広島
呉
KURE
戦前は東洋一の軍港として栄えた町。近年は人気アニメ映画の舞台として注目を集める
呉は広島市から南へJR呉線の快速で約35分。眼前に呉湾、すぐ背後に山が迫る天然の良港だ。明治時代、旧日本海軍が根拠地のひとつ「鎮守府」を置き、海軍工廠では戦艦大和も建造された。「大和ミュージアム」など「軍港」関連の歴史的スポットが多々あり、現在は海上自衛隊の基地として、艦船や潜水艦の姿を見ることができる。日本遺産「鎮守府 横須賀・呉・佐世保・舞鶴-日本近代化の躍動を体感できるまち-」に認定されている。大ヒットアニメ映画『この世界の片隅で』の舞台になり、ヒロインすずに関係した場所を訪ねる人も多い。平清盛の「日招き伝説」で有名な音戸(おんど)の瀬戸公園は、現役の潜水艦を近くで見られる「アレイからすこじま」から車で約10分のところにある。
エリアの見どころ
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てつのくじら館(海上自衛隊呉史料館)
- 実際に活動していた潜水艦がそのまま史料館に
- 明治時代に鎮守府が置かれ軍港として栄えた歴史をもつ呉には、現在も海上自衛隊呉地方総監部が置かれている。「てつのくじら館」は呉と海上自衛隊との関わりの歴史や、潜水艦と掃海についての史料を展示する。
- スポットの詳細
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てつのくじら館(海上自衛隊呉史料館)
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田舎洋食 いせ屋
- 大正時代から引き継がれる「海軍グルメ」を味わいたい
- 旧海軍では、兵士の健康維持のため栄養バランスが良く調理も簡単な洋食を取り入れられ、日本人好みにアレンジされたチキンライスやカツレツなどが生まれた。旧海軍の当時のレシピを元に再現した料理「海軍グルメ」は、旧海軍ゆかりの港町・呉の飲食店で提供されている。「呉海自カレー」はそのひとつ。護衛艦「とね」や潜水艦「そうりゅう」など呉海上自衛隊呉基地の協力で艦ごとに違う味のカレーの作り方を調理員から直接教わり、艦長が味を認定している。食べ歩くファンも多く、土産としても人気。そんな呉のなかで、1921年(大正10)創業の「田舎食堂 いせ屋」は、旧海軍でコック長をしていた初代の味を受け継いでいる海軍グルメの老舗。オムライスやオリジナルカツ丼、水を加えずに煮込む海軍レシピの「海軍さんの肉じゃが」が人気で、呉に根付いた洋食文化の懐の深さを感じさせる。
- スポットの詳細
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田舎洋食 いせ屋
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旧澤原家住宅 三ツ蔵
- アニメ映画『この世界の片隅に』に登場した3つ並びの珍しい蔵
- 戦前の広島市・呉市を舞台した2016年(平成28)公開のアニメ映画『この世界の片隅に』で注目された旧澤原家住宅の「三ツ蔵」は、呉のシンボル的な存在のひとつ。澤原家は屋号を澤田屋(さわだや)と称して酒造業を営み、代々庄屋や呉市長などの要職を務めた由緒ある家系だ。旧澤原家住宅は重厚で品格がある屋敷で、藩主の休憩所・宿所ともなった。主屋は1756年(宝暦6)、珍しい三ツ蔵は1809年(文化6)の建築で、幸い空襲で被災することもなく残り、国の重要文化財となっている。また澤原家には、幕末の思想家として名高い吉田松陰に多大な影響を与え、新しい日本を基礎づけたといわれる明治維新の勤王僧・宇都宮黙霖(うつのみやもくりん)が晩年に寄留し、1897年(明治30)この地で亡くなった。三ツ蔵の前には、その「宇都宮黙霖翁終焉の地」の碑が立つ。見学できるのは外観のみだが、『この世界の片隅に』ファンでなくとも一見の価値はある。JR呉駅や大和ミュージアムから約2km、歩いて30分足らず。呉の市街をのんびり散策がてら訪ねてみたい。
- スポットの詳細
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旧澤原家住宅 三ツ蔵
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自由軒
- 注目の「海軍グルメ」は「戦艦大和のオムライス」
- 戦前は大日本帝国海軍の一大軍港、現在は海上自衛隊の基地として知られる呉で、食べたい名物グルメといえば「海軍グルメ」。市内の多くの飲食店で提供されているが、それぞれの店でレシピは異なる。そのうちの注目のひとつが、創業60有余年の老舗洋食屋「自由軒」が提供する「戦艦大和のオムライス」(サラダ・味噌汁・紅茶付きデミセット1250円)だ。洋食がおいしいと評判の店で、呉の繁華街「れんがどおり」(中通)のアーケードから少し入ったところに立つ。レトロモダンな外観で、店内も懐かしい昭和レトロな雰囲気が漂う。「戦艦大和のオムライス」には、元海軍のコックをしていた福山の自由軒の先代からレシピを受け継いだというソースがかかる。この店はご近所の常連、年輩客が多く、洋食だけでなく各種定食や丼もの、ラーメン・うどんなどの麺類も提供する。地元密着型の町角洋食だが、観光客もグルメガイド片手に来訪する知る人ぞ知る店だ。
- スポットの詳細
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自由軒
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賀茂鶴酒造
- 酒蔵通りでひときわ目立つ全国的に名高い銘酒「賀茂鶴」の蔵元
- 7つの酒造会社が一堂に会し、酒都と称される西条の「酒蔵通り」で、ひときわ威容を誇るのが「賀茂鶴酒造」。その名のとおり、全国清酒品評会や全国新酒品評会などで数々の賞を受賞し、全国的に名をとどろかせる銘酒「賀茂鶴」の蔵元だ。オバマ元米大統領が来日した折にも、寿司屋で「賀茂鶴」が振る舞われ話題となった。その「賀茂鶴」が誕生したのは1873年(明治6)。1898年(明治31)に日本初の動力精米機を導入して以来、先進的な精米技術を取り入れ、大吟醸造りの先駆けとなった。今も精米にこだわりをもち、すべて広島県産の米を使用し、自社で精米を行っている。明治初期に建てられた1号蔵(国の登録有形文化財)を改装した「見学室直売所」では、動画や展示などで酒造りを体感でき、その歴史について学べる。蔵元限定酒などの販売コーナーや、プレミアムな酒が試飲できるバーカウンターもある。また杜氏による酒蔵案内も不定期で実施し、ふだんは公開していない醸造蔵の中を見学できる(約1時間1000円、要予約)。
- スポットの詳細
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賀茂鶴酒造
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御手洗町並み保存地区
- 瀬戸内の島の風情もゆかしい「風待ち、潮待ち」の港町
- 瀬戸内海の芸予(げいよ)諸島の大崎下島(おおさきしもじま)にある御手洗は、江戸時代に北前船(きたまえぶね)の寄港地として栄えた港町。「安芸灘とびしま海道」の開通でアクセスが便利になり、風情豊かな「風待ち、潮待ち」の港町として注目を集めている。
- スポットの詳細
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御手洗町並み保存地区
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漁師料理 かつら亭 蒲刈本店
- 大きな生け簀に泳ぐ魚をその場でさばく絶品・活魚料理
- 瀬戸内海に浮かぶ島々を訪れたなら、食べたいのはやはり海の幸。そんなときにおすすめなのが、上蒲刈島の海岸沿いに立つ「漁師料理 かつら亭蒲刈本店」。この店を訪れて、しょっぱなに度肝を抜かれるのが、店の中央に据えられた大きな3段生け簀。地元の漁師から直接活きのいい魚を毎日仕入れ、次々と運ばれてくる魚をその大きな生け簀で泳がせ、提供する直前にさばいている。「魚をいちばんおいしく食べられる」新鮮な状態と、最適の調理法で提供するのが店のポリシーだ。店の自慢はもちろん、生け簀から直接あげた魚を使った刺身などの活け魚料理だが、とびしま海道の旅で食べてみたい一品が、素朴な漁師料理の「漁師丼」(1650円)。ハマチやタコなど3~4種類の刺身を刻んで、だし醤油に浸したものを白飯に載せたものだが、歯ごたえがあるこの丼の魚はひと味違う。窓外に広がる海景色を眺めながら、潮の香を感じて食べる瀬戸内ならではの味覚に、島旅気分が盛り上がること請け合いだ。
- スポットの詳細
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漁師料理 かつら亭 蒲刈本店
人気スポット
旅のヒント
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その1
呉の南部、国道487号を南へ行けば「音戸の瀬戸公園」がある。公園の展望台からは、島々が点在する安芸灘の風景が楽しめる。
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その2
本土と倉橋島は狭いところで幅が約80mの海峡で、たくさんの船が航行する別名「瀬戸内銀座」。呉から足を延ばして、国内初の「2層半螺旋型高架橋」音戸大橋の赤い姿を見に行くのもおすすめ。
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その3
JR呉駅を起点にして、呉の観光ポイントは歩いて巡ることができる。一日のんびり、時間をかけて海軍関連の施設を見学し、町歩きを楽しもう。
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