岡山

蒜山高原・津山・美作三湯

HIRUZEN HIGHLAND / TSUYAMA / MIMASAKA THREE HOT SPRINGS

牧歌的な光景の広がる高原、城下町の町歩きと名湯を満喫

岡山県の北部、なだらかな蒜山三座のふもとに緑の草原が広がる「蒜山高原」。ジャージー牛が草をはむのどかな光景と、おいしい乳製品が高原の大きな魅力。蒜山高原のはずれの谷あいには、神秘的な雰囲気の漂う「塩釜の冷泉」が湧く。津山は古くから美作(みまさか)国の国府が置かれ、江戸時代には城下町として栄えた美作地方の中心都市。「日本100名城」「日本さくら名所100選」に選定され、見事な石垣の残る「津山城(鶴山公園)」が、津山のシンボルだ。古い町並みが残る「城東町並保存地区」には、なまこ壁や虫籠窓など風情がある建物が連なり、町歩きを楽しめる。また美作地方といえば名湯として知られる。湯原、湯郷、奥津温泉の「美作三湯」は、温泉ファンなら見逃せない。三湯はそれぞれに違った特色をもち、個性豊かな温泉地となっている。三湯とも日帰り入浴ができるので、「ドライブがてらひと風呂」浴びるのもおすすめだ。

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エリアの見どころ

  • spot 01
    蒜山高原
    豊かな自然を生かした観光スポットがある高原のリゾート地
    岡山県と鳥取県の県境に連なる上蒜山、中蒜山、下蒜山のいわゆる蒜山三座と中国山地の間にある蒜山盆地。ここを中心に広がる蒜山高原は、広大な自然と多彩な観光スポットが集まる西日本有数の高原リゾート地だ。
    蒜山三座を背に広がる蒜山高原
  • spot 02
    蒜山大山スカイライン
    雄大な景色、四季折々に新緑や紅葉を楽しみながらドライブ
    蒜山高原と鳥取県の大山を結ぶ有料観光道路として1970年(昭和45)に開通した「蒜山大山スカイライン」は、全長9.3km。中国山地の尾根や谷間を縫うように走り、広々とした高原、ブナの原生林、雄大な山々など変化に富んだ景色が楽しめるのが魅力。1993年(平成5)から無料化され、現在は県道・岡山県道114号大山上福田線となっているが、現在も「蒜山大山スカイライン」は通称として使われている。西日本屈指のリゾート地・蒜山高原は新緑や紅葉が見事で木々に包まれて快適なドライブが楽しめる。鳥取県との県境に接する「鬼女台(きめんだい)展望休憩所」からは、北に大山の雄大な山並み、南は蒜山高原が一望でき、秋のススキの群生や雲海なども見事。地元特産品なども販売している。
    高原の緑に包まれた道路を走行する
  • spot 03
    塩釜の冷泉
    冷泉が湧く池は癒やしの人気観光スポット
    塩釜の冷泉は、蒜山三座のひとつ中蒜山山麓の標高約520mの谷間に湧く。その水は、ひょうたん形の池(東西12m、南北5m、最深部1.9m)を形成している。湧出量は毎秒300リットル。1985年(昭和60)年、当時の環境省認定の「全国名水百選」に選ばれ、2015年(平成27)には、名水百選30周年記念で実施された選抜総選挙の「観光地としてすばらしい名水」部門で2位に選ばれている。源泉の池は、美しく澄みとおり、珍しい巻き貝や藻類も生息する。水温は一年を通して11℃前後で、周辺は夏でも涼しい癒やしの観光スポットとなっている。湧き出る水は地元の生活用水にも利用される。この池は「ひるぜん塩釜キャンピングヴィレッジ」の敷地内にあって、池から源泉を直接汲むことは禁止されているが、中蒜山の登山口に水汲み場があり、そこで取水することができる。
    澄みきった池の水が周辺の緑を映して美しい
  • spot 04
    いち福
    ご当地グルメで日本一に輝いた実績をもつ焼きそば
    2011年(平成23)のご当地グルメの祭典「第6回B-1グランプリ」で日本一に輝いたのが、岡山県真庭市蒜山地区の「ひるぜん焼そば」だ。昭和30年代から、蒜山エリアの家庭では自家製のタレで作る焼きそばが食べられていたが、「ひるぜん焼そば」のルーツは、旧真庭郡八束村(やつかそん)にあった「ますや食堂」が作った特製の味噌ダレに親鶏のかしわ肉とキャベツを入れた焼きそばだという。そして、2009年(平成21)に地元飲食店が「ひるぜん焼そば好いとん会」を立ち上げてブレイク。「B-1グランプリ」に参加し、日本一を獲得することになる。「ひるぜん焼そば」の特徴は、「歯ごたえのあるかしわ肉」「蒜山高原産のキャベツ」「特製タレ=濃厚な味噌ベースの甘辛ダレ」の3つ。味の決め手は、店ごとに独自に配合した味噌ダレだ。「いち福」は10店ある「ひるぜん焼そば好いとん会」公認のうちの1店。「ひるぜん焼そば」のほか、焼肉、ジンギスカンなどを楽しめる。
    具はかしわ肉とキャベツというシンプルな焼きそばだが、濃厚な味噌ダレが味の決め手(620円)
  • spot 05
    津山城(鶴山公園)
    見事な石垣が残る公園は桜の名所として有名
    津山城は1616年(元和2)に完成したが、明治の廃城令で石垣を残して建物は取り壊された。1890年(明治33)に鶴山公園(かくざんこうえん)として整備、公開。現在は県下有数の桜の名所として知られる。
    建物はすべて取り壊されたが、立派な石垣はたくさん残っている
  • spot 06
    城東町並保存地区
    城下町として栄えた旧出雲街道沿いの町並み
    城下町として、また高瀬舟による物資の集積地として栄えた旧出雲往来沿いの城東エリアが「津山市城東伝統的建造物群保存地区」として整備され、津山観光のメインストリートになっている。風情ある町並みをのんびり散策しよう。
    津山城(鶴山公園)から東へ旧出雲往来沿いに、なまこ壁や虫籠窓など立派な家並みを保存したエリア。2013年(平成25)に国重要伝統的建造物群保存地区に指定された
  • spot 07
    奥津温泉
    吉井川上流に湧く「美人の湯」として人気の名湯
    吉井川沿いの静かな山間にある奥津温泉は「美人の湯」として評判が高い。観光名物は「足踏み洗濯」。歌人の与謝野鉄幹、晶子夫妻や版画家の棟方志功、犬養毅元首相ら多くの文人墨客が訪れたことでも知られる。
    清流沿いに小さな名宿が並ぶ温泉街
  • spot 08
    花美人の里
    温泉とグルメを楽しめる奥津の日帰り施設
    奥津温泉の河原露天風呂から歩いてすぐの場所にある日帰り温泉施設「花美人の里」は、観光拠点として奥津温泉に1998年(平成10)に開業、2021年(令和3)にリニューアルオープンした。奥津エリアがリンドウやアルストロメリアなどの花の産地であることや、奥津温泉が「美人の湯」として知られることなどが名前の由来だそうだ。瓦葺きの回廊を通り、建物に入ると開放的な空間が広がる。男女別々に内風呂と露天風呂があり、3種類ある家族風呂は入浴料とは別に1500円(60分)で利用できる。細かい気泡を発生させる「シルク風呂」が好評だ。建物には檜をたっぷり使っていて木のぬくもりにあふれる。里山の契約農家から届く新鮮な野菜や、山菜やきのこを使った料理を提供している食事処「里山レストランAelu(あえる)」を併設。
    男女とも、ゆったりとスペースがとられた内風呂
  • spot 09
    湯原温泉
    名物露天風呂「砂湯」で知られる中国地方屈指の名湯
    河原の天然露天風呂「砂湯」で知られ、「美作三湯」に数えられる名湯・湯原温泉。豊富な湯量を誇る源泉はすべて自噴し、自然の恵みである温泉を堪能できる。また古からの由緒が感じられる温泉街の町歩きも楽しい。
    「全国露天風呂番付」で西の横綱にランクされた湯原の名物露天風呂「砂湯」
  • spot 10
    湯本温泉館
    コワーキングスペースも併設するユニークな共同浴場
    湯原温泉のシンボル露天風呂「砂湯」の手前に、共同浴場の「湯本温泉館」が立つ。建物は鉄筋3階建、1階は特産品販売コーナー、2階に浴場、3階には畳の敷かれた休憩室(2時間1000円)があり、高速インターネットを使える「コワーキングスペースUffice(ゆふぃす)」(1時間300円~)を併設しているのがユニークだ。コワーキングスペースはオンライン会議室も備え、話題になっている。風呂は週ごとに男女を入れ替える男女別大浴場と、家族風呂(3名まで1時間3000円)がある。ここには露天風呂はないが、大浴場にはジャクージとサウナを備え、ゆったり快適に入浴できる。なお、この建物の地下に湯原のメイン源泉である元湯があり、ここから多くの宿に配湯しているので、源泉に最も近い風呂でもある。人気の「砂湯」に悪天候で入浴できなかったり、「混浴は苦手」という場合はこの温泉館に行くのがおすすめだ。「砂湯」から近い場所にあるので、「砂湯」で野趣を楽しみ、その足でこちらもハシゴ入浴して、湯原の湯を満喫するのもいい。また、ここでは温泉も販売している(10ℓ 110円)。
    2つある大浴場は男女入れ替え制で、どちらもジャグジーとサウナを備える
  • spot 11
    湯郷温泉
    「鷺の湯」と呼ばれる由緒をもち、美人湯としても人気の名湯
    「美作(みまさか)三湯」に数えられ、「鷺の湯」と呼ばれる湯郷温泉。京阪神からアクセスがよく、美人湯として知られる行楽温泉だが、スポーツを取り入れた健康リゾートを志向し、「おもちゃのまち」としても話題になっている。
    1200年余の歴史を伝える名湯が源泉地でこんこんと湧き、「塩湯社」が祀られる。その近くには2軒の共同浴場と足湯がある
  • spot 12
    湯郷鷺温泉館
    「鷺の湯」とも称される名湯・湯郷温泉を日帰りで満喫
    日帰り温泉施設の「湯郷鷺温泉館(ゆのごうさぎおんせんかん)」は、シラサギが傷を癒やすのを見た円仁(えんにん)法師が発見したと伝わり、「鷺の湯」として知られる湯郷温泉のシンボル的な外湯。湯郷温泉の元湯であり、バラエティに富んで充実した入浴設備を誇る。大浴場は露天風呂に滝のある「動の湯」と、洞窟風呂のある「静の湯」の2種類があり、3つずつあるおのおのの内風呂の湯船も趣向が異なっている。家族風呂も5つあり、檜風呂やホーロー風呂、露天風呂付き、ジャクージ、バリアフリーとお風呂の種類が豊富だ(家族風呂はバスタオル付きで3名まで1時間4,000円、露天風呂付きは5,000円)。湯上がりのリラクゼーションも充実している。館内に食事処やレストランなどはないが、「1日休憩プラン」(タオル付き2,300円)では、飲食物の持ち込みや出前のできる大広間でゆったりくつろげる。また、この鷺温泉館の近くには、地元専用の「村湯」と源泉かけ流しの「療養湯」がある。濃厚な湯郷の源泉を堪能したいという温泉マニアなら、あわせて療養湯(入浴料800円)へも行ってみたい。
    おのおの趣の違う2種類の大浴場は、週ごとに男女入れ替え(写真は「動の湯」の露天風呂)
  • spot 13
    GREENable HIRUZEN
    自然や緑を大切にして持続可能な取り組みに挑戦する
    蒜山の自然に溶け込んだユニークなデザインの建物は文化発信の拠点施設で隈研吾(くまけんご)氏の設計。人と自然を持続可能な開発で共生させようと、地域と連携してさまざまな取り組みを見せている。
    パビリオン棟「風の葉」の奥に見えるのが「蒜山ミュージアム」、右の平屋がサイクリングセンター
  • spot 14
    蒜山ハーブガーデン・ハービル
    雄大な蒜山三座の景色がすばらしいハーブ園
    「蒜山(ひるぜん)ハーブガーデン・ハービル」は、蒜山三座をパノラマで望む丘を利用したラベンダー畑があり、約200種のハーブや多彩な草花が咲き誇るハーブガーデン。花の見頃は、春の球根植物に始まり、5月から6月にかけては新緑や初夏の草花とバラが見事に咲き誇る。そのあとは約3000株のガクアジサイが咲き、7月中旬からはラベンダー畑が見頃に。その時期には「ラベンダー摘み取り体験」も開催され、丘一面に広がるラベンダーの香りも楽しめると好評だ。そして、秋は庭の植物や周囲の木々が色鮮やかに紅葉し、シーズンを締めくくる。春から秋まで、四季折々の景色を楽しませてくれる。また、敷地内にはカフェやガーデニングショップなどを併設。カフェではエディブルハーブを使った季節ごとのランチメニューや、ラベンダーソフトがおすすめ。そのほか、ハーバリウムやリース作り体験ができるクラフトルームもあり、思い出に残るオリジナルの作品を持ち帰ることができる。
    美しい山容を見せる蒜山三座を眺めながらゆっくりできる。園内各所には椅子やベンチを設置してあるのでのんびり散策しよう
  • spot 15
    ひるぜんワイナリー
    蒜山産のヤマブドウを使った珍しいワイン
    ワイン醸造所にショップとカフェを併設している。ヨーロッパにはない、日本固有の種「ヤマブドウ」を中心に使用した商品を展開している。蒜山高原に自生していた1000本の野生の木から糖度が高く酸味が少ない木を10年かけて選抜、栽培してきた。蒜山産のヤマブドウは、日照時間などの気候の違いから、本場とされる東北地方のものよりも甘みが強く、皮の色が濃いのが特徴。ヤマブドウと特に相性がいいというフランス中南部アリエで作られるオーク樽で熟成させ、コクとうまみを引き出している。館内には貯蔵室や瓶詰め作業をガラス越しに見学できるスペースがある。ワインのほかに、100%ジュース、コンフィチュールなど、たくさんの商品があり、ショップ「コアニエ」では選りすぐりの品を販売。スタッフがワインにあう料理や、好みにあわせたワインを選んでくれる。試飲コーナーがあり、野趣あふれるものから、軽やかなものまで10種類以上のラインをそろえているのもうれしい。カフェではヤマブドウソフトクリームなどを提供。雄大な景観を眺めながら、ワインやチーズを味わえる。
    蒜山三座の景色を眺めながらゆっくりできるカフェでは、グラスワインとチーズのセットを味わえる
  • spot 16
    ひるぜんジャージーランド
    蒜山の南麓に広がる施設でジャージー牛の魅力を堪能
    ジャージー牛を育てる牧草地に、ジャージー牛肉や乳製品を使用したメニューを楽しめるレストラン、濃厚なジャージー乳を使った乳製品やスイーツを販売するショップも併設している。
    レストランで味わえるチーズフォンデュの「蒜山コース」2550円。蒜山ジャージーヨーグルト付き
  • spot 17
    道の駅風の家
    蒜山の特産品をたくさん集めた道の駅
    米子自動車道・蒜山ICを下りてすぐ、鳥取県との県境にも近い岡山県北部の蒜山高原にある。施設内には、乳製品や特産品、工芸品などを販売するショップのほか、レストランもある。レストランでは、ジャージー牛乳を使ったソフトクリームやジェラート、人気のB級グルメ「ひるぜん焼そば」「風の家ラーメン」などご当地メニュー満載。風の家ラーメンは、自家製のジャージー牛肉のチャーシューに大根おろしを載せた、とんこつ醤油味のオリジナルラーメンだ。屋外では地元の生産者が新鮮な野菜や花木を持ち込んで販売する「新鮮野菜市」を開催。火山灰を含み「黒ボコ」と呼ばれるやわらかい土壌と寒暖差の大きい気候で育った蒜山特産の「ひるぜん大根」や、「とうもろこし」などが並ぶ。地元でも人気で多くの人出で賑わう。「風の家」に隣接して2022年(令和4)にリニューアルオープンした「そばの館」があり、挽きたて、打ちたて、茹でたての「三たて」にこだわった蒜山産のそばを味わえる。
    便利な立地にあり、観光客のほか地元の人にも人気の道の駅
  • spot 18
    蒜山倶楽部 Nadja
    貸別荘やギャラリーもあるカフェレストラン
    蒜山高原のシンボル「蒜山三座」の南麓にあり、広大な敷地に雑木林や小川、湿原などを設け、山野草、ハーブや果樹も楽しめる庭をしつらえている。枕木のアプローチに導かれるようにして、自然豊かな風景に溶け込む「カフェレストラン」へ向かう。カフェメニューでは、8種類のフルーツをガラスポットの中に入れた「フルーツティー」がおすすめだ。「蒜山よくばりデザート」は、山ブドウ、ブルーベリー、ジャージーアイスクリームなどスタッフが選んだ蒜山のおすすめスイーツが勢ぞろい。「山ぶどうジュース」はワインを楽しむような感覚の高原の味だ。レストランメニューでは、なんといっても「サイコロステーキ」が人気。蒜山を代表するジャージー牛が、岩のプレートでジュージューと音を立てながら供されるこのぜいたくさ。食欲をそそる香りといっしょに蒜山の恵みを堪能したい。併設したギャラリーは、カタツムリをモチーフにした色鮮やかな食器類など、暮らしに溶け込む小物入れや絵を展示している。オーベルジュタイプ、大部屋タイプ、ログハウスタイプの貸別荘もある。周辺にはサイクリングロードがあり、散歩やサイクリングを楽しめる。
    サイコロステーキ1880円。焼き込まれたラバプレートにたっぷりの野菜とジャージー牛が載っている
  • spot 19
    湯原温泉ミュージアム
    「スリッパ卓球」も楽しめる変わり種ミュージアム
    1階は湯原温泉観光情報センターを併設し、無料で利用できる休憩所になっている。2階が「野口冬人記念資料室」で、湯原温泉の温泉知識や歴史文化、民話などについて展示。野口冬人氏は「全国露天風呂番付」で湯原温泉砂湯を西の横綱にランク付け、『全国温泉大事典』(旅行読売出版社 1997年)など数々の著作がある旅行作家だ。資料室では野口の執筆室を再現し、その野口から寄贈された蔵書約1万冊や愛用品も置かれている。このミュージアムは学べるだけでなく、楽しく遊べ、くつろげるスペースだ。全国各地の珍しいコマを展示している。イベントホールでは「スリッパ卓球」(30分500円)も楽しめ、「古本市場はんざき店」も併設。「はんざき」とは国の特別天然記念物オオサンショウウオのことで、ここでは、はんざきキーホルダーの革細工やはんざきだるまの絵付けと、はんざきクラフト体験もできる(各800円)。湯原の温泉街を散策がてら、気軽に立ち寄ってみたい。
    旭川沿いのメインストリートからはずれた田羽根(たばね)川沿いの道に、城を模した建物のミュージアムが立つ
  • spot 20
    湯原温泉薬師堂
    霊験あらたかな本尊は、親指ほどの小さな薬師如来
    湯原のメインストリートを散策すると、湯原温泉の湯元がある「湯本温泉館」の向かい、湯原きっての老舗宿「油屋」の隣に、ちょっと気になるお堂が目をひく。それが温泉薬師堂(延命山温泉寺薬師堂)で、開基は今から400年余り前の慶長年間(1596-1615年)。薬師如来はその名のとおり薬効の霊験あらたかな仏で、全国各地の由緒ある温泉地で薬師如来を祀る薬師堂が見られるが、ここの本尊は親指ほどの大きさの薬師如来で、向かいの温泉館の湯元から出現したと伝わる。1893年(明治26)の大水害で、この本尊が堂もろとも流されたが、80kmほど下流の河原で釣人に拾われ、「湯原に帰りたい」という夢のお告げで湯原に帰ったという。そんな由来から、「健康かえる」「銭かえる」の薬師様として信仰を集めている。毎年5月8日には「花まつり」が行われ、ふだんは本堂の奥に祀られている親指ほどの薬師如来は、その日だけ拝観することができる。
    「失くしたものが返ってくる」薬師如来として信仰を集める
  • spot 21
    油屋 食湯館
    地下から源泉が湧く湯原きっての老舗宿を日帰りで楽しむ
    湯原温泉のいちばん奥まった場所にある砂湯へ向かうメインストリート沿いに、風情あるレトロな木造建築が立つ。それが1688年(元禄元)創業という湯原きっての老舗宿「油屋」で、もともと行灯(あんどん)などに使う油を扱っていたため「油屋」と称した。ジブリのアニメ映画『千と千尋の神隠し』に登場する湯屋も「油屋」で、そのモデルになったといわれる宿は全国に複数あるが、ここもそのうちのひとつという。ところで、湯原温泉にはおもな泉源が3か所ある。砂湯、元湯(湯本温泉館地下)、そしてもう1つが、この油屋の夢酔庵地下だ。そのうち湯本温泉館地下と夢酔庵地下の泉源から、温泉街の各旅館に配湯している。つまり湧出直後の新鮮な温泉に入浴できるのがこの油屋で、併設する「食湯館」では日帰りで入浴と食事休憩をできる。内湯と露天風呂がある男女別大浴場「いろはの湯」に入浴できるが、源泉湧出地である夢酔庵の地下にある「薬王湯」にもぜひ浸かってみたい。貸切風呂になっており、予約すれば日帰りでも利用できる。料理は旬の食材を使った「旬の会席膳」(6600円から)や「なごみ膳」(1500円)が味わえる。
    元湯「湯本温泉館」の斜め向かい、温泉薬師堂の隣に立つ
  • spot 22
    衆楽園
    岡山後楽園よりも先に完成した津山藩主の大名庭園
    江戸時代、津山藩主が京都から作庭師を招いて造らせた大名庭園。現在は岡山後楽園よりも先に完成した歴史ある庭園で四季折々の景観が美しい。地元の俳人を顕彰する「曲水の宴 俳句会」が開催されることでも知られる。
    水面に映る空や島影が美しい衆楽園。現在は無料で公開されている
  • spot 23
    津山まなびの鉄道館
    希少な車両を展示する「鉄道」の総合施設
    全国の鉄道ファンが訪れる「鉄道」の総合施設。壮大なスケールの扇形機関車庫には、貴重な車両が並ぶ。そして4つの展示室では、鉄道についてのあれこれをわかりやすく工夫して紹介、解説している。
    放射状に線路が延びた機関車庫
  • spot 24
    奥津渓
    国の名勝の四季折々の多彩な景色を楽しむ
    岡山県を代表する名勝地のひとつ「奥津渓(おくつけい)」では、清流と奇岩、樹木が約3kmにわたって四季折々の美しい景色を見せてくれる。川沿いに遊歩道が整備されているエリアはハイキングが楽しめるのがいい。
    秋の紅葉は特に有名な奥津渓
  • spot 25
    道の駅奥津温泉
    奥津周辺のおいしいものが大集合
    「道の駅奥津温泉」は国道179号線沿い、奥津温泉街にほど近い高台に立つ。旬彩市場「ふるさと物産館」をはじめ、田舎料理バイキングで人気のレストラン「~おばちゃんの味~温泉亭」や、「元気麺屋」があり、いわば鏡野町観光の拠点となる施設のひとつだ。旬彩市場「ふるさと物産館」には、生椎茸やトマト、山菜など季節の農産物をはじめ、花、漬け物や茶菓子、名物の「ひらめ」(アマゴ)の塩焼きなども並び、観光客のみならず地元客にも人気が高い。特に鏡野町奥津地域のみで栽培されている日本古来種の「姫とうがらし」が人気。一味、ドレッシングなどの加工品も販売している。食堂「~おばちゃんの味~温泉亭」はランチタイムに利用できるバイキングが人気。地元のおばちゃんたちが作ったおかずがズラリ並び素朴な味が楽しめる。「元気麺屋」は自家製麺を使った本格ラーメンの店。駅舎には、鏡野町の観光情報や、近隣地域のイベントパンフレットを設置しており、次のプランを練るのもいい。
    「~おばちゃんの味~温泉亭」のバイキング(大人)1500円。大きめジャンボの肉じゃが、季節の野菜天、かがみの田舎カレーなどの料理は素朴で味わい深い
  • spot 26
    奈義町現代美術館
    自然と建物と作品が一体になった個性あふれる美術館
    雄大な那岐山を借景に、建物と一体になった現代アート3作を永久展示するユニークな美術館。穏やかな風景のなかにたたずみ、ここでしか体験できない時間を堪能させてくれる。
    バックの那岐山に磯崎新さん設計の斬新な建物が映える奈義町現代美術館
  • spot 27
    道の駅彩菜茶屋
    美作の農作物やジビエが勢ぞろいした道の駅
    「道の駅彩菜茶屋」は、「美作三湯(みまさかさんとう)」のひとつ、「湯郷温泉(ゆのごうおんせん)」のある美作市の県道51号線沿いにある。野菜や花の農産物、加工食品、地酒、手工芸品など充実した販売コーナーと食堂がある。特産の「黒大豆」をはじめ、地元で採れた新鮮な野菜、キノコ類、豆腐、こんにゃく、味噌や、美作市で取れた餅米でついた丸餅などの加工品が人気だ。また、あたご梨、ピオーネ、白桃といった四季折々のフルーツ、花やハーブも種類豊富に並んでいる。食堂では、「彩菜おこわ定食」や「黒豆ソフト」が人気。美作市は、食肉処理施設「地美恵(じびえ)の郷(さと)みまさか」を稼働しており、一般の人にイノシシやシカの肉を「みまさかジビエ」として提供している。道の駅彩菜茶屋の食堂メニューにも、「みまさかジビエ」を使ったカレーやコロッケ、しし汁定食などが加わっている。大阪府箕面市には彩菜茶屋の2号店「彩菜みまさか」があり、野菜、果物などが1日2便で届けられている。
    食堂の人気メニュー「彩菜おこわ定食」。素朴さのなかに滋味がある
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旅のヒント

  1. その1

    蒜山高原から大山へ、大自然に包まれた「蒜山大山スカイライン」で爽快なドライブを満喫できる。紅葉シーズンやゴールデンウィークには渋滞が発生するので注意。

  2. その2

    このエリアはB級グルメの宝庫。蒜山高原の「ひるぜん焼きそば」や津山の「ホルモンうどん」は必食だ。

  3. その3

    津山には「観光ボランティアガイド」があり、町並みやスポットを案内してくれる。予約制なので、案内してもらいたいスポットを予め決めて申し込もう。

  4. その4

    湯原、湯郷、奥津温泉の三湯は点在している。各々距離が離れているので、三湯巡りを楽しみたい場合は、事前にしっかりプランを立てて出かけよう。

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