三國湊レトロ
華やかな商人文化の名残をとどめる、九頭竜川河口の港町
豪商の屋敷が軒を連ねる日本遺産の街
東尋坊から南へ約4km。福井県を代表する一級河川・九頭竜川の雄大な流れが日本海へと注ぐ一帯に、三国湊はある。漁船が往来し、魚市場や魚介料理店が賑わう様子はいかにも港町らしく心ひかれるが、この地の真の魅力は、風情たっぷりの街並みにある。北前船交易が全盛だった時代に巨富を得た、商人の屋敷跡が点在。特に、えちぜん鉄道三国駅から南へ徒歩5分の位置にある「三国湊きたまえ通り」は、100年以上前に建てられた商家が並び、ノスタルジックな雰囲気に満ちている。そうした建物や、三國神社などの寺社、地域に伝わる文化・伝統が高く評価され、2018年(平成30)に三国湊は文化庁から日本遺産に認定された。
古代から明治期まで商港として繁栄
三国湊の歴史は古い。8世紀の歴史書『続日本紀』でその名を確認できる。中世は、奈良興福寺領の荘園・坪江荘(つぼえのしょう)に含まれていたため物資の積出港として栄え、日本最古の海商法規『廻船式目』では、三津七湊(さんしんしちそう)、つまり日本で10本の指に入る港の1つに数えられた。戦国時代は朝倉義景や柴田勝家の治世の下で発展を続け、江戸時代中期には北前船の寄港地となり最盛期を迎えた。地域住民が古民家を生かしたまちづくりを積極的に行ってきたことで、今では観光散策にうってつけのエリアとなっている。ご当地グルメや工芸体験など、幅広く三国湊を楽しんでみよう。
文人・詩人ゆかりのスポットや遊郭跡地も
商人文化のイメージが強い三国湊は、実は文芸文化が豊かにはぐくまれた土地柄だ。その象徴が、九頭竜川の河口を見晴らす小高い山にある金鳳寺(きんぽうじ)である。北前船商人たちが「日和山吟社」という俳諧結社をつくり、寺内で句会を開いて交流を深めたことで知られる。金鳳寺の近辺には、昭和を代表する詩人・三好達治が頻繁に通った元料亭「たかだや」、第1回芥川賞候補にもなった小説家・高見順の生家などがある。江戸時代の俳人・哥川(かせん)が遊女として座敷に上がった「滝谷(たきだに)出村遊郭」の跡地には、往事の雰囲気を感じさせる古い建物が並んでいる。
今も機能し続けるオランダの築港技術の粋
曲線を描きながら沖へと延びる「三国港突堤」(通称エッセル堤)も、ぜひ見ておきたい。完成は1882年(明治15)。造成の背景には、九頭竜川の氾濫(はんらん)のたびに河口に土砂が堆積し、海底が浅くなって船が通航できなくなる問題があった。三国の商人らの請願に応じ、明治政府は「御雇外国人技師」として2人のオランダ人技師を招聘(しょうへい)。G.A.エッセルが設計、デ・レイケが指導監督を担当し、東尋坊などから削り出した石材を用いて堤長511mの突堤を築いた。昭和期には411mが延長され、現在もなお九頭竜川による土砂堆積を防いでいる。土木技術史上、価値が高いことから、2003年(平成15)には国の重要文化財に指定されている。
スポット詳細
- 住所
- 福井県坂井市三国町北本町-南本町 地図
- エリア
- あわら・坂井エリア
- 電話番号
- 0776828392
- 時間
- 9:00-17:00
- 休業日
-
[マチノクラ・旧岸名家・三国湊町家館]水
[旧森田銀行]月(祝の場合は開館) - 料金
-
[マチノクラ]150円
[旧岸名家]100円(両館共通券200円) - 駐車場
-
なし
※近隣の無料駐車場をご利用ください - クレジットカード
- 不可
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 不可
- Wi-Fi
- なし
- コンセント口
- あり(三国湊町家館内)
- 喫煙
- 不可
- 英語メニュー
- あり(周辺地図と見所案内あり)
- 滞在目安時間
- 60-120分(主要施設を歩いた場合の目安)
- 車椅子での入店
- 可
- 乳幼児の入店
- 可
- ペットの入店
- 不可(補助犬以外のペットは不可)
- 雨の日でも楽しめる
- はい
情報提供: ナビタイムジャパン