茨城

県北部

NORTHERN IBARAKI

海と山の豊かな自然が織りなす絶景に恵まれた地

東は太平洋に面し、内陸部は阿武隈高地や八溝山地の山々が連なる茨城県の北部地域で、豊かな自然がつくり出すダイナミックな景観がおもな見どころ。この地は律令制のもとで常陸国(ひたちのくに)となったが、久慈川流域の奥久慈の一部は、戦国時代まで陸奥国に属していた。平安時代後期に源氏一族の佐竹氏が台頭し領国を拡大。のちに戦国大名となって北条氏や伊達氏と争ったという。江戸時代に入ると徳川水戸藩領となり、第2代藩主・徳川光圀は晩年この地に隠棲し『大日本史』の編纂を行った。このエリアの代表的な見どころに、「日本三大瀑布」にも数えられる袋田の滝や、竜神川の峡谷に架かる竜神大吊橋、パワースポットとして名高い御岩神社がある。一帯には温泉が点在し、常陸秋そばやシャモ料理が名物となっている。また、太平洋沿岸には、岡倉天心が愛した風光明媚な五浦(いづら)海岸がある。海辺では冬のアンコウをはじめとする新鮮な魚介類を楽しみたい。

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エリアの見どころ

  • spot 01
    袋田の滝
    日本三名瀑に数えられる荘厳な滝
    日光「華厳の滝」(栃木県)、熊野「那智の滝」(和歌山県)と並び日本三名瀑とされている「袋田の滝」。四季により表情が異なり、特に紅葉のシーズンと真冬に滝が凍りつく「氷瀑」の景色が人気だ。周辺の山々の登山を兼ねて訪れるのもいい。
    第2観瀑台からは滝の全体像を見ることができる
  • spot 02
    玉屋旅館
    奥久慈の豊かな自然がはぐくんだうまみたっぷりのシャモ
    大子町を訪れたら味わいたいのが、闘鶏用のニワトリであるシャモを使った名物料理。清らかな水と空気に恵まれたこの地でじっくりと育てられたシャモは、その味の良さから「地鶏の最高傑作」と評される。そんなシャモ料理の元祖とされるのが、JR水郡線常陸大子駅からすぐの玉屋旅館だ。この店の「しゃも弁当」は、1985年(昭和60)のつくば万博に際し、「地元産のシャモを持ち帰ってほしい」という思いから考案されたもので、ランチタイムに店内で食べることも可能。シャモは下処理を怠ると臭みが出るため、焼いてから醤油ベースの秘伝のタレで煮るという、手間暇のかかる方法で調理されている。脂肪が少なくしっかりとした歯ごたえで、かめばかむほどうまみが出てくる。手作りのゴボウの煮物や、シャモの卵を使った濃厚な炒り玉子もうれしい。ほか、シャモの生卵が載った「しゃも親子丼」や、素材のうまみを楽しめる「しゃも鍋」3500円(2人前から)なども味わえる。
    店でいちばん人気の「しゃも弁当」(味噌汁付)1280円
  • spot 03
    月待の滝
    優美な滝を眺めつつ奥久慈の水を使った名物を味わう
    大生瀬(おおなませ)川がつくり出す月待の滝は、水に濡れることなく裏からもその姿を眺められる「裏見の滝」として知られる。清らかな流れと周囲の自然に癒やされつつ、名水を使ったコーヒーやそばを楽しみたい。
    豊かな自然のなか、風情ある滝が流れ落ちる
  • spot 04
    旧上岡小学校
    映画やドラマのロケ地としても利用される、旧上岡小学校
    旧上岡小学校は大子町に存在する県内最古の校舎。昔の面影を残し、ノスタルジックな雰囲気を楽しめる。ドラマや映画のロケ地としても多く利用されている。
    校舎は季節によってその顔を変える
  • spot 05
    竜神大吊橋
    「茨城百景」のひとつ、竜神峡に架かる吊り橋
    奥久慈県立自然公園のなかにある竜神ダムの上に架けられた全長375mの観光用の吊り橋。地上高100mの橋上からの眺めは絶景で、毎年多くの観光客が訪れる一大観光スポットとなっている。
    色づいた木と大迫力の橋は絵になる
  • spot 06
    花貫渓谷
    花貫川の流域に広がる手つかずの自然の宝庫
    花貫川の流れと周囲の森が織りなす景観の美しさで知られる花貫渓谷。滝や淵、吊り橋などの各スポットを巡ってみよう。豊かな自然のなかで新鮮な空気を胸いっぱいに吸い込めば、身も心も爽快感に満たされる。
    花貫渓谷の観光の中心、汐見滝吊り橋
  • spot 07
    五浦海岸
    明治の美術家・思想家である岡倉天心が愛した地
    福島県との県境に位置する北茨城市にある、5つの入江からなる海岸。明治時代の美術家で、思想家でもあった岡倉天心がこよなく愛し、晩年を過ごした地でもある。
    五浦海岸には天心の邸宅「六角堂」をはじめ、さまざまな名所が存在する
  • spot 08
    北茨城市歴史民俗資料館/野口雨情記念館
    北茨城市の歴史と野口雨情の一生を展示する資料館
    北茨城市歴史民俗資料館/野口雨情記念館は北茨城市の歴史と有名な童謡を多数残した野口雨情を知ることのできる資料館である。
    野口雨情の銅像の前を通るとシャボン玉のメロディーが流れる
  • spot 09
    野口雨情生家・資料館
    野口雨情がどのように作詞し、生きたのかがわかる資料館
    日本童謡界の三大詩人の一人・野口雨情の生家兼資料館。『シャボン玉』や『七つの子』といった名作を残した彼の生きざまとは。
    野口雨情の実孫が運営する資料館
  • spot 10
    御岩神社
    国内有数のパワースポットとして知られる深山の霊場
    多くの神様に参拝でき、絶大なご利益があるとされる御岩神社。巨木の森に延びる苔むした参道を歩き、点在する社殿にお参りすれば、この地がもつ神秘的なエネルギーを感じられるはず。
    うっそうとした森のなかの参道を行くと現れる御岩神社拝殿
  • spot 11
    日立シビックセンター科学館
    子どもから大人まで楽しみながら科学を学べる
    電機メーカー・日立製作所創業の地として知られる日立市。この「科学技術のまち」に、科学を身近に感じ、楽しみながら学ぶ場としてリニューアルオープンしたのが、日立シビックセンター科学館サクリエだ。
    6つの関節を持ち複雑な動作ができる「ロボット画伯アートン」
  • spot 12
    道の駅 日立おさかなセンター
    新鮮な地魚を食べられる道の駅
    道の駅 日立おさかなセンターは久慈漁港近くの道の駅。常陸沖の底引き網で獲れた新鮮な魚介類を楽しむことができ、心もお腹もいっぱいになる
    港の近くだからこそ味わえる料理がたくさん
  • spot 13
    みなと町横丁商店街
    うまい海鮮丼と浜焼きを楽しめる道の駅
    日立港のすぐそばにある、「道の駅 日立おさかなセンター」では、水揚げされた鮮魚を購入したり、鮮魚を使ったグルメを堪能できる。なかでも施設内の「あかつ水産」で楽しめる「味勝手丼(みがってどん)」と「海鮮浜焼き」が注目を浴びている。「味勝手丼」とは、陳列棚にずらりと並ぶパックの刺身から好きなものを選び、レジで注文できる別売りのライスに自分で盛り付けるもの。マグロやエビ、イクラなど定番の食材から、珍しい地魚もたくさんそろっており、獲れたてを窯でていねいに茹で上げた「釜揚げしらす」が名物。自分好みの味に仕上げられるのはもちろんのこと、予算やお腹の空き具合にあわせてネタを選べるのが魅力だ。「海鮮浜焼き」では、購入した海産物をその場で焼いて食べることができる。軍手やはさみ、調味料はそろっており、アルコールなどの飲み物の注文も可能。ハマグリ、エビ、サザエ、ほたてなどの定番食材に加え、あかつ水産おすすめの一品であるメヒカリもぜひ堪能したい。
    みなと町横丁商店街の名物「味勝手丼」(時価)
  • spot 14
    八溝山
    茨城県最高峰の山、八溝山
    茨城県最高峰の1022mを誇り、福島、栃木との県境に位置する山。八溝嶺神社、日輪(にちりん)寺があり、古くから霊山としても親しまれる。山頂からの眺めが美しく、ハイキングコースとしても人気だ。
    シンボルの展望台は城を模している
  • spot 15
    道の駅 奥久慈だいご
    旅の疲れを温泉で癒やせる道の駅
    温泉にも入ることのできる道の駅。地元のお土産や朝採れの新鮮な果物や野菜などを購入することもでき、レストランでは大子の味覚を味わうことができる。
    大子町の魅力を味わえる道の駅奥久慈だいご
  • spot 16
    二ツ島
    磯原海岸を楽しみながら眺めることのできる名物
    海の中にたたずむ岩島。それが磯原海岸の名物「二ツ島」である。二ツ島の名前の由来はかつての二ツ島の姿にある。昔は二ツ島は北の島と南の島、大小2つの島があったのだ。しかし、東日本大震災の影響で、南の島がなくなってしまった。そのため、今は北の島しか見ることができないし、その姿もかつての3分の2になってしまった。しかし、それでも15m以上ある島は海岸から見てもかなりの迫力があり、「茨城百景」にも認定されている。島に波があたり、砕ける光景を見るのはなかなかおもしろい。夏には人で賑わう磯原海岸。魅力は海だけではない。磯原海岸の近くにはサイクリングロードがあり、晴れた日にはサイクリングを楽しむのもまたよい。また、二ツ島の近くには宿泊施設やグランピングなどが楽しめる場所もあるので、二ツ島と磯原海岸を十分に満喫することができる。夜間にはライトアップされた二ツ島も楽しめる。磯原海岸方面に行った際にはぜひ一度見てほしいスポットが二ツ島だ。
    浜辺から眺めることのできる二ツ島は絶景だ
  • spot 17
    五浦岬公園
    六角堂と断崖絶壁を見られるベストビュースポット
    五浦(いづら)岬公園は五浦海岸と岡倉天心の愛した六角堂を一望できる、北茨城でも人気の見どころ。映画『天心』のロケセットや、地上11mから太平洋を見ることのできる展望台がある。
    園内から岡倉天心の愛した六角堂と五浦海岸を同時に眺めることができる
  • spot 18
    六角堂(茨城大学五浦美術文化研究所内)
    岡倉天心が愛し、思索に耽った場所
    北茨城市大津町にある、太平洋の荒波に浸食されできた大小5つの入江が連なり、高さ50mの断崖絶壁が続く五浦海岸(いづらかいがん)にある「六角堂」。太平洋に臨む岸壁の上に立っている朱塗りの建物で、六角形の形が特徴的だ。この六角堂を建てたのは、明治・大正の美術運動の指導者で、日本近代美術の歴史を創ってきた岡倉天心。天心は五浦を訪れた際、この地をいたく気に入り、自身が設立した日本美術院の拠点を五浦に移した。冬はボストンで、夏は五浦で活動し、国際的に活躍していた天心は、この六角堂を「瀾(大波)を観る亭(あずまや)」という意味の「観瀾亭(かんらんてい)」と名付け、ここから雄大な自然を望みながら、思索に耽っていたとされる。残念なことに、2011年(平成23)の東日本大震災の津波により、台座以外は流されてしまったため、現在の六角堂は2012年(平成24)に再建されたもの。車で2分ほどのところにある五浦岬公園からは、六角堂と海岸の風景を俯瞰的に眺められる。
    天心はこの地から太平洋の海を眺めていた
  • spot 19
    茨城県天心記念五浦美術館
    海を一望できる美しい風景の中にたたずむ美術館
    近代日本美術の発展に大きく貢献した岡倉天心をはじめ、横山大観、菱田春草など五浦の作家たちの作品を鑑賞できる美術館。近現代の日本画を紹介する企画展も随時開催されている。
    建築設計は内藤廣が手がけている
  • spot 20
    Sea Birds Cafe
    青空と海を見渡せる絶景カフェ
    空と海を見渡せる全面ガラス張りが美しい絶景カフェ。日立市出身の世界的建築家、妹島和世さんがデザインを監修しており、リゾートに来たかのような非日常の雰囲気で食事やお茶を楽しめる。開店から閉店まで注文できるグランドメニューの人気は「オリジナルパンケーキ」(1080円)。ふわふわ食感のパンケーキにスクランブルエッグ、ベーコン、ソーセージ、サラダが盛られ、かなり食べごたえがあるプレートだ。11:30-14:00はランチタイムとなっており、タコライス(1100円)やロコモコ(1130円)などのメインに加え、スープ、コーヒー、紅茶が飲み放題。本日のケーキ(680円)やワッフルディライト(1080円)などのデザートメニューに、アサイーバナナスムージー(680円)や海色クリームソーダ(680円)などのドリンクも充実し、カフェ利用にもぴったりだ。日中は青い空と海を眺められるが、夜はまたひと味違った雰囲気に。JR日立駅直結なので、雨天でも濡れることなく店舗に行けるのもうれしい。
    ボリューム満点の「オリジナルパンケーキ」(980円)はブランチ利用にもおすすめ
  • spot 21
    日立市かみね公園
    県内最大級の規模を誇る総合公園
    遊園地、動物園、レジャーランドからなる巨大な公園。市民プールやホリゾンかみね温泉などもあり、週末のお出かけに最適な日立市民の憩いの場となっている。
    かみね公園の入り口。ポップな色の観覧車が目をひく
  • spot 22
    そば園佐竹
    茨城名物「常陸秋そば」を楽しめるこだわりの蕎麦屋
    日立笠間線沿いの昔ながらの家屋で営業する蕎麦屋。広い店内はテーブル席と座敷席に分かれており、席に着くと、お通しとして自家製の漬物が提供される。看板メニューの蕎麦には、茨城で誕生した品種「常陸秋そば」を使用しており、その日に使う分のみを店舗で挽くという、そば殻ごと粉にした自家製粉を使っているのが特徴。一般的な二八蕎麦ではなく、つなぎを少し多くした三七蕎麦で、蕎麦と小麦の風味が豊かに感じられる。蕎麦との相性のよい「旬野菜の天ぷら」も名物で、天ぷらに使う野菜は敷地内の畑で有機自家栽培したもの、山菜は所有の野山で採れたものだけを使用するというこだわりっぷり。揚げたての7品の天ぷらとざるそばをセットで楽しめる旬菜天ざる(1300円)で、店のこだわりを存分に堪能したい。また、2022年(令和4)には、店舗の隣に「soba cafe SATAKE」がオープン。常陸秋そばを使ったスコーンやプリンなどのスイーツや、こちらの店舗でしか注文できない蕎麦メニューを楽しむことができる。
    昔ながらの家屋が懐かしい
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旅のヒント

  1. その1

    列車の場合、沿岸部ではJR常磐線、内陸部ではJR水郡線を利用することになる。JR水郡線は水戸から出発し、上菅谷で常陸大子方面と常陸太田方面に分岐するので行き先に注意。

  2. その2

    駅から離れたスポットには、バスまたはタクシーで向かうことになる。バスは運行本数が少ないので、時刻をしっかり調べておこう。

  3. その3

    花貫渓谷は紅葉の季節に混雑するため、一部の道路が通行止めになる。この季節には土・日曜限定で高萩駅からシャトルバスが運行されるので、茨城交通の公式サイトで運行日を確認しておくとよい。

  4. その4

    車で移動する場合、沿岸部では常磐自動車道を利用できるが、内陸部には高速道路がないので、時間に余裕をもって行動したい。

  5. その5

    大子町など内陸部の盆地は冬の寒さが厳しい。暖かい服装を心がけるようにし、路面の凍結にも注意しよう。

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