千葉
銚子・九十九里
CHOSHI / KUJUKURI
日本有数の漁港がある港町とその南に延びる長い海岸線
利根川の河口に位置し、日本トップクラスの水揚げを誇る漁港を擁する銚子。首都圏で最も東に位置する犬吠埼は初日の出を見るスポットとして人気だ。漁業だけでなく、江戸時代から醤油の醸造でも知られており、内陸部では野菜や果物の生産も盛んな豊かな土地。古い漁師町の雰囲気を残したレトロな町並みや屛風ヶ浦のような自然スポットも見どころだ。銚子市の南、旭市の刑部岬から60km以上続く九十九里浜は、日本有数の長い砂浜。海水浴場やサーフスポットがいたるところにあり、千葉のマリンレジャーの中心といっていいだろう。海の楽しみは遊ぶだけでなく、食べることも。漁港ならではの旬の魚を使った料理や千葉の浜ではおなじみの「焼きハマグリ」をぜひ試してみたい。
エリアの見どころ
-
spot 01
-
spot 02
-
地球の丸く見える丘展望館
- 絶景ではないけれど、穏やかな風景に癒される展望スポット
- 全国トップクラスの水揚げを誇る銚子漁港があるため、港町のイメージがある銚子だが、内陸部には広大な畑が広がっていて、実は農産物でも全国有数の土地。そんな場所の真ん中にあるのがこの展望台だ。
- スポットの詳細
-
地球の丸く見える丘展望館
-
spot 03
-
海ぼうず
- 千葉ブランド「銚子つりきんめ」と、脂のコクを味わう「あぶらぼうず」
- 銚子漁港は日本の名だたる漁港のなかでも圧倒的な水揚げ量を誇る。周辺には鮮魚料理店が集まるが、千葉を代表する優良水産物「千葉ブランド水産物」の第1号に認定された「銚子つりきんめ」を味わいたい。「つりきんめ」とは網を使わず手で1尾ずつ釣り上げられた金目鯛のことで、大きくて脂のりも抜群。漁港近くの店「海ぼうず」では、表面を炙ったつり金目鯛がたっぷりと載った丼が人気だ。炙った香ばしさが金目鯛の甘みを引き出し、煮つけともまた違うおいしさを楽しめる。ほかにも、銚子で獲れる「あぶらぼうず」もぜひ食べてみよう。「あぶらぼうず」は深海800メートル付近にいる大型の深海魚。白身のトロともいわれ、脂肪分は全体の40%もある。独特の歯ごたえや、脂のコク、甘みを堪能できる。照焼のほか、水揚げがある日には刺身でも食べられる。
- スポットの詳細
-
海ぼうず
-
spot 04
-
spot 05
-
銚子電鉄ぬれ煎餅駅
- 「奇跡のぬれ煎餅」の工場直売所
- 銚子市と旭市をつなぐ県道126号沿いにある「銚子電鉄ぬれ煎餅駅」は、実際の駅ではない。銚子電鉄の廃線危機を救った「奇跡のぬれ煎餅」として全国的にも有名になった「ぬれ煎餅」を作る工場の直売所だ。「ぬれ煎餅」や「まずい棒(うまい棒のパロディ)」などのヒット商品のほかに、銚子電鉄の写真パネルが飾られた店内には、銚子電鉄のオリジナルグッズが多数販売されており、そのほか銚子の土産になりそうな水産加工品なども販売。店の奥には「ぬれ煎餅手焼き体験コーナー」があり、せんべいの生地を購入し(2枚300円)、自分で好みの焼き具合に焼いて、タレやパウダーをかけて、オリジナルのせんべいを作ることができる(2021年11月現在コロナ禍につき休止中)。鉄道事業がもちろん本業の銚子電鉄だが、今や売り上げの多くは、実はこの「ぬれ煎餅」の販売だ。
- スポットの詳細
-
銚子電鉄ぬれ煎餅駅
-
spot 06
-
spot 07
-
九十九里ビーチタワー
- 長い長い砂浜を見渡す巻貝のようなタワー
- 不動堂海水浴場に建つ高さ22mの展望台。階段を20段登れば上まで行けるほどの高さだが、すぐ隣にあるライフセーバー(海水浴場監視員)の監視塔を除き、周りをさえぎるものがないのでとにかく見晴らしがいい。九十九里浜はゆるやかに湾曲していて、この辺りはそのいちばん奥に位置しているので、北は屛風ヶ浦から、南は太東岬まで海岸線の端から端まで見渡せる。解放感いっぱいの日中の眺めもいいが、太平洋から日が昇る明け方もすばらしく、「ちば眺望100景」にも選ばれている。初日の出を眺めるポイントとしても人気だ。日没から21時までライトアップされていて、白い展望塔が夜空に浮かび上がる。周辺には名物の焼きはまぐりをはじめ、海産物をメインにした食事処がいくつもあるので、ぜひ寄ってみたい。
- スポットの詳細
-
九十九里ビーチタワー
-
spot 08
-
海食堂九十九里倉庫
- 海のうまみたっぷりのふっくら焼きはまぐりを堪能
- 九十九里浜の名物は、はまぐりや赤貝、ながらみなどの貝。はまぐりの旬は5月中旬から8月だが、九十九里浜では通年獲ることができるのでいつでも新鮮なものを味わえる。海岸に並行する県道30号沿いには「焼きはまぐり」を提供する店が並んでおり、そのうちの1件「海食堂九十九里倉庫」は、地元の漁港などから仕入れるさまざまな海の幸を楽しめる人気店だ。メニューは豊富だが目の前の網で焼く「焼きはまぐり」ははずせない。はまぐりを焼き網に置いて3-4分もすると勢いよく貝が開く。うまみたっぷりの貝の汁はこぼさないように皿に移しておこう。特製のたれをかけて、ふたたびグツグツとしてきたら食べ頃。ふっくらとした身をほおばると、口いっぱいに貝のうまみが広がる。ほかには房総の郷土料理「さんが焼き」もおすすめ。これは、アジやイワシを味噌などの調味料と一緒にたたいた「なめろう」を焼いたもの。海食堂九十九里倉庫では、ほたての貝殻になめろうを載せて、自分で網で焼くスタイルなので好みの焼き具合で食べられる。
- スポットの詳細
-
海食堂九十九里倉庫
-
spot 09
-
spot 10
-
銚子ポートタワー・ウオッセ21
- 眺望絶佳を堪能できる銚子漁港のシンボルタワー
- 360度見渡せる展望室から眼下に行き交う漁船の風景と太平洋、銚子の町を一望できる「銚子ポートタワー」と隣接する水産物即売センター「ウオッセ21」は銚子漁港の観光拠点。
- スポットの詳細
-
銚子ポートタワー・ウオッセ21
-
spot 11
-
spot 12
-
spot 13
-
一山いけす
- 銚子で水揚げされた新鮮な魚介に舌つづみ
- 千葉県銚子市、関東最東端の岬にある創業70年を超える老舗「一山(いちやま)いけす」は眼下に広大な太平洋を望む活魚料理店。竜宮城かと見紛う門をくぐるとその先に店舗が現れる。テレビでも連日紹介される人気店なので、てっきり客の主流は観光客かと思いきや、スタッフが親し気に話しているのは常連客なのだろう。地元客にも愛される様子がうかがえる。「一山いけす」は銚子市場で水揚げされたばかりの魚を契約漁師から直接買い付ける鮮魚問屋直営で、日本で初めて店内に生け簀を造った店としても知られる。海に面した座敷席は広く、子ども連れにも大人数の宴会にもぴったり。カウンター席は巨大生け簀の目の前で、魚を眺めながら食事を楽しめる。この日も生け簀内には人気の伊勢えびやイカだけでなく、カレイ、イシダイ、ホウボウ、カサゴなど15種類以上の魚が泳いでいた。生け簀内の魚をその場でさばいて料理してもらえるので、新鮮さはお墨付きだ。店のブログでは毎日その日のおすすめを紹介しているので、チェックしてから出かけよう。
- スポットの詳細
-
一山いけす
-
spot 14
-
石上酒造
- 地元の水や米を最大限生かした関東最東端の酒蔵
- 1844年(弘化元)に酒造業を創業した石上酒造は約180年続く銚子の老舗で、現在、5代目一家4人の家族経営。地元に根ざした千葉県産の米やミネラル分の多いろ過した井戸水を使い、ていねいな醸造で少数精鋭の酒造りを行っている。地域の歴史的景観を形成する石上酒造の「明治蔵」「大正蔵」という2棟の「石蔵」は、登録有形文化財に指定される貴重な建造物。酒蔵といえば一般的に土壁だが、大谷石を使った石上酒造の石蔵は、温度や湿度をつねに一定に維持し、優れた醸造環境を保つ。長い歴史のなか、震災や戦火の危機に何度見舞われてもそのたびに耐え抜いてきた石蔵は、今も仕込み蔵、貯蔵蔵として稼動している。大量生産はできなくても明治時代から続く石蔵と確かな醸造技術が銚子を代表するこだわりの酒を生む。いちばん人気の純米酒「銚子の誉」はフルボディで、しっかりとした味わいがありながら辛味は軽快だ。銚子特産の醤油を使ったキンメダイの煮つけなど、濃厚な魚料理にあわせて楽しみたい。
- スポットの詳細
-
石上酒造
-
spot 15
-
飯高寺(飯高檀林跡)
- 往時の姿をそのままにとどめる仏教の学問所
- 飯高寺(はんこうじ)はかつて法華宗(日蓮宗)の学問所として、全国有数の規模を誇った飯高檀林(いいだかだんりん)の跡。1580年(天正8)に開かれ、江戸時代には徳川家の寄進により規模を拡大し、最盛期には600~800人もの学僧がここで学び、多くの名僧を輩出したという。「檀林」とは、僧侶の教育機関をいう。今でいう大学のようなもので、修学課程は8階級。全過程を修了するまでおよそ36年もの歳月を要したといわれる。1874年(明治7)に廃檀となったが、その学統は立正大学へと受け継がれた。境内はうっそうとした杉の木々に覆われており、その入り口に「総門」が立つ。先へ進むと、経文や蔵書を収めた「一切経蔵」、試験の合格を祈願する場所だった「題目堂」、さらに「鐘楼」や「鼓楼」があり、最奥部にどっしりとした「講堂」がたたずむ。どれも江戸時代の姿をよく残しており、総門、鼓楼、鐘楼、講堂は国指定の重要文化財となっている。境内には桜やアジサイなど季節の花が咲き、秋の紅葉もすばらしい。なかでも4月下旬から5月上旬にかけて、講堂の裏庭に植えられた約500株が大輪の花を咲かせる、ボタンの名所として知られている。
- スポットの詳細
-
飯高寺(飯高檀林跡)
-
spot 16
-
spot 17
-
緑川苺園
- ストロベリーロード沿いで楽しむフレッシュイチゴ食べ比べ
- 千葉県北東部に位置する山武(さんむ)市成東地区は、関東最大級のイチゴの産地。JR成東駅付近の国道126号線は「ストロベリーロード」と呼ばれ、イチゴ農園の看板やのぼりが立ち並ぶ。緑川苺園はそのうちの1軒だ。受付を済ませ、トレーを受け取りハウスへ。ビニールハウスの中では緑の葉の下に真っ赤なイチゴがたわわに実り、目にも鮮やかだ。さっそく真っ赤に熟したイチゴを摘んでみよう。緑川苺園では最大13種ほど、常時6~8種のイチゴを栽培している。畝により品種の違うイチゴをトレーに数種類載せて飲食スペースへ。口に入れればフレッシュな香りが広がり、完熟イチゴの甘みに驚くほどだ。イチゴ狩りの醍醐味は、実がやわらかく流通には向かない品種や、希少な品種も味わえること。味や形、食感など、個性豊かなイチゴの食べ比べを楽しもう。イチゴ狩りの制限時間は成東地区で共通の40分で、お腹いっぱい食べられる。帰りには国道を挟んだ向かい側にあるイチゴをイメージした外観の直売所にも立ち寄ってみよう。フレッシュなイチゴはもちろん、自家栽培のレモンとイチゴで作ったイチゴジャムも好評だ。
- スポットの詳細
-
緑川苺園
-
spot 18
-
観音食堂 丼屋 七兵衛
- 銚子港で水揚げされた青魚をこだわりの漬け丼に
- 銚子電鉄「観音」駅から歩いて5分、赤い山門が目を引く圓福寺の向かいに店を構える「丼屋 七兵衛」は店先の看板に「銚子港水揚げの青魚漬丼専門店」とあるように、銚子ブランドの魚を漬けにして提供する飯屋。シンプルに「七」と書かれた暖簾をくぐって店に入ると壁にはなじみの魚だけでなく、夏場の「入梅(にゅうばい)イワシ」、冬においしい「極上サバ」のほか「マンボウ」など銚子で水揚げされた珍しい魚の名も並び、これも漬丼になる。漬けに使う魚はその日のうちに仕込みを行うので、臭みもなく新鮮さを保ったまま秘伝のタレをまとって極上のうまみが引き出される。仕込みダレは添加物や保存料、化学調味料をいっさい使わず、長年試行錯誤を重ねた末に完成された「特許製法の塩だれ」。塩だれに浸かった魚は提供される直前、醤油の町・銚子ならではの「濃い口醤油のタレ」にさっとくぐらせてからどんぶりに。休日のランチ時は行列必至の人気店。昼前の10時から開いているので少し早起きして出かけたい。肉厚の絶品「極上鯖寿司」1650円はお土産に。
- スポットの詳細
-
観音食堂 丼屋 七兵衛
-
spot 19
-
島武
- 銚子名物・伊達巻寿司を食べられる回転寿司
- せっかく銚子に来たのだから回転寿司はちょっとな~、なんて侮ることなかれ。銚子電鉄、犬吠駅からすぐの食事処「島武(しまたけ)」の回転寿司はデカネタを出す店として知られるが、なんといっても銚子港で水揚げされたばかりの旬の魚や珍しい魚を食べられるのが最大の魅力。黒板には一般的なネタとは別に、本日のおすすめがずらりと並んでいる。この日も大ぶりに切られた新鮮な釣りキンメ、獲れたてのいわしやマグロの中とろなどがレーンに乗って回っていた。魚のことでわからないことは、地元出身のスタッフに聞けばなんでも気さくに教えてくれる。また「島武」ではぜひ銚子名物の「伊達巻寿司」を食べておきたい。伊達巻寿司は、分厚い厚焼き玉子を丸い棒の上に置いて半月状にしてから太巻き寿司の上に載せた銚子の郷土料理。大きな卵焼きをぐるりと巻いた太巻寿司は見た目も斬新で、一度は味わいたい逸品だ。寿司の価格は120~560円。良心的な値段でお腹いっぱい食べられる銚子ならではのネタをローカルな回転寿司で堪能しよう。
- スポットの詳細
-
島武
人気スポット
旅のヒント
-
その1
鉄道でアクセスする場合、千葉からJR総武本線で銚子まで約1時間45分。千葉発銚子行きは成田線経由の場合もあり、そちらだと所要時間が20分ほど長くかかる。
-
その2
九十九里浜に鉄道でアクセスする際もJR総武本線を利用する。線路は海岸と並行して走っているが、各駅は海岸線からかなり離れている。いくつかの駅には路線バスがあるが本数は少なく、公共交通機関での海岸へのアクセスは難しい。
-
その3
銚子電鉄も犬吠埼方面へ行くときのアクセスに利用できるが本数が少ないので、同エリアを走る千葉交通のバスも合わせて利用することを考えるといい。
-
その4
東京都心から銚子まで車で行く場合、東関東自動車道路の終点である茨城の潮来まで行き、利根川に沿って銚子に入る。京葉道路から千葉東金道路、圏央道を経由で国道126号を使って銚子に向かうルートもあるが、所要時間は大きく違わない。
-
その5
海岸沿いには駐車場は多い。公営の駐車場は、夏季、週末以外は無料で開放しているところもある。