水戸・笠間
MITO / KASAMA
歴史とアートに触れながら四季折々の景色も楽しめる
日本三大庭園のひとつである「偕楽園」、また、「水戸黄門」として親しまれる徳川光圀(とくがわみつくに)で知られる水戸は、歴史好きにはたまらない史跡が多く残る観光地だ。偕楽園を開いた徳川斉昭(とくがわなりあき)によって創設された施設も多く、藩士の学校であった「弘道館」、偕楽園のなかに位置する「好文亭」など、水戸観光の見どころとしての役割を果たしている。水戸駅周辺は広大な水戸城趾の一角に位置するので、駅周りに著名な観光地が固まっており、徒歩でも比較的まわりやすいのも特徴だ。水戸市に隣接する笠間市は、笠間焼で知られる芸術の街。広大な面積を誇る「芸術の森公園」の敷地内には、美術館や陶芸体験施設もあり、自然とアートを楽しめる空間となっている。また、笠間には年間350万人余りが訪れる「笠間稲荷神社」があり、観光の中心的役割を担っている。特に毎年秋に行われる「菊まつり」は、観光客で最も賑わう時期だ。
エリアの見どころ
-
spot 01
-
spot 02
-
spot 03
-
見晴亭
- 茨城の銘菓や特産品がずらりと並ぶ
- 偕楽園を堪能したあとお土産を購入するなら東門にある見晴亭に立ち寄ってみよう。茨城県観光物産協会が運営しており、梅や納豆の加工製品など水戸といえばコレという商品が手に入るほか、茨城の銘菓や旬のアイテムも数多く陳列している。食べ物だけでなく、笠間焼などの工芸品も扱っている。また、パンフレットコーナーもあるので、水戸の観光情報を集めるにも良い場所だ。店の奥には休憩スペースがあり、気軽に購入した製品を飲食することができる。休憩スペースの壁には亘セン幽(わたりせんゆう)が徳川斉昭(とくがわなりあき)のために描いたとされる「好文亭四季模様之図(こうぶんていしきもようのず)」が掛けられており、当時の庭園の様子をしのぶことができるので、そちらもぜひチェックして欲しい。
- スポットの詳細
-
見晴亭
-
spot 04
-
spot 05
-
水戸城跡
- 復元された水戸城跡のシンボル「大手門」は必見
- 水戸城は、北の那珂川、南の千波湖を天然の堀とした、日本最大級の土造りの城だった。東側から西側に向かって「下の丸」「本丸」「二の丸」「三の丸」が配置されており、弘道館は三の丸に位置している。当時の建物は明治以降、解体や戦火でほとんどが消失してしまった。\弘道館の入り口の目の前にある大手橋を渡った先に見えるのは、2020年(令和2)に復元された「大手門」。水戸城内で最も格式の高い門であり、水戸城跡のシンボルだ。かつての「大手門」は明治期に解体されてしまったが、正門としての役割をもっていた。時間があるなら、大手門から東に進んで、かつての水戸城がある本丸跡まで歩いてみよう。道中では「大日本史」編纂に関する業務が行われていた「水戸彰考館跡(みとしょうこうかんあと)」や、樹齢推定400年の「水戸城跡の大シイ」、戦火をまぬがれた創建当時の建築物「薬医門(やくいもん)」など、歴史的な史跡を見ることができる。
- スポットの詳細
-
水戸城跡
-
spot 06
-
spot 07
-
spot 08
-
spot 09
-
spot 10
-
常陸牛 きくすい
- 食肉卸業者の直営で新鮮な常陸牛を堪能できる
- 食肉卸会社が経営しているため、高品質かつ新鮮な「常陸牛(ひたちぎゅう)」を、リーズナブルに食すことができるのが「きくすい」。常陸牛ブランドの立ち上げにも貢献した老舗だ。いちばん人気はボリューム満点のサーロインステーキ。脂がしっかり乗った霜降り肉は、口のなかで溶けるようなやわらかさで、かむとうまみのある肉汁がジュワーっと広がる。ワサビ醤油でいただくと、ワサビの辛さと肉の甘みが絶妙にマッチ。ペロリと完食してしまうことまちがいなし。焼き肉では常陸牛のおいしさを部位ごとに楽しめるほか、すきやきやしゃぶしゃぶもあり、常陸牛を使ったさまざまな料理を堪能できるメニューとなっている。店内は広く、テーブル席のほか座敷もある。電車で行く場合、JR水戸駅からはバスやタクシーを利用しよう。
- スポットの詳細
-
常陸牛 きくすい
-
spot 11
-
spot 12
-
菓子工房 福
- 笠間産の栗を使ってフレンチシェフが作るシュークリーム
- 笠間市は栽培面積が県内1位の栗の名産地だ。笠間産の栗を使った食べ物やスイーツもたくさんあり、笠間観光の魅力のひとつとなっている。笠間稲荷神社にお参りした際に、ぜひ立ち寄ってほしいのが「菓子工房 福」。笠間で20年以上続くフレンチ「かるにえ」のシェフが考案した、見た目も楽しいボリューム満点のシュークリームを食べられる店だ。人気の「かさまシューくり」は、サクサクのシュー生地の中に渋皮のクリームとカスタードクリーム、栗がゴロゴロと入っており、笠間の栗のおいしさを余すことなく堪能できる。店内はカフェになっており、その場で食べることも、持ち帰ることもできるが、人気なので売り切れてしまうこともしばしば。予約しておくのがオススメだ。また、栗の収穫期である9-11月には、栗の渋皮煮が丸ごと入った「プレミアム」(518円)(持ち帰りの場合)も販売される。場所は、笠間稲荷神社からすぐ。
- スポットの詳細
-
菓子工房 福
-
spot 13
-
spot 14
-
spot 15
-
spot 16
-
spot 17
-
spot 18
-
笠間焼窯元共販センター
- いろいろなタイプの焼きものに出合える
- 国道355号から陶の小径に入ったちょうど入り口に位置する笠間焼窯元共販センター。取り扱う作家の数は150名近くと多く、店内には花瓶や大皿から茶碗まで、さまざまな笠間焼が所狭しと陳列されている。比較的安価なものも多く扱っているので、笠間焼でふだん使いの食器をそろえたい人には打ってつけの店だ。真冬の時期には店内にある大きな暖炉に薪をくべて暖をとる。暖炉から出た炭は焼きもののうわぐすりとして再利用されるというのも、窯元の販売所ならでは。隣接する建物には手ぬぐいを扱うショップ侘助と、栗ミルクといった笠間ならではのドリンクメニューのあるカフェ「虎の蔵」が入っている。焼きものを物色したあとは、カフェでほっとひと息入れるのも焼きもの散歩の醍醐味だ。
- スポットの詳細
-
笠間焼窯元共販センター
-
spot 19
-
回廊ギャラリー 門
- 庭に面した回廊を焼きものが彩る
- 国道355号からギャラリーロードを北上し、ちょうど芸術の森公園にさしかかった辺りの西側に面した箇所にあるのが、回廊ギャラリー門。焼きもの散策をするなら、ぜひ立ち寄ってほしい趣のあるギャラリーだ。大きい建物の中心には中庭があり、そこをぐるっと囲むように焼きものが陳列されている。焼きものを鑑賞しながら歩く回廊の雰囲気は格別で、特に天気の良い日は焼きものの色が日差しに美しく映え、なんともぜいたくな気分を味わえる。オーナーがお店の趣向にマッチしたものを取りそろえているというだけあり、どの焼きものも味わい深く、また、アート色の強い作品があるのも特徴だ。陶器の販売のほか、作品展も随時行っているので、注目の作家を知る良い機会にもなるだろう。
- スポットの詳細
-
回廊ギャラリー 門
-
spot 20
-
水戸天狗納豆 笹沼五郎商店
- 駅ビルにも店舗が入る老舗納豆店
- 水戸といえば誰もが思い浮かべるのが水戸納豆。納豆発祥の伝説は複数あるが、八幡太郎(源)義家が水戸市郊外の一盛長者の屋敷に泊まったときのエピソードが納豆の始まりといわれている。家来が馬の飼料として作っておいた煮豆の残りを藁に包んでおいたところ、発酵して糸を引いていた。これがおいしかったので義家に献上し、たいへん喜ばれたというものだ。将軍に納めた豆という意味で「納豆」と名づけられたという。納豆は藁に含まれる枯草菌(こそうきん)という菌によって発酵が進む。枯草菌は熱に強いので、煮沸した藁でも生き残り、大豆を包んで40度ほどの温度にすると発酵が進み納豆ができあがる。笹沼五郎商店は1889年(明治22)に笹沼清左衛門が創業し、「天狗納豆」という商標で納豆を売り出した。創業の年は水戸駅開業の年でもあり、駅前で販売されたことがきっかけとなり、地元だけでなく観光客にもその存在を知られることになった。現在は水戸駅ビルにも店舗があり、藁包みの納豆のほか納豆原料のお菓子までさまざまな商品を購入できる。
- スポットの詳細
-
水戸天狗納豆 笹沼五郎商店
人気スポット
旅のヒント
-
その1
水戸を公共交通機関を利用して観光する場合は、水戸駅発のバスを上手に活用しよう。「東照宮」、「弘道館」、「水戸城趾」は駅から徒歩でまわれる。
-
その2
「偕楽園」は敷地が広大で見どころも多いので、半日くらいかけるのが正解。「常磐神社」、「茨城県立歴史館」が隣接しているので、まとめて観光するといい。
-
その3
水戸エリアすべてのスポットを1日で巡るのは厳しいので、1泊2日が理想。「偕楽園」周辺と、「弘道館」周辺で行く日を分けると、時間に余裕をもって観光できる。
-
その4
笠間エリアは広いうえ道の起伏もあるので、徒歩での観光は現実的ではない。「かさま観光周遊バス」を利用するか、駅の観光案内でレンタサイクルを利用しよう。タクシーは常駐してないので要予約。
-
その5
「常陸国出雲大社」にJR福原駅から行く場合は、電車の本数が少ないので事前に時刻表を確認しよう。