広島

尾道

ONOMICHI

由緒ある古寺巡りや文学散歩、ロケ地巡りを楽しむ坂の街

広島県南部、瀬戸内沿岸にある尾道。南は尾道水道に面し、北は千光寺山、西国寺山、浄土寺山の三山に囲まれた場所に、戦災をまぬがれた古い町並みが続く。「尾の道」の名のとおり、山ろくの斜面には坂道が多く、趣のある古寺が点在する。正岡子規や志賀直哉、林芙美子など、この町を愛した多数の文人墨客が尾道に滞在し、文学のなかで尾道ならではの風情を描いてきた。「千光寺公園」には、尾道ゆかりの作家・詩人の詩歌や小説が刻まれた自然石の点在する「文学のこみち」がある。また尾道は、大林宣彦監督の「尾道三部作」(『転校生』『時をかける少女』『さびしんぼう』)など映画の撮影地としても知られる。古寺巡りや文学散歩、映画のロケ地巡りを楽しんだら、船の行き交う尾道水道と瀬戸内の島々を眺望できる千光寺山の展望台に登りたい。

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エリアの見どころ

  • spot 01
    千光寺公園
    千光寺山の公園を散策し、「文学のこみち」を訪ねよう
    町の中心にそびえる千光寺山中腹にある千光寺公園は、尾道を訪ねたら絶対にはずせないスポットだ。桜の名所として春は特に観光客で賑わっている。園内にある尾道市立美術館では、年間を通して企画展が開催されている。
    県外からも大勢の観光客が訪れる人気スポット
  • spot 02
    文学のこみち
    尾道ゆかりの文人たちの作品に触れながら散策しよう
    千光寺ロープウェイ山頂駅から千光寺まで続く、全長約1kmの散策路。尾道ゆかりの林芙美子、志賀直哉をはじめ、松尾芭蕉、正岡子規らの作品の一節が25の自然岩に刻まれている。温暖な気候と風光明媚なこの町には多くの文人墨客が訪れていて、刻まれた詩歌、小説はすべて尾道に縁のある人物や、町の様子を詠ったものだ。なかでも林芙美子の碑には、代表作『放浪記』の「海が見えた」の一節が刻まれ、後方に尾道水道や行き交うロープウェイが眺められる人気の撮影スポットになっている。自然に囲まれたなかをゆっくりと下りながら作家たちの愛した風景を眺め、石碑に刻まれた一文を読んでいると、まるで作家たちの声が聞こえてきそうに思えてくる。
    この碑の筆者小林正雄氏は、林芙美子の小学校時代の恩師
  • spot 03
    古寺巡り
    昔ながらの町並みを歩きながら、点在する古寺を訪ねよう
    山手の坂道や路地を歩いていると、民家の間に古い神社仏閣が見えてくる。人々の暮らしのなかに溶け込んだ風格ある建築に触れてみよう。また「七佛めぐり」をすると「ブレス念珠」を作れるのでオリジナルのお守りにもなる。
    慈観寺は別名「牡丹寺」とも呼ばれ春にはきれいな花が咲く
  • spot 04
    浄土寺
    聖徳太子開基と伝わる、中国地方屈指の古刹
    616年(推古24)、聖徳太子の開基と伝えられ、室町幕府を開いた足利尊氏が戦勝祈願に立ち寄ったことでも名高い。本堂と多宝塔は国宝、山門、阿弥陀堂などは国の重要文化財文、そして境内一帯も国の指定文化財になる。本堂前の願掛け石は横綱・陣幕久五郎が奉納したもので、願い事をして回すと願いが叶うといわれている。時間があればぜひ内部を拝観したい。本堂や阿弥陀堂の内陣、方丈などを、解説を聞きながら見学できる。方丈の間から眺められる庭園は、自然の山腹を築山として利用した美しい造り。多数の石や木々の向こうには、豊臣秀吉が桃山城内に建てた茶室「燕庵」を移したと伝わる「露滴庵(ろてきあん)」がある。
    拝観は大人300円
  • spot 05
    天寧寺
    ずらりと並んだ五百羅漢。自分に似た羅漢様に出会えるかも
    1367年(貞治6)、尾道に住む豪商の発願により創建。室町幕府2代将軍、足利義詮(あしかがよしあきら)の寄進により建立された。本堂左手にある羅漢堂には五百体の羅漢様が天井に届くくらい並んでいて圧巻だ。どれも表情豊かで、自分や知人に似ている像も見つかるかもしれない。また本堂には、「賓頭盧(びんずる)さん」と呼ばれる「なで仏」があり、自分が患っているところと同じ部分をなでると痛みが引くと伝わっている。本堂から少し坂を上ったところには三重塔がある。海雲塔と呼ばれる高さ約20mのこの塔は、建築当時は五重塔だったが、老朽化が原因で1692年(元禄5)に上部の二層が取り除かれ、現在の姿になった。
    五百羅漢一体一体の素朴な表情は、見ていて飽きない
  • spot 06
    持光寺
    願いを込めてぎゅっと握り、自分だけの「にぎり仏」を作ろう
    尾道駅から「古寺めぐり」をスタートすると、最初にあるお寺。正面には花崗岩で造られた大きな石の門があり、この門をくぐると巨石から発せられるパワーにより、寿命が長くなると伝わっている。ここではぜひ「にぎり仏」を作ってみよう。寺を訪れた人とのご縁を大切にしたいという思いから始められたもの。土をてのひらで温め、願いを込めながら片手で1回だけ握って作る、自分だけの念持仏だ。握ったあとは、頭の部分の両側をつまんで耳を作り、続いて目や口を楊枝で書いて終了。後日、窯で焼いたものを本尊阿弥陀如来の前で入魂し郵送してもらえる。世界にひとつしかない自分だけのにぎり仏を拝むと、願い言が叶うような気がしてくる。
    左手で握って作る個性的な「にぎり仏」。制作料1500円
  • spot 07
    西國寺
    わらじを奉納すると足の病気に効き目があると伝わる
    2m以上もある迫力満点なわらぞうりが奉納されている仁王門は、県の重要文化財。門のなかには足の病気に霊験あらたかな2体の仁王像が立っていて、ここにわらじを奉納すると足が良くなるといわれている。門をくぐると108段の石段があり、上っていく途中には西側に持善院、東側に金剛院という寺院もある。いちばん上まで上がり振り返ると、町並みや島々という尾道らしい風景が眺められる。正面にある金堂は行基菩薩の開基と伝わるが、たびたびの火災により消失、現在の堂は南北朝期、備後の守護山名一族によって再建されたものだ。本堂の上には、1429年(永享元)足利義教(あしかがよしのり)によって建立された三重塔もある。正月には火渡り神事、2月には節分会があり、たくさんの参拝者で賑わう。
    室町時代末期に建てられた仁王門。奉納されたわらぞうりがたくさん掛けられている
  • spot 08
    尾道ロケ地巡り
    スクリーンに映し出されたあの場所で映画の主人公になろう
    尾道で撮影された大林宣彦監督の数々の作品が絶大な支持を得て以来、尾道は「映画の町」と呼ばれるようになった。印象的だったシーンを思い出しながらロケ地を訪れてみよう。
    尾道水道を行き交う福本渡船で『さびしんぼう』の百合子が通学した
  • spot 09
    御袖天満宮
    尾道三部作第1作『転校生』の代表的なロケ地
    長い石段を上がり、鳥居をくぐり、さらに上ると御袖天満宮が見えてくる。太宰府に左遷された菅原道真公が途中尾道に立ち寄り、民衆に親切にしてもらったお礼に渡した着物の袖を祀っていることから、御袖天満宮と称された。学問の神様の菅原道真公を奉っているので、特に受験生の信仰があつい。『転校生』では、主人公の一夫と一美が誤って石段を転がり落ち、男女の中身が入れ替わってしまうという印象的なシーンで登場した。石段は55段あり、一段ずつ一本石でできていて、かなり傾斜がきつい。撮影の際はベニヤ板を敷き、代役を立てず本人たちが転がり落ち迫力あるシーンとなった。また本殿前には触ると願いが叶うと言われる「さすり牛」がある。
    長い石段を上ると、美しい景色が眺められる
  • spot 10
    艮神社
    樹齢900年のクスノキが枝を広げ、おごそかな雰囲気が漂う
    『時をかける少女』で、時空をさまよう主人公の和子が過去へとワープし、幼い頃の自分や両親に出会うシーンや、『ふたり』の主人公実加と親友が歩くシーンなどで登場する神社。平安時代初期の創建で、尾道で最初にできた神社と伝わっている。境内にはクスノキが4本あり、「艮神社のクスノキ群」として広島県の天然記念物に指定されている。拝殿の手前にあるのが最大で、樹齢約900年と推定されている。高さは40mあり、大きく枝を広げた姿は圧巻だ。大林監督は尾道で映画の撮影をする際、必ずここでスタッフ、キャストの安全と作品の完成を祈願してからスタートしていたそうだ。
    境内に入ると不思議なパワーを感じられる
  • spot 11
    土堂突堤
    思わず謎の呪文を唱えてみたくなる不思議な突堤
    尾道水道にあるコンクリート造りの突堤。『あの、夏の日-とんでろじいちゃん』で、向島まで泳いで渡ると言っておじいちゃんは海へ飛び込むが、孫の由太が泳げないと知ると由太の手を握り「マキマキマキマキマキマショウ」と不思議な呪文を唱えて過去へとワープしていく場所だ。東には尾道大橋、南には向島の兼吉の丘があり、心地良い潮風が吹いている。ここにはアイスクリーム専門店「からさわ」が置いたベンチがあり、地元の人はもちろん観光客もベンチに腰掛けてゆっくりと景色を眺めている。行き交う船やきらめく海を眺めながらベンチに座っていると、時の経つのを忘れてしまいそうだ。
    海の上に突き出ているので、きらめく海や行き交う船が間近に眺められる
  • spot 12
    茶房こもん
    『転校生』『ふたり』に登場するワッフル専門店
    『転校生』で主人公の一美と母親が、水着を買ったあとに立ち寄った喫茶店として登場。一美は紅茶とオレンジジュースをミックスしたサンセットドリンク、母はフルーツとアイスクリームをトッピングしたフルーツワッフルをオーダーした(フルーツワッフルは現在のメニューにはない)。また『ふたり』では、主人公の実加が、姉が亡くなったことを智也に告げるという切ないシーンで登場している。オーナーの大谷さんは『転校生』から最新作『海辺の映画館~キネマの玉手箱』までの約40年、地元ボランティアスタッフとして小道具を調達したり、ロケ場所を探したり、エキストラを手配したりと撮影に協力していた。
    『転校生』に親子で仲良く話しながらワッフルを食べた席は今も当時のまま
  • spot 13
    からさわ
    昭和から3代続く手作りアイスクリームの専門店
    オープンは1939年(昭和14)。喫茶店としてスタートし軽食も提供していたが、1945年(昭和20)半ば、創業者が試行錯誤して作ったたまごアイスが人気となり、今ではアイスクリーム専門店として尾道名物のひとつに数えられるようになった。県内産の卵や牛乳を使い、昔のままの配合で作られるたまごアイスは、あっさりとしたなかにコクがある。店の奥にあるショーケースには、たまごアイスのほかにも春は苺、秋冬は抹茶、ゴマ、チョコ味も並べられ、客の注文に応じてディッシャーですくい差し出される。オーダーを受けてからモナカにアイスクリームを挟むアイスモナカ(150円)は、パリッとした歯ざわりのなかでやわらかく溶けるアイスクリームが絶妙なバランスだ。
    昔ながらの懐かしい味に親子代々のファンも多い
  • spot 14
    千光寺
    「歴史と文学の町」尾道を象徴する舞台造の本堂と鐘楼
    「尾道七佛めぐり」のひとつ、標高136mの千光寺山の中腹に立つ千光寺は、806年(大同元)弘法大師・空海の開基と伝わる真言密教の名刹。1686年(貞享3)に建立された鮮やかな朱塗りの本堂は前面にせり出した舞台造で、鐘楼とあわせて「歴史と文学の町」尾道のシンボルだ。本堂に祀られる本尊・千手観世音菩薩は聖徳太子作と伝えられ、33年に一度だけ開帳する秘仏で、次の開帳は2045年(令和27)。「音に名高い千光寺の鐘は一里聞こえて二里響く」といわれ、「日本の音風景100選」にも選ばれた鐘楼の鐘は、今も毎日18時に鳴り響く。本堂の横には、かつて光輝く宝玉が海上を照らしていたという伝説が残る「玉の岩」がある。本堂の裏手の「くさり山」には石鎚蔵王権現(いしづちざおうごんげん)が祀られ、修行の場となっている。そのほか大師堂や護摩堂、観音堂、毘沙門(びしゃもん)堂などが立ち並ぶ境内には、梵字(ぼんじ)の刻まれた梵字岩や、神が宿るという鏡岩などの巨岩群が林立し、見どころが多い。本堂の舞台や鐘楼をはじめ、境内の各所から尾道市街と尾道水道を一望でき、絶景名所でもある。縁結びスポットとしても人気だ。
    千光寺山の中腹、巨岩に囲まれて、尾道の町を見下ろすように立つ
  • spot 15
    海龍寺
    「尾道七佛めぐり」のひとつで、人形浄瑠璃・文楽の墓がある
    尾道市街の東にそびえる浄土寺山のふもと、浄土寺のすぐ近くの山際に、「尾道七佛めぐり」の寺のひとつ海龍寺がたたずむ。鎌倉時代には浄土寺の曼荼羅(まんだら)堂と呼ばれ、西国巡教をしていた奈良・西大寺(さいだいじ)の定證上人(じょうしょうしょうにん)がここに安居し、荒廃していた浄土寺を復興したと伝わっている。1245年(寛元3)に、寺の別当職だった備後大田庄の荘官・和泉法眼渕信(いずみほうげんえんしん)が定證上人に寄進し、その年を創建とする。1307年(徳治2)に浄土寺の塔頭となり、江戸時代の1662年(寛文2)に寺名を海龍寺と改めた。真言宗泉涌寺派で、本尊は千手観世音菩薩。境内には江戸時代の人形浄瑠璃家「初代座主の墓」と「初代竹本弥太夫の墓」があり、海龍寺では特に芸術や創作活動にご利益ありとされる。また千光寺同様に、この海龍寺の裏手にも、四国の石鎚山にちなんだ鎖場がある。3本の鎖を登った岩場の上は絶景で、一般の観光客でも自由に登ることができるが、本格的な鎖場で危険もともなうので、安易な気持ちで登ることは慎みたい。
    鎖場のある「くさり山」(写真右手奥)を背に、本堂が立つ
  • spot 16
    猫の細道
    歴史と文学の町、坂の町として知られる尾道にある「猫の聖地」
    坂道と石段道がめぐる尾道の千光寺山の山際にある人気スポット「猫の細道」は、猫が集まり、いたるところで猫を描いた福石猫や猫のオブジェを見られる「猫だらけ」の不思議な空間。「ロケ地めぐり」とあわせて訪れてみたい。
    石段の続く狭い路地には、あちらこちらに猫をモチーフとしたオブジェが見られ、隠れ家のような雰囲気が漂う
  • spot 17
    めん処みやち
    商店街のめん処で食する「この店ならでは」の変わり種ラーメン
    尾道で食べたいグルメといえば「尾道ラーメン」。この「みやち」は創業70有余年、尾道でも老舗の中華そば屋で、尾道に行くならここの中華そばが食べたいというファンも多いが、背脂の入った「尾道ラーメン」を想像して来店すると、あてがはずれた思いをするかも知れない。ここの中華そばのスープはあっさりしてやさしい味で、いわゆる「尾道ラーメン」とはひと味違う。「めん処」を看板にうたうように、うどんやそばのメニューもそろう店だ。そして、この「みやち」の看板メニューは、出汁が利いたカレー南蛮の「カレー中華」(750円)と、中華そばに小エビのかき揚げを載せた「てんぷら中華」(730円)。中華そばは細めのちぢれ麺で、茹で加減もちょうどよい。鶏ガラ、豚骨、煮干しから出汁をとったスープはあっさり味だが、出汁が利いて味わい深く、記憶に残るおいしさだ。カレー中華は出汁の風味とスパイシーなカレーのハーモニーが絶妙で、「てんぷら中華」の天ぷらもエビがプリッとおいしい。昔ながらの商店街の庶民的な店で、店主の人柄と、気取らない店の雰囲気のよさも人気の秘けつとなっている。
    ほかの店の「尾道ラーメン」とはひと味違う中華そば。「カレーうどん」ではなく「カレー中華」を食べられるのも珍しく、出汁とカレーのハーモニーが楽しめる
  • spot 18
    東珍康
    湧き水を使った秘伝のスープが自慢の「元祖 尾道ラーメン」
    尾道市街の町はずれ、尾道バイパスの北側、山陽新幹線新尾道駅に近い国道184号線のロードサイドに、評判のラーメン店「東珍康」が立つ。尾道といえば「尾道ラーメン」が名物で、この東珍康は「元祖 尾道ラーメン」をうたう店だ。尾道ラーメンが全国的に名が知られるようになる前に創業した老舗で、もちろん尾道ラーメンが看板メニューだが、この店のラーメンのレパートリーは幅広く、味噌ラーメンからマーボーメン、チャンポンメンまで約30種類がそろい、バラエティに富んでいる。店構えもラーメン屋というより「中華料理店」の趣だが、初めて旅人として訪れたなら、食べたいのはやはり尾道ラーメン(並 680円)。尾道の湧き水を使った秘伝のスープは、醤油味をベースに豚骨、鶏ガラ、野菜、だし昆布などを使い、味のアクセントに豚の背脂が載るが、あっさりして味わい深い。この店では、ラーメンスープで煮込んだおでんやご飯ものも提供し、テーブル席や座敷席もあるので、ファミリーやグループも利用しやすい。また、尾道ラーメンの店は車が止めにくい町なかにあるものが多いが、この店は郊外の幹線道路沿いにあるので、マイカーで訪れるのに好適だ。
    大ぶりのチャーシューが載り、豚の背脂がたっぷり入った「尾道ラーメン」。見た目のギトギト感とは裏腹にスープはあっさりしていてコクがある
  • spot 19
    尾道ラーメン 壱番館 尾道本店
    「通販ラーメン」から始まった異色の尾道ラーメン店
    1999年(平成11)開店の比較的新しい店だが、ミシュランガイドでも紹介され、いまや尾道ラーメンの旗手となっている「尾道ラーメン壱番館」。もともと土産用の尾道ラーメンを製造販売、「通販ラーメン」として評判を呼び、そこから店舗展開した異色のラーメン店だ。尾道水道の渡船乗り場に近い海岸通りに店を構え、2020年(令和2)には東京・新宿御苑に出店している。尾道ラーメンはスープがよくからむ平打ち麺がオーソドックスだが、ここで使うのは自社開発の自慢の平打ちちぢれ麺。スープはカタクチイワシをはじめ近海の新鮮な小魚から出汁をとり、豚・鶏ガラ・野菜のほか、厳選した2種類の醤油をブレンドしたもの。透き通った醤油ベースのスープに「尾道ラーメンの代名詞」背脂を載せ、味わい深さに濃厚なコクを加えている。ここでのいち押しメニューは、尾道ラーメンに豚の角煮を3枚載せた「角煮ラーメン」(1150円)角煮がトロトロでやわらかく、味付けもよくおいしい。どっさり載った白髪ネギも、スープによくあうと評判だ。店へはJR「尾道駅」から約1km、ゆっくり歩いて15分。尾道水道の港風景を眺めながら、浜風を感じて散策がてら訪れてみたい。
    人気の「角煮ラーメン」は、トロトロの角煮が3枚載って食欲をそそられる
  • spot 20
    まるひ商店
    「マル秘」にしておきたい、まるで隠れ家のようなケーキ屋
    尾道から尾道大橋で向島(むかいしま)に渡った向東地区、幹線道路の県道377号線沿いに、古民家をケーキ屋にした「まるひ商店」がある。道路から2段上がった石組の上に立ち、よく注意しないと見落としてしまいそうだ。駐車場は店の前の道路を挟んだ向かい側にあり、案内表示に従って石組の坂道を上る。アプローチとなる坂道には「まるひ」とタイルが埋め込まれ、店名の「まるひ」が表すように隠れ家の趣だ。エントランスのしつらえも手作り感が満載で、遊び心がいっぱい。そして古民家を改装した店内は、店主が趣味で集めたアンティーク雑貨が多数置かれ、ケーキ屋とは思えないような不思議な空間になっている。イートインができるカフェスペースも「ちょっと座敷に失礼」といった趣で、田舎の親戚の家に遊びにきたような感覚でくつろげる。肝心のケーキやタルトも、ていねいに作られていて、おいしいと評判だ。焼き菓子もあり、飲み物はコーヒーや紅茶などを提供している。
    古民家をそのまま使い、しつらえにも手作り感が満載
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旅のヒント

  1. その1

    千光寺、浄土寺、天寧寺、持光寺、西國寺、大山寺、海龍寺の7つの古寺を巡る「尾道七佛めぐり」。御朱印やブレス念珠を集めながら寺巡りを楽しみ、すべて集めると記念の掛け軸がもらえる。

  2. その2

    尾道の名物グルメといえば、「尾道ラーメン」。「つたふじ」ほか注目店は、JR山陽本線より海側に集まっている。

  3. その3

    映画のロケ地はJR山陽本線より山側の、坂道のあるエリアに多い。このエリアは道が狭く駐車場もないので、車の場合は、JR線より海側に点在する駐車場のどこかを拠点にして歩いて巡ろう。千光寺公園駐車場を尾道探訪の拠点とするのも一案だ。

  4. その4

    坂道の町は複雑に入り組んでいて迷いやすいので、時間に余裕をもって散策しよう。

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