草創1300年記念!京都の西国三十三所5ヶ寺を巡る1泊2日旅


2018.06.26

トラベルjp 旅行ガイド

日本でもっとも歴史のある巡礼である西国三十三所巡礼。2018年は草創1300年を迎える記念すべき年。近畿と岐阜に点在する33の札所のうち、5つのお寺が集中する京都の市街地。札所を結んで巡れば、自然と効率的に京都観光ができちゃいます。
お寺を巡って御朱印を受け、観音さんの慈悲の心にふれる旅。プランとしては大急ぎで巡れば1日でも可能ですが、余裕をもって1泊2日の日程でゆったり巡ってみませんか?
第十五番札所、今熊野観音寺(いまくまのかんのんじ)
西国三十三所巡礼の原型が誕生したのは養老2(718)年。奈良の長谷寺の徳道上人(とくどうしょうにん)が病に倒れ、仮死状態の中で冥途の閻魔大王に出会い「現世に戻って観音菩薩の慈悲にすがり人々を救え」とお告げを受けたことに端を発します。
「観音菩薩は33の姿に身を変えて人々を救う」という教えを元に、33の寺を結ぶ「西国三十三所」が生まれました。
2018年は草創1300年にあたる節目の年。いまこそ観音菩薩の慈悲の心を求めて、巡礼の旅に出かけましょう。というと「33も札所があるとちょっと大変」という意見がありそうですね。そこで今回は京都市街地に集中する5つの札所を巡るプランを提案します。
京都市街地に集中する5つの札所のうち、最初に紹介するのが第十五番札所。東山にあって、皇室とゆかりが深い泉涌寺。その泉涌寺山内にある今熊野観音寺(いまくまのかんのんじ)です。
今熊野観音寺は弘法大師空海によって開山、御本尊は十一面観世音菩薩。お寺には後白河法皇の持病であった頭痛を取り除いた霊験記が伝わり「頭の観音さん」とも呼ばれています。
今熊野観音寺は、初春の梅、春の桜、秋の紅葉など四季の花々が美しいお寺。最寄り駅の東福寺駅は京阪電車とJRが交差。駅を降りて徒歩15分ほどの境内は幽遠な雰囲気。ぜひゆったりと訪れたいお寺です。
なお西国三十三所巡礼では、草創1300年の記念事業を開催。それぞれのお寺の寺院名と解説、御本尊や御詠歌が印刷された特別な御朱印帳を用意。さらに各寺院のオリジナルデザインの特別印の授与が行われます。事業終了日までの限定御朱印となっています。
また西国三十三所巡礼では、特別な御朱印と御朱印帳だけでなく、より身近に観音さまに出会う巡礼を行くきっかけ作りとして、お寺にちなんだスイーツを食べて札所を巡るスイーツ巡礼も企画。
今熊野観音寺からは、泉涌寺門前の青山豆十本舗で販売されている東山五色豆が選ばれています。砂糖に包まれた五色のカラフルな豆は、昔懐かしい素朴な味となっています。
第十六番札所、清水寺
西国三十三所巡礼で次の札所となるのが第十六番札所の清水寺(きよみずでら)。清水の舞台で有名な清水寺も、西国三十三所巡礼の札所に含まれています。
清水寺の開基は坂上田村麻呂によって招かれた延鎮上人、清水寺の御本尊は十一面千手千眼観世音菩薩。境内には清水の舞台以外にも、音羽の瀧(おとわのたき)や随求堂(ずいぐどう)など見るべき場所がいっぱい。
1日目の旅程は十五番札所の今熊野観音寺とあわせて、ゆっくりという感じがオススメ。2日目に3つの札所を訪れましょう。
清水寺の御朱印はこちら。中央に大きく書かれているのは、大悲閣の文字。
大悲は観音様の慈悲の心を示し、閣は建物という意味。観音さまの慈悲に触れられるお寺という意味を示しています。
清水寺のスイーツ巡礼は、清水寺からは音羽の滝のすぐ脇、境内の茶店「滝の家」お抹茶付き音羽おはぎなどが選ばれています。
第十七番札所、六波羅蜜寺
1泊2日のプランで西国三十三所巡礼、5ヶ寺を巡る旅。二日目のスタートにオススメとなるのが、第十七番札所の六波羅蜜寺。
空也上人の口から唱えられた南無阿弥陀仏の6字が6体の阿弥陀仏となっている、木造空也上人立像が有名なお寺です。
開基は空也上人で御本尊は十一面観世音菩薩。宝物館には先ほど紹介した空也上人立像に加え、教科書でお馴染みの平清盛坐像などを所蔵。ほかにも多くの名宝が収められているのでお見逃しなく。
六波羅蜜寺のスイーツ巡礼は、お寺の近く、みなとや幽霊子育飴本舗の幽霊子育飴。幽霊となった母親が子供を育てる昔ばなしにも登場するお店は、なんと500年以上の歴史があり、日本でもっとも古い飴屋さんとしても有名。
琥珀のようにキラキラと美しい飴の原材料は麦芽糖で、素朴ながら後引く味となっています。
第十八番札所、六角堂 頂法寺
西国三十三所巡礼の5ヶ寺を効率的に巡る旅。次のお寺は第十八番札所の頂法寺。別名である六角堂が有名なお寺です。
開基は聖徳太子、御本尊は如意輪観世音菩薩。聖徳太子が大阪に四天王寺を建立する際、護持仏だった如意輪観世音菩薩から「この地にとどまって衆生を救いたい」と夢で告げられ、六角形のお堂を建てたのが始まりです。
京都に遷都される前に創建された六角堂。浄土真宗を起こした親鸞が民衆を救う方法を求め、慈悲の象徴である観音さまを慕って、お堂に籠って修行したお寺でもあります。
また六角堂は、ひろく庶民から信仰を集め下京の町堂と呼ばれ、下京の地域のつながりの象徴的な存在となりました。飢饉の際には炊き出しが行われ、京都の中心という認識が広まり、境内にはそれを象徴するへそ石があります。
さらに六角堂といえば、いけばな発祥の地として有名。開祖の聖徳太子が沐浴した池があったことから、池坊を代々名乗っていた住職。室町時代の初代専好によって、多様な植物で自然の風景を表現する立花の様式が誕生し、豊臣秀吉によって認められ現在の華道の元となりました。
御朱印の特別印にも、いけばな発祥の文字が見られます。
六角堂のスイーツ巡礼は境内のお茶所で提供されている、へそ石餅がオススメ。へそ石をかたどって、きな粉をまぶした小豆入りの六角形の求肥が抹茶と一緒にいただけます。
また、お土産として、10個入りも六角堂だけで限定販売されています。
第十九番札所、革堂 行願寺
1泊2日のプランで西国三十三所巡礼、5ヶ寺を巡る旅。最後のお寺となるのが、第十九番札所の行願寺。頂法寺が六角堂と呼ばたことと同様に、行願寺は革堂(こうどう)とも呼ばれています。開基は行円上人、御本尊は千手観世音菩薩。
革のお堂と書いて革堂というユニークな名前は、仏門に入る前は猟師であった開基の行円に由来。狩猟のなかで射止めた、母鹿から生まれた子鹿を見て殺生を後悔。
親鹿の革に経文を書いた衣を常に身に着け修行をつづけ、行円はいつしか革聖(かわのひじり)と呼ばれるようになり、寺の名前も革堂と呼ばれるようになりました。
また革堂は六角堂と同様に庶民の信仰をひろく集め、下京の町堂と呼ばれた六角堂に対し、上京の町堂と呼ばれました。
革堂のスイーツ巡礼のオススメは、七條甘春堂の革堂煎餅。すでに紹介したエピソードの鹿がプリントされた、カワイイ麩焼き煎餅となっています。
弘法大師空海が伝え千利休も好んだと言われる歴史ある麩焼き煎餅。フワッとした食感と素朴な味わいが、懐かしさと優しいお菓子です。
こちらの革堂煎餅は土日に境内にて販売されているほか、平日は納経所にて数量限定となっていますが、販売されています。 

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更新日:2024/05/13

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京都府京都市東山区泉涌寺山内町32
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革堂 行願寺
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京都府京都市中京区寺町通竹屋町上ル行願寺門前町
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