福井

永平寺・大野・勝山

EIHEI-JI TEMPLE / ONO / KATSUYAMA

太古、中世、近世の歴史が凝縮したエリア、目玉は恐竜館博物館

福井市東側に位置する永平寺町・大野市・勝山市で構成されるエリアは、人の歴史はもちろん、地球の歴史まで感じさせる観光スポットがそろっている。鎌倉時代に道元禅師が開いた曹洞宗寺院の大本山・永平寺、安土桃山時代に織田信長に仕えた金森長近によって築城され、今では「天空の城」として注目される越前大野城、そして、恐竜に関する多彩な資料を世界から集め、大人にも子どもにも大人気の福井県立恐竜博物館。これらは、同エリアに訪れたら必ず足を運んでみたいと思わせる魅力と知名度を誇る3大スポットといえるだろう。さらに、永平寺周辺の門前町、越前大野城を核とする城下町、恐竜にちなんだアミューズメントパークなど、白山信仰にちなんだ国史跡など地域の個性がよく現れた観光エリア、スポットも数多く、自分の趣味嗜好に沿ったいろんな行程を考えられる。

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エリアの見どころ

  • spot 01
    山こう
    永平寺門前町を代表する土産店。ご当地土産を買って帰ろう
    永平寺前には古くから門前町が形成されており、現在は多くの土産物店や飲食店が軒を連ねる商店街となっている。そのなかで、永平寺山門からほど近い場所に店を構える山こうには、参詣後に立ち寄る観光客が数多い。歩道に面した店頭に土産物の数々が所狭しと並んでおり、目に入ると思わず足を止めて、いろいろ吟味したくなる。観光客が購入する土産物のなかで、特に永平寺らしさを感じられて人気なのが、縁起物の「身代わり大師」だ。黒い僧衣に網代笠をかぶった托鉢僧のかわいい人形は、持ち主にふりかかる災いを代わりに受けてくれるという。このほか食品類では、地元で有名な石窯焼きせんべいで、モンドセレクション2022の最高金賞にも輝いた銘菓「五月ヶ瀬」(8枚入・960円)や、大根を冬季に皮付きのまま干した地元の隠れた特産品で、お茶請けやおつまみとして人気の「寒干大根」(650円)も販売。禅の文字をあしらったTシャツ、数珠、数珠袋なども置いてあり、バラエティに富んだ品々のなかから、お気に入りを見つけられる。
    外観。店舗裏手に駐車場があり、山こうで土産物を買えば無料となる
  • spot 02
    けんぞう蕎麦
    十割そばののどごしと大根の辛味が奏でる抜群のハーモニー
    おろし十割そばの名店。評判を聞きつけ、県外から訪れる客も多い。福井県産そば粉と北海道幌加内町の契約農家から取り寄せるそば粉をこだわりのブレンドで使用。地元の良質な水を使って主人が打つ十割そばは、コシが強く、香り豊かで口当たり、のどごしとも滑らかだ。辛味大根の絞り汁とだしを加えた特製つゆでいただく名物の「けんぞうそば」(並盛1100円)は、そば本来の風味と大根の辛味が絶妙にマッチした逸品。特製つゆは、年に一度しか出荷されないという貴重な蔵出し醤油を隠し味にしており、そばの風味を引き立てている。盛り付けたそばの上に大根おろしがたっぷり入っただしをかける「おろしそば」(並770円)も人気だ。店主の高柳謙造さんは「全日本素人そば打ち名人大会」で2年連続の最優秀賞に輝き、定年後の2000年(平成12)に満を持して「けんぞう蕎麦」を開店した。訪れた有名人の色紙が店内和室の長押(なげし)に数多く飾られ、知名度の高さがうかがえる。また、影絵や版画のメルヘン画で知られる藤城清治氏と主人は親交があり、藤城氏の作品が店内に飾られているので、こちらは舌でなく目を楽しませてくれる。
    写真は看板メニューの「けんぞうそば」の大盛り(1320円)
  • spot 03
    福井県立恐竜博物館
    日本最大級の恐竜博物館で、太古の時代にタイムスリップ
    国内屈指の化石発掘エリア・勝山市にある福井県立恐竜博物館には、ティラノサウルスの全身骨格や、全長約15mもある草食恐竜カマラサウルスの産状化石、ジュラ紀の森を再現するジオラマなど、見ごたえ抜群の展示が並ぶ。
    原寸大の骨格標本が並ぶ光景は「圧巻」のひと言
  • spot 04
    かつやま恐竜の森
    大人も子どもと一緒に楽しめる総合公園、実物大の恐竜が目の前に!
    森の奥から聞こえる雄叫びと大地を蹴る足音。来園者を待ち構えるのは、実物大の恐竜たちだ。緑地も整備された都市型公園のかつやま恐竜の森には、多彩な遊具のほか、こうしたアトラクションがあり、誰もが楽しめる。
    「かつやまディノパーク」の林間に展示されるスピノサウルス。今にも迫ってきそう
  • spot 05
    平泉寺白山神社
    国史跡となっている境内、白山信仰の祈りの空間
    杉木立のなか、敷き詰めた絨毯のように青苔が境内を覆う平泉寺白山神社。白山信仰の拠点として1300年を超える歴史を刻む境内は、かつてこの地に築かれた宗教都市の名残をとどめ、国史跡にも指定されている。
    「二の鳥居」の先にある拝殿
  • spot 06
    白山平泉寺歴史探遊館 まほろば
    白山信仰の越前側拠点を出土品からたどる、国史跡の総合案内施設
    霊峰白山の越前側登拝口に開かれた白山信仰の拠点寺院「白山平泉寺」。国史跡に指定されている旧境内のガイダンス施設にあたるのが、「白山平泉寺歴史探遊館 まほろば」だ。明治に入ってからの神仏分離で、白山平泉寺の旧境内の一部は現在、平泉寺白山神社になっており、そこに至る参道の途中に「まほろば」は立地している。1989年(平成元)から始まった発掘調査で出土した約10万点の遺物のなかから、約230点を展示。僧侶らが用いた暮らしの道具や仏具、武具(鎧や矢の一部)などが並び、白山平泉寺がたどった興亡盛衰の歴史を確認できる。白山には禅定道と呼ばれる越前、加賀、美濃の3国から山頂を目指す3本の参詣道があり、白山平泉寺を起点とした越前禅定道などについて解説するコーナーや、大スクリーンで白山平泉寺の歴史を紹介する映像ホールも見ておきたい。
    出土した遺物を展示する「平泉寺の歴史コーナー」
  • spot 07
    越前大野城
    「天空の城」が秘める歴史と景観、城郭としての魅力を探訪
    城下町大野のシンボルである越前大野城。天候に恵まれれば雲海に城郭が浮かんで見える「天空の城」としても知られている。山上に築かれた石垣の上に二層4階建ての大天守、二層2階の小天守がそびえる姿を見に行こう。
    整った顔立ちの天守とは対照的な、荒々しい野面積みの石垣も「城好き」にはたまらないポイント
  • spot 08
    越前おおの結ステーション
    越前大野城など大野の観光名所を巡る際の「出発駅」
    越前おおの結ステーションは、大野市の魅力を体感する「出発駅」に位置づけられている。最寄りの観光スポットは、近くの亀山公園内の山頂に天守閣がそびえる越前大野城だ。結ステーションの多目的広場兼駐車場に車を停め、足を運んでみよう。城の観光をひとしきり楽しんで帰ってきたら、次は結ステーションにある特産品販売所「越前おおの結楽座」へ。菓子、地酒、醤油、加工品、米、地場野菜など、大野のおいしいものを取りそろえている。こちらで大野ならではのお土産物を購入するといい。また、越前おおの結楽座の東隣には、藩主隠居所があり、無料休憩所として利用できる。幕末の大野藩主・土井利忠(としただ)が1862年(文久2)に家督を三男利恒(としつね)に譲り、1868年(明治元)に死去するまで住んでいた日本建築だ。越前大野城へ向かう際に通る亀山の登坂口にある神社・柳廼社(やなぎのやしろ)で社務所として使われていたものを2010年(平成22)に現在地へ移築・復元した。建物正面に式台(表玄関)が設けられているなど、藩主の隠居所にふさわしい格式がうかがえる。上品なしつらえの座敷で足を休めると、しばしぜいたくな気分を味わえる。
    写真左側は、結ステーションのシンボルモニュメント時鐘(ときがね)。かつて消防用に使われていた半鐘も最上部に吊り下げられている
  • spot 09
    寺町通り
    城下町・大野の歴史を感じさせる趣ある町並み
    大野市街の東北端に位置する「寺町通り」は、9つの宗派の16か寺が通りに沿って南北に並ぶエリア。石畳の小路を歩くと、各寺院の境内から塀を越えて伸びる枝木が連続し、独特の景観を楽しむことができる。
    寺町通りの北側にある浄土真宗寺院の長勝寺。山門前に同宗を開いた親鸞聖人の像が立つ
  • spot 10
    本願清水イトヨの里
    イトヨに関する学びと癒やしにあふれた「エコミュージアム」
    一生を湧水地帯の淡水域で過ごすイトヨの保護と、大野ならではの優れた水環境の保全啓発を目的とした学習施設。イトヨが生息する池の中を直接見られる設備が備わっており、イトヨの生態をじっくり観察できる。
    イトヨが生息する本願清水(ほんがんしょうず)とイトヨの里建物(写真右)
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旅のヒント

  1. その1

    地元の食の名物は越前おろしそば。さっぱりとした味わいは万人を虜(とりこ)にする。昼食はエリア内にある越前おろしそばの店へ。

  2. その2

    お土産に適した食の特産品は、銘菓の羽二重くるみ、地酒のほか、精進料理のメニューであるごまどうふ、生麩のしぐれ煮、精進みそなど。

  3. その3

    永平寺・勝山へのアクセスは、自動車の場合、北陸自動車福井北ICから、中部縦貫道、国道364号の利用を。鉄道の場合は、福井駅からえちぜん鉄道勝山永平寺線に乗車して、永平寺口駅や勝山駅で下車して、バス利用を。また、永平寺には福井駅から所要時間約30分の特急バスも運行している。

  4. その4

    大野へのアクセスは、北陸自動車道福井ICから国道158号を東進。一方、名古屋など中京方面からは、東海北陸自動車道白鳥ICから国道158号を西進するルートもある。鉄道はJR越美北線の利用がおすすめだ。

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