猫の細道
歴史と文学の町、坂の町として知られる尾道にある「猫の聖地」
千光寺山の山麓に「猫の細道」がある
瀬戸内海の尾道水道に面し、山を背にした尾道は、風情ある歴史と文学の町、そして坂の町として知られる。多くの文人墨客に愛され、多くの映画でロケ地となり、「映画の町」としても知られる尾道は、また多くの猫が住む「猫の町」でもある。国道2号線と並行するJR山陽本線の北側、千光寺山(せんこうじやま)の山麓周辺には、千光寺の参道をはじめ多くの小路があり、狭い坂道・石段道が迷路のようにめぐっている。その一角にあるのが、人気スポット「猫の細道」だ。この辺りは猫の通り道になっていて、ここに多くの猫が集まる。その細道に、「尾道イーハトーヴ」を提唱する尾道在住のアーティスト園山春二(そのやましゅんじ)が1998年(平成10)より「福石猫(ふくいしねこ)」を置き始め、それが不思議な空気感が漂う「猫の聖地」として注目を集めるようになった。
「招福のアーティスト」の想いがこもる
尾道はかつて北前船が寄港する港町、商都として栄え、なかでも山手地区は財をなした商人の屋敷が立ち並ぶエリアだったが、「猫の細道」の周辺は、車社会になじまない急斜面の狭い坂道・石段道が多いことから、空家・廃屋が問題になっていた。園山春二が廃屋同然の古い屋敷を改修し、「梟の館(ふくろうのやかた)」としてオープンさせたのが1997年(平成9)。それ以降も近隣の古民家や廃屋のリニューアルを続け、そこに「尾道イーハトーヴ」を形成している。「尾道イーハトーヴ」は、園山春二が追い求める「アート、町、人を縁でつなぎ、独自の感性で創造する理想郷」。そこに2020年(令和2)に誕生した新名所が、「NYAHAN(にゃはん)の庭」の「猫涅(にゃはん)像」だ。「NYAHANの庭」はもともと、西日本豪雨災害で発生したがれき置き場だったが、そのがれきの山を活用して「猫涅像」「NYAHANの庭」が制作された。「猫涅像」は「涅槃(ねはん)像」をもじったものだが、「死のイメージ」はなく昼寝しているような姿で、そこには「創造と再誕」をテーマとする園山氏の想いが込められている。
艮(うしとら)神社のすぐ横に続く路地が入り口
千光寺山ロープウェイ乗り場(山麓駅)の左手に、大林宣彦(おおばやしのぶひこ)監督の映画『時をかける少女』のロケ地になった「艮神社」があり、神社の横には主人公が「時をかける」シーンとして撮影された路地がある。その路地を先に進むと「猫の細道」だ。道幅1mあるかないか、狭い坂道・石段道の入り組んだ路地が、約300m続く。いたるところに園山氏が想いを込めた福石猫が置かれ、まるで異次元空間に迷い込んだかのようだ。細道に立つ「招き猫美術館 in 尾道」には、招き猫が所狭しと並ぶ。「福石猫神社」には初代福石猫が祀られ、「ネコのパワースポット」とも呼ばれている。また細道には、カフェとなっている「梟の館」や「ミーシャのハーブ庭園 ブーケ ダルブル」などもあり、それぞれ趣の違ったファンタジックな空間で、くつろぎのひとときを過ごすことができる。この猫の細道から名刹・千光寺までは、千光寺通りの石段道を登って5分。尾道水道の絶景が広がる境内へひと登りだ。なお、「猫の細道」の周辺に駐車場はないので、マイカーで訪れた場合はJR山陽本線の海側に数か所ある有料駐車場か、千光寺公園の駐車場に車を止めて散策を楽しみたい。
スポット詳細
情報提供: ナビタイムジャパン
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※ナビタイム調べ
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