九重'夢'温泉郷
湯量、バリエーションともに豊富な温泉
12の温泉が点在する高原の町
大分県南西部にある九重町(ここのえまち)は、町の中央を玖珠川(くすがわ)が流れ、農業や畜産業が盛んな地域だ。雄大な自然と複数の源泉を有することから、観光地としても人気が高まってきている。町のほとんどが高原となっており、鳴子川渓谷や九酔渓などは代表的な景勝地。九重夢温泉郷もそんな九重町自慢の観光スポットで、筋湯温泉、宝泉寺温泉、壁湯温泉、川底温泉、湯坪温泉、長者原温泉、寒の地獄温泉など、町内に点在する温泉処の総称だ。
1000年を超える歴史をもつ「筋湯温泉」
10以上に分かれる九重夢温泉郷の源泉は、それぞれに泉質や効能が異なる。なかでも人気が高いのは「筋湯(すじゆ)温泉」だ。958年(天徳2)には温泉が湧いていたという記録があり、1000年を優に超える歴史をもつ。江戸時代に温泉街として発展するようになり、高さ2mから落ちる18本の「うたせ湯」が有名。日本一ともいわれるこのうたせ湯は共同浴場「うたせ大浴場」にあり、肩や筋肉のこりを力強くほぐしてくれる。古くから「筋の病に効く温泉」として親しまれており、「筋湯」という名前もそれが由来となっている。周囲には数多くの旅館やホテルなどが立ち並び、無料で浸かれる足湯もあるので、気軽に楽しめるのもポイントだ。
全国的にも珍しい冷泉「寒の地獄温泉」
もう1か所、個性的な九重夢温泉郷の温泉を紹介したい。「寒の地獄温泉」は毎分2tという豊富な湯量を誇る源泉かけ流し温泉。ただし、普通の温泉ではなく、全国でも珍しい冷泉なのだ。源泉温度は13~14℃。硫黄成分が多く含まれていることから、体感温度はそれ以下ともいわれ、「寒の地獄温泉」と呼ばれるのもうなずける。また令和5年7月より同温泉内に高温のサウナ施設もオープンし、冷泉との交互浴で''ととのう''こと間違いなし。「寒の地獄」と合わせて「暖の地獄」もぜひ楽しんでみたい。
宝泉寺温泉「龍泉閣」は女性サービスが充実
最後に紹介するのは九重町の中部にある「宝泉寺温泉」。起源は平安時代までさかのぼり、集落を流れる小川ではゲンジボタル、ヘイケボタル、ヒメホタルの3種類のホタルを見られる。ホタルの里とも呼ばれ、日本の原風景が今なお残る貴重な温泉地だ。温泉街には複数の宿泊施設が点在するが、なかでも「龍泉閣」は女性に人気の高い旅館。19時から22時までは女性専用となる「べっぴんの湯」や、ハート形の貸切岩露天風呂、バリアフリー対応の貸切風呂など、ここでしか味わえない温泉を体験できる。
スポット詳細
情報提供: ナビタイムジャパン