春風萬里荘
魯山人がかつて暮らした民家と美しい庭園で美に触れる
アトリエが集う芸術村の中核として開設
貴重なコレクションの数々で知られる笠間日動美術館(かさまにちどうびじゅつかん)の分館にあたり、書道家、画家、陶芸家、美食家などさまざまな肩書をもつ美の巨匠、北大路魯山人が暮らした民家を見学できる。もとは笠間日動美術館の創設者、長谷川仁(はせがわじん)らが、笠間にアトリエを作りたいという作家たちの要望を受けて構想した「芸術の村」の中心施設として1965年(昭和40)に移築されたものだ。笠間観光のメインエリアからは少し離れた「芸術の村」には、現在は画家、彫刻家、陶芸家、染織家などのアトリエが点在しており、作家たちが制作に打ち込んでいる。豊かな自然に恵まれた環境のなかで、魯山人の美へのこだわりが随所に散りばめられた住居を、当時の様子に思いを馳せながら歩いてみよう。
枯山水の庭と茶室を併設する母屋
春風萬里荘の見学口となっている昔ながらのたたきの土間に入り、靴を脱いで広々とした客間に上がる。ここでは、日動美術館の所蔵品が空間に溶け込むように展示されている。建物北側には京都龍安寺を模して造られた枯山水の庭園があり、書院から眺めることができる。母屋に隣接した茶室「夢境庵(むきょうあん)」は、魯山人自らが千利休(せんのりきゅう)の孫が造った名茶室「又隠(ゆういん)」を手本として設計したもの。茶室を見学したあとは、魯山人の陶芸作品が並ぶ展示室へ。美食家として知られるだけあり、料理を盛るための器が目をひいた。土間の左手に位置する洋間は馬屋を魯山人が改造したもので、ケヤキの木目が見えるように敷き詰めた「木レンガ」や、手彫りの跡が残る木のベンチなど個性的な空間となっている。自作の陶器のトイレや風呂場も一見の価値あり。
季節によって顔が異なるバリアフリーの庭園
春風萬里荘の目前に広がる庭園は、2020年(令和2)に回遊式庭園に改修されており、池を中心にぐるりと一周できるようになっている。梅、桜、ツツジ、モミジなどが季節ごとに咲き乱れ、四季折々で美しい景色を見せてくれる。庭園の一角には長谷川仁・林子夫妻の銅像があるほか、1873年(明治6)の廃城令により取り壊された笠間城のシャチホコも置かれている。さらにぜいたくに過ごしたい人にぴったりなのが1日1組(7名まで)限定のお弁当ランチのサービスだ。庭園内を見渡せる位置にある「長屋門(ながやもん)」を貸切利用でき、笠間の名店の味を楽しむことができる(要予約)。春風萬里荘内にあるカフェ「春風庵(しゅんぷうあん)」では、抹茶を石庭に面した縁側で飲めるサービスが人気だ。春風萬里荘へのアクセスは常磐自動車道友部JCT経由、北関東自動車道友部ICから国道355号線経由で約5分。
スポット詳細
- 住所
- 茨城県笠間市下市毛1371-1 地図
- エリア
- 水戸・笠間エリア
- 電話番号
- 0296720958
- 時間
-
9:30-17:00(入場は16:30まで)
[冬季(12-2月)]10:00-16:00(入場は15:30まで) - 休業日
- 月(祝日の場合はその翌日)、年末年始
- 料金
-
【入館料】
[一般]1,000円
[65歳以上]800円
[大高生]700円
[中小生]200円 - 駐車場
-
あり(15台)
※近隣に専用大型バス駐車場あり(3台)、一般車可(20台) - クレジットカード
-
可(VISA、MasterCard、JCB、AMEX、銀聯、DISCOVER、Diners Club)
※ショップのみ(入場料利用不可) - 電子マネー/スマートフォン決済
- ※2024年2月より利用可(入場料)
- Wi-Fi
- あり(NTTギガラク)
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
- 平均予算
- 【昼】1-1,000円
- 滞在目安時間
- 30-60分
情報提供: ナビタイムジャパン
クチコミ
-
- 魯山人の美意識
- 陶芸家北大路魯山人がかつて住んでいた古民家を昭和40年に鎌倉から移築し笠間日動画廊の分館として公開されている。内部は大広間とそれに続く魯山人の作品を展示した部屋、馬屋を改造した洋間、風呂場と厠、そして本来は独立していた茶室「夢境庵」などなど。また茶室から眺められる竜安寺を模したという枯山水の石庭は見事なものだ。その他広い敷地には2つの池もありその1つには庭に配された石組の間から水が流れ落ちている...
-
- 団体旅行で行ってきた。
- 美の巨人「北大路魯山人」の旧居と茶室・庭を鎌倉から移築したとのこと。芸術家の思いにふけってきました。意外と質素な暮らしぶりだったようです。
-
- 趣向を感じてまったりと。
- 春風萬里荘は、 北大路魯山人の茅葺き民家を北鎌倉より移築した趣のある旧宅兼アトリエ。夢境庵茶会に参加した際、学芸員と思われる方から 、夢境庵について説明がありました。魯山人自ら設計した茶室「夢境庵」は...
TripAdvisorクチコミ評価
もっと見る