鶴舞公園
名古屋市で最初に設置された和洋折衷様式の大公園
国の登録記念物に指定された、歴史ある公園
JR中央線鶴舞(つるまい)駅の公園口、または地下鉄鶴舞線の鶴舞駅4番出口を出れば、目の前は鶴舞公園の正面広場だ。ここが西側入り口となり、開園当時の総理大臣である桂太郎(かつらたろう)の筆による公園名の扁額が掲げられている。ヒマラヤスギの並木道を東に進んだ正面が、公園のシンボル「噴水塔」。ローマ様式で造られた大理石の柱と、岩組みという造りでできている噴水塔は1910年(明治43)からあり、名古屋市の指定文化財となっている。公園内はここを中心に放射状に道が延びている。桜林やバラ園、香りの園といった四季の彩りを見せる樹木や花壇が続く一方で、東には緑豊かな日本庭園が広がり、高低差を設けて池や小さな森が造られている。2009年(平成21)には、公園のほぼ全域が国の登録記念物(名勝地関係)に指定された。
貴重な建造物が幾つも点在する園内
開園から110年を超える歴史をもつだけに、園内には噴水塔以外にも貴重な建造物が点在する。噴水塔の近くにある「普選記念壇(ふせんきねんだん)」は、1925年(大正14)施行の普通選挙法を記念して建造された野外劇場で、市の文化財に指定。公園内の北側には、1930年(昭和5)開館の「名古屋市公会堂」があり、国の登録有形文化財となっている。
鶴舞公園の開園のきっかけは、1910年(明治43)に行われることになった第10回関西府県連合共進会の会場とするため。その中心施設で、演奏会が催された「奏楽堂(そうがくどう)」は老朽化のため取り壊されたが、現在は築造当時の姿で復元されている。なお公園名の「つるま」と、駅名や住所の「つるまい」が混在している理由には、「つるま」という地名に「鶴舞」という字を当てたなど、さまざまな説があるのだとか。
四季を通じて咲く草花の数々
公園内では、「フランス式の洋風庭園と、廻遊式の日本庭園とを合わせ持つ和洋折衷の大公園」という開園当初の設計思想が今も息づく。明治から大正にかけて造園に取り組んだ人々に思いを馳せながら、散策を楽しみたい。春の桜やバラに始まり、夏はハナショウブやアジサイ、秋の紅葉、冬はサザンカやツバキが咲き、いつ訪れても美しい花々との出合いがあるのがうれしい。また、園内南側には市の緑化センターがあり、展示室ではバラや木の実などの展示会を随時開催。グリーンサロン(温室)では熱帯の植物も栽培しており、入館は無料だ。緑化センター名物のスイフヨウの花は、朝は白、昼はピンク、夕方は紅色に変わり、8月上旬から10月上旬までが見頃となる。
市立動物園の面影を伝える門柱も
公園には大正時代に開館し、現在も市立図書館として最大規模を誇る「鶴舞中央図書館」があるほか、その南側に「動物園跡」の門柱2基が残る。ここには1918年(大正7)から1937年(昭和12)まで市立動物園が置かれ、その後移転して全国から観光客が集まる人気の東山動植物園となった。鶴舞公園は、名古屋の歴史の歩みも感じられる場所ともいえるだろう。なお、公園散策後は地下鉄鶴舞線を利用し、乗り換えなしで人気のグルメスポットや雑貨店が立ち並ぶ大須エリアに行くことも可能だ。
スポット詳細
- 住所
- 愛知県名古屋市昭和区鶴舞1 地図
- エリア
- 名古屋市東部エリア
- 電話番号
- 0527338340
- 時間
- [名古屋市緑化センター]9:00-16:30
- 休業日
- [名古屋市緑化センター]月(祝日の場合は翌平日)、第3水(祝日の場合は第4水)
- 料金
- 無料
- 駐車場
-
あり(150台)
※有料(30分/200円) - 備考
- ※電話番号は名古屋市緑化センターへ繋がります。
情報提供: ナビタイムジャパン