坪川家住宅(千古の家)
茅葺き屋根の造形が圧巻。豪族の生活を今に伝える県内最古の民家
屋内も見学可能。無骨な柱に歴史を感じる
北陸自動車道丸岡ICから県道110号線、国道364号線を経由して車で約20分、坂井市の東部に広がる山間地にひっそりとたたずんでいるのが国指定重要文化財「千古の家(坪川家住宅)」だ。駐車場に車を止め、門をくぐると、左手に昔話に出てきそうな古民家が目に飛び込んでくる。厚さ30cmはあろうかという重厚感たっぷりの茅葺き屋根が印象的だ。美しいだけでなく、来訪者を見下ろすようにせり出す大きく分厚い破風(はふ)が迫力に満ちている。屋内の見学も可能だ。広々とした土間や板の間だけでなく、畳が敷かれた部屋が3つもあるのは格式の高さの現れだ。手斧で削られた柱や梁は無骨そのもので、柱の上部が2つに枝分かれした股柱(またばしら)が3本も使われていることも特徴の1つである。
山田宗徧が手がけた庭園は国登録記念物
千古の家の主である坪川家の始祖・坪川貞純は、平安時代末期の武将である源頼政(みなもとのよりまさ)の子孫と伝えられる。貞純はもともと、院御所(いんのごしょ)に詰める北面の武士だったが、およそ700年前にこの地に移り住み、以降、坪川家は集落を取り仕切る長を代々務めてきた。史料がないため千古の家の建築年代ははっきりしないが、構造や建築手法から中世末期から江戸時代初期に建てられたと考えられている。福井県内では最古の民家だ。建物の正面右手にある庭園は江戸時代中期に、茶人で宗徧(そうへん)流を開いた山田宗徧の手によるもので、国登録記念物となっている。池泉(ちせん)回遊式庭園だが庭に立ち入ることはできないので、建物の脇や屋内から石組みや植栽を鑑賞しよう。
約1万5000株のハナショウブが咲き競う
家屋を見学後は別棟の資料館も見学したい。日本刀や屏風、家紋が描かれた笠、古文書など、伝来の貴重な品々が展示され、坪川家が歩んできた長い歴史を感じることができる。また、千古の家ではカフェも営んでおり、予約しておけば、地元産のそばを使った手打ちの十割そばやそばがきをはじめ、山菜料理、ぜんざい、コーヒー、抹茶などを板の間の囲炉裏端で味わえる。ランチを兼ねて見学するのもおすすめだ。千古の家の隣接地はかつて農地として使われていた場所だが、現在は「花菖蒲園」が整備されている。見頃は例年6月下旬で、約1万5000株が紫やピンクの花を咲き競う様子は壮観だ。
スポット詳細
- 住所
- 福井県坂井市丸岡町上竹田30-11 地図
- エリア
- あわら・坂井エリア
- 電話番号
- 0776672111
- 時間
- 9:00-17:00
- 料金
-
[大人]500円
[小・中学生]300円 - 駐車場
-
あり
[普通車]27台
[大型車]3台
情報提供: ナビタイムジャパン