柏原八幡宮

神社

境内に三重塔がある珍しい神社

柏原(かいばら)の市街地を散策するときには、必ず訪れておきたい神社。長い石段を上った丘の上には、戦国時代に豊臣秀吉の命により再建された社殿と全国的に見ても珍しい神社境内に立つ三重塔が並んでいる。

長い歴史を感じられる社殿。国の重要文化財に指定されている} 長い歴史を感じられる社殿。国の重要文化財に指定されている

神社にある三重塔

柏原旧市街の北、街を見下ろす木々が密集した小高い丘の上に最初の社が建てられたのは平安時代の1024年(万寿元)のこと。その後何度も戦禍に巻き込まれ、現在の社殿は豊臣秀吉の命を受けた黒井城主堀尾吉晴(ほりおよしはる)が普請奉行となって1585年(天正13)に再建したもの。昭和の解体修理の際に発見された資料によれば、現在の社殿は何度もの改造を経たあとのもので、入母屋造りの拝殿と三間社流れ造りの本殿が接続した「複合社殿」。拝殿と本殿が分かれた「権現造」の先駆けともいわれている。その歴史的価値の高さから国の重要文化財に指定されている。この社の大きな特徴は社殿の背後に三重塔があることだ。三重塔はお釈迦様の骨が納められた仏塔と考えられているので、普通は寺の境内に立っている。明治以前は神仏習合の考えから神社の境内に仏教的な要素があることはなんの問題もなかったが、明治政府が出した神仏分離令により、多くの神社で仏教の文化財が破壊される「廃仏毀釈」が行われた。ここ柏原八幡宮では、すぐ隣にある乗宝寺に神社にある仏像や経典などを移すことで、貴重な文化財を守ることができた。その際境内の三重塔は「八幡文庫」として扱うことで破壊を免れ、現在は兵庫県指定の文化財に指定されている。

長い階段を上って境内へ

篠山街道沿いにある樹齢1000年を超えるという大ケヤキは小さな川沿いにあって、その根が川をまたいで反対側に伸びている珍しい木。「木の根橋」とも呼ばれる柏原名物の大木の前に八幡宮の一の鳥居がある。鳥居をくぐると上り参道の始まり。ゆるやかな階段だがこれがなかなか大変で、階段を上りきったところに社務所があるがそこはまだ中間地点。先を見るとさらに上りの階段が続いていて、ゴールの二の鳥居まで200段近くある。ゆっくりと歩けば大丈夫だが、それなりに体力を使うので覚悟して歩き始めたい。一礼して鳥居をくぐると正面に入母屋造り、檜皮葺き屋根の立派な拝殿が鎮座する。まずは参拝して境内を散策してみる。拝殿に向かって右側の建物は絵馬を奉納する絵馬所。左側はお守りなどの授与品をいただく授与所。本殿は周りをぐるっと一周することができる。現在見られる「権現造」の神社は、拝殿と本殿の社が離れていて、その間を「石の間」と呼ばれる建物でつなぐことが多いが、ここは拝殿と本殿は別の建物になっているものの、2つの建物はくっついて、1つの大きな社殿に見える。

木の根橋のすぐ近くには丹波市観光協会の案内所もある} 木の根橋のすぐ近くには丹波市観光協会の案内所もある

ゆるやかに上っていく石畳の参道。ゆっくり上れば大丈夫} ゆるやかに上っていく石畳の参道。ゆっくり上れば大丈夫

2つの建物が合体したように見える社殿。うしろに見える赤い建物が三重塔} 2つの建物が合体したように見える社殿。うしろに見える赤い建物が三重塔

ユニークな装飾が見られる三重塔

三重塔は社殿の背後、一段高くなった場所にある。室町時代に建てられたが、本殿と同じく何度が焼失していて、現在の建物は1815年(文化12)に再建された。200年以上の歴史をもつ建物だが、外壁が鮮やかな朱色なのは1993年(平成5)に大規模な修復を行ったためだ。江戸時代の再建の中心となったのが中井権次(なかいごんじ)という彫刻家で、権次はその後柏原に居を構え、中井家では代々権次を襲名して、丹波周辺に多くの彫刻を残している。三重塔の彫刻もなかなかユニークで、屋根を持ち上げる力持ちの彫刻はちょっと漫画チック。三重塔の前には僧澄運が大阪に出向き豊臣秀吉に願いを受けた鐘楼があり、こちらも神仏分離令の際には「時の鐘」ということで破壊を免れ、三重塔同様に兵庫県指定の文化財となっている。境内と周辺にはたくさんの摂社があり、本殿に向かって左側にある厄除神社では、毎年2月17、18日に厄除大祭が行われ全国から参拝者が集まる。特に17日の深夜に行われる「青山祭壇の儀」という神事は、厄除神事としては、日本最古の型式を脈々と受け継ぐ貴重な行事だ。

正面から見る高さ26.15mの三重塔。左の建物は鐘楼} 正面から見る高さ26.15mの三重塔。左の建物は鐘楼

三重塔の屋根を支える力持ちと尾垂木に彫られた龍の彫刻} 三重塔の屋根を支える力持ちと尾垂木に彫られた龍の彫刻

三重塔の四面に飾られた鳥の彫刻} 三重塔の四面に飾られた鳥の彫刻

誰でも鐘を撞くことのできる鐘楼。3回鳴らすと難を逃れ福を授かるといわれている} 誰でも鐘を撞くことのできる鐘楼。3回鳴らすと難を逃れ福を授かるといわれている

スポット詳細

住所
兵庫県丹波市柏原町柏原3625 map map 地図
電話番号
0795720156
時間
[社務所]9:00-16:00
休業日
参拝自由
駐車場
あり(40台)
クレジットカード
不可
電子マネー/スマートフォン決済
不可
Wi-Fi
なし
コンセント口
なし
喫煙
滞在目安時間
30-60分

情報提供: ナビタイムジャパン

クチコミ

  • ちょっと珍しい神社
    5.0 投稿日 : 2019.08.01
    現地の方は「八幡さん」と言ってました。それほど親しまれている神社です。観光案内所前にクルマを置き、小高い山の上に柏原八幡宮があります。神社に登る階段の頭上にうっそうとしている木々は、日光を遮ってくれると思います。神社に着いたら小雨が降ってきたので、下りる時は階段が滑るか気になりました。神社の造りがちょっと独特です。また後ろに朱色の三重の塔があり、ユニークな神社でした。
  • セミがいっぱい
    4.0 投稿日 : 2018.09.04
    福知山線柏原駅から徒歩で10分、この町の名前をつけた代表的な神社さんです。八幡宮にはよく見られる神仏混淆の様子で、舎利塔もあります。折からの猛暑日、きっと気温も35℃という午後にうかがいました。気温はめっぽう高い、暑い暑い昼下がりですが、境内は樹木の影多くて少々いい風もありました。セミがいっぱい鳴いていました。
  • 真裏に三重塔が建つ
    3.0 投稿日 : 2018.01.22
    柏原の市街を見下ろす山の上。意外に険しい参道です。本殿は、安土桃山時代に再建されたものですが、その奥というか真裏に三重塔が建つ。それがここの最大の特徴でしょう。

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アクセス

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