青砂ヶ浦天主堂
上五島の海を見下ろすように立つ、赤レンガ造りの教会
潜伏キリシタンの信仰のあかしである教会堂
キリスト教が禁じられていた江戸時代、五島列島には長崎の外海(そとめ)地区から多くのキリシタンが移住してきた。そして259年ぶりに禁教が解かれた1873年(明治6)以降、迫害を乗り越えて信仰を守り抜いてきた潜伏キリシタンたちの多くはカトリックに復帰し、信仰のよりどころである教会を建設した。そのひとつが、中通島の新上五島町(しんかみごとうちょう)にある青砂ヶ浦天主堂だ。1878年(明治11)頃は小さな集会所にすぎなかったが、1910年(明治43)に初代から数えて3代目にあたる現在の教会堂を建立。当時の大崎神父が外国から原書を取り寄せて指導にあたり、設計・施工は「教会建築の父」と呼ばれる鉄川与助が担当した。
赤レンガ造りの外観と美しいステンドグラス
青砂ヶ浦天主堂は、中通島の上五島地区、奈摩湾の美しい海を見下ろす高台に静かに立っている。赤レンガの外観と入り口脇に植えられた木の緑、白いマリア像とのコントラストが印象的だ。重層屋根構造の断面をそのまま現す正面は、レンガによる帯状装飾によって三分割され、円形のバラ窓と縦長のアーチ窓がアクセントを与えている。石造りアーチをもつ正面入り口から、堂内へ入ってみよう。内部は三廊式で、主廊部・側廊部ともに漆喰仕上げのリブ・ヴォールト(コウモリ)天井になっており、アーチはすべて先が尖ったポインテッドアーチで造られている。またステンドグラスが美しいことで知られ、西日がガラス越しに差し込む午後、堂内は色とりどりの幻想的な光に包まれる。
教会建築の父・鉄川与助が手がけた教会を巡る
新上五島町には、世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産「頭ヶ島(かしらがしま)の集落」内にある頭ヶ島天主堂をはじめ、29もの教会が点在する。なお、青砂ヶ浦天主堂は世界文化遺産の構成資産には入らないが、「世界遺産の構成資産と一体的に保存・継承していく資産」となっている。青砂ヶ浦天主堂と同じ上五島地区には、大曽(おおそ)教会や冷水(ひやみず)教会があるので、こちらもぜひ訪れてみたい。いずれも地元出身の鉄川与助が手がけた教会で、なかでも冷水教会は鉄川が棟梁として初めて設計・施工した教会として知られる。家業の大工の修業中にフランス人宣教師ペリュー神父と出会った鉄川は、五島列島をはじめ長崎県を中心に数多くのカトリック教会を建設し、日本近代建築史に輝かしい功績を残した。
スポット詳細
- 住所
- 長崎県南松浦郡新上五島町奈摩郷1241 地図
- エリア
- 五島列島エリア
- 電話番号
- 0959528011
- 時間
- 9:00-17:00
- 休業日
- 月-木
- 料金
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[入場料]無料
※献金箱にご寄付をお願いします。 - 駐車場
- あり(約12台)
情報提供: ナビタイムジャパン
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クチコミ
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- 奇麗なレンガ造りの天主堂です。
- 赤いレンガでできた天主堂です。五島で多くの教会を建てられた鉄川与助さんによる竣工です。このレンガを運んだのは女性とのことで、大変だったと思います。形の整った天主堂だと感じました。レンガの色と上に設置されている十字架の調和がとれているように感じます。この日は12時の鐘と、12時3分の鐘の音を聞けました。
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- 外観しか見られませんでしたが立派でした
- 緊急事態宣言は解除されましたが、内覧は制限して金土日だけで、残念ながら中を見ることはできませんでした。外観は素晴らしかったです。
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- レンガ造りの立派な教会
- 青砂ヶ浦にいつごろからキリシタンが住んだか不明だが、1878年頃には初代教会があったという。1899年から青砂ヶ浦が上五島の中心の教会となった。1910年建立の現教会は、鉄川与助設計施工によるもので、信徒が総出でレンガを運びあげた3代目の教会となり、2001年に国指定重要文化財、2010年に献堂100周年を迎えたとありました。
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