福井

あわら・坂井

AWARA / SAKAI

福井を代表する超絶景の景勝地や、趣ある港町を巡る

リアス式の長い海岸線を有する福井県にあって、特に県北東のあわら・坂井エリアの沿岸部は、知名度全国区の「東尋坊」を中心とした観光誘客ゾーンとなっている。1000万年以上の時をかけて海と大地が造り上げた断崖絶壁と奇岩群は、見ておいて損のない驚異の景勝だ。関西の奥座敷に例えられるあわら温泉が同エリアのあわら市にあり、泊まりがけの旅行にも適している。また、九頭竜川の河口に位置し、北前船の寄港地として栄えた坂井市三国地区は、築かれた富を物語るように和洋のクラシカルな建築が立ち並ぶレトロな街並みが自慢。散策やレンタサイクルを利用した観光にもってこいの地域だ。大自然の造形美と人が育てた文化をあわら・坂井エリアでは、まとめて楽しめる。さらに、越前ガニの本場でもあり、漁獲解禁となる11月上旬以降、エリア内の温泉旅館、民宿、飲食店、鮮魚店は多くの観光客や地元客でにぎわいを見せる。

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エリアの見どころ

  • spot 01
    東尋坊
    国の天然記念物に指定される北陸屈指の景勝地は迫力満点
    約1kmにわたって続く断崖絶壁と巨大な柱状の奇岩群。大地と海が1000万年以上の時をかけてつくり出した東尋坊の絶景は、訪れる人をひきつけてやまない豪快さと美しさに満ちあふれている。
    柱を隙間なく並べたような岩壁が特徴
  • spot 02
    東尋坊観光遊覧船
    「東尋坊」と「雄島」を巡る極上クルージングを
    地上からの景観を十分楽しんだら、次は東尋坊の岩場から乗船できる観光遊覧船も利用してみよう。海上からしか見ることのできない、奇岩や海食洞の連続する景観を約30分の日本海クルーズで観賞できる。
    海上からのダイナミックな景観を楽しもう
  • spot 03
    東尋坊タワー
    海抜100m、地上55mから日本海や越前海岸を望む
    北陸でも屈指の奇岩奇勝の地、東尋坊。その全体を東尋坊タワーから眼下に見渡すことができる。青い空と紺碧の海、グレーの岩肌、木々の緑が絶妙なコントラストを描く景観を楽しんでみよう。
    独特のデザインも手伝って、東尋坊近辺のランドマークとなっている
  • spot 04
    越前松島水族館
    海の生き物に触れて学べる、体験型水族館を満喫
    越前松島水族館は、水面がアクリル板で覆われた水槽の上に寝そべったり、魚と一緒にプールで遊んだりと、海の生き物を身近に感じられる工夫が盛りだくさん。水槽越しに見るだけでは得られない、貴重な学びがあるはずだ。
    迫力あるジャンプを見せるバンドウイルカ
  • spot 05
    三国湊
    華やかな商人文化の名残をとどめる、九頭竜川河口の港町
    江戸時代から明治時代にかけて北前船の拠点として発展した三国湊には、格子戸の町家やレトロな西洋風建築、花街の跡が残る。街なかを歩けば、荒波を越えて富を築いた船乗りたちの面影が見えてくる。
    三国湊きたまえ通りに並ぶ古民家のなかには、内部を改装して公開しているところもある
  • spot 06
    三国湊きたまえ通り
    レトロな町家が並び、観光スポットが集中する三国湊の中心地
    かつて商人たちが暮らし、現在も格子戸の町家が軒を連ねる三国湊きたまえ通り。文化的価値の高い古民家や、地域の歴史を伝える資料館といった観光施設が集まる、三国湊のメインストリートだ。
    そぞろ歩きが楽しい趣ある街並み。海に近く、風向きによっては潮の香りもする
  • spot 07
    三國湊座
    地元産ラッキョウが味のアクセントの名物バーガー
    三國湊きたまえ通りにある三國湊座は、軽食や甘味、コーヒー、お酒などを楽しめる食堂兼喫茶店。2006年(平成18)の開店以来の看板メニューは、三国特産のラッキョウを刻んで挟み込んだ「三國バーガー」だ。かぶりつくと、パンズのもちっとした歯ごたえにまず驚く。小麦粉に炊いたご飯を練り込んで焼き上げることで実現した食感だ。福井県産ビーフと国産ポークを合いびきしたパティはつなぎ不使用で、肉のうまみががっつりと感じられる。レタスと玉ねぎのみずみずしさやトマトの酸味、自家製ソースの深いコク、そしてラッキョウの甘みが口の中でバランスよく混ざり合い、ボリューム満点だがペロリと平らげられる。このほか、地産の甘えびとガサえびを使った「エビクリームカツバーガー」や、手作りにこだわった「スパイシーチキンカレー」も人気メニューだ。さらに同店は、文化発信拠点の機能を兼ね備えており、音楽ライブや演劇などが不定期で開催されている。
    高さが20cmほどある三國バーガーは、両手で潰しながら食べよう。写真はポテトセット(ローヤルさわやか付き)1350円
  • spot 08
    旧岸名家
    三国湊の豪商の暮らしぶりを伝える、国登録有形文化財の商家
    三国湊きたまえ通りの一角にある「旧岸名家」は、三国湊が北前船交易の拠点として栄えた江戸時代後期、1800年代半ば頃に建てられた、同地特有の「かぐら建て」の商家だ。2004年(平成16)に旧三国町が修復し、一般公開した。国登録有形文化財でもあるこの家屋には、代々、「新保屋岸名惣助」(しんぼやきしなそうすけ)を名乗った材木商が住み、商いをしていた。正面口から入るとすぐ脇には、そろばんの置かれた帳場があり、番頭と来客が商談していた様子を思わず想像してしまう。正面口から建物の奥へと延びる土間の通路には、淡い青緑色の石が敷き詰められている。笏谷石(しゃくだにいし)という福井産の高級建材だ。漆と金箔の対比が美しい三國仏壇がある座敷、かまどや囲炉裏が設置された台所、瀬戸焼の便器を備えた雪隠(せっちん)なども、商人の生活をうかがい知るうえで見逃せない。2階は「三国ゆかりの文化人展示室」となっており、岸名家の初代当主・岸名昨襄(さくのう)が1707年(宝永4)に創設した俳諧結社・日和山吟社(ひよりやまぎんしゃ)の歴史などを紹介している。
    町家らしい格子戸が特徴の旧岸名家(入館料100円)。ボランティアガイド「きたまえ三国」が常駐している
  • spot 09
    旧森田銀行本店
    大正の三国湊に欧州の風を吹き込んだ、豪商の銀行跡
    旧森田銀行本店は、三国湊を代表する豪商・森田家が1920年(大正9)に建てた、福井県内最古の鉄筋コンクリート造り建築だ。森田家は中世以来、廻船業を営んできたが、明治時代になって当主の森田三郎右衛門が北前船による商売の退潮を察知して業種転換し、1894年(明治27)に銀行を開業した。銀行建物を設計したのは建築家の山田七五郎氏。外観は、同氏が手がけた横浜市開港記念会館と同様、ギリシア建築やローマ建築の要素を取り入れた古典主義的なデザインが特徴だ。中に入ると、かつて営業室だった吹き抜けの空間が広がり、四方の壁は白漆喰で塗られ、気品を感じさせる。ケヤキの1枚板で作られたカウンターと、鉄筋コンクリートに漆喰を塗りつけて大理石風に仕上げた独立円柱も見ごたえがある。また、寄木張りの床や、1つの素材にほかの素材をはめ込む象嵌(ぞうがん)技法で模様を描いた腰板などには、地元の大工職人の高度な技が生きており、時間を忘れて見入ってしまう。
    茶色のタイルを貼り付けたレトロな外観。1997年(平成9)に国登録有形文化財に指定された
  • spot 10
    丸岡城
    戦国時代の空気を感じさせる北陸で唯一の「現存十二天守」
    丸岡城は戦国時代に一向一揆への備えとして築かれた。国の重要文化財である天守は、江戸時代以前に築造された「現存十二天守」のひとつに数えられ、素朴ながらも均整のとれた美しい姿を今なお伝えている。
    荒々しい野面積みの石垣の上に築かれた丸岡城。城内へは石垣に設置された階段から直接入る
  • spot 11
    一筆啓上 日本一短い手紙の館
    「一筆啓上賞」の入賞作を展示。幻想的な映像展示に時間を忘れる。
    日本一短い手紙のコンクールとして1993年(平成5)にスタートした「一筆啓上賞」で知られる坂井市丸岡町。町のシンボル丸岡城のそばにあるこの施設では、同賞の入賞作を、趣向を凝らした方法で紹介している。
    城を思わせる風情ある外観。建物の前には昔懐かしい形のポストも設置されている
  • spot 12
    一筆啓上茶屋
    手打ちのおろしそばが人気。福井土産や丸岡城グッズも豊富
    丸岡城の駐車場の目の前にある一筆啓上茶屋は、飲食店や土産物店、観光情報センターを併設する複合施設だ。正面から入って左手にあるそば処では、丸岡産の玄そばを石臼で挽いて手打ちした香り高いそばが人気を集める。おろしそばにソースカツ丼が付いた「福井県人セット」は福井の名物グルメを一度に楽しめるおすすめメニューだ。右手の奥にあるカレーランドは若狭牛を使った牛すじカレーなどを提供しており、スパイスの香りが食欲をそそる。施設前のショップでは、丸岡産コシヒカリの米粉を練り込んだお焦げソフトなど、こだわりのソフトクリームも味わえる(3月下旬-11月中旬)。売店では羽二重餅をはじめとする銘菓のほか、へしこ、日本酒、若狭塗の箸といった福井土産が豊富にそろう。丸岡城関連グッズもたくさんあり、マグネットやノート、クリアファイルなど、ここでしか手に入らないものもあるので、ぜひチェックしてほしい。
    食事やショッピングを楽しめるほか、観光情報も入手できる便利な施設だ
  • spot 13
    越前竹人形の里
    工房見学や制作体験を通じ、技工を極めた越前竹人形の世界を満喫
    福井県指定郷土工芸品のひとつである越前竹人形の工房があり、人形師が丹精を凝らした秀作を見学できる。体験スペースでは干支やペン立てを作ることが可能で、旅の思い出づくりにぴったりだ。
    越前竹人形の第一人者、師田黎明の代表作『笹鳴り』。極細の竹で髪の毛を表現している
  • spot 14
    谷口屋
    伝統製法で作る油揚げが名物。大豆の風味が際立ち、食べごたえ満点
    谷口屋は1925年(大正14)創業の油揚げと豆腐の老舗である。とりわけ有名なのが伝統的な製法で作り続けている油揚げだ。国産大豆と越前海岸の海水から取れたにがりで作った油揚げは、1枚が縦・横およそ13cm、厚さ約3cm、というビッグサイズ。1時間かけてじっくりと揚げられ、外はサクサク、中はふんわりとジューシーな食感だ。お食事処のメニューのいちばん人気は、揚げたて熱々の大きな油揚げが丸々1枚付いた「油あげ御膳」だ。焙煎していないごまを低温圧搾した油で揚げてあるため、さっぱりとしていて、大豆の風味が際立つ味わいだ。まずは何も付けずに味わってみて、好みに応じて、大根おろしや越前醤油、越前塩、柚子ポン酢、一味唐辛子で味を変えながら食べ進もう。なお、お食事処は70席あるが、土・日曜のピーク時は1、2時間待ちになることも多く、ネットでの予約がおすすめだ。また、ショップを併設しているので、お土産用の油揚げはこちらで購入しよう。
    谷口屋でいちばん人気を誇る「油あげ御膳」(1650円)
  • spot 15
    あわら温泉
    ゆっくりと、あるいは気軽に。関西の奥座敷は楽しみ方いろいろ
    福井県内に157本ある源泉のうち、74本が集まるあわら温泉は、北陸有数の温泉街として知られる。その楽しみ方は、旅館でのんびりとくつろぐのもよし、無料の足湯へふらっと訪れてみるのもよしだ。
    あわら温泉のメインストリート「湯~わくDori」。多くの老舗宿が立ち並ぶ
  • spot 16
    あわら温泉屋台村 湯けむり横丁
    赤ちょうちんが並び、地元住民と観光客の交流が生まれる空間
    えちぜん鉄道あわら湯のまち駅の正面口を出てすぐの場所にある「湯けむり横丁」には、おでん、鉄板焼き、フレンチなど、多様なジャンルの居酒屋が10軒並ぶ。夕暮れどきになると赤ちょうちんに灯がともり、仕事終わりの地元客や、あわら温泉に宿泊する観光客らが数多く集まってくる。店はいずれもコンテナを改装しており、カウンターのみで10席未満。決して広いとはいえないが、それ故に店内では濃厚な会話が生まれ、常連と観光客が意気投合することは珍しくない。「ちょっと一杯」のつもりが「隣の店で、もう一杯」となるのも、ここではよくあるシーンだ。湯けむり横丁は、あわらの活性化を目指す地元の青年らが発足したプロジェクト「あわら湯けむり創生塾」が旗を振り、2007年(平成19)に誕生した。同プロジェクトが出店者を選ぶ際には、客と会話を楽しめる店長であるかどうかを指標としており、どの店も開放的。ふだん居酒屋に行き慣れていない人や、「一見さん」でも楽しめるのが、この屋台村の特徴だ。店主らのもてなしの方言を肴(さかな)に、あわら温泉の夜を存分に満喫してみよう。
    昔懐かしい屋台風の飲食店が軒を連ねており、どの店に入ろうかと悩んでしまう
  • spot 17
    金津創作の森
    森のなかにアートがいっぱい! 芸術を全身で楽しめる空間
    金津(かなづ)創作の森には、約20㏊の広大な敷地のなかに、美術館や14点の屋外芸術作品のほか、ガラス作品づくり、陶芸体験に打ち込める工房などが点在する。家族や友人と一日中、どっぷりと芸術に浸ってみてはいかがだろう。
    メイン施設であるアートコア。レストランや会議室なども併設している
  • spot 18
    国史跡 吉崎御坊跡
    蓮如上人ゆかりの寺院跡は、四季を感じられる景勝地
    浄土真宗の僧・蓮如が室町中期に福井県北端に開いた寺院・吉崎御坊。戦国時代には、救いを求める多くの門徒が集ったという。1975年(昭和50)に国の文化財(史跡)に指定されており、季節の草花に彩られた散策地としても知られる。
    1934年(昭和9)に建てられた蓮如像。彫刻家・高村光雲の四大傑作のひとつだ
  • spot 19
    芝政ワールド
    子どもも大人も思いきり遊べる、北陸を代表するテーマパーク
    芝政ワールドは、毎年夏にオープンする国内最大級のプール、ジェットコースターなどのアトラクション、子ども向けの屋内遊戯施設をそろえ、ファミリーやカップルを中心に人気を集める行楽スポットだ。
    芝生の上にテントを張り、プール遊びの拠点にできる
  • spot 20
    三国提灯 いとや
    三国祭に欠かせない伝統の提灯(ちょうちん)作りを見学・体験
    三國湊の一角にある三国提灯 いとやは、1791年(寛政3)に創業した提灯作りの老舗だ。一般的に提灯は、いくつかの店による分業で製造されることが多いが、いとやでは骨組み、越前和紙の貼り付け、絵付けといった工程を一貫して、すべて手作業で行っている。同店の提灯は、細部のていねいな造形と、越前和紙を透過するやわらかな光が特徴。「三国提灯」は福井県郷土工芸品に指定され、地元の三国祭の際には、町なかのいたるところに飾られる。また、全国の寺社から制作依頼があり、近年は、フランスのデパートで常設展示されるなど海外での注目度も高い。店舗に行くと、タイミングがあえば作業の様子を見学可能だ。同店は三国提灯の魅力を広く伝える活動にも力を入れており、1時間程度で完成する提灯の手作りキットを店頭で販売。さらに、いとやから徒歩1分の場所に立地する「いとや工房」で、「三国提灯づくり体験」(4,000円)と提灯絵付け体験(3,000円)のできるワークショップを行っている。平日午後限定、予約制。伝統の技術に、ぜひ触れてみよう。
    かつて三国湊には多くの提灯店があったが、現在は唯一いとやのみが残っている
  • spot 21
    越前蟹の坊
    冬の味覚の王者・越前がにや海鮮を堪能できる三国湊の名店
    越前蟹の坊は、地元の老舗料理旅館「望洋楼」直営のお食事処。冬季限定の越前がにのほか、地元で獲れた新鮮な魚介類を用いた料理を提供している。三国湊で海の幸を楽しみたいなら、立ち寄ってみよう。
    大迫力のカニのオブジェ。店舗はえちぜん鉄道三国港駅のすぐ横にあり、電車でのアクセスもよい
  • spot 22
    千古の家(坪川家住宅)
    茅葺き屋根の造形が圧巻。豪族の生活を今に伝える県内最古の民家
    中世末期から江戸時代初期に建てられたとされる福井県で最古の民家。地方の豪族の生活様式を知ることができるとして国の重要文化財に指定されている。予約すれば囲炉裏端でランチも可能。ハナショウブの名所としても有名だ。
    茅葺き屋根が美しい千古の家。大きく突き出た破風が特徴的だ
  • spot 23
    三國神社
    「三国祭」でも知られる、三国湊の発展を見守ってきた社
    三國神社の境内は、木々が生い茂るなかに荘厳な門や拝殿があり、神秘的な雰囲気に包まれている。毎年5月に開催する例大祭「三国祭」は「北陸三大祭」のひとつに数えられ、例年10数万人が訪れる。
    三国湊の豪商・内田惣右衛門が建築を主導した拝殿
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旅のヒント

  1. その1

    自動車利用の場合は、福井方面からは北陸自動車道丸岡IC、金沢方面からは金津ICで降りて、目的地にアクセスを。

  2. その2

    JR利用の場合は、芦原温泉駅で下車。駅前発の京福バス利用で東尋坊までは約40分だ。

  3. その3

    えちぜん鉄道三国芦原線であわら・坂井へ足を運ぶ方法もある。同線の起点となる福井駅はJR福井駅と隣接しており、JRからの乗り継ぎに不便はない。同線三国駅やあわら湯のまち駅を目指して、ローカル私鉄の旅を楽しんでみよう。三国駅から東尋坊までは京福バス利用で約10分の時間距離。

  4. その4

    カニ解禁は例年、11月6日ないしは7日の「立冬」の日。冬はおいしい味覚の魅力がプラスされるシーズンだ。

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