北海道立北方民族博物館
展示の分類がユニーク! 日本で唯一、北方民族に特化した博物館
グリーンランドからスカンディナビアまで
日本唯一の「北方」を専門とした「北海道立北方民族博物館」は、アイヌ民族はもちろん、東はグリーンランドのエスキモーから、西はスカンディナビアのサミまで、北方民族の貴重な資料約900点を展示している。北方圏の文化には「寒冷地で暮らす人々ならではの共通性がある」という考えから、民族別でなく衣食住別に展示しているのが特徴的。常設展の入り口には博物館のシンボルでもあるアラスカエスキモーの仮面が掲げられ、北方地域をイメージした音と光の演出「北のファンタジー」が迎えてくれる。ここをくぐり抜けると、北方の世界が広がっている。最初は衣食住の「衣」のコーナーだ。
最初の展示エリアには、北方民族の伝統衣装がズラリと並んでいる
防寒を軸に、民族の特徴が顕著に見える
北方での暮らしで最も大事なのは「防寒」。毛皮の利用は定番だが、なかには海獣の腸や魚の皮、木の内皮を割いて作った衣服もある。民族のアイデンティティや、極寒のなかでの暮らしの様子が、衣服を通して伝わってくる。「衣」のコーナーの次は「食」のコーナーへ。植物が育たない寒い地域では、食材を乾燥させたり、燻製にするなどして長期保存をする技術が発達した。食べ物そのものは動画での紹介となり、調理器具や食器が並ぶ。こういった道具は木を加工するだけでなく、動物の角や牙も用いられているのが北方の特徴だ。
海獣の腸を加工した衣服の「腸製衣」。防水性に優れ、海獣狩猟を行う民族が着用していた
チーズやバターに加工する道具類。右に見える箱「クッキングボックス」は、蒸気やお湯で1枚の木を曲げて作られたもの
「人類の優れた叡智・創造性・チャレンジ精神を見出す」
「住」のコーナーには、大きな竪穴式住居が展示されている。アラスカの最北に住むエスキモーの伝統的な冬の住居を復元したものだ。衣服同様に、住居も防寒が大事。大きな木が育たない寒い地域では、流木やクジラの骨などが住居の骨組みに使われている。また、館内にはオホーツク文化のコーナーもある。2021年(令和3)に北海道・北東北の縄文遺跡群が世界文化遺産に登録されたが、北海道は、弥生時代以降の歴史の歩みが本州とは異なる。本州では、稲作の始まりとともに弥生文化が始まるが、米の育たなかった北海道はこの時期も狩猟や漁労を中心としていた続縄文(ぞくじょうもん)時代と呼ばれている。その後、擦文(さつもん)文化となるが、オホーツク沿岸はオホーツク文化期と呼ばれる文化も栄えた。ちなみに網走市では、この時代を代表する遺跡・モヨロ貝塚も発掘されている。
北方民族の冬の住居。半地下式で、寒さがしのげるような工夫がされている
ここでしか買えないお土産や限定メニューも
順路後半にある精神世界を取り上げるコーナーでは、大きなトーテムポールを中心に、宗教儀式で使う小道具などが並ぶ。その細やかな装飾には目を奪われるだろう。館の目玉展示のひとつ「マジックビジョン」は、模型と映像を組み合わせたもの。18世紀のグリーンランドの一年の暮らしが紹介され、来館者からは「見ごたえがある」と高評価だ。人類がアフリカを起源として進化してきた長い歩みから見れば、北方地域に足を踏み入れたのは、相対的にまだ最近のこと。北方民族についての知見を広げるために、足を運んでみてはいかがだろうか。
スポット詳細
- 住所
- 北海道網走市字潮見309-1 天都山・道立オホーツク公園内
- エリア
- 網走・紋別エリア
- 電話番号
- 0152453888
- 時間
-
[10-6月]9:30-16:30
[7-9月]9:00-17:00 - 休業日
- 月(祝日の場合は翌平日)、[2月・7-9月]無休、年末年始
- 料金
-
【常設展示観覧料】
[一般]550円
[高校・大学生]200円
[小・中学生・65歳以上]無料 - 駐車場
- あり(100台)
- クレジットカード
- 不可
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 不可
- Wi-Fi
- あり
- 喫煙
- 不可
- 滞在目安時間
- 30-60分
- 車椅子での入店
- 可
- 乳幼児の入店
- 可
情報提供: ナビタイムジャパン
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クチコミ
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- 南方
- 第35回特別展「北で生きるよすがー北方民族の世界観」を見に行きました。観覧料は常設展・特別展セットで800円。JAF会員割引は常設展のみ。コロナ対策で検温や氏名・電話番号を記帳させられます。写真撮影可と太っ腹。北太平洋民族の風俗が良く分かります。北方民族には北の番外地ではなく、南のターミナル的存在の網走。トイレの温水洗浄便座も勢い良く水圧が溢れ心地よいです。
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- 極寒を生きる知恵
- 寒い地域に住む昔の人たちの生活に関するものが展示されていました。入口のバーコードを読み込めば、自分のスマホで展示物の解説を聞くことができます。ただ、展示物だけで体験するものはなく、物足りなさを感じました。
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- 北方民族についてしる入口として
- 日本人にはなじみの薄い北方に暮らす人たちの昔の暮らしをテーマにした博物館です。新しい施設で展示品だけでなくコンピューターでいろいろ説明してくれる機械もありました。 行った時には自由にアイヌの服などを着れるコーナーもありそこも楽しめました。
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