三國湊きたまえ通り
レトロな町家が並び、観光スポットが集中する三国湊の中心地
北前船寄港地の栄華を感じられる街筋
えちぜん鉄道三国駅から九頭竜川が流れる南方向へ、なだらかな坂を300mほど下っていくと、三国湊きたまえ通りに着く。江戸時代から明治時代にかけて、北前船の拠点として隆盛を極めた三国湊の中心だった場所だ。道路の両側に並ぶ格子戸の町家をよく見ると、切妻屋根の妻入りの前面に平入りの小屋根を結合した珍しい造りであることがわかる。「かぐら建て」と呼ばれる三国独特の建築方法だ。かつて豪商が住み、商いの場としていたそれらの建物は、現在カフェや工芸品店などに姿を変えて、多くの観光客で賑わっている。江戸時代の商人の暮らしぶりを見学できる旧岸名家、大正時代に建てられた洋風建築の旧森田銀行本店なども見逃せない。
紅殻(べんがら)格子の古民家は、三国湊の散策拠点
通りの中ほどにある、ひときわ目立つ紅殻格子の建物は、観光案内所の三国湊町家館だ。柱と白い塗り壁のコントラストが美しい館内には、この地域の魅力や個性を紹介するさまざまな展示物が並んでいる。たとえば、郷土工芸品の三国提灯や三国箪笥(たんす)、「引き札」という古い商店の広告チラシ、北陸三大祭のひとつに数えられる三国祭に関連する資料などだ。周辺観光地のパンフレットや地図なども置かれているので、散策前に立ち寄るといい。トイレもあり、休憩所としての利用もOKだ。
三国湊の魅力が詰まったコンパクトな資料館
「三国湊の歴史や文化をもっと知りたい」。そんな人にぜひ訪れてほしいのが、三国湊きたまえ通りにあるマチノクラだ。住民主導のまちづくりプロジェクトによって生まれた資料館で、木材店の空き倉庫だった建物を改築し、2016年(平成28)にオープンした。1階には北前船の歴史や豪商の暮らしぶりを伝えるパネルのほか、歌川広重が描いた三国湊の浮世絵など、絵画作品を展示している。2階には三好達治、高見順、高浜虚子といった地域ゆかりの文人について学べるコーナーや、女優の竹下景子さん主演の三国湊紹介ムービーを上映するスペースがある。
スポット詳細
情報提供: ナビタイムジャパン