笠森観音
日本で唯一の建築を見られる貴重な古刹
重要文化財に登録された貴重な建築
正式な名称は、大悲山笠森寺。日本で唯一「四方懸造り(しほうかけづくり)」という建築様式の天台宗の寺だ。「懸造り」とは、崖の中腹など高低差が大きな場所に建物を建てる際、地面から長い柱などを使って床下を固定して、その上に建物を建てる様式。代表的なものが京都の清水寺だ。清水寺の舞台が南側に張り出しているように、通常は一方向に舞台が設けられるが、ここでは岩山の上にお堂を建立するため、四方すべてに舞台を設ける必要があった。その結果全国唯一の「四方懸造り」が誕生し、現在は国の重要文化座に登録されている。創建は784年(延暦3)という古刹で、ご本尊の「十一面観世音菩薩像」は、最澄上人の手でクスノキの木に刻まれたものと伝えられている。
貴重な自然林に囲まれた寺
笠森観音への参道を上り始めると周辺には杉の大木が何本もそびえていることに気づく。この周辺は「笠森寺自然林」として国の天然記念物に登録されている。寺が創建された今から1200年以上前の森が手つかずのまま残されているという貴重な場所だ。もしかすると最澄上人も見たかもしれない樹々を横目に参道を進むと、変わった形の木が現れる。注連縄(しめなわ)が巻かれ根元に穴の開いたこの木は「子授楠」と呼ばれるクスノキ。この穴をすり抜けると子宝に恵まれるという霊木だ。またこの木の少し先の反対側には芭蕉の句碑がある。『五月雨に此笠森をさしもぐさ』と詠んだ句が書かれた句碑で、ほかのふたりの歌人(各務支考、渡辺雲裡坊)の句碑とともに立てられている。この句碑の先に山門(二天門)があり、やっと境内へ。一礼して門をくぐると、目の前に櫓の上に造られたように見える観音堂が現れる。
急な階段、上り下りは慎重に
まずは観音堂に上りお参りしよう。靴を脱いで階段を上っていく。上っていくときはまだいいが、下りは怖いくらい急な階段だ。ギシギシと音がする階段を一歩ずつ慎重に上っていく途中、一瞬止まって「四方懸造り」の構造を見てみたい。この階段からだと柱がどのように上の舞台を支えているのかがよくわかる。75段の階段を上りきると、そこは観音堂を囲む回廊だ。360度眺望が開けていて、眼下に広がる房総の自然林を眺められる気持ちのいいスポットだ。ただ景色を眺める前に観音様に参拝を。観音堂は後一条天皇の勅願で1028年(長元元)に建立されたと伝えられている。その後どれほどの改修を重ねたかは定かではないが、現在の建物は調査の結果16世紀後半桃山時代のものであるとされている。
パワースポットのお土産は?
観音堂の入り口は南側。階段を上って左に歩いていく。御朱印を集めているなら、堂内でお願いしよう。参拝が終わったら四方懸造りの回廊をひと回りして景色を楽しみたい。基本的に森に囲まれていて、木の梢が迫っているのであまり高さは感じないが、北側はやや空間があり地面が見えるので高所恐怖症の人は柵に近づかないほうがいいかもしれない。境内には小さなカフェと土産屋がある。土産物屋の店先で目立つのは黒い招き猫。さまざまなご利益のあることで評判が高い人気アイテム。置き方が重要らしいので購入の際、どのように置いたらいいか、店の人にしっかり聞いておこう。
スポット詳細
- 住所
- 千葉県長生郡長南町笠森302 地図
- エリア
- 銚子・九十九里エリア
- 電話番号
- 0475460536
- 時間
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[10月-3月]8:00-16:00
[4月-9月]8:00-16:30 - 休業日
- 荒天時
- 料金
-
【拝観料】
[大人]300円
[小・中学生]100円 - 駐車場
- あり(50台)
- クレジットカード
- 不可
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 不可
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 可(喫煙所のみ)
- 英語メニュー
- あり
- 滞在目安時間
- 30-60分
情報提供: ナビタイムジャパン
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クチコミ
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- 驚きな本堂作り
- 旅行の移動途中に偶然見つけて寄りました。今までに見た事のない本堂の作りにビックリしました。少し京都の清水寺的な。流石に急な階段のため入ることはありませんでした。
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- 御来光の道にあります
- 秋分の日と春分の日に太陽が真上を通る場所をレイラインというそうです この線上には寒川稲荷や富士山、出雲大社などもある 駐車場からの参道は階段 観音堂の階段は靴を脱いで上がります 手すりの隙間が広いので子供連れの方は注意が必要です。
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