青森

津軽・五所川原

TSUGARU / GOSHOGAWARA

約千年前の遺跡や寺院が世界遺産に。歴史と文化が息づく岩手の最南エリア

青森県の北西部に突き出す「津軽半島」を含むエリアで、その東側に津軽山地、西側に津軽平野を有している。津軽半島は東側、西側ともになだらかな海岸線が50km近く続き、それぞれに独特な景観が生み出されているため、その美しさには定評がある。東側には北海道新幹線とJR津軽線が走り、本州から北海道への旅の玄関口としても機能している。「青函トンネル記念館」や関連する見どころはぜひともチェックしておきたい。青函トンネルができる以前に、連絡船が運航していた津軽海峡の絶景も、一度見たら忘れられない景色だ。エリア最大の観光資源といえば、「五所川原立佞武多(たちねぷた)」である。思わず見上げてしまうほどの巨大なねぷたに、圧倒されること間違いなしだ。またローカル線の津軽鉄道が走る金木町は、青森が生んだ文豪・太宰治のふるさと。太宰の足跡を訪ね歩き、芦野公園内をのんびりと津軽鉄道が走り抜ける風景に、太宰の生きた時代を重ねるファンも少なくない。開発がそれほど進んでいるエリアではないが、そのぶん風光明媚なスポットが数多く残っている。

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エリアの見どころ

  • spot 01
    立佞武多の館
    五所川原立佞武多を見て、感じて、触れられる施設
    青森を代表する祭りのひとつ「五所川原立佞武多(ごしょがわらたちねぷた)」。高さ約23mの巨大な人形灯籠が、電柱やビルよりも高いところから街を睨みながらゆっくりと進む姿は、足元で見上げる人たちからみると圧倒的な迫力だ。
    祭り当日、立佞武多(たちねぷた)が街に出陣する様子。緊張感と高揚感が高まる瞬間だ
  • spot 02
    鶴の舞橋
    自然景観に溶け込む日本一の長さの木造太鼓橋
    その昔、たくさんの鶴が舞い降りたことから名づけられたという鶴田町。町のいたるところに鶴のオブジェやサインがあり、見る人を楽しませてくれる。そのなかでも「鶴の舞橋」は、毎年たくさんの観光客が訪れる人気のスポットだ。
    ゆるやかなカーブを描く太鼓橋のような鶴の舞橋
  • spot 03
    太宰治ゆかりの地
    文豪、太宰治の出身地・金木町でその足跡をたどる
    青森県北西部にある五所川原市金木町は太宰治の出身地であり、津軽三味線の発祥の地でもある。毎年6月19日の太宰の生誕の日には、全国から多くのファンが訪れる。
    太宰治記念館「斜陽館」の前通り。ガス灯を模した街灯がレトロな雰囲気を出している
  • spot 04
    芦野公園
    芦野湖と林を巡る散策路で四季折々の風景を楽しめる
    太宰治が幼少期に遊びに来ていたという「芦野公園」は、芦野湖を含む約80万平方メートルの県立自然公園。「日本のさくら名所100選」にも選ばれている。隣接する津軽鉄道や昔ながらの小さな駅舎などが、訪れる人々を和ませてくれる。
    津軽鉄道芦野公園駅から遮断機のない踏切を渡って芦野公園へ
  • spot 05
    赤い屋根の喫茶店「駅舎」
    芦野公園駅旧駅舎を利用した昭和レトロな喫茶店
    芦野公園の散策を楽しんだあとは、芦野公園駅に隣接する、赤い屋根の喫茶店「駅舎」で休憩しよう。ここは、1930年(昭和5)から46年間、実際に使われていた旧駅舎を再利用した喫茶店。そのため、駅舎の入り口だった表の道路側からも、プラットホームだった裏側からも店に入ることができる。店内には、かつて使われていた切符売り場や古い電話機などが現存し、店内を流れる落ち着いたジャズの音色と相まって、まるでタイムスリップしたかのような気分に浸れる。いちばん人気のメニューは、ふじリンゴのすりおろしがふんだんに使われた「スリスリりんごカレー」。小さい子どもも食べられる、やさしい味わいだ。オリジナルブレンドの「駅舎コーヒー」は、サイフォンでいれられており豆の香りをじっくり楽しめる。太宰治の小説『津軽』に登場する、駅舎の情景と重ね合わせて楽しみたい。
    白壁に赤い屋根が映える外観。昭和の雰囲気がそこかしこに感じられる
  • spot 06
    太宰治記念館「斜陽館」
    太宰治が幼少期を過ごした津島家の豪邸
    金木町に残る、小説『津軽』で知られる太宰治の生家。1907年(明治40)に建てられ、1998年(平成10)からは、太宰治記念館「斜陽館」として活用。全国から多くの太宰ファンが訪れている。
    建築材に日本三大美林のヒバをふんだんに使った太宰治記念館「斜陽館」
  • spot 07
    龍飛崎
    日本有数の強風地帯で北端の旅情を感じてみよう
    津軽半島突端の津軽海峡を見下ろす龍飛埼灯台。その先には断崖絶壁に展望台がある。雄大で海流の速い海峡を挟んで目に入るのは、北海道の陸地だ。岬巡りの旅には感動と魅力いっぱいの龍飛崎は欠かせない。
    駐車場から徒歩で灯台方向へ行ったところに龍飛崎展望台がある
  • spot 08
    竜泊ライン
    日本海沿岸に数々の景勝地が続き、目が離せない
    「ここは本州の袋小路だ……」と太宰治は小説『津軽』で綴っているが、龍飛から小泊までの「竜泊ライン」ができたことにより、今は袋小路ではなくなった。この道路が開通したのは1984年(昭和59)のことで、総延長距離は24.8km。車で約40分の道のりだが、曲がりくねった急峻な崖道が続くためスピードは出せない。途中、海抜470mの眺瞰台から徒歩5分ほど登ったところに、360度のパノラマ景色を楽しめる展望所があり、晴れた日には日本海、北海道、十三湖、岩木山まで見渡せる。一帯は津軽国定公園に指定されており、さらに車で下っていくと、日本海側の海岸線が遠くまで見える「坂本台」に出る。日本海を眺めながらその先を車で走らせると、七ツ滝や青岩、権現崎など「小泊十二景」と呼ばれる数々の景勝地があり、旅人の目を楽しませてくれる。
    眺瞰台から龍飛埼灯台、津軽海峡を越えて北海道を望める
  • spot 09
    階段国道
    車もバイクも通れない全国唯一の国道
    津軽半島を国道339号で北上すると、龍飛漁港へ行く直進道と、龍飛崎へ向かう坂道とに分岐する。直進し、龍飛漁港に向かうと、間もなく車道は行き止まりになる。ここから歩いて狭い民家の軒下を通り抜けると、目の前に階段が現れる。それが全国唯一の「階段国道339号」だ。国道に指定されたのは1974年(昭和49)のことで、実は、県の担当者が地図だけを見て決めたらしい。その階段をゆっくり上っていく。段数は362段。帯島が見え始め、やがて深い青々とした津軽海峡が目に入ってくる。上りきったところが龍飛埼灯台下になる。一時は国道からの格下げも検討されたというが、今ではその存在を堂々とアピールし、観光名所としても知られている。
    362段もある階段国道。上り切ると灯台下に出る
  • spot 10
    青函トンネル記念館
    トンネルにかけた人々のドラマを展示室と体験坑道に見る
    1988年(昭和63)に完成した、津軽海峡の海底140mを貫く青森県と北海道を結ぶ青函トンネル。延長53.85kmの海底鉄道トンネル工事に携わった多くの人の情熱と、最高水準の技術を後世に伝えるのが「青函トンネル記念館」だ。建物1階の展示室では、事業の推移や技術をトンネルの立体模型や資料パネルでわかりやすく紹介している。2階展示室のトンネルシアターでは、調査から完成までの様子を上映。記念館の目玉は、なんといっても鋼索鉄道ケーブルカー「青函トンネル竜飛斜坑線」、愛称「もぐら号」で向かう体験坑道だ。距離778mまで下降していく約7分間はワクワクしてしまう。海面下140mの体験坑道では、実際使用したボーリングの機材や削岩機など、実物大の作業員の模型を展示。館内放送での解説もとてもわかりやすい。ガイドさんの案内で歩く体験坑道(体験コース、所要時間約40分)は、迫力と驚きを与えてくれる。
    構想から貫通まで42年を費やした一大事業を、わかりやすく展示解説している
  • spot 11
    津軽金山焼
    深みのある独特の風合いが魅力!津軽金山焼の窯元へ
    近隣の大溜め池の粘土を用い、高温の登り窯でじっくりと焼き上げた焼き締(し)め陶器を製作しているのが「津軽金山焼」だ。広大な敷地にはギャラリー、レストランなどがあり、窯場を見学することもできる。
    ギャラリーの一角。ここでは多様な花入れを展示販売。どの作品も少しずつ異なる表情を見せる
  • spot 12
    かなぎ元気村「かだるべぇ」旧傍島家
    太宰治ゆかりの旧傍島(そばじま)家で触れ合い田舎体験
    太宰治ゆかりの一軒家「旧傍島家」は明治初期に建てられた古民家。宿泊のほか、田舎料理作り体験やひばの木工細工体験などの日帰りアクティビティが楽しめる。ここで田舎暮らしのプチ体験をしてみよう。
    「地元のかっちゃが腕を振るう田舎料理食べづくし」の膳。囲炉裏(いろり)の炭火で焼いた鯛の尾頭付き、ほたて貝の貝焼きも付く
  • spot 13
    スーパーストア金木タウンセンター店
    並んででも買いたい「ミサオおばあちゃんの笹餅」
    津軽の伝統料理のひとつに挙げられる笹餅。津軽地方のなかでも特に西北地域で作られることが多いが、五所川原市金木町在住の桑田ミサオさんが作る「ミサオおばあちゃんの笹餅」はテレビや雑誌、新聞などで何度も紹介され、全国的にも有名になった逸品だ。津軽の笹餅は、こし餡と餅粉を混ぜた生地を笹の葉に包んで蒸し上げる。一方、ミサオさんの笹餅は、まずこし餡と餅粉を混ぜたやわらかい生地を作って1時間ほど寝かせてから蒸し、その蒸した生地を丸め、笹の葉で三角になるように包んでからもう一度蒸すという。それゆえ、笹の葉の香りがよく、口あたりがやわらかでおいしい笹餅になるそうだ。ミサオさんは笹餅を作り始めて30年以上。75歳で起業し、95歳を迎えた今も現役で笹餅を作り続けている。砂糖以外はすべて地元のもの。笹の葉も自ら山で収穫したものを使う。そんな「ミサオおばあちゃんの笹餅」は、地元の「スーパーストア金木タウンセンター店」で週2回、火・土曜に販売されている。全国各地から買い求めにやってくる人がいるそうで、昼頃には売り切れてしまうという。手間をかけた昔ながらの笹餅をぜひ味わってほしい。
    「ミサオおばあちゃんの笹餅」は週2回のみ販売。1袋(2個入り)220円、1人5袋までの限定
  • spot 14
    高山稲荷神社
    圧巻の光景!延々と並ぶ朱色の鳥居と日本庭園を一望する
    つがる市の日本海に面した七里長浜(しちりながはま)沿いに立つ「高山稲荷神社」は、千本鳥居がある稲荷神社として知られている。数えきれないほど並ぶ朱色の鳥居がつくり出す不思議な空間を訪ねてみては。
    高山稲荷神社の千本鳥居。何基もの鳥居が連なる様子は龍が天に昇る姿といわれることもあり、パワースポットとして人気だ
  • spot 15
    金木観光物産館「産直メロス」
    太宰治の故郷・金木の特産物を探すならこちら
    太宰治の故郷として知られる五所川原市金木。太宰の生家「斜陽館」のすぐ向かいには、2022年(令和4)4月にリニューアルオープンした金木観光物産館「産直メロス」が立つ。地域の産物やお土産品を求めるのにおすすめだ。
    店内ではお土産品から地元農産物、加工品、工芸品など多彩な商品を取り扱っている
  • spot 16
    レストランわらび
    エキスがたっぷり!十三湖産のしじみを味わう
    津軽半島の北西部、津軽平野を流れる岩木川が日本海にそそぐ地にあるのが「十三湖」だ。淡水と海水が混じる汽水湖で、日本有数のヤマトシジミの産地として知られている。周囲は津軽国定公園となっているが、その一角の高台にある「道の駅 十三湖高原 トーサムグリーンパーク」内にある「レストランわらび」は、しじみを使った料理が評判の店。いちばん人気は「しじみラーメン」。塩味のスープはしじみのエキスがたっぷりで、ぷっくりしたしじみがトッピングされている。しじみのもつ独特のうまみと風味があふれる1杯だ。そのほかには、しじみの身が入った「十三湖カレー(サラダ付き)」900円や、「しじみ汁」440円、「しじみバター炒め」800円がある。そして、話題のテイクアウトグルメが「十三湖のしじみカレーパン」。揚げパンの中にはキーマカレーのようなしじみ入りカレーが入っており、少し甘口の仕上がり。これにはリンゴを隠し味に使っているそうだ。「道の駅 十三湖高原 トーサムグリーンパーク」では、活しじみや加工品を販売しているので、あわせて立ち寄ってみよう。
    店の人気ナンバー1の「しじみラーメン」880円。十三湖(じゅうさんこ)のしじみを使った一品
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旅のヒント

  1. その1

    エリアをじっくり見て回るのなら車移動がベスト。津軽半島の東側を走るJR線から、津軽平野を走る津軽鉄道への乗り換えは、五所川原駅。JR青森駅から五所川原駅へは、JR奥羽本線、JR五能線を乗り継ぐ必要がある。所要時間は1時間30分程度。

  2. その2

    ドライブのオススメルートは午前中に青森市を出発し、龍飛崎を経由して五所川原市に向かうルート。日照時間がいちばん長く、太陽を追いかけながらドライブを楽しめる。

  3. その3

    8月4〜8日に開催される五所川原立佞武多を見物するときには、ぜひとも「立佞武多の館」からの出陣風景を見ておこう。まるでアニメのロボットが、秘密基地から登場するシーンを連想させる迫力だ。

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