千葉

鴨川・勝浦

KAMOGAWA / KATSUURA

見どころも海の幸もいっぱい、千葉の海の魅力満載の景勝地

九十九里浜の南側は海岸線の風景がだいぶ変わってくる。それまで長い砂浜が続いていたが徐々に岩場が増え、勝浦の周辺からは複雑に入り組んだ典型的なリアス式海岸線が鴨川まで続く。山が海に迫り、美しい海の風景とあいまって、千葉屈指の景勝地になっている。人気の海水浴場が連なっており、見どころも多い。このエリアはどうしても海にスポットが当たりがちだが、海岸から内陸に入るとすぐに自然豊かな山が広がる。千葉県には高い山がないので、どこも穏やかな景色。昔ながらの里山の風景がいたるところで見られる。関東で一番遅い紅葉が楽しめる養老渓谷もこのエリアにある。ここは豊かな海の幸でも有名。勝浦、鴨川とも千葉有数の漁港と市場をもっており、特に勝浦のカツオは全国的にも知られたブランド魚だ。

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エリアの見どころ

  • spot 01
    鴨川シーワールド
    日本で唯一のシャチパフォーマンスが見られる
    太平洋を一望できるスタジアムに、シャチの豪快なジャンプと水しぶきに大歓声が響きわたる。鴨川シーワールドは、海の生きもののパフォーマンスと水族館が一体となった鴨川一の人気スポットだ。
    シャチとの見事なコンビネーションで宙を舞うトレーナー
  • spot 02
    誕生寺
    内浦湾を望む日蓮宗の祖師生誕地に建つ寺院
    鎌倉時代の初めの1222年(貞応元)、外房小湊の漁村に1人の男子が生まれた。少年となったその子は12歳で近くの清澄寺に入り修行を始め、16歳で得度。のちに鎌倉仏教の巨人となった。その人物の生誕地には現在日蓮宗の重要な寺が建っている。
    美しく並ぶ石灯籠が印象的な参道
  • spot 03
    鯛の浦遊覧船
    天然記念物に指定されている不思議な現象
    日蓮聖人生誕地である内浦湾に伝わる伝説がある。1222年(貞応元)2月16日、聖人が生まれると、浜辺には泉が湧いて蓮の花が咲き、海には鯛が群れをなして現れ、聖人誕生を祝ったという。そして今も「鯛の浦」では珍しい鯛の群生を見ることができる。
    小湊港を出航する遊覧船
  • spot 04
    清澄寺
    南房の山と海を見渡す山寺
    当時12歳だった日蓮が出家・得度し、後に日蓮宗がここから始まったという、日蓮宗四霊場のひとつ。境内にある旭が森は朝日や美しい外房の自然を眺めるスポットにもなっている。
    いくつもの伽藍が山の中腹にある境内に集まっている
  • spot 05
    大山千枚田
    ライトアップも美しい「日本の棚田百選」のひとつ
    外房には平らな土地が少ないが、唯一まとまった平地があるのが鴨川周辺の長狭平野(ながさへいや)。東西に細長く延びる土地で、ここで採れる「長狭米」は、千葉県を代表するブランド米だ。
    水が張られ苗の植えられるのを待つ春の棚田
  • spot 06
    川京
    山盛りサザエのぜいたくな丼
    鴨川市の地元グルメ「おらが丼」の「おらが」とは鴨川の方言で「我が家」のこと。新鮮な魚介が種類豊富に獲れ、良質な米も生産する鴨川で、多くの飲食店で地元の食材を使用した自慢のおらが丼を提供している。安房鴨川駅からすぐ近くにある「川京」のおらが丼の主役はサザエだ。地元で獲れた大きめのサザエを丸々ひとつぶん、玉ねぎやしめじなどの具材と一緒に特製のつゆで煮て、玉子でさっととじてできあがり。たっぷりと盛られたサザエのコリコリとした食感、ご飯に合わないわけがない、甘辛いつゆで煮た具材。サザエの肝の苦みが味のいいアクセントになっている。店はベテラン料理人のご主人と奥様で切り盛りするアットホームな雰囲気。地魚の煮つけや各種定食も人気だ。
    「さざえのおらが丼」(味噌汁、お新香付き)1200円
  • spot 07
    勝浦朝市
    新鮮な魚が自慢の日本三大朝市のひとつ
    石川県の輪島、岐阜県の高山で開かれている朝市と並ぶ「日本三大朝市」のひとつ。早朝から新鮮な魚や野菜などが並び、それを目当てに多くの人が行き交う風景が430年以上続いている。
    すぐ隣にある漁港から運ばれる新鮮な魚が自慢
  • spot 08
    江ざわ
    千葉県のご当地麺といえば勝浦タンタンメン
    海で働く漁師や海女の体を温めるために考えられた熱くて辛い麺。醤油ベースのスープに炒めたひき肉と玉ねぎが載った勝浦タンタンメンは、千葉県ご当地麺の代表だ。現在市内で勝浦タンタンメンを提供する店は40店以上あり、商標登録された地域ブランドとしての「勝浦タンタンメン」のイメージを守りながら、各店舗がオリジナルの一品を提供している。数ある人気店のなかで「元祖勝浦タンタンメン」といえば「江ざわ」だ。現在の店主の先々代(祖父)が、四川料理の担々麺をヒントに創作したのが、勝浦タンタンメンの元だといわれている。四川の担々麺はゴマベースだが、ここの一品は醤油ベースのスープに炒めたひき肉、玉ねぎ、ニンニクが入る。上にトッピングされた白髪ねぎが赤いスープに映える。この赤い色はラー油だ。見た目にはかなり辛そうに見えるが、意外に口当たりはマイルド。ただしちょっと時間差があって辛さがやってくるので注意。
    担々麺880円。スープは辛さを選べ、中辛が940円、大辛が990円
  • spot 09
    勝浦海中公園
    リアス式海岸の美しい海を水中から眺める
    勝浦から鴨川までの海岸線は、狭い入り江がいくつも続く典型的なリアス式海岸。外房でいちばん複雑な海岸線だ。その一角に、海の中から海中をそのまま観察できるかつうら海中公園海中展望塔がある。
    長い歩道橋で陸地と結ばれている海中展望塔
  • spot 10
    割烹かねなか
    外房産伊勢えびをふんだんに味わう
    「伊勢えび」というと、どうしてもその名称から三重県産を連想してしまう人も多いと思うが、実は千葉県の外房地域は全国有数の漁獲量を誇る伊勢えびの産地。特に、太東・大原から勝浦にかけての沿岸は良好な漁場とされている。外房の荒波に揉まれて身が締まり、味が濃厚とされる「外房イセエビ」は千葉ブランド水産物にも認定されるなど、各種メディアで取り上げられ注目を集めている。そんな食材をふんだんに味わえるのが、いすみ市にある「割烹かねなか」。「外房イセエビ」の刺身、塩焼き、エビの半身の入った味噌汁にご飯、小鉢、お新香が付いた「伊勢えび定食」はぜひ試してみたい一品だ。弾力があって嚙むほどに甘みが広がる刺身や、シンプルだがエビのうまみが凝縮された塩焼き、エビの濃厚な出汁の出た味噌汁を堪能できる。地魚は漁港の入札権をもつ店主が仲買人を介さず直接買い付け、専用の生け簀で管理しているため鮮度は抜群。ご飯には地元産のいすみ米を、小鉢の豆腐やヒジキにも地場産のものを使うなど、地元の食材を一度に味わえるのも魅力だ。
    いちばん人気の「伊勢えび定食」6600円(税込み)。価格は仕入れ値により変動する可能性あり
  • spot 11
    割烹中むら
    鮮度抜群の「日戻りカツオ」を堪能したい
    江戸時代からカツオ漁業の拠点として知られ、現在も全国有数の水揚げ量を誇る勝浦。漁法は、遠洋で数日かけて行う一般的なものとは異なり、日帰りの小型船で一尾ずつ釣り上げるひき縄漁だ。船上で血抜きして手早く冷却保存するため、鮮度は良好なまま。漁獲したその日のうちに水揚げされ、食卓に並ぶことから新鮮な「日戻りカツオ」と呼ばれ、千葉ブランド水産物にも認定されている。存分に味わうなら、勝浦漁港から徒歩3分ほどにある「割烹中むら」の「かつお御膳」がおすすめ。美しいルビー色の刺身は、弾力のある食感と爽やかなうまみが特徴。生姜醤油につけて食べるのもいいが、辛子とネギ、ミョウガを載せてさっぱりと味わうといい。鮮度のいいカツオはニンニクなどで臭みをごまかす必要がなく、嚙むほどにカツオの甘みが広がる。旬は黒潮に乗って北上する初ガツオが獲れる4月中旬から5月中旬までで、その日の鮮度によっては皮つきの食感を楽しめる「銀皮造り」を提供することもあるという。旬の時期を狙って食べに行きたい。
    透明感のある赤色が美しいカツオの刺身。特有の臭みがないのは新鮮な証拠
  • spot 12
    鴨川松島
    青く透き通った海に囲まれた外房随一の景勝地
    房総半島南部の太平洋側に、緑の小島が点々と浮かぶ鴨川松島。「日本三景」のひとつとして名高い宮城県の松島を思わせる、風光明媚な地であることからこの名が付いた。7つある小島は、鴨川港とその南の八岡海岸周辺に点在。2度の津波等によって陸地の一部が崩壊してできたもので、それぞれ荒島、弁天島、鵜島、雀島、波涛根(はっとね)島、猪貝(いがい)島、海獺(あしか)島と呼ばれている。長い防波堤の先端近くに浮かぶ荒島には、高さ11mの鴨川灯台が立ち「灯台島」とも呼ばれる。景色を楽しむなら、県道247号線沿いの鴨川松島バス停へ行ってみよう。そこから海岸まで歩いて下りれば、雀島を間近に見ることができる。ほかにも、少し離れた標高110mの魚見塚展望台からの眺めもすばらしいので、ぜひ足を運んでみたい。なお、鴨川松島は朝日の名所でもあり、元旦には多くの人々が初日の出を拝むために訪れる。海から昇る太陽は神々しく、島々がシルエットとなりまるで絵画のようだ。
    県道247号線から見下ろす鴨川松島。手前が雀島で、奥に鵜島(右)や弁天島(左)が見える
  • spot 13
    魚見塚展望台
    鴨川の海と山がつくり出す雄大な景色を360度楽しめる
    魚見塚一戦場(うおみづかいっせんば)公園内の小高い丘に整備された展望台。かつてここで漁師たちが、沖合いに来る魚の群れを見張っていたことからこの名が付いたといわれる。標高約110mとそれほど高い場所ではないが、周囲360度の眺望を得られる千葉県有数の絶景の地だ。北には鴨川市街地が広がり、前原海水浴場の弓なりのビーチが美しい。南を向けば、7つの小島からなる鴨川松島や、仁右衛門島が織りなす複雑な地形が目を楽しませてくれる。海から昇る朝日や、山並みの向こうに沈む夕日、街の明かりが煌めく夜景もそれぞれにすばらしい。展望台の頂には高さ6mの女神像が立っている。東を向き、まるで明け方の潮風を受けているかのようなその姿から『暁風』と名付けられた展望台のシンボルだ。像の足元にはフェンスがあり、たくさんの「誓いの鍵」がかけられている。鴨川市が舞台のロボットアニメ『輪廻のラグランジェ』にもここが登場しており、聖地巡礼にやってくる人も多い。
    地元の彫刻家・長谷川昂(こう)氏の作品『暁風(ぎょうふう)』が太平洋を見下ろす
  • spot 14
    仁右衛門島
    手漕ぎの渡し船に揺られて行く、頼朝伝説の残る島
    平野家が代々居住してきた個人所有の島。千葉県の島のうちでも最大で、島内には史跡や展望台など多くの見どころがあり、磯遊びや釣りも人気。千葉県指定の名勝で、新日本百景にも選ばれた景勝地だ。
    青い海と岩礁に囲まれた美しい島。右の鳥居は正一位稲荷大明神のもの
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旅のヒント

  1. その1

    車を利用しても、鉄道を利用しても、基本的にアクセスが良いところではないので、時間的に余裕をもったスケジュールを考えたい。

  2. その2

    幹線道である国道128号は狭い海岸に沿って走っており(バイパスがある鵜原-行川を除く)、逃げる道がないので夏のピークシーズンはかなり混雑するが、景色のいいところなのであまりストレスがない。

  3. その3

    鉄道でのアクセスはJR外房線を利用する。外房線は千葉から勝浦を経由して安房鴨川を結ぶ。鴨川へは東京湾に沿って館山まで行き、そこから内陸を通って安房鴨川に至るJR内房線もある。東京発の房総特急「わかしお」は勝浦や安房鴨川まで直通で運転しているので便利。

  4. その4

    山間部を走る道は、どの道も曲がりくねった運転しにくいところばかりなので、運転には特に注意が必要。

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