熊本

八代・宇城・上益城

YATSUSHIRO / UKI / KAMIMASHIKI

世界遺産の港や城下町が魅力。お酒好きにはうれしいビール工場も

九州のほぼ中央に位置する八代(やつしろ)市、宇城(うき)市、上益城(かみましき)郡。このエリアには「八代の城下町」や「松合土蔵白壁群」などの情緒あふれるスポットや「サントリー九州熊本工場」などの多彩な見どころがある。はずせないのが世界文化遺産の「三角西港」だ。1887年(明治20)に開港した港で、石積埠頭など当時の施設がほぼそのままの姿で残っている。港では、小泉八雲も訪れ、現在はカフェ・資料館となっている「浦島屋」にぜひ足を運んでみよう。また、八代市の「八代城跡」とそのすぐ近くにある旧八代城主・松井家の茶屋跡「松浜軒」も訪れたい。松浜軒の資料館には、宮本武蔵ゆかりの品も展示されている。お酒好きには「サントリー九州熊本工場」もおすすめだ。ビールの製造工程を見学したあとには試飲もできる。工場内のファクトリーショップではここでしか買えないグッズが販売されている。

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エリアの見どころ

  • spot 01
    八代城跡
    八代市の中心にあり、美しい石垣と堀が残る歴史公園
    熊本城とともに一国二城体制で熊本藩を支えた八代城。その城跡には、今も天守台・本丸跡の石垣や堀などが残っており、本丸跡には南北朝時代の皇子を祀った神社もある。桜の名所やお堀舟巡りでも知られる公園だ。
    幅広い掘に囲まれた城跡。天気の良い休日には「お堀舟巡り」の観光客で賑わう
  • spot 02
    水島と龍神社
    万葉集や枕草子の題材にもなった景行天皇の巡幸伝説にまつわる由緒ある小島
    球磨川(くまがわ)の河口にある水島は長い歴史をもち、不知火(しらぬい)と呼ばれる自然現象とともに国の名勝に指定されている。また、そのすぐ隣には龍神を祀る小さな社がある。
    東西約93m、南北約37mの水島
  • spot 03
    サントリー九州熊本工場
    阿蘇の天然水にこだわったビール工場を見学
    熊本市街から南東方面へ車を走らせて約40分。周囲は急に緑が色濃い郊外の風景に変わり、山並みも見えてきて阿蘇に近いことが感じられてくる。その大自然のなかに、タンクの立ち並ぶ広大な工場が忽然と姿を現した。
    サントリー九州熊本工場は、ビール類に加え清涼飲料を生産する業界初の本格的ハイブリッド工場として稼働している
  • spot 04
    浮島神社
    湧水池の水面に浮かんでいるかのような神社へ
    熊本市の郊外、水の郷とも呼ばれる嘉島町の湧水池のほとりに立つ浮島神社。水面に浮いているように見えることから「浮島さん」の愛称で親しまれている。水と緑に囲まれたこの神社は、池の対岸からの眺めが映える。
    池の上にぷかりと浮いているかのような浮島神社
  • spot 05
    日奈久温泉
    のんびりとした空気が流れる開湯600年の温泉街
    日奈久(ひなぐ)港に面した日奈久温泉の町並みは、こぢんまりとしていて、ゆったりとした雰囲気が漂っているように感じる。その歴史は600年以上の昔にさかのぼるが、まるで当時から時間の流れが変わっていないかのようだ。
    温泉神社から眺めた日奈久温泉の町並み
  • spot 06
    金波楼
    築100年以上の木造三層楼の宿の歴史に心奪われて
    全面ガラス張りの内湯からは、庭のまぶしい緑を眺められる。その庭園のなかに隠れるようにして露天風呂もあり、手入れの行き届いた木々の姿をゆったり眺めながら、開湯600年以上の歴史を誇る日奈久温泉を満喫することができる。立ち寄り湯は500円(平日15:30-21:00、土・日曜、祝日12:00-21:00。いずれも最終受付は20:00)。金波楼(きんぱろう)の見どころは建物そのものにある。1910年(明治43)、木造3階建ての旅館として開業し、沈む夕陽に輝く八代海の金色の波が眺望できたことに名称は由来するとされる。風呂場への廊下や階段、そして外観には、時間が止まったかのような印象を受けるに違いない。しばらく鑑賞したくなるような魅力が全体の情景や細部に宿っている。2009年(平成21)には、国の登録有形文化財(建築物)として登録された。熊本県内の宿泊施設では初めての受賞だ。玄関の天井にはツバメが巣をつくっていた。現在3代目のご主人は、毎年、巣立つまで見守っているという。
    目の前に広がる庭園を眺めながら温泉を楽しめる
  • spot 07
    桑原竹細工店
    日奈久に1軒のみとなった伝統工芸の竹細工
    「竹細工だけではなく、この『板角力(いたずもう)』も作っているんですよ」。桑原哲次郎さんは、手を止めることなく、そう話す。手元では赤と青のまわしが描かれた、かわいらしいお相撲さんがひもで結わえられていく。江戸時代に活躍した肥後最強の力士、嶋ヶ崎宇太郎(しまがさきうたろう)がモデルだという。宇太郎は、満を持して江戸へと向かったが、その強さのため、毒を盛られて暗殺されたという。本来は竹細工を主に扱っている同店。創業は1902年(明治35)で、桑原さんは3代目となる。日奈久は、孟宗の竹林が多いため、明治から竹細工が特産となった。1925年(大正14)には竹細工店が39、従業者が81人を数えたという(『熊本県大百科事典』)。だが、現在は桑原竹細工店1軒のみとなった。「跡を継ぐ者はいないねぇ」と桑原さん。ご自身はかつて実業団のバレーボール選手として活躍し、29歳から父の跡を継いでこの世界に入った。竹細工はザルやかばんなど繊細な作品が多い。日奈久の伝統工芸である竹細工は、これからもまだまだ続いてほしいものだと、作品を手にしつつ思った。
    竹細工商品は奥様が経営するラーメン店「桑庵」に置かれている
  • spot 08
    永尾劔神社
    毎年夏、神秘的な不知火の情景を眺められる神社
    熊本市の南、天草の島々へ突き出たような宇土半島。その南側、八代海(やつしろかい)に面した小さな山の上に永尾劔神社(えいのおつるぎじんじゃ)は鎮座している。毎年旧暦8月1日頃、この海では不知火と呼ばれる不思議な現象が見られる。
    海の向こうに見えるのは八代の山並み
  • spot 09
    三角西港
    明治三大築港のうち、当時の姿をほぼそのまま残す唯一の港
    宇土半島の最西端、三角ノ瀬戸と呼ばれる海峡に三角西港(みすみにしこう)は面している。対岸には天草諸島の入り口、上天草市の大矢野島が間近に見える。風光明媚な港町には、明治期の時を記憶した景色が残されていた。
    明治時代に築かれた石積み埠頭ほか、多くの建造物が当時の姿のまま残されている
  • spot 10
    西港明治館
    三角西港の海を眺めながらかつての土蔵造りの倉庫でひと休み
    三角西港の石造りの埠頭沿いに、ひときわ目立つ真っ白な建物がある。遠目にも昔の土蔵だったとわかるこの建物は、旧三角海運倉庫。三角西港が繁栄していた頃には、埠頭に面して数多くの倉庫が並んでいたという。旧三角海運倉庫は1887年(明治20)に建てられた。この規模の建物が立ち並んでいた明治、大正の時代は、いまや想像してみるしかない。当時の栄華をしのばせるこの倉庫は、現在レストラン「西港明治館(にしこうめいじかん)」となっている。店内は天井が高く、ゆったりとした広さ。木造りのテラス席が埠頭側にあり、三角西港の海を眺めながらくつろぐことができる。熊本県産黒毛和牛を100%使用した「三角バーガー」はシングル(980円)、ダブル(1180円)、トリプル(1380円)があり同店の人気メニューとなっている(いずれもドリンク付)。ほかにも、「ホットドッグ」(980円)、「ローストビーフバーガー」(1180円)などや、「カレー」(1080円)や「カツカレー」(1280円)などのメニュー、ケーキ類、ドリンクもそろっている(季節によりメニューの変動あり)。世界遺産を巡ったあとは、西港明治館でゆっくりとひとときを過ごしたい。
    三角西港の景色には変化があり、眺めていて飽きない
  • spot 11
    芋屋長兵衛
    自社栽培のさつまいもを使った伝統的で素朴な味わい
    熊本名物「いきなり団子」の名前の由来は、熊本方言で「いきなり」が「簡単」「手軽」を意味することから、いきなり(突然)客が来てもすぐ出せるため、など諸説あるが、「簡単に作れる団子」ということは間違いないようだ。「いきなり団子」を販売する店は熊本に100軒ほどあるともされるが、「芋屋長兵衛」は原料のさつまいもから自社栽培にこだわる店として知られる。同店で用意している「いきなり団子」は、「プレーン」「よもぎ」「桜」「紫芋」「黒糖」の5種類(各120円)。定番人気のプレーンをいただくと、さつまいもがやわらかく、しっとりとしているだけではなく、それを包んでいる小麦粉ベースの生地が冷めても、もちもちなのに驚く。さつまいもと生地の間には餡が入っているが、全体的に甘さは控えめで、素朴な味わいだ。店舗は阿蘇くまもと空港に近い場所にあり、周囲はさつまいもの畑が囲む。決して街なかから便利な場所とはいえないものの、加工場が店舗に隣接していて、つねにおいしい「いきなり団子」を提供できるようにしている。そのことがわかっているファンは距離を苦にすることなく足を運んでくる。
    熊本方言では「いきなり団子(だご)」と呼ばれることも
  • spot 12
    イナダ有限会社
    スーパーフードとして大注目! 畳の原料いぐさを食べる
    熊本県の八代は、いぐさの生産高全国1位で知られる。畳の原料であるいぐさは、実は食物繊維が豊富でビタミンやミネラルなどの栄養素にも恵まれた健康食材。多彩な製品が販売されている。
    ネーミングにインパクトがある「たたみアイス」
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旅のヒント

  1. その1

    三角西港では有料でガイドも申し込める。歴史的な背景などに関する案内をガイドから受けながら散策すれば、より深く三角西港を理解できる。

  2. その2

    八代城跡は桜の名所で、春には約200本のソメイヨシノが咲き誇る。桜の季節に訪れたら、天守跡からの眺めを楽しんでみよう。

  3. その3

    「松合土蔵白壁群」は宇城市の古くからの港町・松合地区にある、白壁の土蔵の街並み。タイムスリップしたかのような情緒あふれるスポットだ。三角西港から不知火海沿いに約30分の位置にある。

  4. その4

    サントリー九州熊本工場で工場見学をするには予約が必要。インターネットまたは電話で予約をしよう。当日でも事前に電話での問い合わせが必須。

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