乳頭温泉 鶴の湯
江戸時代の風情が残る全国の秘湯ファン憧れの温泉宿
山懐に7つの温泉地が点在する乳頭温泉
乳頭温泉は、秋田と岩手の県境にある十和田・八幡平国立公園内で、標高1478mの乳頭山麓に点在する温泉地だ。乳頭温泉は妙乃湯・黒湯温泉・蟹場温泉・孫六温泉・大釜温泉・休暇村乳頭温泉郷、そして鶴の湯の7つの秘湯宿からなる。特に鶴の湯の歴史は江戸時代までさかのぼる。猟師が狩りの最中に鶴の入浴している姿を発見したので「鶴の湯」と名がついたという。今から約380年前の1638年(寛永15)には、秋田佐竹藩のお殿様が湯治宿として利用していた記録が残っている。鶴の湯は半径50m以内に、効能や泉質の異なる4つの源泉を持つ全国でも珍しい温泉地でもある。それぞれ「白湯」「黒湯」「中の湯」「滝の湯」と名づけられた温泉を、混浴露天風呂や内湯など9つの湯船で堪能できる。
江戸の風情に包まれる茅葺き屋根の秘湯
JR田沢湖駅から車で60分ほど天然ブナ林やミズナラの森を抜けて山奥へ進むと、都会の喧騒から離れた圧倒的な情景が待っている。茅葺き屋根を囲む緑の木々や生い茂るススキ。入り口の横ではギコン、バタンと音を立てて木製の水車が回っている。携帯の電波もわずかな秘境に足を踏み入れると、まさにタイムトラベルしてきた感覚にとらわれる。茅葺き屋根の長屋「本陣」は、かつて佐竹藩主が湯治に訪れる際に警護の武士達が滞在するために造られた。軒に吊るされた干し柿や唐辛子。館内を包む温かなランプの灯り。時代劇のセットのような長屋の宿泊棟からは、浴衣姿で片手にタオルを持った宿泊客が行き交っている。敷地内を流れる湯の沢に架かる小さな木の橋を渡った先が、温泉エリアになっている。
4つの泉質を9つの湯船で湯巡り
湯の沢手前にある事務所で受付を済ませたら、まずは混浴露天風呂へ。乳白色でとろみがある「白湯」には硫黄成分や塩化物などが含まれ、お肌がつるつるになる美人の湯として有名。混浴風呂は水着や湯浴み着はNGだが、女性専用の露天風呂や内湯も複数あるので安心だ。ほかにも硫黄成分が高い硫酸塩泉の「中の湯」、温まりの湯・子宝の湯といわれた「黒湯」、重曹成分の高い炭酸水素泉の打たせ湯「滝の湯」と、時間が許す限り秘湯を楽しんでほしい。
鶴の湯の人気の秘密は名物の郷土料理にあり
鶴の湯が国内外の温泉ファンに支持される理由は、ロケーションや温泉のみならず郷土料理にもある。旬のきのこや山菜たっぷりで、コク深い特製味噌仕込みの名物「山の芋鍋」や、敷地内を流れる先達川で育った天然イワナの山椒塩焼きなど。囲炉裏を囲みながら、シンプルかつ上質な田舎メシと地酒を味わうのはまさに至福の時間だ。夕食のあとはランプのほのかな灯りに包まれて、テレビもなく携帯の電波もわずかしか入らない静かな夜が待っている。ちなみに名物の山の芋鍋は、本陣食堂で日帰りでも予約なしで味わえる。また宿泊者の特典として「湯めぐり帖」(2500円)を購入すれば、鶴の湯以外の6つの宿の温泉すべてで湯巡りを楽しめる。
スポット詳細
- 住所
- 秋田県仙北市田沢湖先達沢国有林50 地図
- エリア
- 角館・田沢湖・乳頭エリア
- 電話番号
- 0187462139
情報提供: ナビタイムジャパン