鉄輪温泉
別府温泉のなかでもひときわ賑わう鉄輪温泉街
鉄輪温泉は「別府地獄めぐり」の中心地
鉄輪温泉は、日本1位の湧出量を誇る温泉地・別府のなかでも最も多く湯けむりが集中している場所である。前面に別府湾と大分市街、うしろに扇山と鶴見岳を望む風光明媚な場所にあり、勢いよく湯けむりの立ち上がる様子は別府を象徴する温泉場といえる。鉄輪温泉の特徴はしっとりやわらかな湯で、昔から湯治が盛ん。鉄輪温泉の歴史は古く、鎌倉時代中期の僧侶で時宗の開祖でもある一遍上人(いっぺんしょうにん)が念仏行脚の途中、鉄輪の地で猛り狂う地獄地帯を鎮め、湯治場を開いたのが始まりとされる。一遍上人が開いたと言い伝えられる蒸し湯跡も残っている。また鉄輪温泉では、毎年9月には温泉山永福寺にある上人像を温泉で洗い清める「湯あみ法要」が行われている。
食材を温泉の蒸気で蒸す「地獄蒸し」
鉄輪温泉街では、食材を温泉の蒸気で蒸す「地獄蒸し」という名物グルメがある。ミネラル豊富で約100℃の鉄輪温泉源泉を活用したもので、江戸時代から続く調理法。 野菜・肉・魚などの食材をざるに載せ、あとは高温の蒸気が噴き出す「地獄蒸し釜」の中に入れる。しばらく待てば、ほど良い塩味の利いた絶品蒸し料理が完成。塩分を含む温泉蒸気で一気に蒸すため、食材本来のうまみがぎゅっと閉じ込められる。作って楽しい、食べておいしい「地獄蒸し」は、鉄輪温泉街の各体験施設や旅館で楽しめる。できあがるまでの待ち時間は、大人も思わずはしゃいでしまうほどワクワクするはずだ。
ここでしか味わえない足蒸し・蒸し湯
いたるところから湯けむりがもくもくと立ち上る鉄輪温泉では足蒸しや蒸し湯も楽しめる。足蒸しとは、温泉の蒸気で満たされた箱の中に足を入れて蒸す入浴法のこと。椅子に腰掛け、膝から下をじっくりと温める。蒸し湯は温泉の蒸気で温められた石菖(せきしょう)という薬草の上に横たわり、身体全体を蒸す入浴法。湿度が高く、一般的なサウナより入りやすいのが魅力。ゆっくり深呼吸をすると、身体の中にも石菖の蒸気が入り、内側からリフレッシュできる。鉄輪温泉を訪れたら、高温の沸騰泉で行う天然サウナの足蒸しと蒸し湯でデトックスを体験しよう。
新しい形の湯治「蒸し通りずむ(むしつーりずむ)」
鉄輪温泉では食と温泉と鉄輪時間のプログラム「蒸し通りずむ」を毎年6月に開催している。旅館のおかみやまち歩きガイドら有志でつくる、まちづくりグループ「鉄輪ツーリズム」が主催。鉄輪温泉は古くから湯治の文化が根付いているが、「蒸し通りずむ」を通して現代の旅行客が手軽に楽しめる「モダンな湯治」を提案。地獄蒸し料理や機能浴体験、湯けむり散歩など、毎年さまざまな「蒸し」をテーマにしたプログラムが用意されており、約1か月間「蒸し」の体験ができる。是非一度、この期間だけの特別な「蒸し」体験を体験して。
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情報提供: ナビタイムジャパン