大分
由布院・九重
YUFUIN / KUJU
湧出量、源泉数ともに全国2位を誇る温泉地。数々の絶景スポットも
大分県のほぼ中央に位置し、山々に囲まれた豊かな自然と、独自の景観と雰囲気をもつ穏やかな街並みの由布市。温泉で知られ、その大部分が国民保養温泉地「由布院温泉郷」に指定されている。この地域は夏に熱帯夜が観測されたことがないため避暑地として人気で、「東の軽井沢、西の湯布院」と称される。ランドマークの金鱗湖は湖水に温泉水が混じった湖で、1日の最高気温と最低気温の差が大きい秋から冬にかけての早朝には、湖面からの湯気と放射冷却によって発生した朝霧とが重なり、一面が真っ白な世界に包まれる幻想的な姿を見せることがある。また、標高約1584mの由布岳は、ミヤマキリシマ(ツツジの一種)の花が5月末から6月中旬にかけて山肌をピンクに染め、11月頃には霧氷が見られる。観光地でありながら街中に自然があふれ、温泉以外にもグルメやアート、ショッピングが楽しめるなど魅力いっぱいのエリアだ。
エリアの見どころ
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金鱗湖
- 朝霧に包まれた幻想的な光景を堪能できる湖
- JR久大(きゅうだい)本線由布院駅から、土産物屋や食事処が立ち並ぶ賑やかな湯の坪街道をゆっくり歩いて約30分。辺りが急に静かになり、緑多い住宅地となる場所に、由布院を代表するスポットのひとつ、金鱗湖がある。1884年(明治17)に儒学者の毛利空桑(もうりくうそう)が、湖で泳ぐ魚の鱗が夕日に照らされて光るのを見て「金鱗湖」と名づけたといわれている。湖底から温泉と清水が湧き出る珍しい湖だ。温泉の影響で湖水の温度が高いため、秋から冬にかけての朝方や夕方には、温度差の影響で水面から霧が立ち上る幻想的な光景が見られ、由布院の代表的な景観となっている。湖畔の遊歩道は一周約400mほど。のんびりと散策しながら、さまざまな淡水魚や水鳥たちを見て癒やされよう。
- スポットの詳細
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金鱗湖
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湯の坪街道
- そぞろ歩きをしながら由布院名物を存分に満喫できる
- JR由布院駅を出て由布岳方面へまっすぐ10分ほど歩けば、由布院のメインストリート、湯の坪街道が見えてくる。通り沿いには大分や由布院の特産品を取り扱う土産物店や、飲食店、観光地らしいキャラクターショップなどが70店ほど立ち並び、賑やかな雰囲気だ。この通りでチェックしておきたいのが、名物グルメの「金賞コロッケ」。男爵芋と和牛ミンチを使ったシンプルなメニューだが、クリームコロッケのような食感が人気だ。由布院の景色を眺めながら食べることができるのはうれしい。散策に疲れたら温泉に入ろう。湯の坪街道を少し横道に入った川沿いに、ひっそりとしたたたずまいの共同浴場「ゆのつぼ温泉」がある。建物こそ1995年(平成7)に建て替えられたものの、江戸時代から続く歴史ある温泉だ。泉質はやわらかな単純温泉で、温度は少しぬるめなので、散歩途中の休憩にもおすすめだ。入湯料は200円。無人なので賽銭箱にお金を入れよう。
- スポットの詳細
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湯の坪街道
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由布院ステンドグラス美術館
- ステンドグラス制作体験も! 日本初の本格ステンドグラス美術館
- 光の芸術といわれるアンティークステンドグラスを展示している、ステンドグラスに特化した美術館。建物は「ニールズ・ハウス」と「聖ロバート教会」の2棟からなり、1800年代以降のヨーロッパの貴重なアンティークステンドグラスを数多く見ることができる。ニールズ・ハウスには7つの展示室やショップなどがあり、おもにヨーロッパのステンドグラスや工芸品、絵画などが展示されている。今では国外への持ち出しが禁止されている作家の希少な作品もある。一方、聖ロバート教会では、自然光の差すなかで、日の傾きにより表情を変えるステンドグラスが幻想的。また、興味があればステンドグラス制作体験もしてみよう。好きなガラスを選んで、はんだ付けをすれば、オリジナルのステンドグラスを作ることができる。旅の思い出作りにもぴったりだ。
- スポットの詳細
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由布院ステンドグラス美術館
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山のホテル夢想園
- 由布院盆地を一望できる緑豊かで広大な敷地の高台に建つ老舗旅館
- 温泉湧出量、源泉数ともに全国2位の湯を誇る由布院温泉。豊かな自然と調和した街並みは魅力にあふれ、特に女性客から人気が高い温泉地となっている。そんな賑やかな温泉街から離れた静かな場所に、露天風呂が評判の老舗旅館がある。雑木林に囲まれ、由布院盆地を一望できる高台にある夢想園は、由布院随一の広さを誇る。敷地内には3つの露天風呂がある。約150畳の巨大露天風呂から由布院盆地と由布岳が一望できる女性専用「空海の湯」、約600年前から源泉が湧く男性専用「弘法の湯」、茅葺き屋根の建物が印象的で約100畳の広さがある男性専用「御夢想の湯」だ。そのほかにも本館には内湯、家族風呂も用意されている。四季折々の景色を満喫し、ゆっくり流れる時間を感じながら過ごすにはおすすめの場所だ。なお、日帰り入浴にも対応しているが、曜日によって入れる風呂が異なるので、公式サイトで最新情報をチェックしていこう。
- スポットの詳細
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山のホテル夢想園
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由布まぶし 心 金鱗湖本店
- 豊かな自然がはぐくんだ大分の味覚をひつまぶしでいただく
- 湯布院・御三家のひとつに数えられる名宿「山荘無量塔(さんそうむらた)」で和食の腕を磨いた店主が営む人気店。この場所ならではのおいしいものを食べてもらいたいという想いから考案された、湯布院の米と大分県のブランド牛である豊後牛(ぶんごぎゅう)、由布の地鶏、九州のうなぎを使った3種の「由布まぶし」が名物となっている。金鱗湖本店(きんりんこほんてん)は、由布院駅よりゆっくり歩いて30分ほど。湯布院のメインストリート「湯の坪街道」のいちばん東にあり、由布院を代表する観光地、金鱗湖もすぐそばなので、散策途中に立ち寄るのに便利な立地だ。いちばん人気は「豊後牛まぶし(2850円)」。ご飯の上に敷き詰められた豊後牛は、塊の状態から炭火でじっくり炙り薄くスライスしたもので、内部がほんのりレアな絶妙な焼き加減。口の中でとろける濃厚なうまみと、炭火の香ばしさが食欲をそそる逸品だ。まずはそのまま、そのあとは薬味や漬け物を加えて味変を楽しもう。最後はだしをたっぷりかけてお茶漬けにと、さまざまな味わいができるのも魅力だ。
- スポットの詳細
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由布まぶし 心 金鱗湖本店
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金賞コロッケ 本店
- サクサク、トロリの絶妙食感で素材のうまみあふれる絶品コロッケ
- 湯布院には「湯の坪街道」という観光客向けの散歩道があり、道沿いには多くの飲食店やショップが立ち並んでいる。食べ歩きグルメも充実しており、ジェラートやパン、クレープなどバリエーションも豊富。そんななかでも特に人気なのが「金賞コロッケ」だ。「第1回コロッケコンクール」で金賞を受賞したコロッケを、当時のレシピでさらに大きくリニューアルしたもので、メディアにもたびたび登場する、大分では知らない人はいないともいわれる有名な一品だ。「金賞コロッケ」の看板がひときわ目立つ金鱗湖(きんりんこ)近くの本店を訪れると、開店直後にも関わらず観光客がたくさん。休日ともなれば行列ができることも少なくない。数多いメニューのなかでもやはりいちばん人気は「金賞コロッケ(200円)」。原料に男爵いもと和牛の赤身ミンチを使っており、衣はきめ細かくサクサク、中はトロッとしてまるでクリームコロッケのようだ。味がしっかりついているので、何もつけなくても十分おいしい。湯布院観光のメインストリート「湯の坪街道」に2号店もある。
- スポットの詳細
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金賞コロッケ 本店
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湯布院醤油屋本店
- 大分名産のカボスを使った醤油や調味料がそろう
- 由布院のメインストリート「湯の坪通り」のちょうど真ん中辺りという好立地に立つ醤油専門店。昔ながらの風情漂う趣のある建物に一歩足を踏み入れると、醤油をはじめ、味噌や漬け物、香辛料、菓子、佃煮などがずらり。なかでも人気商品は、大分名産のカボスをたっぷり使用しフルーティに仕上げた「かぼす醤油(250㎖ 950円)」。鍋のつけダレやドレッシングなど使い勝手のよい味わいは、一家に1本あると重宝しそう。うまみたっぷりのだし醤油「匠醤油(250㎖ 980円)」は、冷奴や卵かけご飯、すき焼きなどの煮物の隠し味にも最適だ。このほか、生唐辛子とユズの風味、塩加減が絶妙な「ゆずこしょう(60g 680円)」は、辛さにあわせて、青、黄、赤の3種類を用意。大分特産のカボスを使いすっきりとした辛さに仕上げた「かぼすこしょう(60g 680円)」も大分らしい一品だ。いずれも店内で味見ができるので、お気に入りの味を見つけよう。
- スポットの詳細
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湯布院醤油屋本店
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由布院ミルヒ
- ミルクのやさしい味わいを生かした絶品スイーツ
- 湯布院の豊かな緑に恵まれた乳牛たちのミルクを使用したスイーツが自慢のスイーツ専門店。由布院駅からすぐの場所には「ミルヒドーナツアンドカフェ店」があり、テイクアウトはもちろん、店内で作りたての新鮮な味わいを楽しめる。看板メニューはチーズケーキ「ケーゼクーヘン(240円)」。口の中でとろりととろける不思議な食感と、3層のチーズの深い味わいが至福のおいしさ。「ミルヒドーナツアンドカフェ店」限定のスイーツもあり、濃厚なクリームとスフレチーズ、プリン、カラメルの4層の食感が新鮮な「ケーゼプディング(450円)」や、たっぷりのカスタードクリームとイチゴを詰め込んだ「パリブレスト(350円)」も人気だ。由布院のメインストリートである「湯の坪街道」添いにある本店にもカフェ併設のショップがあるので、立ち寄りやすい店舗を訪れよう。いずれも週末などは行列ができる人気店なので、時間に余裕をもって出かけるといいだろう。
- スポットの詳細
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由布院ミルヒ
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由布院温泉 楓の小舎
- 露天風呂や岩盤浴完備の個性あふれる客室で過ごす豊かな時間
- 「由布院温泉 楓の小舎」は、由布院駅から車で5分ほどの自然豊かな場所にひっそりとたたずむ静かな宿。広々とした敷地内には趣の異なる客室があり、いずれもぜいたくな空間使いで居心地は抜群だ。自慢の温泉と料理を気軽に楽しみたいなら、日帰りプランがおすすめ。内湯と露天風呂、岩盤浴を完備した客室が最大3.5時間ゆったりと利用可能で、食事も部屋でいただけるのがうれしいかぎり。食事メニューも多彩で、料理によって料金も異なる。地元の魚介や野菜が美しく盛り付けられた「楓ご膳」(6600円)や、鮮度のよい上質な鶏肉を使った「鶏鍋&楓ご膳」(7700円)、濃厚なうまみとろける豊後牛をたっぷりいただく「豊後牛しゃぶしゃぶ&楓ご膳」(8800円)、ボリューム満点な「豊後牛のステーキ丼コース」(8800円)など、好みにあわせて選ぼう。タオルやバスタオルは部屋に用意されているので手ぶらでOK。限られた客室を利用した人気のプランなので、繁忙期は予約で埋まってしまうこともしばしば。旅程が決まったら、早めに予約しよう。
- スポットの詳細
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由布院温泉 楓の小舎
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ゆふいん山椒郎
- 採れたて野菜をたっぷり使った目にも舌にも楽しい料理
- 由布院駅から徒歩約10分、湯布院の街なかから少し離れた閑静な場所にたたずむ日本料理店。窓から周囲の自然が広がる開放的な店内は、古民家風でありながら洗練された大人の隠れ家的雰囲気。テーブル席や個室のほか、ひとりでも気兼ねなく食事を楽しめるカウンター席があるのもうれしい。ここでいただけるのは、契約農園から毎朝届く採れたての地元の野菜を使用したメニュー。どれも食材にあわせて一品一品さまざまな調理法を駆使し、素材のうまみを最大限に引き出している。ランチタイムのおすすめは「合わせ箱(2500円)」。豊後牛(ぶんごぎゅう)がメインの「山」と、旬の魚がメインの「海」の2種類あり、いずれも25種類の厳選野菜や大分のブランド鶏、冠地どり(かんむりじどり)を彩りよく盛り付けた宝石箱のような逸品だ。このほか「豊後牛ステーキランチ(3630円)」も人気。ディナータイムの「おまかせディナー7000円コース(7700円)」は、上質な旬の食材をぜいたくに使った内容で、大分の味覚を存分に楽しめると評判だ。
- スポットの詳細
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ゆふいん山椒郎
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くじゅうやまなみ牧場
- 広大な高原で悠々と暮らす動物たちに癒やされる
- 大分県別府市と熊本県阿蘇市を結ぶ県道11号線、通称「やまなみハイウェイ」は九州屈指のドライブコース。この道沿いにある「くじゅうやまなみ牧場」は、キュートな動物たちと触れ合える癒やしスポットだ。
- スポットの詳細
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くじゅうやまなみ牧場
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種と根
- アットホームな空間でいただく自家製カレーとこだわりコーヒー
- 大分県由布市熊本県阿蘇市を結ぶ「やまなみハイウェイ」。ここをドライブする人の多くが立ち寄る絶景スポット「九重 夢 大吊橋」から、車で5分ほどの場所にあるのが「種と根」だ。県道を走っていると現れる、広々としたウッドデッキを備えたかわいらしい戸建ての建物が目印だ。看板メニューはカレーとコーヒーで、店名も、カレーの肝となるスパイスがどれも種や根ばかり、というところから「タネトネ(種と根)」と名付けたのだとか。豊後牛(ぶんごぎゅう)のスネ肉をローストし、12種類ほどのスパイスを加えて3日間煮込んだル-は、香り高く奥深い味わい。いちばん人気は、地元の野菜を彩りよく盛り付けた「やさいの素揚げカレー(1000円)」。まろやかなカレーが力強い野菜の味わいを引き立てる、元気の出るおいしさだ。食後は、オリジナルブレンドの「スペシャルティコーヒー(350円)」でほっとひと息つこう。敷地内にはゲストハウスも併設されており、店主の遊び心が光るセンスのよい室内は、アットホームで居心地抜群。朝食や夕食に「種と根」の特別メニューをいただけるのも魅力だ。
- スポットの詳細
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種と根
人気スポット
旅のヒント
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その1
歩行者専用橋の九重"夢"大橋は、標高777mの場所に架かっており上から震動の滝や鳴子川渓谷を一望できる。10月下旬から11月にかけては紅葉を楽しめる。
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その2
季節ごとの情景が美しい湯の坪街道は、由布院駅から徒歩10分程度で到着する。車を使う場合、道が狭くなっているために注意が必要だ(近隣に有料駐車場有り)。
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その3
由布院ステンドグラス美術館では、ステンドグラス制作を体験できる。入館料(大人1000円、小人500円)に別途制作体験料(1500円-)がプラスになる。体験のみの申し込みは不可。
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その4
山のホテル夢想園の空海の湯(女性用露天風呂)は由布岳を一望できるスポット。宿泊のみならず日帰り入浴も可能で、アメニティーが充実しているのもうれしい。