岡山
高梁・吹屋
TAKAHASHI / FUKIYA
雲海に浮かぶ「天空の城」と夕日に染まるベンガラの町並み
「天空の城」といえば兵庫県の竹田城が有名だが、「天守が雲海に浮かぶ城」といえば「備中松山城」である。その「天空の城」がある高梁は、岡山県の西部に位置する備中松山藩の城下町。旧武家屋敷や土塀が「石火矢町ふるさと村」に残り、往時の面影を伝える。かつて備中松山城の外堀の役割を果たしていた紺屋川畔は、桜と柳の並木道が続き、沿道に情緒豊かな町並みの広がる「紺屋川美観地区」となっている。高梁では、美しい庭園のある「頼久寺」も見逃せない。また、高梁市街地から少しはずれた山中に、もうひとつの注目町歩きスポット「吹屋」がある。ジャパンレッド発祥の地として日本遺産に認定され、また国の重要伝統的建造物群保存地区となっている「ベンガラの町並み」を散策し、「ベンガラ館」や「郷土館」で往時を偲しのぼう。高梁から吹屋への途中には、「高梁市成羽美術館」や、映画『八つ墓村』『燃えよ剣』のロケ地となった「広兼邸」があるので立ち寄ってみよう。
エリアの見どころ
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旧片山家住宅
- 吹屋地区の核となっている近世ベンガラ商家の居宅
- 片山家は、江戸時代の1759年(宝暦9)創業以来、200年余り吹屋ベンガラの製造、販売で財をなした豪商。その居宅が旧片山家住宅で、格子戸やなまこ壁などが老舗商家の趣をとどめ、主屋などが国の重要文化財に指定されている。ベンガラ色の古い町並みで知られる国重要伝統的建造物群保存地区を代表する施設であり、日本遺産「『ジャパンレッド』発祥の地-弁柄と銅の町・備中吹屋-」の22ある構成文化財のひとつ。住宅は増築を繰り返し、20世紀初めには敷地面積が当初の約7倍に広がったそうだ。主屋のほか、ベンガラの袋詰めをする作業場、保管庫など計8棟が創建当時のままの「近世ベンガラ商家の典型」とされる。なかでも公開されている主屋には、屋久杉などの銘木を使った欄間や凝ったデザインの電灯など豪華な装飾が随所に施され、往時の繁栄ぶりを伝える。
- スポットの詳細
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旧片山家住宅
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郷土館
- 片山家の分家を郷土館として公開
- 吹屋を代表するベンガラの窯元片山家の総支配人が分家され、建てられた邸宅を「郷土館」として公開している。向かいにある「旧片山家住宅」(国の重要文化財)を本片山(ほんかたやま)と呼ぶのに対して、こちらは角片山(かどかたやま)と呼ばれるそうだ。1874年(明治7)頃から建設を企画し、本家の材木蔵の良材を使い、石州の宮大工を呼び寄せて1879年(明治12)に完成した。2階建て妻入の入母屋型。土台と外回りには栗の角材を使い、縁敷居は桜の巨材、書院回りは生漆とベンガラで塗り上げている。壁をびっしりと覆うベンガラ格子も1階はケヤキ、2階は杉で、精緻な印象の外観だ。木の部分はすべてベンガラのすす塗り。2階には6畳ほどの「隠し部屋」もある。角片山の隣には、やはり片山家の分家である中片山(なかかたやま)があり、角片山と同様2階建て妻入の入母屋型で、角片山と同じ宮大工が手がけたものだそうだ。
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郷土館
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高梁市図書館
- 観光案内所や見晴らしのいいテラスがある図書館
- 「高梁市図書館」はJR備中高梁駅に直結しており、観光の情報収集や休憩にも使える便利な場所になっている。延べ床面積は2251平方メートル、吹き抜けの4階までそびえる壁一面の書架は見るだけでも圧巻、蔵書は約14万冊を誇る。指定管理者はレンタル大手のTSUTAYAの運営会社カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)で、岡山県内では初めて民間企業が運営する公立図書館として注目を集めている。CCCが運営する公立図書館としては、佐賀県武雄市などに続き、全国4館目。都会的なデザインが随所に施され、カフェ・スターバックス、蔦屋書店、観光案内所も同じビルに併設している。休館日はなく、開館時間は9~21時。市外の人も利用できるとあって観光客などからも人気となっている。本や雑誌をゆっくり読めるスペースや、パソコンを使えるスペースなども設置、無料Wi-Fiを一日に最大4時間使えるのもうれしいサービスだ。図書館が入っている建物の1階はバスセンターと飲食店などが入っている。
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高梁市図書館
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高梁市観光物産館紺屋川
- 高梁を訪れる人々に周辺観光の拠点として利用される
- かつて城下町として栄えた高梁市を流れ、桜の名所として知られる紺屋川(こうやがわ)。両岸に桜や柳の並木、古い家並みが続き美観地区を形成している。紺屋川美観地区の入り口に位置するのが、「高梁市観光物産館紺屋川」だ。敷地面積は約150平方メートル、木造瓦葺き2階建て、白壁の建物は街並みにマッチして映えている。この建物は「第2回たかはし町並み建築デザイン賞」を受賞している。元は、1946年(昭和21)に建てられたもの農機具倉庫。その後、取り壊されることになっていたそうだが、「紺屋町美観地区の景観を代表するこの建物を保存しよう」と市が買い取って整備、1999年(平成11)に観光物産館として生まれ変わった。館内は2階まで吹き抜け。高梁周辺の総合観光案内所、高梁紅茶やユズ味噌などの特産品、土産品、地酒の販売コーナー、喫茶コーナーなどが設けられている。観光の拠点としての高梁観光には欠かせない存在だ。
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高梁市観光物産館紺屋川
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御土産あさだ
- 多彩なベンガラ製品と地元の特産品がそろう
- 1902年(明治35)創業の地元企業が経営する「おみやげ あさだ」は、赤い石州瓦とベンガラ塗りで統一された家並みが続く吹屋のメインストリートにあり、古民家を店舗として利用している。吹屋名物の「草だんご」(810円)をはじめとする特産品も販売しているが、なんといってもベンガラを生かした土産の品ぞろえがすごい。向かいにある「麻田百貨店」と、通りを少し西へ行ったところにある「ベンガラ屋」も姉妹店で、いずれの店舗にも所狭しとベンガラ製品が並んでいる。ストールやシャツ、トートバッグ、帽子、ポーチ、暖簾、コースターなど多彩なジャンルがそろう「ベンガラ染」は、すぐ横の工房で染職人が1枚ずつ手で染めたもの。「ベンガラ焼き」も手作りで箸置きやカップが人気だ。また、ベンガラで染められた和紙はとても丈夫で1000年もつといわれ、美術に携わる人にファンが多いが、手軽に購入できる封筒(5枚517円)や一筆箋(770円)などもある。陶芸、染めもの、絵の具、塗装に使用できる「ベンガラ」そのものも販売しているので、家でオリジナルのベンガラ染に挑戦してみるのも楽しい。
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御土産あさだ
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魚富
- 鮮魚店が営む日本料理店で旬の魚料理を味わう
- JR高梁駅から歩いて約10分。地元でも人気の日本料理店「魚富」は、道を挟んで向かいにある「土井鮮魚店」直営の食事処だ。魚屋さん直営だから、いつでも旬の魚介を味わえると評判が高い。高梁市は海から少し遠い立地のようなイメージがあるが、日本海、瀬戸内海を結ぶ高速道路の整備によって、新鮮な魚が日々届けられるようになった。名物のひとつが「魚屋さんの海鮮丼」。鯛やマグロ、海エビ、イカなどのスタンダードなものから岡山名物のシャコといった珍しいものまで料理人がその日選んだ約8種の魚介が入る、この店ならではの逸品といえるだろう。ほかにも、寿司、刺身、焼き物、揚げ物といった一品料理から、手軽に楽しめるセット、6品から9品までを選べる「夜の会席料理」など多彩なメニューがそろっている。そして、高梁川で育った天然の鮎や川がに、うなぎも名物。高梁川上流域は石灰岩の地帯を流れ、カルシウムを豊富に含んだ水で育つので、その味わいは格別だそう。「あゆの甘露煮」1400円、「あゆの酒粕漬」1400円はお土産として買って帰ることができる。旬の食材を組み合わせ、季節ごとの味を発信する名店で魚料理を堪能したい。
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魚富
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吹屋の紅や
- 茅葺きの屋根が目印のユニークなカフェ
- 国重要伝統的建造物群保存地区の「吹屋ふるさと村」に唯一残っていた茅葺き屋根の古民家を活用しているのが、このカフェ。下町駐車場からすぐの場所にある。建てられてから約140年が経つ古い民家を、なんとか利用したいと内部を改装し、10年ほど前からカフェとしての営業をスタートさせた。店内は骨董屋さんかと見紛うほど、所狭しと昭和レトロの雑貨が飾ってある。レコードジャケットや書籍、ラジオ、空きビン、うちわ、スタンド、カップ、玩具、人形など、眺めているだけで時が経つのを忘れそう。おすすめは地元で栽培された茶葉を使った「高梁紅茶」500円。ストレートで飲んでも甘みを感じる香り高い紅茶だ。コーヒー、紅茶などの飲みものにはクッキーなどのお菓子が付いている。また、広島県福山市の地コーラ「ふくやまコーラ」450円もある。茅葺き屋根は老朽化が進んだため、国重要伝統的建造物群保存地区の建造物の修理費90%を補助する高梁市の制度を活用し、2020年(令和2)に約30年ぶりに葺き替えられている。
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吹屋の紅や
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カフェ燈
- 吹屋の伝統的な建物を利用した施設で「地元野菜たっぷりランチ」を満喫
- ベンガラの町「吹屋ふるさと村」にある、築約140年の町家を活用した一棟貸しの滞在型宿泊施設「町家ステイ 千枚」。「千枚」はこの地区の小字にちなんでいる。外観や間取り、柱や梁などは元のものをできるだけ残してくつろげる空間を提供する。この「町家ステイ 千枚」のに併設されているのが、宿泊客以外も利用できる「カフェ燈(あかり)」だ。地元の食材にこだわったメニューが話題となっている。日替わりのランチは、地元産の野菜や調味料がふんだんに使われ、ほっとするような懐かしさが特徴。プラス300円でコーヒーとデザートが付く。スイーツも高梁エリアの食材を使用する。ケーキは、高梁市宇治の「もち麦ミルクレープ」か、「もち麦シフォンケーキ」を選ぶことができる。高梁市の地紅茶「高梁紅茶」といっしょに味わうのがおすすめ。器も吹屋のベンガラで色付けしたケーキ皿やコーヒーカップ、箸置きなどオリジナルで作成したものを使用している。ベンガラ色の器には吹屋の風景が描かれている。
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カフェ燈
人気スポット
旅のヒント
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その1
備中松山城の「天守が雲海に浮かぶ姿」は、もちろん現地では見ることができない。それを見るには「雲海展望台」まで行く必要がある。
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その2
吹屋の「ベンガラの町並み」が夕日に映え、オレンジ色に染まる光景は必見。
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その3
高梁から吹屋へは、車で約25kmの山道を走って約40分。吹屋から中国自動車道新見ICへも同じぐらいかかる。吹屋は意外と遠いので、時間配分に注意しよう。
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