広島
宮島
MIYAJIMA
日本三景で世界遺産世界中から注目される嚴島神社の社殿群
広島県で国内外から多くの観光客を集めるスポットといえば、広島市の平和記念公園・原爆ドームと「日本三景」宮島。またの名を厳島(いつくしま)と称される宮島は、広島県だけでなく日本を代表する観光地のひとつだ。そして宮島といえば、世界遺産の「嚴島神社」で、「宮島に行く」ことは「嚴島神社に行く」ことを意味するといって過言ではない。平清盛が造営した海に浮かぶ華麗な朱塗りの社殿群は、世界中から注目の的となっている。しかし宮島には嚴島神社だけでなく、神の山「弥山」や嚴島弁財天「大願寺」、太閤秀吉が祀られる「豊国神社(千畳閣)」など、ほかにも歴史的な見どころが多い。家族連れやカップルには、ユニークな仕掛けが満載の「宮島水族館 みやじマリン」も見逃せない。また「表参道商店街」などの町歩きも楽しい。宮島を訪れる際には嚴島神社だけでなく、弥山などもあわせてじっくり巡るプランを組んで、宮島の魅力を堪能したい。
エリアの見どころ
-
spot 01
-
spot 02
-
大鳥居
- 大改修で装いも新たになった「日本三景」宮島のシンボル
- 日本三景・宮島のシンボルといえば、嚴島(いつくしま)神社沖合の海上にそびえ立つ朱塗りの大鳥居。高さ16.6m、棟の長さ24.2m、主柱の周り9.9m、総重量が約60t。木造の鳥居としては日本最大級とされる。奈良・春日大社の大鳥居、福井県敦賀・気比(けひ)神宮の大鳥居とともに「日本三大鳥居」と称され、3つの鳥居はともに国の重要文化財となっている。現在の大鳥居は1875年(明治8)に再建されたもので、清盛の造営から数えて9代目にあたるという。2本の主柱の前後に袖柱(そでばしら)を立て、貫(ぬき)でつないだ「両部(りょうぶ)鳥居」で、柱は地中に埋められておらず、置かれているだけで、柱の下に杭を打ち込んだ「千本杭」が大鳥居を支えており、先人たちの知恵には驚かされる。海水に浸かる柱の根元は腐食しやすい部分で、傷んだ部分を取り替える「根継ぎ」が昭和の大改修の際に行われている。2019年(令和元)6月からの大修理は2022年(令和4)末に終了し、美しくよみがえった大鳥居の姿を見られる。干潮時には大鳥居が立つ場所まで行くこともできるので、間近で大きさを体感したい。
- スポットの詳細
-
大鳥居
-
spot 03
-
客神社
- 嚴島神社の主祭神である三女神の兄弟神の神々を祀る
- 嚴島神社の入り口から東回廊を進み、初めにあるのが客神社 。初めて嚴島神社を訪れた人なら、これが御本社かと勘違いするかもしれない。摂社のなかでは社殿がいちばん大きく、御本社に次いで格式が高い。社殿の構成・配置が御本社と同じ造りで、御本社と間違えるのも無理はない。客神社の「客(まろうど)」とは「客人」を意味し、ここに祀られるのは、天忍穂耳命(あまのおしほみみのみこと)、天穂日命(あめのほひのみこと)など5柱の神々。天照大御神(あまてらすおおみかみ)と素戔嗚尊(すさのおのみこと)の御誓(うけい)の際に生まれた兄弟神で、御本社に祀られる嚴島神社の主祭神である三女神とも兄弟神の関係になる。そして、嚴島神社の祭事の際には、この客神社から始めるのが習わしになっている。建物は鎌倉時代の1241年(仁治2)再建時の姿を残し、平清盛によって造営された平安末期の社殿構成が踏襲されているという。嚴島神社の国宝建築物のひとつ。
- スポットの詳細
-
客神社
-
spot 04
-
東廻廊・西廻廊
- 嚴島神社の壮麗な社殿群を美しい朱塗りの廻廊がめぐる
- 海に建てられた嚴島神社の朱塗りの社殿群を結んで、御本社(ごほんしゃ)を中心に東西の廻廊がめぐる。その廻廊は東廻廊47間、西廻廊61間、あわせて108間。間(ま)は柱と柱の間の数で、1間が約2.4m。総延長は約275mに及ぶ。廻廊の幅は約3.9m。1間ごとに床板が8枚ずつ敷いてある。「目透し」と呼ばれる隙間があり、それが、高潮の折に水圧を弱め、破損を防ぐ役割を果たしているという。床は2枚重ねになっているが、下にあるのが本来の床板だ。以前は靴にわら草履を履いて参拝していた時代もあるが、現在は土足のままで歩けるように養生板を載せているとのこと。ハイヒールなどでは隙間に挟まることがあるので、参拝時には注意しよう。廻廊沿いには御本社、客(まろうど)神社、高舞台・平舞台のほか、大国神社や天神社(てんじんしゃ)、能舞台などがあるが、入り口から出口へ一方通行なので、初めに社殿群の全体像を把握してから巡りたい。この東西の廻廊は御本殿、客神社などとともに国宝になっている。なお2019年(令和元)から、東廻廊は修理が行われており、2025年(令和7)まで実施の予定。
- スポットの詳細
-
東廻廊・西廻廊
-
spot 05
-
御本社
- 嚴島神社の主祭神を祀る
- 沖合から嚴島神社を眺めると、大鳥居の先に立派な社殿が立っている。それが「御本社」だが、拝観する場合は、入り口から東回廊を進んでいちばん奥まった位置になる 。本殿、幣殿、拝殿、祓殿(はらいでん)からなる御本社の社殿構成も、屋根を前後に流れ造りとした本殿の両流造(りょうながれづくり)も、入り口の近くにある「客(まろうど)神社」と同じだが、規模が全然違う。広さ約271平方メートルという御本社の本殿は日本最大級の大きさだ。その本殿の建物は、毛利元就(もうりもとなり)が1571年(元亀2)に改築したものだが、拝殿や祓殿は鎌倉時代の1241年(仁治2)再建当時のものという。すべて国宝。祓殿の前には高舞台・平舞台があり、その沖に大鳥居を望む。本殿には、嚴島神社の主祭神・市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)をはじめとする三女神が祀られている。神仏集合の江戸時代には、嚴島神社が「嚴島弁財天」とも呼ばれていたが、明治維新時の神仏分離令によって弁財天は大願寺(だいがんじ)に移され、今はそちらが「嚴島弁財天」と呼ばれている。
- スポットの詳細
-
御本社
-
spot 06
-
高舞台・平舞台
- 神に舞楽が奉納され、「日本三舞台」に数えられる国宝の舞台
- 「日本三景」「日本三大弁天」「日本三大鳥居」等々と、嚴島には「日本三大」に数えられるものが多いが、この嚴島神社の高舞台(国宝)も、大阪の四天王寺・住吉大社の石舞台とともに「日本三舞台」と称される。御本社の前庭にあたる海側に、廻廊からフラットに続く広さ約553平方メートルの「平舞台」が配され、その平舞台から一段高くなった場所に、黒漆塗りの基壇に朱塗りの高欄をめぐらした「高舞台」が設けられている。これらの舞台は神に奉納することを目的として造られたもので、当初は組み立て式だったが、1546年(天文15)に現在のような作り付けの舞台として造営されたという。高舞台は神に奉納される舞楽が舞われる場所で、現在は祭事の折に年10回ほど十数曲の舞楽が舞われている。旧暦6月17日の「管絃祭」では、嚴島神社の神輿である鳳輦(ほうれん)が、平舞台から海に突き出た火焼前(ひたさき)から浜に降りて、大鳥居のところの御座船まで運ばれる。嚴島神社に数ある祭事のなかでも最大のものである「管絃祭」は、平清盛が京の都の「管絃の遊び」を神を慰める神事として執り行ったのが始まりといわれ、こちらも「日本三大船神事」のひとつとなっている。
- スポットの詳細
-
高舞台・平舞台
-
spot 07
-
spot 08
-
spot 09
-
spot 10
-
宮島水族館 みやじマリン
- 嚴島神社の先にある、見どころ満載の水族館
- 宮島観光に訪れた際、水族館が好きな人ならこのスポットははずせない。瀬戸内海にも生息する珍しいスナメリに会えるだけでなく、ペンギンプールをはじめそれぞれの水槽が工夫され、水族館ファン以外の人でも楽しめる。
- スポットの詳細
-
宮島水族館 みやじマリン
-
spot 11
-
いな忠
- 「あなごめし」が評判の宮島「表参道商店街」の人気店
- 宮島名物の海の幸料理といえば「焼きガキ」と「あなごめし」。宮島のメインストリート「表参道商店街」には牡蠣を焼く店がずらりと並ぶが、商店街のほぼ真ん中にある「いな忠」では店頭に「あなごめし」の提灯が並び、そこで穴子を焼いている。ここは「あなごめし」がおいしい店と評判の店で、宮島で初めて持ち帰り用の「あなごめし弁当」を販売した店でもある。店先には穴子を焼く香ばしいにおいが漂い、その焼き穴子がぎっしり敷き詰められた「あなごめし」(2300円)が、もちろん看板メニューだ。穴子の出汁で炊いた甘辛い飯の上に、秘伝のタレでじっくり焼き上げた穴子がたっぷり載った「あなごめし」は、蓋を開けたとたんに香ばしさが広がる。そして焼き穴子の表面はパリッと香ばしく、身はやわらかく、甘辛い飯とよくあっておいしい。この店では大半の客が「あなごめし」を注文するが、「あなごめし」以外にも各種牡蠣料理や定食、どんぶり、うどん、そばなどのメニューもあり、特に牡蠣料理は好評だ。
- スポットの詳細
-
いな忠
-
spot 12
-
焼がきのはやし
- 「焼きガキ発祥の店」として知られる「表参道商店街」の老舗
- 宮島名物の海の幸といえば「焼きガキ」。観光客で賑わう「表参道商店街」にも、店頭で牡蠣を焼く店が軒を並べる。そのなかでも「焼きガキ発祥の店」として知られる銘店が「はやし」。創業1948年(昭和23)というから、戦後に商店街として形成された「表参道商店街」では文字どおりの老舗だ。ここで提供するのは、水産庁長官賞や天皇杯(水産部門)など数々の受賞歴もある上質な「地御前かき」。なかでも特に貴重な3年ものだけを、つねに仕入れているという。栄養価の高い海域で育った3年ものの牡蠣は、大ぶりなのに繊細な味わいだ。自慢の「焼がき」(3個1400円)は、焼きたてにこだわり、注文を受けてから焼き始める。殻の中で蒸し焼きにした牡蠣は、うまみが凝縮され、口の中に入れた瞬間、濃厚な至福の風味が広がる。牡蠣の煮汁で炊き込んだ飯に、醤油とみりんなどで軽く煮た大粒の牡蠣をぜいたくに載せた「かきめし」(1300円)も逸品だ。ここでは牡蠣料理以外にも「あなご飯」や各種定食・麺類なども提供し、幅広いニーズにも応えている。
- スポットの詳細
-
焼がきのはやし
-
spot 13
-
博多屋
- 宮島きっての老舗土産店で「こだわり進化系」のもみじ饅頭を
- 「表参道商店街」の端、嚴島(いつくしま)神社に近い場所に店を構える博多屋は、明治初期の創業以来、宮島の歴史とともに歩んできた宮島きっての老舗土産店。宮島杓子(しゃくし)を商う杓子問屋に始まり、嚴島神社の管絃祭の折に伝馬船の漕ぎ手の休み宿ともなり、そして「もみじ饅頭」を製造販売する菓子舗となった。生地や餡から自家製造し、生地と餡との一体感と口どけにこだわった博多屋謹製もみじ饅頭は、全国菓子博覧会で数々の賞を受賞。伝統の老舗ではあるが、つねに創意工夫を重ね、新しいスタイルの菓子を生み出し続けている。もみじ饅頭の種類が豊富なばかりか、もみじ饅頭を衣で揚げた「宮島じゃけぇ」、タルトケーキのような食感となめらかな口どけを楽しめる「冷やしもみじ」、2022年(令和4)に新発売した瀬戸内レモン と藻塩仕立てのカステラもみじ「もみじの出逢い」とバリエーション豊富。クリーミーな魚のすり身がサクサクの衣に包まれた「宮島でがんす」も人気で、どれも食べたくなるようなおやつがいっぱいだ。店内にはゆっくりイートインできるスペースもあり、そこで「できたてホカホカ」が食べられる。
- スポットの詳細
-
博多屋
-
spot 14
-
嚴島神社宝物館
- 嚴島神社が所蔵する宝物の数々が展示される
- 嚴島神社では、平安時代の末期に平清盛が社殿群を造営して以来、約850年にわたって奉納されてきた数々の宝物や貴重な史料を所蔵している。平安貴族の間で流行した装飾経の最高傑作といわれる「平家納経」(国宝)をはじめ、所蔵品は約4500点に上り、うち130点余りが国宝・重要文化財になっている。そのうち一部を一般公開し、宝物館に展示。全33巻ある「平家納経」の実物は、特別展のときだけ宝物収蔵庫で一般公開される。ここに常設展示される「平家納経」は複製だが、和紙の質や色なども丹念に復元された大正時代の品で、それ自体に値打ちがあり一見の価値はある。そのほか室町時代の大鳥居の扁額(重文)、刀剣類・鎧兜や、能装束・扇など、貴重な品々をここで見られるので、嚴島神社の参拝とあわせて立ち寄りたい。なお、嚴島神社の社殿を模した朱塗りの宝物館は、コンクリ-トに漆が塗られた珍しい建物。1933年(昭和8)築で、昭和レトロな趣があり、国の登録有形文化財になっている。
- スポットの詳細
-
嚴島神社宝物館
-
spot 15
-
清盛神社
- 嚴島神社の社殿群の造営を行った平清盛を祀る神社
- 嚴島(いつくしま)神社は、あつく信仰した平清盛が大規模な社殿群の造営を行ったことで知られるが、そこに清盛が祀られているわけではない。清盛が祀られているのが清盛神社で、嚴島神社の先、「西の松原」と呼ばれる浜辺にある。嚴島神社の境外末社のひとつだが創建は1954年(昭和29)と歴史は新しい。もともと清盛は、嚴島神社の境外摂社「三翁(さんのう)神社」に海の神である大綿津見神(おおわたつみのかみ)や嚴島神社を創建したと伝えられる佐伯鞍職(さえきのくらもと)などとともに合祀されていたが、清盛の没後770年のあと清盛神社が創建され、三翁神社から分祀された。清盛神社がたたずむ「西の松原」は、嚴島神社の裏手を流れる御手洗(みたらい)川が運んだ土砂や災害で流出した土砂を固めて江戸時代に造営された、いうなれば防波堤のようなものだ。その後、1945年(昭和20)の災害で流出した土砂を使って増築した先端付近に、玉垣に囲まれて小さな社殿がたたずむ。ふだんは閑静な場所だが、毎年、清盛の命日にあたる3月20日に清盛神社祭が行われるほか、その前後には宮島桟橋前の広場から清盛神社まで、平家一門の仮装をして歩く「宮島清盛まつり」が盛大に行われる。
- スポットの詳細
-
清盛神社
-
spot 16
-
spot 17
-
spot 18
-
町家通り
- 古い町並みを残す「かつての宮島メインストリート」
- 宮島桟橋から嚴島神社への経路は、大まかに3通りある。人通りの多いメインストリートが土産物屋や飲食店が立ち並ぶ「表参道商店街」で、嚴島神社に向かい流れに沿って進めば、自然に表参道商店街に誘い込まれる。賑やかな商店街は魅力的だが、人混みを避けて静かな散策を楽しみたい人におすすめなのは浜辺の松並木道、そして表参道商店街の裏通りにあたる「町家通り」だ。その「裏通り」は往時には「宮島のメインストリート」だった通りで、今は住民の生活道路の感があるが、通り沿いには古い町家も多く残る。それらの軒先には、「町家通り」と筆で書かれた行灯がかかっている。昔ながらの町家が並ぶなかには、古い建物をリノベーションした「お茶屋」ふうの茶房などもあり、ほっとひと息つくこともできる。そして嚴島神社に近づくにつれ、朱色の五重塔が古い町並みに溶け込むように美しい姿を見せ、風情も豊かだ。この町家通りを中心とする東町は2021年(令和3)、「滝小路(たきのこうじ)」を中心とする西町とともに「宮島重要伝統的建造物群保存地区」に選定された。
- スポットの詳細
-
町家通り
-
spot 19
-
滝小路
- ゆかしい社家の家並みが続く大聖院の門前町
- 「宮島といえば嚴島(いつくしま)神社」だが、嚴島弁財天を祀る大願寺(だいがんじ)、大願寺とともに嚴島神社と深い関係にあった大聖院(だいしょういん)と、宮島には訪ねてみたい由緒ある社寺が嚴島神社のほかにもある。嚴島神社の出口の前には大願寺があり、嚴島神社の裏手から山腹に立つ大聖院へと、ゆるやかな坂道の参道が続く。それが「滝小路(たきのこうじ)」で、先に白糸の滝があることからそう呼ばれている。宮島桟橋から嚴島への「表参道商店街」の賑わいをよそに、今は閑静なたたずまいを見せるが、往時はこの一帯(西町)が宮島の中心だった。周辺には古い町並みが残り、「町家通り」を中心とする東町とともに「宮島重要伝統的建造物群保存地区」に選定されている。この滝小路は、かつて嚴島神社の神職の居住地になっていた場所で、社家(しゃけ)や内待(ないし)、大聖院の宿坊などが軒を連ねていた。今も千本格子の大戸など独特の家並みが残り、神職の住居や寮がある。早朝には神社に向かう神職の下駄の音が通りに鳴り響く。宮島ならではの情趣を堪能するには、この滝小路をはじめ西町・東町(伝建地区)の小路を歩き、古い町並みを巡ってみたい。
- スポットの詳細
-
滝小路
-
spot 20
-
あなごめし うえの
- 100年以上の伝統を誇る元祖「あなごめし」の老舗
- 創業1901年(明治34)の「うえの」は、宮島の名物料理「あなごめし」発祥の銘店として知られる老舗。宮島の島内ではなく、対岸「宮島口」のJR駅前に店を構える。「あなごめし」は、創業者の上野他人吉(たにきち)が、1897年(明治30)に開通した宮嶋駅(現在のJR宮島口駅)の駅弁として販売したのが始まりだ。もともと宮島で商いをしていた他人吉は宮島口に茶店を開業し、そこで「あなごめし」が誕生した。穴子がたくさん獲れた宮島周辺では、昔から地元料理として穴子丼があったが、他人吉は穴子のアラで炊き込んだ醤油味飯を考案し、その飯に焼き穴子をびっしりと敷き詰めた「あなごめし」を名物駅弁として販売。それが評判となり、駅弁として販売を続けて100有余年。今では「あなごめし」が宮島や広島の名物となり、味やレシピもさまざまだが、「うえの」では他人吉から受け継いだ味を守り続けている。素材にも調理にもこだわる伝統の「あなごめし」は、特上(3340円)、上(2800円)、小(2540円)。穴子の脂で焼くだけ、素材と焼き加減が勝負の「あなごの白焼き」(1760円)も、ぜひ味わってみたい逸品だ。
- スポットの詳細
-
あなごめし うえの
-
spot 21
-
牡蠣屋
- 表参道商店街で唯一の牡蠣料理専門店で、「牡蠣屋定食」が人気
- 宮島名物の牡蠣を提供する食事処は「表参道商店街」に多々あるが、この牡蠣屋は宮島で唯一「牡蠣料理だけ」を提供する店だ。牡蠣の専門店を自負するだけあって、この店では一般市場にほとんど出回らない上質の広島牡蠣だけを厳選し、「焼く」「煮る」「揚げる」と、牡蠣本来の味わいを生かすシンプルな調理法で提供する。味つけも最小限、調味料も最少量にして、牡蠣を使った自家製の調味料で味を仕上げるという。ここでは焼き牡蠣をはじめ各種牡蠣料理が勢ぞろいするが、焼き牡蠣、牡蠣めしをはじめ牡蠣屋自慢の牡蠣料理をまとめて食べられる「牡蠣屋定食」が好評だ。また、宮島で牡蠣料理の食事処といえば「和風」のイメージがあるが、この店は外観もモダンで、店内も都会のレストランを思わせるおしゃれな雰囲気。そして、牡蠣のオイル漬けやグラタンなど洋風メニューがあるだけでなく、牡蠣料理にあったワインのそろう専用のワインセラーも店内に備えている。カキの味つけは最小限だが、カキのおいしさをさらに引き出し、牡蠣料理を満喫するため最大限の工夫をしている。牡蠣屋はそんな店だ。
- スポットの詳細
-
牡蠣屋
-
spot 22
-
岩村もみじ屋
- 老舗のこだわりは「こし餡」「つぶ餡」だけのもみじ饅頭
- 宮島へ旅したときに土産に欠かせない名物「もみじ饅頭」。宮島にはもみじ饅頭を売る店が多数あり、「もみじ饅頭」とひと口にいっても種類が多く、選ぶのにも苦労する。そんなときにチェックしておきたい店が、嚴島(いつくしま)神社の裏手、滝小路(たきのこうじ)の下手にある「岩村もみじ屋」。明治末期創業の老舗で、創業時からの伝統の味を守る、知る人ぞ知るもみじ饅頭の銘店だ。「もみじ饅頭」は1905年(明治38)に、宮島きっての老舗旅館「岩惣」が茶菓子として発案したものだが、この岩村もみじ屋は当時岩惣の製菓部をしており、その流れで、もみじ饅頭の製造販売を脈々と続けている。近年、もみじ饅頭は種類が多種多彩になっているが、岩村もみじ屋ではこし餡とつぶ餡の2種だけ。自家製の餡は北海道産のあずきとザラメ糖を使い、手間暇かけてアクを抜き煮込む。今ではオンラインでも注文できるようになったが、手作りで大量生産せず、駅などの土産物売り場では販売していない。このプレミアムなもみじ饅頭は、土産にはもちろん、ぜひ現地で焼きたてを食べてみたい。
- スポットの詳細
-
岩村もみじ屋
人気スポット
旅のヒント
-
その1
宮島へは本土側の宮島口から船で約10分。宮島桟橋までフェリーや連絡船が頻繁に運航している。宮島にはマイカー乗り入れ不可のため、宮島口付近の駐車場に止めておく必要がある。
-
その2
広島市街からはJRか広島電鉄の利用が便利。広島電鉄は停車駅が多く、時間優先ならJRが早い。西広島~宮島口はJRで19分、広島電鉄なら36分。
-
その3
広島で平和記念公園・原爆ドームとあわせて宮島を訪れるなら、船の利用もおすすめ。平和記念公園のすぐ横から宮島桟橋まで、2つの世界遺産を結ぶ直航便を複数の会社で運航している。
-
その4
嚴島神社や周辺はライトアップもされ、夜の宮島も風情がある。宮島の魅力を十分に味わうには、島内で宿泊したい。1日を嚴島神社、もう1日を弥山を中心にプランを立てるのがおすすめだ。