石川
小立野周辺
AROUND KODATSUNO
前田家ゆかりの古刹が集まるまちと、湯の香漂う金沢の奥座敷へ
金沢市中心部の金沢城から東南に延びるように小立野台地があり、起伏に富んだ地形の各所に加賀藩主前田家と関わりの深い寺院や神社が点在している。藩政時代、金沢城を守る出城としての役割もあったという。小立野エリア内には坂道が数多く、寺社巡りの道すがら、黒瓦の家並みを高所から見渡すことができる。金沢ならではの景観を楽しんでみよう。また、小立野地区のさらに山側、金沢市東南部の山あいに、「金沢の奥座敷」とも呼ばれる静かな湯のまち「湯涌温泉」があり、こちらにも足を延ばしてみるといい。加賀藩治世の時代には歴代藩主の隠し湯があった場所で、湯治場とした栄え、今に続いている。総湯と呼ばれる公共浴場や足湯があるほか、日帰り入浴を実施している温泉宿もある。小山に挟まれた細長い地形の温泉街はひなびた雰囲気があり、湯上がりのまち歩きも楽しい。金沢湯涌夢二館や金沢湯涌江戸村など、温泉客を飽きさせない観光施設もそろっている。
エリアの見どころ
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SAKE SHOP 福光屋 金沢店
- 米と水だけで酒を醸す純米蔵の商品がずらり
- 兼六園の小立野口から南東側へまっすぐ延びる石引通り(県道10号線)にある「SAKE SHOP 福光屋 金沢店」は、金沢で最も歴史のある造り酒屋「福光屋」に併設され、その全ブランドを取りそろえる直営店だ。福光屋の創業は1625年(寛永2)で、酒蔵の地下150mから湧き上がる白山を源とする天然水を用いて、酒を醸す。伝統の味を守るため、酒造りの工程は今も蔵人が手作業で担うが、一方でフロンティア精神に富む酒蔵としても知られる。業界に先駆けて、酒米を生産農家と契約栽培し、「熟成」の概念のなかった日本酒に淡熟や濃熟の手法を確立。2001年(平成13)には、生産量1万石以上の酒蔵では日本で初めて、醸造アルコールをいっさい使わず米と水のみで純米酒・純米吟醸・純米大吟醸だけを造る純米蔵となっている。ちなみに、瓶の裏ラベルも福光屋が発祥だという。また近年では、日本酒造りから生まれる酒粕や麹などを活用した各種調味料や甘酒、スイーツに加え、日本酒の美肌効果を科学的に解明して生まれたコスメなど、米と発酵をベースに暮らしを豊かにする新機軸の商品を数多く生み出しており、それらも「SAKE SHOP 福光屋 金沢店」で買い求めることができる。
- スポットの詳細
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SAKE SHOP 福光屋 金沢店
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湯涌温泉総湯 白鷺の湯
- 歴代藩主が体を癒やした名湯を、気軽に堪能できる共同浴場
- 緑豊かでしっとりとした雰囲気の温泉街を奥へ進むと、左手に見えてくる瓦屋根の建物が「湯涌温泉総湯 白鷺の湯」である。総湯とは共同浴場のことで、地域住民や観光客など誰でも入浴が可能だ。ただし、洗い場にはシャンプーやボディソープなどは用意されていないので、持参するかフロントで購入しよう。男湯は大きな窓ガラスに面した浴槽があり、明るく開放感あふれる雰囲気だ。浴槽の一角には寝湯も設けられている。女湯は落ち着いた趣の内湯のほか、岩風呂がある。湯口からとうとうと流れ出るナトリウム塩化物・硫酸塩温泉は無色透明で、加賀藩の歴代藩主が湯治場として利用したり、大正時代にドイツで開かれた万国鉱泉博覧会に日本の名泉として出展されるなど、泉質は折り紙付きだ。ゆっくりと浸かれば、日頃の疲れが癒え、心身がリフレッシュするに違いない。柄杓が置かれた湯口から流れ出る温泉は飲泉が可能なので、体の中からも効能を堪能してみよう。
- スポットの詳細
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湯涌温泉総湯 白鷺の湯
人気スポット
旅のヒント
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その1
小立野の散策では、北陸鉄道バス「出羽町」バス停を起点・終点にするといい。主要スポットを1時間半前後で巡ることができる(見学時間は除く)。
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その2
車で小立野周辺エリアの周遊散策をする場合は、金沢市小将町にある公営の石川県兼六駐車場に車を駐車しよう。同エリアの観光ルートや兼六園、金沢城公園にもに近い。
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その3
江戸時代からの歴史を有する酒蔵や和菓子店などが点在している。散策の途中に立ち寄って、お土産購入を。
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その4
金沢駅から湯涌温泉に公共バスで行く場合は、同駅東口バスターミナル6番乗場から出る湯涌温泉行きの利用を。所要約55分。ちなみにタクシーだと約30分で到着する。
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その5
湯涌温泉はテレビアニメ「花咲くいろは」の舞台として登場する温泉地のモデルとなっており、同作品にちなんだ「湯涌ぼんぼり祭り」が毎年10月に開催されている。