因島水軍城

資料/郷土/展示/文学館

「村上海賊」のことが学べる「日本で唯一の水軍城」

因島は、「村上海賊御三家」のひとつ因島村上水軍の根拠地。その水軍の城を模した建物に、村上海賊(水軍)の古文書や武具などを展示する。金蓮寺には因島村上氏一族の墓所があり、村上水軍のありし日がしのばれる。

因島村上氏の菩提寺である金蓮寺を見下ろす丘の上に水軍城が立つ} 因島村上氏の菩提寺である金蓮寺を見下ろす丘の上に水軍城が立つ

因島村上氏の菩提寺の境内の一角にある

室町時代から戦国時代にかけて、芸予諸島を中心に瀬戸内海で活躍した村上海賊。因島村上水軍は「村上海賊御三家」のひとつで、毛利家・小早川家から信頼され、三原・尾道・向島・福山など瀬戸内海の要衝を守る役目を受け持った。その水軍ゆかりの地に建立されたのが因島水軍城だ。「城」といっても、もともとこの場所に「天守をもつ城」があったわけではなく、因島村上氏の菩提寺である金蓮寺(こんれんじ)の境内の一角にあたる。その金蓮寺住職の働きかけで、村上水軍を紹介する因島観光の中核施設としてできたのがこの因島水軍城だ。歴史学者・奈良本辰也(ならもとたつや)氏の監修で、水軍城をイメージした建物群が造られ、1983年(昭和58)に開場。今は本丸「水軍資料館」が、日本遺産『日本最大の海賊の本拠地:芸予諸島-よみがえる村上海賊Murakami KAIZOKUの記憶-』のビジターセンターともなっている。

左が本丸の「水軍資料館」。天守のような右の建物は隅櫓(すみやぐら)で、1階には鎧兜姿の因島水軍まつりの写真が展示され、2階からは周囲の景色を眺められる} 左が本丸の「水軍資料館」。天守のような右の建物は隅櫓(すみやぐら)で、1階には鎧兜姿の因島水軍まつりの写真が展示され、2階からは周囲の景色を眺められる

石垣の石段を登ってひと汗かけば、本丸と隅櫓の立つ場所にたどり着く} 石垣の石段を登ってひと汗かけば、本丸と隅櫓の立つ場所にたどり着く

貴重な村上海賊の古文書や武具を展示する

海賊といえば、「船を襲って金品を奪う乱暴な無法者」をイメージするかもしれないが、「村上海賊」は第62代村上天皇を祖とする村上源氏の子孫で、やんごとなき血筋。先祖から受け継いできた信仰を大切にし、山や海の守り神である大山積大神(おおやまづみのおおかみ)、武運の神である八幡神(やはたのかみ、はちまんしん)を崇拝していた。そして瀬戸内海の要所を押さえ、通る船から通行税を取る代わりに水先案内を行い、八幡船(ばはんせん)で海を守った。因島水軍城では、貴重な村上海賊(水軍)の古文書や甲冑や刀剣などを展示。貿易を行って海外とも交流し、時には戦って海を守り、幅広く活躍した村上水軍の歴史を知ることができる。特に、因島村上水軍の6代当主・村上吉充(よしみつ)が小早川隆景(たかかげ)より拝領したと伝わる室町時代末期の「白紫緋糸段縅腹巻(しろむらさきひいとだんおどしはらまき)」(広島県重要文化財)は必見だ。

村上の旗を掲げた八幡船は、今の海上保安部や水上警察の役割を果たしていた} 村上の旗を掲げた八幡船は、今の海上保安部や水上警察の役割を果たしていた

カニをかたどった兜など、村上水軍ならではのユニークな武具を見ることができる} カニをかたどった兜など、村上水軍ならではのユニークな武具を見ることができる

村上水軍を学び、因島村上氏の墓所を訪ねる

ふもとの観光駐車場の前には、「村上水軍以外」の因島の歴史民俗資料を展示する「因島史料館」が立つ。その資料館の横から金蓮寺本堂のかたわらを通り、城郭の上に立つ水軍城を目指す。唐風の城門をくぐり、ひと汗かきながら石段で城郭を上れば本丸は目の前だ。それがビジターセンターを兼ねた「水軍資料館」で、そのほか城郭には二層の隅櫓(すみやぐら)と二の丸が立つ。高台にある城郭の上は見晴らしが利き、金蓮寺の境内を眼下にする。この水軍城は因島のほぼ中央に位置し、海は見えないが、周囲を山々に囲まれ、島のなかとは思えないような景色が広がる。桜の季節は城の周りがピンクに彩られて美しい。隣接する金蓮寺には因島村上氏一族の墓所があるので、そちらへも訪れたい。また、村上水軍の見張り台でもあった白滝山の八合目駐車場までは約6km、車で15分。あわせて巡れば因島の旅がいっそう充実することだろう。

二の丸では、武者人形による作戦会議の様子を見られる} 二の丸では、武者人形による作戦会議の様子を見られる

宝篋印塔18基や多くの五輪塔が集まる因島村上家歴代の墓が金蓮寺にあり、尾道市の史跡に指定されている} 宝篋印塔18基や多くの五輪塔が集まる因島村上家歴代の墓が金蓮寺にあり、尾道市の史跡に指定されている

「因島史料館」では、因島で発掘された石器や土器や、漁を行いながら船上で生活する「家船(えぶね)」などの興味深い民俗資料が展示されるので、あわせて立ち寄ってみたい} 「因島史料館」では、因島で発掘された石器や土器や、漁を行いながら船上で生活する「家船(えぶね)」などの興味深い民俗資料が展示されるので、あわせて立ち寄ってみたい

スポット詳細

住所
広島県尾道市因島中庄町3228-2 map map 地図
電話番号
0845240936
時間
[通常]9:30-17:00
[年始(1/2-1/3)]10:00-15:00
休業日
木(祝を除く)、12/29-1/1
料金
【入場料】
[大人]330円
[小人(小中学生)]160円
駐車場
あり(50台)
クレジットカード
不可

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 海が見えない水軍の城
    3.0 投稿日 : 2022.07.06
    因島の村上海賊の拠点です。城の中は資料館になっていて海軍に関する資料が展示されています。村上3家のそれぞれの歴史を調べてみると面白いかと思います。
  • 城?
    1.0 投稿日 : 2021.05.05
    城というより展示館。展示も寄り道するのに値しない感じがしました。このまま通りすぎてもよかったような。。。自転車漕ぎ損した感じでした。
  • とても分かり易い村上海賊の説明ビデオがあります
    4.0 投稿日 : 2021.03.24
    とても分かり易い村上海賊の説明ビデオがありますので、村上海賊の初心者にはとても良いと思いました。子供も、飽きずに居られると思います。

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アクセス

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