北のカナリアパーク

カフェの屋外テラス席からは、赤い屋根が特徴的な昔懐かしい木造校舎と利尻富士を遠望できる /写真提供:礼文町

絶景を楽しめる礼文島の観光名所

「北のカナリアパーク」は、2012年(平成24)公開の映画『北のカナリアたち』のロケセットを再活用した施設で、2013年(平成25)7月にオープン。映画に登場した木造校舎の内部を見学できるほか、敷地内にあるカフェで景色を眺めながらソフトクリームなどを楽しめる。天気がよく空気が澄んだ日は、海の向こうに利尻島の利尻富士(利尻山)の姿が。観光パンフレットなどにもよく使用される景色のため、訪れた人の多くがカメラを向けている。北のカナリアパークへのアクセスは、礼文島の入り口となる香深(かふか)フェリーターミナルから車で5分程度。路線バスを利用して近隣のバス停から歩いて行くこともできるが、便数が少ないので運行時間には注意が必要だ。また、礼文島観光で人気のフラワートレッキングコースの起点・終点となる知床地区にも近いため、トレッキング前後のトイレ休憩やカフェタイムに利用するのもおすすめ。午前中や昼間は見学客とともにトレッキング客も多数訪れている。

海を背景にぽつんとたたずむ校舎。周囲の緑に赤い屋根がよく映える

天気がいいとこのような美しい景色が楽しめる。左がカフェとテラス席、右が木造校舎 /写真提供:礼文町

木造校舎のたたずまいとロケーションが最高

木造校舎は昔からここにあった建物ではなく、映画の撮影のため新たに造られたもの。校舎は利尻富士を見渡す丘の上の草原に建てられるはずだったが、映画の計画時に映画関係者がこの地に木造校舎のロケセットを造ることを希望したという。礼文町の協力のもと、ロケのためだけの仮施設ではなく、撮影後も恒久的に観光施設として使用できるよう建築された。映画内では、ストーリーの核となる「麗端(れいたん)小学校岬分校」として登場。木造校舎のたたずまいや周辺の雰囲気、校舎前の遊具や花壇、少し先に見える小さな灯台、海に浮かぶ利尻富士など、ここからの景色はとても絵になる。きっとカメラが手放せないことだろう。校舎内は、映画で使用された備品や衣装などとともに、ロケ中の写真や撮影秘話などが展示されている。映画のために用意された小道具のほか、実際に近隣の小学校で使用されていた備品もあるので、礼文で暮らす小学生たちの学校生活も垣間見ることができる。

木造校舎の玄関を開けると映画の登場人物のパネルがお出迎え

実際に使われていた備品もあるため、廊下はまるで本物の小学校のようにリアル

絶景カフェで味わいたいオリジナルコーヒーとソフトクリーム

北のカナリアパークには、映画に登場した木造校舎のほか、トイレと休息スペースのある管理棟、コーヒーなどを提供するカフェがある。カフェに配された大きな窓からは、木造校舎や利尻富士が見え、これぞまさに「絶景カフェ」。ホットコーヒーは北海道の老舗「珈琲焙煎工房 美鈴」が同店のために作ったオリジナルブレンドで、ここでしか飲めない味。ソフトクリームは道北の豊富(とよとみ)牛乳を使っており、さっぱりとしながらミルキーな味わいが好評だ。おすすめメニューは「カナリア最中」500円。十勝産あずきで作ったあんこと白玉を、ソフトクリームとともにカフェのロゴ入り最中でサンドしたもの。数量限定で、繁忙期は売切れや販売停止の場合もあるとか。ちなみに北のカナリアパークは5月1日から10月31日までの期間限定スポットで、カフェは9月30日までの営業となる。夏の礼文島観光の際は、ぜひ訪れてみよう。

カフェ店内からの眺望もすばらしく、ここに座っていつまでも外を眺めていたくなる

人気のカナリア最中(左)とオリジナルブレンドのコーヒー500円