別府
BEPPU
湯けむり立ち上る日本を代表する温泉地。多彩な泉質の湯を楽しめる
別府温泉は日本を代表する温泉地のひとつ。別府市内に8つの温泉郷があるため、「別府八湯(はっとう)」と呼ばれている。一般的に温泉は、含まれている成分や温度などから10種類の泉質に分類されるが、別府ではそのうち7種類が湧いているという。その湧出量はアメリカのイエローストーンに次いで世界第2位を誇り、散策中に地面から温かさを感じるほどだ。海から山へ向かう途中のなだらかな丘陵地に温泉街があり、あちこちから湯けむりが立ち上る。別府観光の目玉は、市内に点在する温泉名所を巡る「別府地獄めぐり」。また、食材をざるにのせ、約98℃の温泉の蒸気で豪快に蒸し上げる「地獄蒸し」もぜひ味わいたい。温泉旅館やホテルなど、いで湯を楽しめる宿泊施設には事欠かない。日帰り湯も多く、レトロな建築の竹瓦温泉や鉄輪温泉の鉄輪むし湯のほか、海沿いの別府海浜砂湯もおすすめだ。
エリアの見どころ
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竹瓦温泉
- 歴史ある建物も魅力。砂湯も楽しめる別府を代表する共同温泉
- どっしりと趣のある建物はまるで老舗旅館か何かのようだが、なんと市営の共同温泉。創設は1879年(明治12)、100年以上もの歴史をもつ名湯である。正面の唐破風の屋根がひときわ目をひく現在の建物は1938年(昭和13)に建てられたもので、天井の高いロビーはくつろぎやすい空間となっている。このように由緒正しい名湯でありながら、入浴料(普通浴)は大人300円と驚くほどリーズナブル。いつも観光客で賑わっているのもうなずける。ちなみに浴場にはシャワーがなく、浴槽から直接湯を汲み、体を洗う。せっかく来たなら、ぜひ体験したいのが砂湯(1500円)だ。浴衣のまま、温泉の熱で温められた砂に横たわり、蒸されること15分。全身から汗が吹き出し、体に溜まった老廃物もすっきり取り除かれたような爽快感だ。風呂上がりにゆったり過ごせる休憩室があるのもうれしい。
- スポットの詳細
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竹瓦温泉
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ひょうたん温泉
- 純度100%の源泉かけ流し! 美肌効果抜群の湯を堪能
- 鉄輪(かんなわ)温泉エリアの入り口にある、100年の歴史を誇る老舗の日帰り温泉「ひょうたん温泉」。魅力はなんといっても、純度100%の源泉かけ流し湯だ。100℃と高温の源泉は独自技術「湯雨竹(ゆめたけ)」を使って冷却する。「湯雨竹」は竹製の冷却装置。源泉を竹枝に伝わせて流すと、水滴状になった源泉が外気に触れ瞬時に熱を放出する。加水や自然冷却をいっさい行うことなくちょうどいい温度に調整されるので、沸きたて&新鮮な湯を堪能できる。檜風呂や岩風呂、露天風呂といったゆったりできる湯船のほか、瀧湯やむし湯、専用の浴衣を着て入る砂湯など、バリエーション豊かなさまざまな湯を楽しめる。大浴場の名前の由来になった「ひょうたん型」の湯船は、創業者の尊敬する豊臣秀吉公の旗印「千成ひょうたん」を表しているという。露天風呂6、内湯8の計14の個性的な貸し切り家族風呂もあり、車いすOKのバリアフリーの湯も完備。家族で気兼ねなく、ゆったりと温泉を満喫できるのがうれしい。天然の保湿成分メタケイ酸を豊富に含む湯は、保湿効果抜群。美肌の湯としても親しまれている。
- スポットの詳細
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ひょうたん温泉
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血の池地獄
- 真っ赤な熱泥が煮えたぎる、日本最古の天然地獄
- その名のごとく、血に染まったかのような赤い熱泥が煮えたぎる地獄。日本でいちばん古い天然の地獄であり、奈良時代の『豊後国風土記(ぶんごのくにふどき)』にも「赤湯泉(あかゆせん)」として記されている。一面に広がる鮮血のような「赤」の正体は、地下の高温・高圧下による化学変化で生じた酸化鉄や酸化マグネシウム。園内には無料で楽しめる足湯があり、入浴ついでに10円玉を磨いてみると、化学反応でピカピカになる。まさに温泉効果を実感できるだろう。血の池地獄のお土産としておすすめしたいのは、地獄の粘土で作られた皮膚病薬「血の池軟膏」だ。殺菌効果が高く湿疹やかゆみなどの皮膚トラブルに効果的で、リピーターも多いという。また、映える写真を撮りたい人は、血の池軟膏売り場左の階段を登ると地獄全体を一望できるスポットがある。国の名勝に指定された絶景を楽しもう。
- スポットの詳細
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血の池地獄
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海地獄
- 国指定名勝、艶やかなコバルトブルーが美しい神秘の地獄
- 約1200年前、鶴見岳噴火とともにできた地獄。深海のようなコバルトブルーのため涼しげに感じられるが、泉温は98℃。近づけば、モワッとした熱気に包まれる。泉質は酸性、温泉成分に含まれる多量の硫酸鉄が青色の理由だ。7か所ある別府の地獄のなかで最も広く、海地獄とは対照的な真っ赤な色の鳥居が目をひく白龍稲荷大神や温泉を活用した足湯や温室、さらには別府地獄の歴史や温泉トリビアを学べるギャラリー、そのほかカフェテリアや土産店も併設している。なかでもおすすめしたいのは、源泉100%かけ流しの足湯。屋根付きで雨の日でも安心だ。ゆったりとした広さがあり、手すりも完備されているため、車いすでも利用できる。さらに時間に余裕があれば、併設された温室ものぞいてみよう。夏のオオオニバスやスイレンをはじめ、四季折々の熱帯性の植物を観賞できる。
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海地獄
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龍巻地獄
- 迫力満点! 轟音とともに吹き上がる噴気と熱湯の地獄
- 海地獄や白池地獄、血の池地獄とともに「別府の地獄」として国の名勝に指定されるほか、別府市の天然記念物にも指定されている間欠泉、龍巻地獄。間欠泉とは、地中の圧力などの影響により一定の周期で熱湯が噴出する温泉のことだ。龍巻地獄の地下熱水はおよそ150℃の含食塩酸性泉で、ゴーッという音とともに吹き上がる噴気と熱水の温度は105℃ほど。噴出の瞬間には迫力ある熱の力を感じるだろう。1回の噴出時間は6-10分ほどで、噴出量は800㎘にも及び、屋根がなければ地上30mほどにも達するそうだ。噴出の間隔は一定なので、タイミングを確認してから入場したい。噴出の待ち時間におすすめしたいのが、龍巻農園で収穫した果物の生搾りジュースや大分産牛乳を使用したジェラート。大分産のフレッシュな味わいを楽しもう。
- スポットの詳細
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龍巻地獄
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白池地獄
- 青みがかった乳白色の熱湯池と熱帯魚館が見どころ
- 数ある地獄のなかで、最も落ち着いた雰囲気をもつ和風庭園。うっすらと青みを帯びた池の泉質はホウ酸食塩泉で泉温は95℃。噴出時には無色透明の湯が、池に落ちると温度変化や圧力により、ほんのり白みがかったグリーンへと変化する。季節や条件により、濃緑や青白、やや透明がかるなど美しい色あいを見せてくれる。池の周りには、県指定重要文化財の向原石幢(むかいがはらせきとう)、国東塔(くにさきとう)があり、郷土美術を展示する「二豊南画堂」では江戸時代中期以降の地元作家の絵画を楽しめる。また、温泉熱を利用した「熱帯魚館」も併設、成長すれば4mにもなるアマゾンの大王魚ピラルクや人食魚ピラニアをはじめ、アロワナなどの淡水魚約16種類が飼育展示され、もうひとつの見どころとして人気を集めている。
- スポットの詳細
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白池地獄
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鬼山地獄
- 温泉熱に潜む約80頭のワニを観察できる
- 別名「ワニ地獄」と呼ばれるこの地獄では、温泉熱を利用し、アリゲーターやクロコダイル、ナイルワニからボルネオ島の巨大ワニまで、さまざまな世界のワニ約80匹を飼育している。その歴史は古く、1922年(大正11)に日本で初めての養鰐場として誕生した。湯けむりに包まれながら、ゆったりと暮らすワニたちの姿を間近で見ることができる。特に人気なのが、毎週水曜10:00、土・日曜10:00、15:00から中央の大きな水槽で行われるワニの餌付けタイム(2022年1月現在コロナ禍につき不定期で開催)。ふだんはおとなしいワニたちもエサの時間が近づいてくるとソワソワ。エサを奪い合い、ジャンプしながら食べる姿は迫力満点だ。なかなか見ることのできない光景なので、時間に合わせて出かけよう。
- スポットの詳細
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鬼山地獄
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鬼石坊主地獄
- 不気味に湧き上がる熱泥が、まるで坊主頭のよう!
- ボコボコと音を立てながら半球状に湧き上がる灰色の熱泥が、まるで「坊主頭」のようだと名づけられた地獄。「坊主頭」の湧き上がる池は全部で4か所。733年(天平5)に編まれた『豊後風土記』に記されるほど歴史は古く、明治時代には「新坊主地獄」として人気の観光名所だった。1950年代にいったん閉鎖したが、時を経て2002年(平成14)に「鬼石坊主地獄」としてリニューアルオープンした。敷地内には温泉の湯を利用した無料の足湯があり、手軽に利用できるので、散策で疲れた足を癒やそう。じっくりお湯に浸かりたい人は「鬼石の湯(別途有料)」へ。地獄の敷地内にある入浴施設で、男女別の風呂に加え、車いすで利用可能な家族風呂も5室ある。各種アメニティを完備、タオルも販売されているので、手ぶらで気軽に利用できるのも魅力だ。
- スポットの詳細
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鬼石坊主地獄
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かまど地獄
- さまざまな池を一度に楽しめる地獄
- 古来より地元の氏神様である「竈門八幡宮」(かまど地獄から車で8分ほど)の大祭に、この地獄の噴気で御供飯を炊いていたことから「かまど」の名前がついたといわれている。敷地内には1丁目から6丁目まで大小6つの地獄がある。1丁目は茶褐色の熱泥地獄、3丁目はコバルトブルーの美しい色のかまど地獄、5丁目は年に数度、突然色を変えるかまど地獄など、それぞれに大きさや色、温度が異なる。1か所でさまざまな地獄を楽しめるうえ、無料で屋根付きの源泉かけ流しの足湯や飲む温泉、手足の蒸し湯などを体験できるコーナーもある。売店には、かまど地獄名物の温泉ピータン「地獄蒸したまご」やオリジナルの「醤油ぷりん」「抹茶ぷりん」「抹茶石垣まんじゅう」などが並び、グルメを楽しみに訪れる人も多い。
- スポットの詳細
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かまど地獄
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ザ アクアガーデン
- 別府市街地を一望! 水着で楽しめる屋外型温泉施設
- 別府温泉 杉乃井ホテル別館の日帰りエリアにある、屋外型温泉施設。温泉内は水着着用のため、家族やカップルも一緒に楽しむことができる。一見するとプールだが、すべて別府の温泉が使われているというから驚きだ。高台にあるため景色もすばらしく、晴れた日には別府湾や四国最西端の佐田岬も見ることができる。加えて、充実した温泉エンターテインメントも魅力。温泉泥を全身に塗って肌をケアする「ファンゴセラピー」(別途料金)や塩分濃度が高いために自然と水面に身体が浮かぶ「フロートヒーリングバス」、水で消えるクレヨンで自由に落書きできる「お絵かきコーナー」など、子どもから大人まで楽しめるレジャーが満載だ。夜にはヴェルサイユ宮殿の噴水ショーを手がけたデザイナー、ミシェル・アマン氏が演出を担当する幻想的な「噴水ショー」も開催される。来場者は絶景露天風呂「棚湯」を利用できるのもうれしい。
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ザ アクアガーデン
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アクアビート
- スリル満点のアトラクションも。南国気分も味わえる屋内プール
- 南国風の屋内ビーチがある「アクアビート」は、「別府温泉 杉乃井ホテル」の夏季限定・屋内レジャープールだ。杉乃井ホテルの宿泊者は無料、日帰り客は有料で利用できる。プール内には、波の出るメインプール「アクアビーチ」や、ジャングルの洞窟を探検している気分を味わえる「ミステリードーク」、子どもも遊べる「キッズプール」など魅力的な施設がある。なかでも人気なのは長さや形状の異なる4種類の「ウォータースライダー」だ。スライダーは混雑することもあるので、着いたら早めに行っておきたい。これらの施設は屋内にあるので、天候や日焼けの心配もなく過ごせるのもうれしいポイント。また、屋外エリアではジャングルジム付きのプール「ウォータージャングルジム」があり、滑り台も楽しめる。ジム上部のバケツからどっと放流される水は大迫力! 子どもから大人まで思う存分楽しめる。
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アクアビート
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別府市竹細工伝統産業会館
- 別府竹細工の歴史や技術を学べる施設
- 別府竹細工は大分県内のマダケを材料として作られる竹製品。技巧が尽くされており、芸術品としても評価が高い。別府市竹細工伝統産業会館ではそんな別府竹細工の魅力をたっぷり学ぶことができる。
- スポットの詳細
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別府市竹細工伝統産業会館
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サンリオキャラクターパーク ハーモニーランド
- サンリオキャラクターに会える屋外型テーマパーク
- 大分県日出町(ひじまち)にあるハーモニーランドは、1991年(平成3)4月に開設されたサンリオの屋外型テーマパーク。子どもから大人まで、時間を忘れて楽しめるメルヘンの国だ。
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サンリオキャラクターパーク ハーモニーランド
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甘味茶屋
- 大分の郷土料理を味わえる甘味茶屋
- 「甘味茶屋」は有名人も訪れる別府の人気喫茶店。大分の郷土料理「だんご汁」「やせうま」「とり天」はもちろん、つきたてのお餅やおぜんざい、手作りの和菓子など、甘味も食べられる。これらは大分県の喫茶店ならどこでも見かける定番メニューだが、店のたたずまいや雰囲気と合わせて、この甘味茶屋で食べるのがおすすめだ。なかでも「とり天」は店の人気メニュー。大分県民は鶏肉を多く食べることで知られているが、特に鶏肉を天ぷら粉で揚げた「とり天」は広く親しまれている。唐揚げよりさっぱりしていて、練りからしを添えた酢醤油やぽん酢を付けて食べる。大分県では唐揚げと同じくらい日常的で、県内のどの飲食店でも食べられる一品だ。各店舗がそれぞれにこだわりの「とり天」を提供しているが、サクサクの軽い衣とうまみのたっぷり詰まった甘味茶屋のとり天は、一度食べたら毎日でも食べたくなるおいしさ。大分の味を知りたいなら、ぜひ一度甘味茶屋のとり天をご賞味あれ。
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甘味茶屋
人気スポット
旅のヒント
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その1
別府の温泉や観光名所はそれぞれ距離が離れていて、広範囲に点在している。特に「地獄めぐり」はテーマパークのように1か所に集中しているわけではないため、バスまたは車利用がおすすめ。徒歩でまわるのはおすすめできない。
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その2
別府市竹細工伝統産業会館は、別府駅からバスで20分。車なら別府駅西口から約10分。
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その3
鉄輪温泉は別府ICから車で約5分。別府駅西口からはタクシーで約20分、バスで約30分。別府市中心部から徒歩でのアクセスは厳しい。