名古屋市東部

NAGOYA CITY (EAST)

歴史遺産と豊かな自然がほどよく調和する文化の薫り高い観光エリア

名古屋市役所から東側は、歴史的建造物が残るとともに豊かな自然に恵まれたエリア。徳川園にかけての東区一帯は、江戸時代には中・下級武士の武家屋敷が多く、今も黒塀などにその名残を感じさせる。明治以降は焼き物の産地、瀬戸につながる鉄道(現在の名鉄瀬戸線)が敷かれたことから輸出陶磁器産業が盛んになり、機械業などの工場設立も相次いだ。現在のトヨタグループにつながる企業家たちの邸宅も建てられたこの古い町並みを、市は「文化のみち」と名づけている。また、東区という名のとおり、かつてはこのエリアまでが名古屋の街であり、さらに東側はわずかばかりの別荘が立ち、山林が延々と続く起伏のある土地となっていた。そういったエリアに覚王山日泰寺が創建されたほか、東山動植物園が開園したことで、緑を残しつつ周辺の住宅地化が進んだ。少し南側の鶴舞公園や名古屋市博物館とともに、公園や文化施設が数多く点在するエリアとして現在にいたっている。

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エリアの見どころ

  • spot 01
    徳川園
    尾張徳川家の歴史ある武家屋敷跡に広がる日本庭園
    名古屋城から東へ約3㎞の地にある「徳川園」。徳川御三家筆頭、尾張徳川家の藩主が住んだ屋敷跡に整備された日本庭園だ。隣接する徳川美術館、蓬左文庫(ほうさぶんこ)とともに、近世武家文化の歴史と伝統を体感できる一大拠点となっている。
    南側の「脇長屋」や外周の塀とともに国の登録有形文化財に指定されている「黒門」
  • spot 02
    徳川美術館
    尾張徳川家の名品を通して近世大名文化に触れる
    徳川御三家の筆頭、尾張徳川家に代々受け継がれてきた大名道具など、名品の数々を収める「徳川美術館」。匠の技が施された品々が展示され、絢爛豪華な近世大名文化を肌で感じることができる。
    名古屋城をモチーフにした「徳川美術館」の外観
  • spot 03
    蓬左文庫
    尾張藩の書物倉から受け継がれた貴重な蔵書の数々
    尾張徳川家の旧蔵書を中心に、江戸初期から集められた貴重な書物などを所蔵する「蓬左文庫」。武家がかつて学問にどのように取り組み、教養を身に付けていったのか。明治時代に建てられたという旧書庫に訪れ、歴史に思いを馳せてみよう。
    徳川美術館のすぐ西隣、白壁と大きな瓦屋根で落ち着いたたたずまい
  • spot 04
    蘇山荘
    徳川園にある国の登録有形文化財、和カフェでくつろぐ
    徳川園黒門口のすぐ隣にある和カフェ。徳川園と入り口が分かれており、徳川園に入園する前にも、憩いの場として気軽に利用できる。1937年(昭和12)に開催された「名古屋汎太平洋平和博覧会」で迎賓館として建てられた和館で、閉会後に移築。2014年(平成26)に国の登録有形文化財に認定された。木曽檜を使用した伝統的な和風建築に、ガラス戸の採用や、洋家具を意識した応接間を設けるなど、江戸期の邸宅とは異なる近代和風建築の特徴が見られる。1996年(平成8)までは市の公営結婚式場として使われていたが、改築を経て、現在は和カフェに。玄関から廊下をまっすぐ進むと、和室だった場所にテーブルやイスが置かれ、カフェスペースが広がる。ガラス戸越しの木漏れ日が心地良い。徳川家の葵の御紋をかたどった最中の皮でアイスを挟んだアイス最中や、白玉の入ったぜんざいなどが人気だ。ランチのメニューには、八丁味噌を使った「名古屋ハヤシライス」もラインアップ。ほかにも、天むすや飛騨牛おこわでお腹を満たすことができる。
    かつての車寄せの名残をとどめる「蘇山荘」の玄関
  • spot 05
    名古屋市市政資料館
    司法と市政の歴史を今に伝える、赤レンガの美しい資料館
    名古屋市役所のすぐ近く、大通りから少し中に入ると重要文化財に指定された「名古屋市市政資料館」がある。周辺には法律事務所や司法書士事務所が並び、ここがかつて裁判所であったことを現代に伝えている。
    映画やテレビのロケで使われるほか、結婚式でも利用される
  • spot 06
    文化のみち
    名古屋中心部のエリアに残る、貴重な歴史遺産の数々
    名古屋の近代化の歩みを伝える歴史的建造物などが残るエリア、それが「文化のみち」だ。江戸時代の文化、そして近代化を進めた明治・大正の人々に思いを馳せながら散策すれば、名古屋の町のまた違った魅力に気づくことだろう。
    豊田佐吉(とよださきち)の娘婿である旧豊田利三郎(とよだりさぶろう)邸の門跡
  • spot 07
    文化のみち二葉館
    大正ロマンを感じさせる、貞奴と桃介の御殿
    名古屋駅を発着する市の観光ルートバス「メーグル」のバス停が設けられ、アクセス便利な「文化のみち二葉館」。日本の女優第1号とされる川上貞奴(かわかみさだやっこ)と、電力王と呼ばれた福沢桃介(ふくざわももすけ)がともに暮らした家だ。建築当初は東二葉町にあり、「二葉御殿」と呼ばれていたことから、橦木町への移築・復元後も「二葉館」という名になっている。大正中期に建てられたことを思えば、おしゃれなデザインの外観で、御殿と呼ばれた意味もよくわかる。中に入ると、ステンドグラスの美しい大広間と廊下沿いに和室が並び、こちらも和洋折衷の斬新なレイアウトを採用。大広間と2階はらせん階段でつながり、洋装した貞奴が客人を迎えるために今にも降りてきそうな雰囲気だ。創建当時のまま残されている和室部分は国の有形文化財に登録され、2畳ほどの書斎に当時使っていた調度品などが展示されている。電力事業に携わった桃介らしく、当時としては珍しい大きな配電盤が設置されているのもおもしろい。
    2005年(平成17)に東区白壁から東区橦木町へ移築復元された「文化のみち二葉館」
  • spot 08
    文化のみち橦木館
    カフェも併設された、大正期の陶磁器商の元邸宅
    文化のみちの中心エリア「白壁(しらかべ)・主税(ちから)・橦木町並み保存地区」は、陶磁器産地の瀬戸や多治見とつながる街道に近かったことから、陶磁器の絵付け・加工業者などが多く集まっていた。文化のみち二葉館から西へまっすぐ200mほどのところにある「文化のみち橦木館」は、陶磁器商として財をなした井元為三郎(いもとためさぶろう)の元邸宅だ。大正末期から昭和初期にかけて、和館、洋館、東西二棟の蔵、茶室、庭園が次々と造られていった。名古屋市指定有形文化財、景観重要建造物にも指定されている。洋館の玄関から中に入ると、旧応接室や玄関ホールにステンドグラスが設置され、輸出の商談を行うため、多くのバイヤーを招待していた名残が感じられる。奥に進むと一転、和室が広がり、大正末期の和洋折衷の建築様式を今に残している。洋館の展示室では、名古屋の陶磁器産業の歴史をパネルなどで紹介。また、旧応接室はカフェとして使われ、テラス席でくつろぐこともできる。
    玄関がある洋館の奥に和館がつながる、「文化のみち橦木館」
  • spot 09
    旧豊田佐助邸
    佐吉を支えた弟の佐助、トヨタグループ源流の一端がここに
    豊田佐助とは、自動織機を発明しトヨタグループの創始者となった豊田佐吉(とよださきち)の弟だ。実業家として佐吉を支え、のちに豊田紡織社長を務めている。実は佐吉を筆頭に、その長男でトヨタ自動車創業者の喜一郎(きいちろう)、佐吉の娘婿の利三郎(りさぶろう)、そして佐助と、皆が現在の文化のみちエリアに住んでいた。そのうち佐助邸だけが残り、一般に公開されている。すぐそばの「文化のみち橦木館」と同様、洋館と和館で構成されたたたずまいで、大正時代に建築されていることから当時流行の造りだったことが想像できる。洋館は白いタイル張りの外観。その玄関を入った左には応接室があり、当時と同じシャンデリアなどが残されている。豊田家一族の説明パネルも置かれ、現在のトヨタグループにどのような人たちが関わってきたかがよくわかる。洋館の奥には和室が広がり、田の字型の部屋割りで周りがぐるりと廊下で囲まれている。この広い座敷に親族が集まり、トヨタグループの礎を築く話し合いが行われたかもしれないと思うと、たいへん興味深い。
    白いタイル張りの洋館と和館からなる旧豊田佐助邸
  • spot 10
    覚王山日泰寺
    日本とタイの友好を象徴する、日本唯一の超宗派寺院
    名古屋市東部、住みたい街として人気が高い覚王山のランドマーク「覚王山日泰寺」。お釈迦様を表す「覚王」を山号とする由緒正しき寺だが、縁日には大勢の参拝者で賑わい、親しみやすい顔ものぞかせてくれる名刹(めいさつ)だ。
    お釈迦様の弟子「阿難尊者(あなんそんじゃ)」と「迦葉尊者(かようそんじゃ)」の像が立つ日泰寺山門
  • spot 11
    日泰寺参道
    定番グルメから話題の店まで、新旧店舗が軒を連ねる
    地下鉄覚王山駅1番出口を出ると、そこは日泰寺参道の入り口だ。名古屋の東西を結ぶ目抜き通りの「広小路通(ひろこうじどおり)」から、日泰寺の正門に向かってまっすぐ延びる。古くから商店街が形成され、昔懐かしい団子屋や洋食店から、話題のドーナツ店や人気パティシエがオーナーのケーキ店までそろい、美食を求める人を飽きさせない。ほかにも雑貨店や食器店、古着屋などが並び、寺の参道らしく仏具店や石材店なども軒を連ねる。さらに毎月21日には弘法大師の縁日で、参道が歩行者天国となって大きな賑わいを見せる。また、春・夏・秋と年に3回、商店街主催の「覚王山祭り」が開かれ、アートや文化にまつわる催し物に人気が集まる。参道がどこか多国籍な雰囲気で、懐かしさと新しさの程よい調和が感じられるのは、日泰寺が宗派を超えた寺で、タイとの友好の歴史を刻んできたからにほかならない。
    どこか多国籍な雰囲気が漂う参道商店街の一角
  • spot 12
    覚王山アパート
    多彩な作品を手がけるアーティストたちのショップが入居
    日泰寺参道の一本西側の通りにある古びたアパートらしき建物。ここは、複数のテナントショップが入居する「覚王山アパート」だ。覚王山まちづくり委員会が新しい名所づくりを目指し、1955年(昭和30)築の木造アパートを改築し、2003年(平成15)にオープンさせた。入居するのは自ら作品を手がけるアーティストたちで、アクセサリー、雑貨、古本カフェなどの多彩なショップやギャラリーがそろう。アーティストとの距離が近く、制作風景を見ながら気軽に交流できるのが特徴だ。店によってはオリジナルの注文にも応えてくれる。これまで多くのアーティストが入居しては卒業していく形を繰り返し、若手を育てる役割も自然に担うようになった。覚王山の落ち着いた街の雰囲気に、昭和感が漂う木造アパートのたたずまいがよくマッチしている。どこか郷愁を覚えつつ、各作品に感性を刺激される興味深いスポットだ。
    昭和の古い木造アパートを改築した「覚王山アパート」
  • spot 13
    揚輝荘
    多国籍な様式を採り入れた「松坂屋」初代社長の別邸
    日泰寺の道を一本隔てた東隣には、かつて約3万5000㎡の広大な丘陵地が広がっていた。のちに百貨店「松坂屋」の前身となる、株式会社松坂屋の初代社長・伊藤次郎左衞門祐民(いとうじろざえもんすけたみ)の別邸「揚輝荘」だ。大正から昭和初期にかけて造られ、当時は各界の要人や文化人をもてなす迎賓館としての機能を持ち、アジアからの留学生の寄宿舎としても利用されていた。現在は戦災や開発などの影響により、「北園」・「南園」として主要な部分のみ残り、名古屋市の管理のもと一般公開されている。南園の「聴松閣」は山荘のような外観の迎賓館だ。地階にはインドの留学生が描いた壁画が残され、レリーフなどにインド様式の意匠が見られる多目的室(旧舞踏場)も設けられている。専用通路で結ばれた北園には回遊式の庭園があり、緑が美しい。揚輝荘最初の建物の茶室「三賞亭(さんしょうてい)」や、龍の天井絵が描かれた「白雲橋(はくうんきょう)」などには、多趣味であった祐民の好みが随所に感じられる。園内の各施設は茶会などの文化イベントにも活用されているという。
    揚輝荘のランドマーク「聴松閣(ちょうしょうかく)」
  • spot 14
    東山動植物園
    開園80年以上の歴史を誇る日本有数の動植物園
    名古屋市東部の丘陵地に広がる東山動植物園は、その広さや飼育種類数で日本有数の規模を誇る。動物園と植物園が一体化して運営されているほか、遊園地や展望タワーなどもあり、世代を問わず多目的な楽しみ方をできるスポットだ。
    東山動植物園は国内有数のコアラを飼育している動植物園
  • spot 15
    東山スカイタワー
    名古屋市街を一望できる標高180mの絶景スポット
    「東山スカイタワー」は、名古屋市制100周年を記念して1989年(平成元)に建てられた。東山動植物園のほぼ中央にあり、シンボル的な役割を果たしているが、正確には園内ではなく隣接している形だ。動植物園から行くには、一度タワー門から外に出る。動植物園に入園せずに上ることもできるため、タワーのみのチケットと、動植物園とセットになったチケットが用意されている。高さは地上134mだが、標高80mの丘に立っているので、タワーの先端は標高214mになる。5階の「360°パノラマ展望室」は高さ100m、標高180mでその眺めは圧巻だ。名古屋市街はもちろん、晴れた日には御嶽山やアルプス連峰、鈴鹿山脈の山並みも見ることができる。また、夜は「日本夜景遺産」「夜景100選」に選ばれた夜景も楽しめる。加えて、「恋人の聖地」にも選定されているロマンティックなスポットであり、4階にはモニュメントが設置されている。東山動植物園も一望できるので、タワーから動植物園を眺めるのもおすすめだ。
    緑の中から突き出るように立つ「東山スカイタワー」
  • spot 16
    鶴舞公園
    名古屋市で最初に設置された和洋折衷様式の大公園
    名古屋市内の桜の名所である鶴舞公園。市が設置した最初の公園として1909年(明治42)に開園した。長い歴史を重ねた貴重な建造物の周りに、花壇や豊かな緑が整い、四季を通じて市民の憩いの場となっている。
    開園時は中央線のガードに掛けられていた鶴舞公園の扁額
  • spot 17
    名古屋市博物館
    貴重な歴史資料から尾張・名古屋を学ぶカルチャースポット
    名古屋を特徴づける歴史資料を中心に、約2万4000件、27万点以上の資料が集められている「名古屋市博物館」。市民からの寄贈品も多いという。ギャラリーや講堂で文化活動発表の場も提供する、市民と二人三脚で歩む博物館だ。
    地下鉄の駅から近く、商店街の屋根の下を歩いて雨に濡れることなくたどり着ける「名古屋市博物館」
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旅のヒント

  1. その1

    「文化のみち」は、地下鉄名城線・桜通線、名鉄瀬戸線、JR中央線の各路線に囲まれたエリアで、目的のスポットにより最寄り駅は異なる。便利なのが名古屋駅を発着点とする、なごや観光ルートバス「メーグル」だ。エリアをほぼ横断し、拠点施設の「文化のみち二葉館」にはバス停が設けられているので、ぜひ利用したい。

  2. その2

    徳川園・徳川美術館・蓬左文庫は同じ敷地内にあり、3施設共通の観覧券もある。同じく敷地内の蘇山荘(登録有形文化財)ではカフェが営業されているが、外観は自由に見学できる。

  3. その3

    覚王山日泰寺は毎月21日が縁日で、境内への車乗り入れは不可となるので注意しよう。

  4. その4

    東山動植物園と東山スカイタワーは隣接しており、動植物園とタワーがセットになった入園チケットも用意されている。訪れた際はセットになったチケットをゲットして、2つのスポットを同日に足を運ぶのもおすすめ。

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