千葉

成田・北総

NARITA / HOKUSO

古い寺社、小江戸の街並み、充実した展示の博物館のある歴史を訪ねる旅が楽しいエリア

千葉県北部、利根川に沿ってのどかな田園風景が広がるエリア。川の向こう側は茨城県だ。その昔、現在の千葉は「総の国(ふさのくに)」と呼ばれており、現在も「総」の字がつく地名は多く、「北総」もそのひとつ。成田は日本の玄関のひとつ成田国際空港があることで知られているが、空港と同じぐらい有名なのが、近くにある成田山新勝寺。年間参拝者数1000万人以上を数え、全国に数多ある寺のトップといわれている。かつて利根川の水運業で栄え、今も江戸時代の風情を残す街並みがある佐原もこのエリアの人気の観光スポット。全国に400以上あるといわれる香取神社の総本社である香取神宮も佐原にある。このエリアでもうひとつ重要な町が佐倉だ。江戸時代、殿様が代々幕府の要職に就いている佐倉藩は、江戸の東の要衝だった。城址には、現在国立歴史民俗博物館が建っている。

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エリアの見どころ

  • spot 01
    成田山新勝寺
    千葉はもとより、関東屈指の参拝者数を誇る寺院
    「川崎大師 平間寺」「高尾山 薬王院」と並ぶ、関東三大本山のひとつ。荘厳な空気に満ちた本堂をはじめ、重要文化財に登録されているいくつもの伽藍が境内に並び、隣接する公園では四季折々の美しい風景を眺められる。
    巨大な総門が参拝者を迎えてくれる
  • spot 02
    成田山公園
    お不動様の庭は広大な自然公園
    新勝寺大本堂裏、右奥の階段を上ると成田山公園の入り口がある。広さ16.5万平方メートルという広大なエリアは「お不動様の庭」と呼ばれているが、一部は庭と呼ぶにはかなりワイルドな場所もあり、ありのままの自然をいたるところで感じられる。対照的にしっかり整備されたところは、美しい庭園の風景を眺められるので、変化にとんだ散歩が楽しめるスポットだ。のんびりと散策をするだけでなく、江戸時代から現在までの書を中心に、古い時代の古書や中国の拓本類など約6000点のコレクションを所蔵する書道美術館、山水画の風景をイメージさせる池の上のあずまや「浮御堂」、お不動様の庭に突然現れる西洋庭園など、見どころも点在している。錦鯉の泳ぐ池、岩に囲まれた小さな滝など、水の風景に心が癒やされる。
    3つある池のひとつ、「竜智の池」にある浮御堂
  • spot 03
    成田山表参道
    門前町の参道は千葉の隠れたグルメスポット
    日本の表玄関である国際空港を擁する成田は、もともと新勝寺の門前に広がった寺町が始まり。その寺町の雰囲気がいちばん感じられる場所が、江戸時代から庶民の行楽地として栄え、今は国内外から多くの観光客が訪れる表参道だ。
    総門に近づくほど古い建物が多くなる
  • spot 04
    川豊本店
    成田を代表する味を老舗で楽しむ
    成田は江戸時代の庶民にとって代表的な行楽地。旅先でその地の名物料理を食べるのは大きな楽しみのひとつだった。利根川や印旛沼に近い成田は昔から川魚、特にうなぎが名物で、いつからか成田詣ででうなぎを食べるのが定番の旅となっていった。その伝統は続いていて、天然のうなぎが手に入りにくくなった今日でも成田の名物はうなぎ。毎年夏の土用の丑の日に合わせて、約1か月間「成田うなぎ祭り」が行われ、成田市の観光キャラクター「うなりくん」は、うなぎと飛行機の合体キャラだ。表参道周辺にはうなぎ料理を出す店が約60軒あるといわれており、1910年(明治43)創業の川豊は、そのなかの店のひとつ。国の登録有形文化財の本店建物の店先でうなぎをさばく様子は、表参道の代表的な風景として知られている。注文を受けてから焼くので、いつでも焼きたてほくほくのうなぎを食べられる。週末などには行列ができる人気店だが、十分に並ぶ価値のある店だ。
    さばきたて焼きたての上うな重3900円(きも吸別途200円)
  • spot 05
    藤倉商店
    懐かしいだけでなく、実用的な道具もいっぱい
    江戸情緒を感じさせる参道沿いには、日本の職人文化を今に伝える店も並んでいる。竹細工、木工品、籐製品を幅広く扱っている藤倉商店もそのひとつ。昔なら普通に使っていた竹や木で作られた道具が、今ではプラスチック製に置き換わっていることは多い。ただ最近は天然素材の質の良い製品を長くていねいに使う人が増えており、そんな人たちが昔から使われてきた竹や木で作られた道具を積極的に使うようになっている。藤倉商店では、伝統の技を受け継いできた職人の作るたくさんの道具が販売されており、その数は3000点以上。直接全国の職人さんと取り引きしているので、ここでしか扱っていない商品も多く、長く使ってきた道具の修理依頼も頻繁にあるという。実用品がメインだが、お土産にもなりそうな雑貨も多数そろえているので、参道の散歩の際に立ち寄ってみたい。
    所狭しとさまざまな商品が並ぶ賑やかな店内
  • spot 06
    なごみの米屋總本店
    成田山表参道のお土産には伝統の和菓子や千葉名物スイーツを
    成田山表参道をゆっくり歩いて楽しむのにぴったりなのが甘いもの。甘味処でひと休みするも良し、お土産に買い求めるのも良し。なかでも土産ものとして沿道で目につくのが「羊羹(ようかん)」と書かれた看板の文字だ。時は明治時代、成田山新勝寺の精進料理の甘味であった栗を使った料理にヒントを得て、米屋の創業者である諸岡長蔵が栗羊羹を日本で最初に作り売り出した。そのおいしさは評判となり、今でも成田のみやげの定番となっている。米屋はそれから参道を代表する和菓子店として、さまざまな和菓子を作ってきた。千葉県を代表するお菓子である「ぴーなっつ最中」もそのひとつ。ピーナッツの甘煮が煉り込まれた餡の入った、かわいい落花生形の最中。全国のピーナッツの約8割を生産する圧倒的なピーナッツ王国千葉のおみやげにぴったりのお菓子だ。
    人気のピーナッツのお菓子を詰め合わせた「千葉めぐり」は箱もかわいい
  • spot 07
    小江戸佐原の町並み
    往時の賑やかな風景を想像しながら歩きたい
    「小江戸」とは江戸情緒が残る古い町並みが保存されたところの呼び名。利根川の水運の要衝として栄えた佐原もそのひとつ。「重要伝統的建造物群保存地区」に登録された町並みを眺めながら散歩してみたい。
    映画のセットのような古い建物が小野川に沿って立ち並ぶ
  • spot 08
    小野川舟めぐり
    江戸の雰囲気を船から味わう30分の船旅
    佐原に行ったらぜひ体験したいのが、町の中心を流れる小野川の船旅だ。30分ほどの短いツアーだが、船頭さんのガイドを聞きながら、歩くのとは異なる目線で建物を眺めると、町の印象がまた違ってくる。目線だけでなく、道路より一段低いところにいることで、車が走る音や町の雑踏が小さくなり、江戸往時の雰囲気をイメージしやすくなるのがいい。スタート地点は伊能忠敬旧宅の前。ここから川を下って、成田線の線路を超えた先の川幅が広くなったところでUターン。利根川の河口までは行かない。川を下るにつれ江戸の建物がだんだんと現代の家屋に変わっていく様はもちろん、川沿いの花壇の手入れをしたり、おしゃべりをしたりする人々の様子が眺められ、住む人の生活が感じられるのがおもしろい。
    川沿いを走る車がよく見えないので古い時代にさかのぼった気分になる
  • spot 09
    伊能忠敬記念館
    佐原の名主から日本の測量の父へ、郷土の英雄を称える記念館
    佐原で手広く行っていた商売を息子に譲って隠居したのが伊能忠敬50歳のとき。それから本格的に測量を勉強し、70歳を超えてからも地図作りに励んだ。忠敬は「人間、やればできる」という好例を示してくれた偉人である。
    記念館横に立つ伊能忠敬の石像と測量の道具「象限儀(しょうげんぎ)」のモニュメント
  • spot 10
    香取神宮
    全国に約400社を数える香取神社の総本社
    その歴史も格式も関東有数の神社であり、千葉県を代表するパワースポット。単に参拝するだけでなく、壮麗な楼門、国の重要文化財になっている本殿など、見事な建築もじっくり眺めてみたい。
    重厚感のある美しい拝殿は国の登録文化財に指定されている
  • spot 11
    房総のむら
    江戸時代の町並みや農村を歩ける体験型博物館
    見学するだけでなく、全身を使って日本の伝統的な文化や技が体験できる屋外型博物館。体験のラインナップは年間約400種類もあり、通年行われているもの、季節により行われるものまでいろいろ。いつ行っても楽しめるほかにはないユニークな施設だ。
    映画やドラマでも使われるのも納得の本物感がある商家の町並み
  • spot 12
    成田ゆめ牧場
    たくさんの動物と触れ合える歴史ある牧場
    成田空港の北約11kmのところにある、創業が明治時代という歴史ある牧場。近年は動物との触れ合いやさまざまなアミューズメント施設をファミリーで楽しめる観光牧場としてよく知られている。
    高いところに上がりたがるヤギの習性を生かした展示が評判
  • spot 13
    航空科学博物館
    本物のジェット機のエンジン音が響く、誰もが楽しめる展示の数々
    成田空港南側に位置する博物館。飛行機や乗り物に興味がある人はもちろん、古い機体にノスタルジーを感じる旅好きの人まで誰でも楽しめる。
    ボーイング747-400の大型模型が中央に展示されている西棟1階の展示スペース
  • spot 14
    国立歴史民俗博物館
    太古の昔から現代まで日本人の暮らしをたどる博物館
    江戸時代に東の要の藩として徳川譜代の大名が配された佐倉藩。印旛沼の南側の小高い丘の上、かつて佐倉藩の城があった場所には現在、日本人の暮らしの歴史をたどる国立博物館が建っている。
    展示室への入り口。日本人の暮らしをたどる歴史の旅が始まる
  • spot 15
    林田のおせんべい
    グルメストリート、成田山参道で最古の煎餅店
    JR成田駅から歩いて約10分。さまざまな食べ物屋が並ぶ成田山参道にあって、1912年(大正元)の創業は、最古の煎餅店だ。店の奥の焼き釜で焼かれる香ばしい煎餅と醤油の香りにつられて、店頭にはいつも人だかりができている。うなぎで有名な参道には和菓子の店もたくさんあるが、店内で生地から作って焼いている煎餅店はここだけ。店頭にはたくさんの煎餅の袋詰めが置かれていて、味の違いだけでなく、硬さや枚数、個別包装あるなしなど、常時30種類以上の煎餅が置かれていて、何を買ってよいのか迷ってしまうほど。成田山のお土産にと多くの人が手にとっていく。ここでは昔ながらの製法で作られた、焼きたての煎餅をその場で食べることもできる。「串せん」と呼ばれる、食べ歩きが楽しめるように1枚ずつ串に刺したものが販売されていて、味は小判型の甘口の「みたらし味」と丸い形の「辛口醤油味」の2種。これに加えて冬季限定販売の「ねぎ味噌味」もある。
    たくさんの煎餅が並ぶ店頭。季節商品もある
  • spot 16
    鷹匠本店
    成田山新勝寺ご用達の漬け物を買うならこちらへ
    成田山の参道を歩いていると目につく「鉄砲漬」の看板。これは白瓜の真ん中をくり抜き、そこにシソの葉を巻いた唐辛子を入れて、醤油やみりんなどの調味液に漬け込んだもの。くり抜いた瓜を銃砲、ピリ辛の唐辛子を火薬や弾丸に見立てて「鉄砲漬」という名前になったといわれる。ご飯のおかずにも、酒の肴にもいい成田の名物だ。成田駅から徒歩約5分のところにある鷹匠本店は成田山ご用達の漬け物店。鉄砲漬けも高級な醤油と本みりんで作る伝統的な調味液に漬け込んだ特製のものから、瓜の青みが残る浅漬け、1本まるごと、カットしたものなど、たくさんの種類がある。また店頭には旬の野菜の浅漬けが置かれており、サラダ感覚で食べられるように薄味にしているとのこと。春~夏や祭事などに店頭に並ぶ「きゅうりの1本漬け」は、食べ歩きに人気。そのほか大根や白菜、青はぐらうり、からし菜、セロリなど種類も豊富だ。そのほかキャベツや玉ねぎの酢漬け、長いもの甘酢漬けなど、漬け物好きは必ず立ち寄りたい品ぞろえだ。
    旬の野菜の浅漬けが店頭に並ぶ
  • spot 17
    日本料理 菊屋
    成田山参道を代表する本格的な日本料理店
    成田山参道は鰻料理で知られているが、洋食あり、中華あり、エスニックあり、スイーツから食べ歩きの軽食までそろう、成田のみならず千葉県を代表するグルメストリート。何を食べるべきか大いに迷うところだが、かつての成田詣での人々の心境になって考えると、最初の選択肢はやはり日本料理だろう。
    日本の味を試したい外国人旅行者も多く訪れる店
  • spot 18
    ひこうきの丘
    空港の外で飛行機を間近に見られるフォトスポット
    成田空港のすぐ南、周囲を畑に囲まれた芝生の気持ちのいい広場は、航空機ファンにはよく知られたところ。ここは成田空港でいちばん長いA滑走路の端から直線距離で約500mしか離れておらず、離陸する飛行機(一部着陸するものも)が次々と目の前を通り過ぎていくベストスポットだ。A滑走路の端から端まで見渡せるため、離陸する瞬間からどんどん高度を上げていく機体の様子がつぶさに観察できる。ジェットエンジンが発する轟音とともに上昇していく巨大な機体。とてもゆっくり飛んでいるように見えるが、離陸時のスピードは時速300km/hにも達するという。双眼鏡を手にしたマニアや巨大な望遠レンズをつけたカメラを構えるフォトグラファーをよく見かけるが、家族で飛行機を眺めにくるファミリーの姿もたくさん見られる。広場のいちばん高いところにはハートのモニュメントが設置されており、離陸する飛行機をバックに記念撮影する人たちの姿が見られる。
    轟音とともに頭上を過ぎていく飛行機を眺める
  • spot 19
    水郷佐原山車会館
    佐原の大祭の主役、高さ9mもの山車を展示
    利根川の舟運で栄え、かつては「江戸優(まさ)り」とも呼ばれるほどの文化が花開いた佐原。現在も伝統的な景観が守られ、風情のある町並みが観光客に人気だ。夏と秋に行われる佐原の大祭は、佐原中心部を流れる小野川沿いや町中を、高さ5mもの大人形が乗った華やかな山車が曳き廻される、佐原の文化が結集した祭りだ。水郷佐原山車会館では、実際に祭りで使用される山車が2台展示されている。まずはビデオシアターで祭りの熱気あふれる映像を見学しよう。その奥が山車展示室になっていて、一歩中に足を踏み入れれば、高さ9mにもなる山車の迫力に圧倒され、こんなに巨大な山車が町中を曳き廻されているのかと想像すると、その迫力ある様を実際に見てみたいという想いに駆られた。細部にも彫刻が施されているのでじっくりと楽しみたい。2階は1階の山車展示室の上部が吹き抜けになっているので、大人形を同じ高さで見ることができる造りだ。さらに3階の展示室にも、大人形のほか企画展示も行われている。佐原の文化を感じられる、ぜひ立ち寄りたいスポットだ。
    1階の展示室には2台の山車を展示。祭りの前後で入れ替えが行われる
  • spot 20
    正上醤油店
    佐原のなかでも古い歴史を誇る佃煮店
    佐原の老舗醤油醸造所で、1832年(天保3)に建てられた店舗は佐原の町で最も古い建物。その隣の土蔵も明治初期の建築で、この一角は小江戸の風景をいちばん色濃く残している。テレビドラマやCMの撮影にもしばしば使われており、店内にこの周辺で撮影された映画やドラマの写真が飾られている。店自体の創業はさらにさかのぼって1800年(寛政12)。現在の店主は10代目で、醤油と並ぶ現在の主力商品は「いかだ焼」。いかだ焼はワカサギなどの小魚を数匹分まとめて串を打ち、いかだのようにして焼いたもので、佐原周辺の水郷地帯では昔から食べられてきた地元の味。正上では1958年(昭和33)より周辺の水郷地帯で水揚げされた川魚を材料に、自社の醤油で調理加工した佃煮を製造してきた。現在は川魚だけでなく、千葉県産のハマグリなどを材料にしたものもあり、佐原の代表的な土産だ。ほかにも醤油をベースにしたさまざまな製品をそろえている。
    左が現在の店舗で真ん中が明治期に建てられた蔵。右が佐原でもいちばん古い類の建物
  • spot 21
    植田屋荒物店
    歴史ある蔵に美と実用を兼ねた道具がいっぱい
    佐原の伝統的建造物群保存地区の中心にある忠敬橋(ちゅうけいばし)の隣にある荒物(あらもの)店。「荒物」という言葉を日常あまり聞くことがないが、簡単にいえば生活雑貨のことだ。ここは1759年(宝暦9)の創業以来、250年以上にわたって変わりゆく人々の生活スタイルにあわせた雑貨を提供してきた老舗。店内には、江戸時代から(形や素材は変わったかもしれないが)使われ続けてきたものから、令和のライフスタイルにもあいそうなおしゃれなものまで、多様な商品が並んでいる。レトロな店構えの店頭にいちばん目立つように置かれているのはザルや籠、あるいは竹や木製のへらなどの料理道具やほうきなどの雑貨。昔から使われ続けてきた天然素材の道具は現代でも健在で、老舗道具店の目利きにより選ばれた美しく実用的な品々は使ってみたくなるものばかりだ。表の店舗のすぐ裏には蔵があって、こちらもぜひ訪れたい。急な階段でつながった2階建てで、各階に器(陶器や漆器)、和装用の小物、竹細工、工芸品などの商品が陳列されている。
    店舗裏にある蔵の2階。太く黒い梁が歴史を感じさせる
  • spot 22
    東薫酒造
    利き酒が楽しい江戸時代から続く佐原の老舗酒蔵
    江戸期、水運業で栄えた佐原には、もう1つの顔があった。それは酒造りの街としての顔だ。現在の兵庫にある酒どころ「灘」になぞらえて、「関東灘」と呼ばれたほど、この地に蔵元が集まっていた。江戸の中期には佐原周辺には35軒もの造り酒屋があったとされる。よい水とよい米があり、造られた酒はすぐに船に積んで江戸に運ぶことができたわけだから、ここに多くの蔵元が生まれたのもよくわかる。東薫酒造の創業は1825年(文政8)。現在は2軒だけになってしまった佐原の蔵元の1つだ。佐原の酒造りの伝統を今に伝えながら、一方で現代人の味覚や食生活味にあうテイストのお酒も造っていて、各種鑑評会などで高い評価を得ている。また日本酒造りのノウハウを生かした化粧品の販売を行っており、ショップでは酒ゼリーや酒まんじゅうなどの商品も。この蔵元では一年を通じて酒蔵の見学を行っていて、酒造りの工程をじっくり学ぶことができる。(2023年1月現在コロナ禍につき蔵内部の見学休止中。事前に問い合わせのこと)見学後には無料の試飲を楽しみたい。
    蔵元おすすめ。左から純米吟醸「卯兵衛」、大吟醸「叶」、本醸造生酒「東薫」
  • spot 23
    DIC川村記念美術館
    優れた作品に浸り、庭園に癒やされる千葉県屈指の美術館
    レンブラントやルノワール、ピカソなど、誰もが名前を知るヨーロッパの画家の作品から、アメリカや日本の現代美術まで幅広く収蔵する美術館。作品のみならず、その魅力を最大限に引き出す空間と、手入れの行き届いた庭園が人々をひきつけている。
    まるでヨーロッパの古城のような円筒形の建物がエントランスホール
  • spot 24
    佐倉市立美術館
    佐倉と千葉のアートを中心に紹介する美術館
    文武芸術を奨励した佐倉藩の城下町として栄えた佐倉市中心部に立つ「佐倉市立美術館」は、佐倉や千葉県ゆかりのアートを中心に紹介・発信している。ゆったりと落ち着いた雰囲気で憩いの場としても人が集う。
    旧川崎銀行佐倉支店の建物を利用した重厚な雰囲気のエントランス
  • spot 25
    佐倉武家屋敷
    佐倉藩士の生活をしのぶことのできる江戸時代の屋敷群
    佐倉城跡の南東、宮小路町(みやこうじまち)にある武家屋敷群。城下町の面影を現在に残す土塁と生垣の通りに面して「旧河原家住宅」「旧但馬家住宅」「旧武居家住宅」と呼ばれる3棟が公開されている。すべて江戸時代後期に建てられ、佐倉藩士が暮らしていたもので、2016年(平成28)に認定された日本遺産「北総四都市江戸紀行・江戸を感じる北総の町並み」の構成文化財だ。旧河原家住宅は、市内に残る武家住宅のなかで最も古いもので、展示された調度品に当時の武士の生活様式を垣間見ることができる。通常は建物の外から眺めるのみだが、年に5回行われる特別公開では建物内を見学できる。旧但馬家住宅は、建物内で見学・休憩ができるほか、年に数回甲冑試着会を行っている。旧武居家住宅には、武家屋敷関連の資料が展示されている。また、屋敷群が面する通りを西に向かうと、「サムライの古径(こみち)『ひよどり坂』」と呼ばれる美しい竹林に囲まれた道があり、散策にうってつけだ。ゆるやかに曲がる坂道には、まるで今にも侍が出てきそうな雰囲気がある。
    茅葺き屋根の旧但馬家住宅は建物内を常時公開している
  • spot 26
    酒々井プレミアム・アウトレット
    成田国際空港からいちばん近いアウトレットモール
    成田国際空港から車で15分、都心からも1時間というアクセスのよさで人気の「酒々井(しすい)プレミアム・アウトレット」。アメリカン・アールデコをイメージしたという街並みや、ゆったりとスペースをとった通路のスケール感はさながら外国にいるかのよう。ショップはファッションから家具・雑貨まで約220店。郊外の開放的な雰囲気でゆったりと買い物を楽しめる。フードコートも空港をイメージした内装が楽しい。ここはぜひ、酒々井店だけの限定メニューを食べてみよう。敷地内の北東エリアにある「J.S.PANCAKE CAFE(じぇいえすぱんけーきかふぇ)」の「ピーナッツバタークリームパンケーキ」は甘さのなかにほんのり塩けのあるピーナッツバタークリームが特徴。国産小麦粉にバターミルクを加えたもっちりとしていながらも軽いパンケーキにクリームがたっぷりとかけてある。添えてあるメープルバターソースも足してほおばれば、リッチなおいしさで幸福感いっぱいに。テラスはペット連れで食事ができるのもうれしい。また、酒々井店の広々とした敷地内には子どもが外で遊べるスペースも2か所あり、ファミリーが一日過ごすのにもおすすめのスポットだ。(「J.S.PANCAKE CAFE」ラストオーダー フード19:00 / ドリンク19:30)
    フードコート前にはアメリカン・アールデコ風のアーチの天井が
  • spot 27
    飯沼本家
    酒と暮らしの楽しみを提案する、人が集う酒蔵
    成田国際空港にも近い千葉県酒々井町(しすいまち)は、井戸からお酒が湧いたという伝説のある町。この地で酒造りを始め300年になる「飯沼本家」は伝統を守りながらも、時代にあわせた酒と場を提供している酒蔵だ。
    300年の歴史の重みを感じさせる門構え
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旅のヒント

  1. その1

    佐倉、成田、佐原は千葉発のJR線で結ばれている。成田までの運行本数は多いが、佐原まで行く電車は少ないので、事前に時刻を確認しておきたい。それぞれ離れているので、1日で複数の町を巡るのは難しい。

  2. その2

    成田、佐原は駅から徒歩で見どころに行けるが、JRの佐倉駅から見どころはやや遠い。国立歴史民俗博物館が目的地なら、京成線佐倉駅のほうが便利だ。

  3. その3

    東京都心から車で行く場合、東関東自動車道を利用する。成田へは空港の出口ではなく、ひとつ手前の富里で下りたほうがスムーズ。

  4. その4

    正月の成田の新勝寺と佐原の香取神宮、7月と10月の佐原の大祭(ユネスコ無形文化遺産)の期間中は特に混雑するので、注意が必要。

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