが聞こえる非日常の湯浴み体験ができる。孫六温泉は付近に乳頭山への登山口があるため、全国から訪れる登山客の疲れを癒やす山のいで湯としても愛され続けている。乳頭温泉屈指の静寂な空間を楽しめるスポットだ。
    湯ざわりなめらかで肌にもやさしい単純泉が流れ込む混浴露天風呂
  • spot 32
    秋田駒ケ岳
    国の天然記念物指定の高山植物帯が美しい「東北百名山」のひとつ
    田沢湖から望める秋田県と岩手県にまたがる活火山「秋田駒ケ岳」。標高1637mで山頂の標高としては秋田県で最も高く、季節の高山植物の宝庫。花の楽園と呼ばれるほどの絶景で「東北百名山」「日本二百名山」に数えられる。
    3000m級でしか見られない高山植物帯が広がる山頂付近のカルデラ地形
  • spot 33
    山のはちみつ屋
    サイコロで8を出すとトッピングのミツバチチョコが8つに!
    日本一深い田沢湖畔から車で3分ほどで到着。乳頭温泉に登る県道との交差点付近に見えてくるはちみつ専門店。100台ほど駐車できる駐車場も完備しており、田沢湖や乳頭温泉への観光帰りに立ち寄るお客さんで常に賑わっている。実は秋田県は国産ハチミツの生産量が国内でも上位。山のはちみつ屋では、自社養蜂で採取したはちみつのほかに国内外のはちみつや加工食品に出合える店。なかでも注目してほしいのは、香り高いヨーロッパ産のアカシヤはちみつをたっぷり使用した特製「はちみつソフトクリーム」だ。アカシヤはちみつのフローラルな香りとやさしい甘さがクセになるおいしさ。コクがあるのに甘さすっきりであと味もさっぱり。購入するとサイコロを振ることができ、「8」が出ると通常は1つのミツバチチョコのトッピングが一気に8つ(8匹)に。店舗前には赤い2階建てのロンドンバス「みっちぃ号」(冬期閉鎖)があり、中に入ってソフトクリームを持って休憩も楽しむことができる。子ども連れはもちろん、最近ではSNS映えスポットとして注目されている。
    年間4万個以上も売り上げたという人気商品。やさしい甘さで子ども連れにも人気
  • spot 34
    たつこ茶屋
    田沢湖の南岸にある「味噌たんぽ」発祥の名物茶屋
    田沢湖大沢大駐車場に面しており、コバルトブルーの田沢湖が目の前に広がるロケーションも抜群の食堂。きりたんぽの本場は秋田県北の大館エリアだが、秋田の観光地などでよく見かけるテイクアウトフードである「味噌たんぽ」の発祥は、ここ「たつこ茶屋」だ。鍋の具材としてよく知られるきりたんぽだが、味噌たんぽはきりたんぽに味噌を塗って焼き上げたもの。たつこ茶屋の味噌たんぽが特別な理由は、その素材へのこだわりにある。お米は自家栽培したあきたこまちで、炊きたてを粒々食感を残す程度に潰して秋田杉に巻き付ける。そこに大豆から仕込んだ自家製の味噌ダレをたっぷり塗り、注文を受けてから1本1本炭火焼きにしてくれる。おこげの味噌の香りが囲炉裏小屋にたちこめて、食欲を刺激する。外側は煎餅のようなおこげになったカリカリ食感なのに、内側はパサついておらず炊きたてのお米のようなホクホク食感。濃厚なのにあと味さっぱりの自家製味噌ダレは、化学調味料などはいっさい使われていないので、昔から変わらない米と味噌の素朴な味わいを楽しめる。
    店では方言まじりのお母さんたちが味噌たんぽを炭火で絶妙な焼き加減に仕上げてくれる
  • spot 35
    そばきり長助
    自家栽培したそばを石臼挽き自家製粉するこだわり蕎麦屋
    武家屋敷松本家から徒歩2分ほど、武家屋敷通りの路地裏にひっそりたたずむ手打ち蕎麦屋。農家でもあるご主人が蕎麦を自家栽培しており、鮮度抜群の状態で石臼挽きし、手打ちして提供している。注目はご主人が自家栽培する赤い花の蕎麦「高嶺ルビー」の十割蕎麦だ。日本では栽培が難しいこともあり希少価値が高く、独特のモチモチ食感と香りが印象深い。おすすめは数量限定の十割蕎麦「高嶺ルビーと会津在来種の2種食べ比べ」。どちらもつなぎをいっさい使っていないのに、香り高くしっとりとみずみずしいのどごしだ。高嶺ルビーは嚙むほどにうまみが増し、会津在来種は独特の香りが鼻に抜けるすばらしい風味。つゆはしっかり出汁が利いていながらも、キレのあるすっきりした濃口で、蕎麦本来の甘さを上品に引き立てている。食後にそば湯をつゆに足すと、角のとれたまろやかなうまみがふんわりと現れてくる。そばきり長助では新そばシーズン以外でも鮮度の高い蕎麦を味わっていただくため、玄そばの状態で低温貯蔵庫で保存するこだわり。食後の甘味「蕎麦ソフトクリーム」も人気の一品だ。
    品種の香りや旨味の違いを感じやすい相盛りの蕎麦。驚くほどしっとりしている
  • spot 36
    たつこ像
    田沢湖畔にたたずむ金箔に包まれた高さ2.3mの黄金の美女
    「日本百景」にも選ばれている田沢湖の南西岸、JR田沢湖駅から車で25分ほどの湖畔にたたずむ黄金の美女。田沢湖で最も有名な観光スポットであり、絶景フォトスポットとしても人気だ。天候の違いや深さによってコバルトブルーやエメラルドグリーンに変化する田沢湖の青色と、黄金に輝くブロンズ像のコントラストは息を呑む美しさで、たつこ像を含めた湖全体がひとつの作品のような調和を見せている。作者は戦後の日本を代表する彫刻家のひとりである舟越保武(ふなこしやすたけ)氏で、1968年(昭和43)に完成。「永遠の美しさを手に入れるためお告げどおりに泉の水を飲み干し、竜の姿に変わって田沢湖の竜神となった」とされる辰子姫伝説の主人公がモチーフ。この辰子姫が沐浴する姿をイメージして作られたという。たつこ像のすぐ隣には、辰子姫を御祭神としてする浮木神社(うききじんじゃ)があり、美容や縁結びにご利益のあるパワースポットとして多くの参拝者で賑わう。たつこ像と浮木神社(うききじんじゃ)がある付近は浅瀬になっており、水量が少ない季節は湖面近くを歩いて散策できる。付近には無料の駐車場もあるため、田沢湖観光の際はぜひ立ち寄ってほしい。
    黄金に輝く「たつこ像」と日本一深い湖「田沢湖」。その向こうに見えるのは標高1637mの駒ヶ岳
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旅のヒント

  1. その1

    東京方面から東北道を北上する場合は、北上JCTより秋田道に入り大曲ICで下りてから車で約30分で角館に到着する。鉄道利用の場合は、秋田新幹線こまちの停車駅JR田沢湖駅、もしくはJR角館駅で下車すると、駅前から各観光地を巡る路線バスが出ている。

  2. その2

    JR角館駅から武家屋敷通りまでは、徒歩で15分程度なのでのんびり散策するにはちょうど良い距離だ。武家屋敷周辺には便利な人力車や乗合タクシーサービスもある。

  3. その3

    田沢湖は駒ケ岳の秘湯エリアへのアクセスも考慮して、自家用車やレンタカーでの移動がスムーズ。周囲20kmの田沢湖を周遊する路線バス「田沢湖一周線」も便利だ。

  4. その4

    乳頭温泉をはじめとした田沢湖温泉郷へは、原生林に囲まれた細い山道も通るため、山道の運転に自信がない場合は、JR田沢湖駅に駐車して宿泊施設が運行している送迎バスを利用すると安心。

  5. その5

    きりたんぽに味噌を塗って炭火で焼き上げた「みそたんぽ」や、自然薯に近い食感の山芋を使った「山芋鍋」、山椒味噌で食材をグリルする「御狩場焼き」など名物グルメも豊富だ。

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